廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

謎解きはおあずけにして

2017年04月24日 | Jazz LP (Columbia)

V.S.O.P. Quintet / The Quintet  ( 日本 CBS-SONY 40AP 798-9 )


どんな音楽であれ、理由もなく急に聴きたくなることってある。 だからDUに行くと、恒例のワン・コインで転がっていた。 あるといいな、があるのだ。
最後に聴いたのはいつだったかなと考えてみると、おそらくもう15年以上前のことになるかもしれない。

このバンドのアルバムの中では、このアメリカでのライヴが一番いいと思う。 演奏もまとまっているし、音質も良好だ。 今聴き返してみると、案外保守的な
音楽だったんだなと思う。 以前聴いていた頃は、もっと尖った音楽に聴こえた。 演奏しているメンバーたちの年齢を追い越してしまったせいかもしれない。

ジャズという音楽の形が崩壊して10年経って、誰もがジャズの復権を待ち望み、その機運が沸点に達していた時期に登場したということで爆発的に受けた、
というのがお決まりの解説だけど、マイルスの最後のアコースティック・バンドが再結成したからみんなが大喜びした、というのが実際のところだったんだろう。
気持ちはよくわかる。 

久し振りに聴くと、よくできた演奏にやっぱり感心するし、古臭さもないし、さすがにジャズの核心を掴んだ人たちだけにできる音楽だよな、と思うけれど、
何か物足りなさがあることも同時にひしひしと感じる。 このメンバーたちがブルーノートの4000番台に残した作品群に見られる、未だに解決できない
「大きな謎」のような不可解な要素がここにはない。 彼らは自分たちが提示した謎をあそこに置き去りにしたまま、マイルスの新しい音楽を作るのに
夢中になり、10年後にそれをなぞってみせる。 最初から、今回は謎解きをする気はないんだよ、ということだ。

それがわかっていながらも、こうやって無性に聴きたくなる音楽であることには変わりはないし、聴くと心奪われるものがある。 謎解きは別の機会に、
という大人の分別でもって愉しめばそれでいいんだろうな。



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