廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

真夜中のギター

2017年06月21日 | Jazz LP

Jimmy Raney / Momentum  ( 独 MPS 20 21757-4 )


ジミー・レイニーは70年代以降に意外とたくさんの作品を残している。 プレイは地味そのものだし、歴史に名を遺すような有名な作品があるわけでもないのに、
なぜこれほどレコーディングの話があったのだろう。 それらの多くがギターに焦点を当てた編成と録音で、彼のギターを満喫するにはうってつけのものばかりだ。

50年代に作られたギター・ジャズの多くが管楽器やピアノらが普通に演奏するコンボもので、ギターそのものを味わうというよりは普通のジャズバンドの演奏で
たまたまギターも入ってますという感じだったが、70年代以降は管楽器入りの編成は減って、ギターをメインにしたものが増えててきて、レコード制作の考え方が
大きく変わったのがわかる。

このアルバムもピアノを排したギター・トリオ編成で、ジミー・レイニーはコードをあまり鳴らさず、シングル・ノートで全編を弾きまくっている。 ブルースを
弾いてもブルージーではないし、使うスケースも中音域帯に集中しているから何となく一本調子な印象になってもおかしくないはずだけど、どういう訳か
退屈することなく聴けるから、これが不思議だ。 

特にここではリチャード・デイヴィスのベースがずっしりと重くダークトーンでギターと対等な録音レベルで録られていて、強烈な存在感を見せている。
全体的なサウンドカラーはこのデイヴィスのベースが支配していて、ジャケットデザイン通りの真夜中の雰囲気が濃厚に漂っている。 こういうムードは
ジャズ・ギターには相応しい。

MPSレーベルの録音も必要最小限の残響を使って生々しく楽器の音を艶やかに録っていて、空間表現も申し分ない。 究極に地味で渋い内容だけど、私には
どストライクな内容で愛聴盤の1つになっている。


ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ピアノの音に宿る強い力 | トップ | 直近の猟盤での成果 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

Jazz LP」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。