僕は名もない凡人でいたい

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マロと新鋭たち

2016年12月03日 | 観劇・コンサート
数日前、届いた1枚のA4用紙は「毎日ゾリステン」への招待。
みなとみらいホールで、マロこと篠崎史紀さん(NHK交響楽団コンサートマスター)が若手の演奏家たちとトリオを組む、という豪華で新鮮なプログラムです。
わたしは以前、マロさんのDVD「パンドラの箱」を購入して、勝手に「我が師」と仰いでいたので、迷わず足を運びました。

登場した生マロ先生の御姿はテレビで見るの同じ! (ということに、思わず感激w)
すごく大きな人に見えるのに、椅子に座るとそうでもないのですね。
さて、すでに演奏の準備は整っているのか、調弦もせず、リラックスした雰囲気。
チェロの笹沼樹さん(なんと22歳!)の準備が整うのを
(慌てなくていいですよ)
と、見守りつつ、待っています。

笹沼さんは、ソロで(江口洋介みたいなワンレンのサラサラ黒髪を振り乱して)超絶技巧を披露してくれました。
若いってだけでも才能なのに、こんなすごい22歳がいるなんて!

マロさんの演奏は、終始、自宅で1人で弾いているかのようで、そのせいか、客席もほとんど冒頭からくつろいだ雰囲気です。
ヴァイオリンが、がならないのです。
ピアニッシモが美しく、ハーモニーを大切にしているのが伝わってきます。
ソロのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第2楽章のクライスラー編は、見覚えのある懐かしい風景が見えてくるようでした。

特筆すべきは、入江一雄さんのピアノ。
ひとつひとつの音の粒が生き生きして、音色が光り輝いていました。
まるで「ことり」(小川洋子著)の愛の歌のように、ピアノが歌っていて、わたしは一瞬、恋に落ちました。
入江さんは、今夏、4年間のロシア留学から帰国したばかりだそうです。
ロシア仕込みのプロコフィエフの曲を、「道路工事」とか「狂乱のミルフィーユ」とか表現されていました。
初めて聞いた曲でしたが、わたしには、「安全第一」と書かれたヘルメットをかぶったもぐらが、狂ったようにぐるぐる駆け回りながら地中へ向かって行き、地球の核にぶつかってドッカーン!! みたいに聞こえました(笑)



終演後、サインと握手をしていただきました。
わたしは、ファン活動というのはやったことがなく、ほとんど初体験。
一人で行ったので勇気がいりましたが、目と目が合うと感激なんですね!

思い切って、DVDを買って勉強していることをマロ先生に伝えると、
「パンドラの箱を開けてしまったのですね! 大変でしょう、音階練習が」
と笑い、そして
「頑張ってくださいね」
と声をかけてくださいました。

アンコール曲が、6月に自分が演奏したトリオ曲だったことも少し嬉しくて、当時一緒に演奏したともちゃんにメールして帰途へ。
帰り道のウォークマンの選曲は、もちろんラフマニノフでした。

 【曲目】
 ・モーツァルト ピアノ三重奏曲 K.502
 ・ポッパー ハンガリアン・ラプソディー(cello)
 ・プロコフィエフ トッカータ 作品11(piano)
 ・ラフマニノフ=クライスラー 祈り(Violin)
 ・アレンスキー ピアノ三重奏曲 第1番
 ・ブラームス ハンガリー舞曲第6番(アンコール)

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