廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

違いを味わえるようになれば

2017年05月20日 | Jazz LP (Prestige)

Red Garland / It's A Blue World  ( 米 Prestige PRST 7838 )


引退状態にあったガーランドが復帰ことになり、それに合わせてプレスティッジが未発表音源を集めて1970年初頭に複数枚発売した中の1枚で、これは
1958年2月7日の録音。 コルトレーンの "Soultrane" と同日、マイルスの "Milestones" の3日後、という時期にあたる。

リハーサル・テイクなどではなく、スタジオでの完演版がこんなにたくさん未発表のまま放置されていたということは理解に苦しむけれど、録音当時の感覚では
ジャズの巨人たちが群雄割拠している中での数多くの演奏の1つに過ぎなくて、特に有難みは感じられなかったのかもしれない。 これらのレコードの印税が
きちんとガーランドに支払われていたのかどうかも怪しい。

こういういわゆるスタイリストの演奏はそのスタイルが故にどの演奏を聴いても同じようにしか聴こえないと言われることもあるけれど、それは少し違うと思う。
曲ごとに集中力の違いは明らかにあるし、上手く原曲のムードを出せているものとそうでないものもあるし、更にそういうバラツキがある曲の組み合わせ方で
アルバムとしての印象も変わって来る。 だから、どれを聴いても・・・という話などは相手にせず、自分の耳で実際に聴いてみるしかないのだと思う。

ガーランドのアルバムもそれぞれ印象がかなり違うのが実際のところで、このアルバムもそれまでの作品のどれとも少し違う。 明るい表情の元気のいい演奏と
さらりと弾き流しいてるバラードの組み合わせのせいか、人出で賑わう夜の街を歩いているような雰囲気がある。 "It's A Blue Word" という物憂げな
バラードも明るく穏やかな表情のアップテンポに変えることで、聴いているこちらの顔もほころんでくる。

そういうアルバムごとの違いを聴き分けて1つ1つを味わいながら愉しめるようになれれば、レコードを聴くことがもっと楽しくなるし、そうなればレコードの
買い方も変わってくるだろう。 市場に安レコが増えてきたおかげで、自分の音楽の聴き方にも変化が出てきたことを実感する。



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