らんすぴらしよぉん(l'inspiration) 

田窪与思子のインスピレーション
(L'inspiration de Yoshiko Takubo)

陰徳おじさん

2016-10-31 | スケッチ

とある郊外の街で、朝、陰徳おじさんを見かけることがある。

 

おじさんは、片方の手にゴミ拾い用トングを持ち、もう片方の手には、二つのビニール袋を持って、ゴミを拾いながら歩いている。

 

一つのビニール袋には吸殻などの燃えるゴミ、そしてもう一つの袋には空き缶などの燃えないゴミが入っている。

 

立ち止まって誰かと立ち話をしているところは見たことがない。

 

うつむいて、道を見ながら、無言でゴミを拾うおじさん。

 

黙々とゴミを拾って、徳を積むおじさん。

 

身なりはとても質素で、靴もボロボロ。

 

風貌も、西新宿で見かけるホームレス。

 

駅の傍で見かけることもあれば、住宅街で見かけることもある。

 

遭遇する度に、何がおじさんをゴミ拾いに駆り立てるのだろうと思うが、尋ねる勇気はない。

 

新興宗教の信者? 元教育者? 町内会の役員?

 

と、先日、バスの窓から、立派な家の駐車場でゴミの整理をしているおじさんを見かけてしまった。

 

なんだか、狐につままれたよう・・・・・・

 

ますます不思議な陰徳おじさん・・・・・・ひょっとしたら、覚者なのかもしれない・・・・・・

 

そんなことを考えながら、今日もポップコーンを作ってしまった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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子供の中の大人と大人の中の子供

2016-10-29 | 色々な思い

バス停や電車の中で、小学生や中学生の集団に遭遇することが多い。

 

何となく観察していて、あゝ、この子たち、大人になっても同じ性格で同じ表情で同じ仕草じゃないのかしら、と思うことがある。

 

たまに、地下鉄などでオジサン達の集団を見かけることがある。

 

ネクタイを締めて背広を着て偉そうにしているオジサン達の、子供のような言動や表情に微笑んでしまうことがある。

 

子供の中に大人がいて、大人の中に子供がいる。

 

少女のような表情のおばあさんがいて、娼婦のような貴婦人がいる。

 

天才といわれる画家たちによる肖像画には、モデルの本性が現れていることが多い。

 

顕在意識は変わっても、潜在意識は変わらないと思う。

 

三つ子の魂百まで・・・・・・

 

核兵器禁止条約に反対し、TPPの強行採決をしようとする大人たちは、どんな子供だったのだろう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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おじいさんとおばあさんの間

2016-10-28 | スケッチ

郊外の駅で、がら空きの各駅停車に乗った。

 

疲れていたので、車窓を見ながらぼんやりしていた。

 

次の駅で、老夫婦が仲良く話しながら乗ってきた。

 

おばあさんはわたしの左隣に、おじいさんはわたしの右隣に座った。


わたしは、おじいさんとおばあさんの間。

 

とっさに席を立って、おじいさんに、どうぞと席を譲った。

 

おじいさんは、嬉しそうな顔をして、ありがとうございます、と頭を下げた。

 

わたしはおじいさんが座った席に座り、隣では、おじいさんとおばあさんが仲良くお喋りを始めた。

 

仲の良い人たちは、周りの人をも幸せにする。

 

急行電車の停まる駅に着くと、二人は立ち上がった。

 

おばあさんは私に会釈をし、おじいさんはありがとうございました、とニコニコ顔で言い、わたしも笑顔で応じた。

 

たった数分のことだったのに・・・・・・

 

急行電車は満員だったので、わたしは、そのまま各駅停車の電車に座っていた・・・・・・

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 


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マンガ、買っちゃいました!

2016-10-27 | 本・文学

昔、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』にはまっていたことがある。

 

まず、井上究一郎先生の訳で読み、2001年から約3年近く、週に1回、当時、個人訳を出されて話題になっていた、鈴木道彦先生の講座を拝聴した。

 

たとえチンプンカンプンでも、プルーストに関する評論も読み漁っていた。

 

あゝ、プチット・マドレーヌ!!!

 

あゝ、無意識的記憶!!!

 

ところが、他のこと同様、ある日突然、どうでもよくなってしまったのだ・・・・・・(いつもそう・・・・・・夢中になって、ある日突然、どうでもよくなってしまう・・・・・・)

 

が、最近、時間のある時に、昔買ってそのままになっていた原書と鈴木道彦先生の訳本を並べて読み始めた。

 

フランス語の辞書を引いていたら時間がかかるので、まず訳本を一節読み、同じ個所を原書で斜め読み・・・・・・

 

東京オリンピックまでに終わるかしら・・・・・・(なんで、東京オリンピックが出てくるの、と自分で自分に突っ込みを入れる・・・・・・)

 

この2、3週間は多忙で全く読めなかったのだが、数日前に本屋さんに行くと、何年も前にパリで買おうかな、と迷った、『失われた時を求めて』をコミック化した本の訳本が並べてあった。

 

引き寄せの法則???と思いながら、マンガ本を買ってしまった。

 

フランスでは10万部売れたこのマンガ本の訳者は、仏文学者の、中条省平氏。

 

まだ読み始めたばかりなのだが、『失われた時を求めて』のエッセンスが散りばめられていて、とても楽しい。(フランス語版を買っておけば、フランス語の勉強にもなったのに、と少し後悔・・・・・・)

 

というわけで、今、わたしは、マンガに夢中・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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「なめとこ山の熊」 宮沢賢治の世界

2016-10-26 | アート・映画・演劇

先日、広尾のおしゃれな商店街の突き当りにある、東江寺の本堂で、宮沢賢治の世界に浸った。

 

詩人、吉田文憲氏のレクチャーと野口田鶴子さんの朗読と小木曽綾さんの音楽による、「なめとこ山の熊」。

 

宮沢賢治賞も受賞されている、吉田氏のレクチャーは奥が深く、話は半神にまで及び、野口さんの朗読の前にお話を聞けたのは幸いであった。

 

岩手県生まれの野口さんは、方言で、宮沢賢治の作品を語り続けていて、今年、イーハトーブ賞奨励賞を受賞されている。

 

ユーチューブでも見ることができるが、主人公になりきる、彼女の語りは一人芝居を観ているような錯覚を覚える。

 

今回、野口さんはテキストを全く見ないで、約1時間の朗読をした。

 

「おまえは何がほしくておれを殺すんだ。」

 

「ああ、おれはお前の毛皮と、胆のほかにはなんにもいらない。それも・・・・」

 

なめとこ山で生きる、「熊捕り」小十郎の命と、熊の命が響きあう・・・・・・

 

人間と動物の邂逅と交信・・・・・・

 

殺すものと殺されるもの・・・・・・が、そこには憎しみはない・・・・・・

 

 

 

お寺の本堂という不思議な雰囲気の中で、紬の着物を着た野口さんの語りと、小木曽さんの、西洋古楽器の音色が響きあい、素晴らしい「なめとこ山の熊」を堪能することができた。

 

機会があれば来年も拝聴したいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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かみ合わない会話

2016-10-25 | スケッチ

早朝、東京近郊の街で、メルシーの散歩をしていた。

 

と、時々すれ違う90歳ぐらいのおばあさんが話しかけてきた。「どこに住んでるの?」

 

わたしは、都内の町の名前を言った。

 

おばあさんは、「歩いて来るの?」と驚いた。

 

「いえ、電車。」と答えると、おばあさんは、犬のリードを見ながら、絶句した。

 

そして、気を取り直して、ポケットから飴を取り出して、言った。「ねえ、あなた、飴、食べない?」

 

わたしは、「ごめんなさい。今、甘いものを控えているの。」と言いながら、リードをぐいぐい引っ張る老母の犬についていった・・・・・・

 

 

もっとちゃんと説明すればよかった、と後で思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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微笑む乙女

2016-10-24 | スケッチ

青い空の下、郊外の道を歩いていた。

 

向こうから、髪の長いセーラー服の少女が歩いてきた。

 

すれ違う時、彼女はにっこりほほ笑んだ。

 

あせって、微笑み返すわたし。

 

わたしがあの年頃は微笑む乙女ではなかった・・・・・・

 

もしも来世があるのなら、わたしは微笑む乙女になろう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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しあわせな人

2016-10-23 | 色々な思い

朝日を拝んで、しあわせ、と感じ、

 

青い空を眺めて、あゝ、と大きな伸びをして、

 

雨音にロマンを感じ、

 

道端の小さな花に微笑み、飛来した鴨に挨拶をし、

 

一杯のコーヒーにも、焼きたての小さなパンにも、歓喜し、

 

今日も明日も、GO! GO! GO!

 

ニルヴァーナを目指して、GO! GO! GO!

 

そんな人になりたいな・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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巨匠のサイン

2016-10-22 | スケッチ

神保町の三多軒で書道用品のセールが行われているので出かけた。

 

セールの紙を買って、すぐ近くの「白い点」というギャラリーで開催されている、書家で作家で評論家の石川九楊先生の、「秋は、書」という展覧会を覗いた。

 

マンションの一室の小さなギャラリーは畳のお部屋で、靴を脱いで入室。

 

そこには、最近の石川先生の作品が、前衛の書のような絵画のような作品が並んでいた。

 

中央には、著書の並んだテーブルが置かれ、偶然、そこに石川先生が座っておられ、どなたかとお話しされていた。

 

一通り見て、出入り口の棚にあった、以前から欲しいと思っていた本を購入して失礼しようと思っていた。

 

と、奥さまが奥からコーヒーと干菓子を運んでいらして、どうぞ召し上がっていってくださいませ、とおっしゃった。

 

えっ? と躊躇。ぱっぱと紙を買ってちょこっと展覧会を見てさっさと帰るつもりだったので、前の晩に着て寝たオーガニック・コットンのTシャツにジーンズにジャンパーといういで立ちで、髪はぼさぼさ。

 

それでも、せっかくコーヒーを入れてくださったのだから、と思い、座って、先生とその場にいた二人の方々としばし雑談。

 

正座ができないわたしは、3分でしびれが切れて、冷や汗、タラーッ・・・・・・

 

先生は、墨をすり始め、購入した本に、さらさらと前衛文字でサインをして下さった。文庫本にまでサイン。

 

さすが、巨匠! と感激。

 

けれど、そういう場に慣れていないので落ち着かず、先生の書をデザインした干菓子と金平糖とむしゃむしゃ食べ、コーヒーをがぶがぶ飲んで退散・・・・・・

 

あとで思い出すと、ちょっと恥ずかしかった・・・・・・

 

来年7月5日~30日まで、「上野の森美術館」で開催される、「これが書だー石川九楊」展には是非伺おう・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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内は、外。

2016-10-21 | ポエム

「わたし」は、その時の「わたし」に、出会う。

 

内側が、ぐちゃぐちゃなら、外側も、ぐちゃぐちゃ。

 

内は、外。外は、内。

 

内に鬼がいれば、外にも鬼の、鬼は外。

 

今日、出会うのは、どんな「わたし」?

 

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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孵化

2016-10-20 | 色々な思い

卵がかえること、あるいは卵をかえすことを孵化という。

 

昆虫や鳥類の卵細胞は殻に包まれて卵を形成していて、殻を破って出てくるのが孵化。

 

卵細胞が発生を進めて生じた個体が卵の中にある間は、胚と呼ばれ、卵から出てきたものを幼生と呼ぶのだそうだ。

 

ウミガメのメスは、海中ではなく砂浜の、潮が満ちてこない場所に卵を産む。

 

一度に100個ぐらいは産み落とすのだそうだ。

 

産卵後、メスは卵に砂をかけると海に戻ってしまう。

 

砂の中の卵は、約2か月で孵化し、小さな亀は海を目指す。

 

鳥や魚に捕食されるものも多く、成長するのはごくわずか。

 

鳥もカメも、自分で殻を破る。

 

時代が、文明が、大きく変わろうとしている今、わたし達も、見えない殻を破るべきなのかもしれない・・・・・・

 

聖人に殻を破ってもらうのではなく、自分で殻を破って、大海を目指す時がきているのかもしれない、などと思う、秋の朝・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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木漏れ日

2016-10-18 | スケッチ

今日の東京は快晴。

 

青い空に白い雲が浮かぶ。

 

久しぶりに川沿いの小道を歩くと、葉っぱが半分散ってしまった桜の木々の間から木漏れ日がさす。

 

ふと、印象派の絵の中に紛れ込んだような錯覚を覚える。

 

枝では鳩が羽を休め、川では鴨がたゆたう。

 

藪の中から小鳥の囀りが聞こえ、近くでチョウが舞う。

 

放射能に汚染された首都圏とは思えない、牧歌的な雰囲気。

 

相変わらず経済は低迷し、政治はきな臭い。

 

それでも、今まで蓋をしていた豊洲の問題は明るみに出て、新潟県の知事選挙では民意が勝った。

 

少しづつ、少しづつ、時代はよき方向へ向かっている。そう思いたい秋の日・・・・・・

 

「シンゴジラ」は観ておくべきかしら・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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紙芝居

2016-10-17 | ポエム

話を、考える。

 

絵を、描く。

 

色を、付ける。

 

役を、演じる。

 

役になりきると、拍手喝采。

 

パチパチ。パチパチ。

 

人生なんて、猿芝居の紙芝居と、

 

ほんとうの「わたし」が、笑う。

 

ふっ、ふっ、ふっ。

 

「桃太郎の鬼」は、「わたし」の鬼。

 

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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タイの王様

2016-10-16 | 外国語・外国

13日に、タイのプミポン国王が亡くなった。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

70年以上もの在位だったから、昔むかし、高校生の頃、父の転勤でバンコクで2年半ほど暮らしていた時の王様も、プミポン国王だった。

 

当時も、街の商店にも一般家庭にも、プミポン国王とシリキット王妃の肖像が掲げられていた。

 

王族のシリキット王妃とプミポン国王はフランスで出会って結婚されている。

 

慈悲深く、当時も国民からとても愛されていた。

 

国が割れても、プミポン国王が出て行くとす必ずまるく収まった。

 

半世紀以上に渡る親交からか、日本の天皇皇后両陛下も13日夜から3日間の喪に服されている。

 

火葬は一年以上先なのだそうだ。

 

葬儀の後、長男のワチラロンコン皇太子が王位を継承され新国王となるのだろうが、彼の評判はあまり芳しくない・・・・・・大丈夫かしら、と少し心配になる・・・・・・

 

21世紀にもなって、王位や皇位の継承はほんとうに必要なのだろうか、と思うことがある・・・・・・

 

みんなの「地球」じゃだめなのかしら・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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よかったです。

2016-10-15 | ポエム

太陽が照っていて、よかったです。

 

水が飲めて、よかったです。

 

食物があって、よかったです。

 

衣服があって、よかったです。

 

住居があって、よかったです。

 

家族や友達がいて、よかったです。

 

今、この時が平和で、よかったです。

 

人生を肯定できるようになって、よかったです。

 

よかったです、と思えるようになって、よかったです。

 

 

 

詩集、<みんな、「わたし」。>より

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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