らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

サレンダー

2017-02-28 | ポエム

サレンダー。

 

過去の記憶を、手放す。

 

現在の執着を、手放す。

 

未来の憂鬱も、手放す。

 

からっぽの心には、

 

自由が、やって来る。

 

愛も、飛んで来る。

 

 

 

 

詩集、『みんな「わたし」。』より

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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書評

2017-02-27 | ポエム

家に戻ったら、ふらんす堂さまから、2月20日の「京都新聞」が届いていた。

 

詩人の河津聖恵さんが、新刊評「詩歌の本棚」のなかで、わたしの『水中花』も紹介してくださっていたのだ。

 

『・・・・・日本の生活風景に異郷での記憶が透明に重なり合う。今ここが複数の時空へひらかれる自由と孤独。表題作で作者は、日本にいながら永遠に失われた日本の美しさを、水の中に見つめつづける・・・・・・』・・・・・・

 

 

 

 

何だか不思議な気持ち・・・・・・どうもありがとうございました・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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足跡

2017-02-24 | ポエム

夜、

 

雪が降り始めた。

 

朝、

 

うっすら積もった雪の上を歩くと、

 

足跡が付いた。

 

ぺたっ、ぺたっ。

 

夕方、

 

雪は雨になり、

 

足跡は消えていた。

 

けれど、道には、たくさんの見えない足跡。

 

先人たちの足跡が、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ。

 

ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ。

 

ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ。

 

ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ、ぺたっ・・・・・・

 

 

 

詩集、『水中花』より

 

 

 

 

 

 

 

 


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ストッキングの伝線

2017-02-22 | 色々な思い

朝、玄関でブーツを履こうとして、ソックスが破れていることに気付いた。

 

ブーツだから見えないし、今日は人様のおうちに行く予定もない。

 

まあ、いいかぁ、とブーツのファスナーを上げかけたが、なぜか思い直し、ソックスを履き替えて出かけた・・・・・・

 

 

昔、まだ務めていた頃。お昼休みに同僚が、ストッキングに伝線がはいっているわよ、と教えてくれた。

 

お礼を言って、今日はまっすぐおうちに帰るからこのままでいいの、と言うと、彼女はのけぞって、信じられない! と驚いた。

 

彼女にとって、伝線のはいったストッキングを平気で履いてる女は鈍感で無神経な女なのだ。

 

彼女は、ストッキングに伝線が入ると、たとえ帰宅前でもビルの中のコンビニで新しいストッキングを買って履き替えていた。

 

(わたしの場合は、そのまま履いて帰ってゴミ箱に捨てた・・・・・・)

 

仕事を辞めてからは、スカートやワンピースを着る機会がなくなり、ストッキングを履くこともなくなった。

 

たまに履くとナイロンがぴたっと肌にくっついて、気持ちが悪い。

 

よくまあ、こんなものを何年も毎日履いていたな、と思う。

 

肌に触れるものは、木綿や麻や絹など自然素材のものが良い。

 

最近は竹やヘンプからできた衣服も出回っている。

 

時折、ハイヒールにおしゃれな綿ソックスを履いているお嬢さんをみかけるが、ナイロンのパンストを履くよりずっと体にいいと思う。

 

体にやさしい物を着て、体にやさいい物を食べていると、気持ちもやさしくなるような気がする・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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老母の犬は、老母の犬。

2017-02-20 | 動植物

実家に泊まって、朝、帰る時は、老母とメルシーが玄関まで見送りにくる。

 

プライドの高かった老母だが、最近は、ありがとう、ありがとう、と何度も、ありがとうを言うようになった。

 

ところが、今朝、老母とわたしは、菩提寺のお墓や戒名のことで大喧嘩・・・・・・

 

わたしが帰ろうとしても老母はリビングから動かない。

 

さっさと玄関に向かうわたしに、メルシーが当惑する。

 

彼は、えっ、えっ、何? 何? どうしたの? とわたしと老母を交互に見る。

 

玄関に来たわたしが、チュッチュッとメルシーを呼ぶと、彼はリビングから飛び出してきた。

 

が、彼は廊下の途中で止まって、後ろを振り向いた。

 

頑固な老母はリビングから動かない。

 

メルシーは、しばらくの間、リビングの方を見たりわたしの方見たりして悩んでいた。

 

そして、彼は、踵を返してリビングに向かった。

 

メルシーにとって、ヨシコさんは大好きな友達だけど、ご主人さまは老母なのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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周縁

2017-02-19 | ポエム

脳内で、周縁という言葉が渦を巻く。

銀座で、考えた。

地方都市の銀座は、周縁なのか、クローンなのか。

 

ニッポンに帰る。

そう決心し、

三週間のヴァカンスは大学のサマースクール、と言うと、

同僚が笑った。ウソでしょ!

 

結局、

「フランス語圏の文学」などは、

何がなんだかさっぱり分からず、

休息時間には、イスラエルから来た女教師に、

ニッポンの、知らないことばかり尋ねられ、

分からない、知らない、の毎日で、

彼女たちとニースに行けばよかった、と後悔していると、

トラムで、

髪の長い、魔女のようなおばあさんに話しかけられ、

車中全員の視線を浴びた。

 

時折、

教授がボードに書いた、周縁という言葉が渦を巻く。

シュルレアリスム運動において、ブリュッセルは、周縁?

あゝ、思い出せない・・・・・・

 

記憶がどんどん消えてゆく。

本を買って、同じものを本棚に見つける。

高橋さんに加藤さんと呼びかけ、周りが凍り付く。

自分の携帯電話の番号を覚えていなくて、恥をかく。

けれど、いいの、いいのよ、「プチット・マドレーヌ」。

 

周縁が好き、と微笑み、

祖師ヶ谷大蔵の豆乳ドーナッツを頬張ると、

母が、森永ホットケーキミックスで作ったドーナッツが、

記憶の壺から飛び出したよ、ドーナッツ。

中心は空でも、周縁が美味しい、ドーナッツ。

 

混沌とした世界に、微風が吹き始めた。

周縁で吹き、

周縁で渦を巻く。

あちこちの渦巻きが共振すれば、

世界は変わる。

 

 

 

詩集、『水中花』より。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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光の町

2017-02-18 | ポエム

どこかに光の町はないか?

 

歓喜で目覚めた子どもが、寝床から飛び出すと、

動物も、妖精も、見えるものも、見えないものも、

みな踊りだす。

 

小鳥が囀り、ミツバチが飛びかい、

蝶が舞う。

 

木々は緑の衣をまとい、花は咲き乱れ、

朝露が光る。

 

気候は温暖で、

肥沃な大地は、食物を産出し、

必要な物は、みなで創る。

 

大人たちも、あるがまま。

長も不在で、町のことは、みなで決める。

あゝ、愛と調和の桃源郷。

 

どこかに光の町はないか?

 

 

 

 

詩集、『水中花』より。

 

 

 

 

 

 

 


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ブランコ

2017-02-17 | 色々な思い

窓を開けると、風がヒューッと入ってきた。

 

春一番かしら・・・・・・それにしては冷たすぎる。

 

こんな日は、児童公園のブランコも揺れるだろう。

 

いつだったか、閑散とした児童公園の前を通りがかったら、ブランコが微かに揺れていた。

 

風はない。子供たちもいない。

 

妖精が遊んでいたのかしら? それともわたしの心のブランコが揺れていたのかしら・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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『水中花』の広告

2017-02-16 | ポエム

1959年発行の詩の雑誌、『現代詩手帖』2月号に、ふらんす堂さんが、詩集『水中花』の広告を出してくださった。

 

ボブディラン特集の表紙をめくった所。

 

詩や書評が載ったわけではないけれど、とてもうれしい。

 

明日は、春一番が吹くそうだ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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紙芝居

2017-02-14 | ポエム

話を、考える。

 

絵を、描く。

 

色を、付ける。

 

役を、演じる。

 

役になりきると、拍手喝采。

 

パチパチ。パチパチ。

 

人生なんて、猿芝居の紙芝居と、

 

ほんとうの「わたし」が、笑う。

 

ふっ、ふっ、ふっ。

 

「桃太郎の鬼」は、「わたし」の鬼。

 

 

 

詩集、『みんな、「わたし」。』より。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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帰還

2017-02-12 | ポエム

かすかに光る星が二つ三つの、トウキョウ近郊の夜。

バスを降り、老婦人と話しながら坂道を下っている、

その時、

前方の空で、飛行物体が赤いライトを点滅させていた。

何かしら、動かないわ、という彼女に、

UFOかしら、と応じると、彼女は大声で笑い、

わたし達は、角を曲がって、別れた。

 

小学生の頃、

コウベの坂道を、

歯医者さんに向かって上っていると、

一瞬、

次元と次元の狭間のような所に迷い込んだ。

ジーッ、という微かな振動音・・・・・・

しっかりしなきゃ、しっかりしなきゃ・・・・・・

『遠野物語』は、読まない。

 

シリウス、プレアデス、アンドロメダに居ましたね、

二十万年ぐらい前に地球に来て、二二七回転生しましたよ。

彼女は微笑み、わたしは困惑する。

 

長い間、探している。タマシイのふるさとを。

クリスマス前のシャンゼリゼ通りは、光の王国となる。

街路樹に輝く無数の電球、疾走する車のヘッドライト。

あゝ、デジャ・ヴュ。

が、パリは、「わたし」のふるさとではない。

 

できることなら、光の星に帰還したい。

何もかもが調和する星に。

そこでは、裁く人も裁かれる人もいないだろう。

貨幣制度はなく、戦争もないだろう。

原子力発電所もないに決まっている。

 

けれど、すべては幻想で、

肉体が朽ちると、

タマシイは、

「今ここ」に吸収されてしまう、と思うわたしもいる。

 

ヨシコさんとメルシーは同じ所に帰るのよ、と微笑むと、

老母の犬は、お座りをし、首を傾げ、

真剣な眼差しでわたしを見つめた。

 

あれから五年。

ニッポンから、人が消えていく。

 

 

 

 

詩集、『水中花』より。

 

 

 

 

 


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ひとつ

2017-02-11 | 色々な思い

空はどこまでも続いて、ひとつ。

 

大気も繋がっている。

 

海も、ひとつ。

 

川から海に流れ出る水も繋がっている。

 

大地は、神さまからの贈り物。

 

人間だけが、それを所有しようとする。

 

売買しようともする。

 

本当は、国境なんていらない。

 

空を飛ぶ鳥の自由なこと。

 

人間って、ヤバイよね・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ポチ

2017-02-10 | スケッチ

母の不在中、メルシーは彼女のひざ掛けに顔をうずめていた。

 

彼女がショートステイから戻ってくると、犬はしっぽを振って飛びついた。

 

メルシーは、彼女のポチ。

 

 

 

アメリカ大統領のポチは、お供を連れて宗主国詣で。http://www.economist.com/news/asia/21716655-shinzo-abe-bringing-offer-lavish-investment-him-japans-prime-minister-meets-donald

 

 

ヤクザの親分が変わると、系列ヤクザの親分がご挨拶に行く感じ・・・・・・

 

ついこないだまでは、現大統領と敵対するネオコン達に尻尾を振っていたのに・・・・・・

 

選挙中はヒラリーさんの応援をしていたのに・・・・・・

 

どんな「お土産」を持っていくのだろう・・・・・・ニッポン国民の年金を差し出すことはやめて欲しい・・・・・・

 

たぶん、娘さんのブランド「イバンカ・トランプ」もニッポンに進出するだろう・・・・・・

 

トランプさんのお役目は、ネオコンとか行き過ぎたグローバル企業の親分たちを叩き潰すことだけかもしれない・・・・・・

 

ニッポンにいるネオコンの下っ端さん達も淘汰されればいいと思う。

 

けれど、彼も行き過ぎるであろうから、その後に、アメリカファーストではなく、協栄共存の地球ファーストのまっとうな大統領が出現すればいいと思う。

 

テレビも見ないし新聞も取っていないけれど、世界が変わっていることを感じる・・・・・・

 

闇夜の後の朝日は美しい・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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当惑する犬

2017-02-08 | 動植物

散歩から帰って玄関に入ると、メルシーは、上がり框に両脚をかけ、母を探した。

 

いつもなら、まあ、まあ、帰って来たの、と猫なで声の母が、廊下の手すりをたよりに、ゆっくり歩いてくる。

 

が、今朝、母は来ない。声もしない。

 

母は、昨日から、ショートステイとやらに出かけているのだが、犬には人間の事情は分からない。

 

メルシーはわたしの顔を見上げる。

 

わたしは、淡々と、あんよジャージャーね、と言いながら、リードを外して、彼を抱き上げて風呂場に連れて行った・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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『サーカス』 by 中原中也

2017-02-07 | ポエム

幾時代かがありまして

  茶色い戦争ありました

 

幾時代かがありまして

  冬は疾風吹きました

 

幾時代かがありまして

  今夜此処での一とさ盛り

    今夜此処での一とさ盛り

 

サーカス小屋は高い梁

  そこに一つのブランコだ

見えるともないブランコだ

 

頭倒さに手を垂れて

 汚れ木綿の屋蓋のもと

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 

それの近くの白い灯が

  安値いリボンと息を吐き

 

観客様はみな鰯

  咽喉がなります牡蠣殻と

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

 

     屋外は真ッ闇 闇の闇

     夜は劫々と更けまする

     落下傘奴のノスタルヂアと

     ゆあーん ゆよーん ゆあゆよん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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