今週、稽古が2日続けて休みだったので、ずっと観たかった『リトル・チルドレン』を観てきました。トッド・フィールド監督は、大好きな作家、ジョン・アーヴィング原作の『ドア・イン・ザ・フロア』がすごく良かったので、期待大。感想は、さすが、いい役者が揃っていて、とても見ごたえがある一本でした。・・・が、ラストが・・・一瞬テロップが出るまでの間、「え?終わり?ほんとに?」と捻りをさらに期待してしまいました。監督の計算なんでしょうが、あまりに「あ~、悪い事が起こるに違いない!あんなことや、こんな恐ろしい事や、もしかしてもっと悲惨なことが~」という脳内イメージが膨らみすぎてしまうので、ある意味びっくりな終わり方でした。ケイト・ウィンスレットがインテリな人妻の倦怠感と居場所の無さをすごくリアルに演じていました。日本の予告だと、釈放された性犯罪者ロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)のエピソードを扇情的にピックアップしてるので、そっちがメインかと私も思っていましたが、メインはケイト・ウィンスレット演じるサラと、相手役パトリック・ウィルソン演じるブラッドの関係でした。『クラッシュ』のように色んな事情の人たちがそこを主軸に重なっていくんですが、端役に至るまで、よくキャラクターが書き込まれていたと思います。
けっこうクスクス笑えるシーンも多くて、なかなかでした。パトリック・ウィルソンって、今回初めて認識しましたが、ポール・ニューマンの若い頃にちょっと似ていて、ああいう人が子連れで公園に来てたら、そりゃ気になるだろうなあ・・・と思いました。
ジェニファー・コネリーが随分ほっそりして綺麗になった感が。『砂と霧の家』の演技がすごくよかったのが未だに忘れられません。今回は間逆の役柄。
ジャッキー・アール・ヘイリーは、よくぞこんなぴったりな役者が!と感心しました。子役出身で、13年間役者を廃業していた過去があるそうですが、人生色々ですね。そして彼のお母さん役の女優さんがものすごくよかったです。
やっぱり心に痛みをもった役って、魅力的なんですよね・・・共感するというより、演じたいと強く思っちゃいました。
帰りに友人とお気に入りのスパゲッティ屋さんに入ったのですが、隣に座ったカップルの女性が、「今時こんなぶりっこがいるんだ!」というべちゃべちゃした喋り方と笑顔で(でも服装は何となくバブリーな頃のお姉ちゃん風)「ガーリックってにんにくのことだよねえぇ?」とか言っているのを聞いて、食欲減退・・・「シャキッとしゃべんなさいっ!きぃ~!」っと腹の中で怒鳴っていました。
「リトル・チルドレン」は大人になれない大人たちを描いた作品でしたが、こういうべちゃべちゃの方が大人になるつもりがあるのかないのか・・・情けない。