千一夜第3章第48夜 最近の読書5

2017-06-24 17:18:59 | 読書

2017.04.17(金)

梅雨の合間の晴れ(五月晴れ)が暫く続いたが、いよいよ本格的な梅雨になりそうな気配だ。夏場にかけての水不足が心配されているので丁度良いお湿りとなれば良い。私はと言えば晴釣雨読といきたい。

最近読んだ本。記載するのは今回で5回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。

『小説ヤマト運輸』 高杉良著 新潮文庫 評価☆☆☆☆ ’17年4月28日読了
寸評:著者も書いているが、多岐に渡る取材を行っていることは十分に解る。しかし、小説というよりもノンフィクション、ドキュメンタリーのようで社史、回顧録、エピソードの紹介のようであった。とは言え、挿話の俳人斉藤武志(砂上)の話は胸に響いた。また大口便から小口便への特化、三越からの撤退、クール宅急便の開発、労組との葛藤、運輸省との壮烈な闘い、等々著者の言う、読んで元気の出る本だった。

『夢を売る男』 百田尚樹著 幻冬舎文庫 評価☆☆☆☆☆ ’17年5月1日読了
寸評:著者にしては珍しい文体。自費出版とは少し違うジョイント・プレス(実態は同じ)、素人が本を出版するバニティ・プレス(自尊心と虚栄心満たすための虚栄出版)の需要は多い。そこに目を付けた出版社の営業、プロの文筆家でも殆どの者が消えて行く出版界の中で素人相手に確実に利益を計上していくある出版社のコメディー・タッチの小説。小説ではあるがノンフィクションであろう。

『劇場』 又吉直樹著 新潮社 評価☆☆☆☆ ’17年5月15日読了
寸評:食えない脚本家の恋愛小説、前作「火花」の姉妹作のようだが、内容的にはワンランク・アップしている。主人公は舞台の脚本を書き小劇場で活動を続けるが、評価的にはライバルにも大差をつけられていく。将来の展望が見えないまま、ヒモ生活でずるずると現状維持、彼女は年齢も重ね将来への不安が募る中、主人公は別に部屋を借りる。彼女には気が向いた時に会いに行くようになる。精神的にも衰弱し周囲の友人たちから分かれるように勧められた彼女は、遂に彼女は田舎の親元へと帰っていく。彼女が去ってから彼女の存在の大きさに気付き自虐の念にかられるが・・・。

『一休「禅」の言葉』 境野勝悟著 知的生きかた文庫 評価☆☆ ’17年5月18日読了
寸評:一休が一般庶民のために禅の心を解り易く読み込んで作ったと言われる「道歌」が、全部で600首以上あると言われるが、その内の50首について解説。日頃、「禅」や「歌」に慣れ親しんでいない私には解り易くないが、禅の心、人生訓のようなものである。本は付箋だらけになった。

『フォルトゥナの瞳』 百田尚樹著 新潮文庫 評価☆☆☆☆☆ ’17年5月23日読了
寸評:人の体の一部が消えて見えるという特殊能力を身に着けた主人公、消えて見える人は後日、或いは数時間後に必ず死亡する運命にある。謂わばローマ神話に出てくる球に乗った運命の女神のフォルトゥナの瞳を持っている。主人公の死の迫る人を救いたいという思いは、無情にも彼を窮地へと追いやる。生死を賭けた衝撃のラストに心震える。愛と運命の物語。久しぶりに一気読みできた。

『怨霊になった天皇』 竹田恒泰著 小学館 評価☆☆☆☆☆ ’17年5月29日読了
寸評:天皇の日本史には表と裏があり、天皇と怨霊は表と裏の関係にある。大魔縁と大魔王、天狗と鬼、魔王と鬼は結託して皇統を呪詛する。崇徳天皇・後鳥羽天皇を経て後醍醐天皇の頃までには怨霊への対処方法は定例化したが、その後は怨霊をを予防する対策が取られるようになる。それはつまり日本本来の姿、「和の国」と言われる所以がここにある。皇族しか怨霊にはならないが、著者も旧皇族であり・・・・。天皇と鬼については関裕二氏を始め多くの歴史史家達が著しているが、皇族の人が書くとまた真実味は増す。非常に面白い本である。

『殿様の左遷・栄転物語』 榎本秋著 朝日新書 評価☆☆☆ ’17年5月31日読了
寸評:関ヶ原の戦いで石田光成ら敵対勢力を打ち破った徳川家康は、光成に味方した大名や中立を維持しようとした大名を次々と処刑・改易・減俸処分にした。これらの処分を受けた大名の数は93家にも及ぶ。また幕府が開かれてから戦の無い世になっても、相続、派閥争いによるお家騒動は枚挙にいとまない。これらに起因した改易も多く行われている。江戸時代における大名人事は、やっていることは現代と差して変わらない。人事のポイントは本人の能力もさることながら、それ以上にコネクションがものをいう。しかし後ろ盾を無くしてしまえば・・・。

『捨てられる銀行2 非産運用』 橋本卓典著 講談社現代新書 評価☆☆☆☆ ’17年6月13日読了
寸評:捨てられる銀行の第2弾、森金融庁長官が進める資産運用の大改革で銀行、証券、生保はどう変わるか?その目玉となるのが顧客本位の業務運営、フィデューシャリー・デューティーの確立と定着である。具体的に資産運用、資産形成におけるフィデューシャリー・デューティーとは、①顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等②顧客の最善の利益の追求③利益相反の適切な管理④手数料等の明確化⑤重要な情報の分かり易い提供⑥顧客にふさわしいサービスの提供⑦従業員に対する適切な動機づけの枠組み等である。②は株主の反発を買う恐れがあり、③は金融の全ての機能をもつメガバンクでは利益相反を回避するのは相当困難と思われる。しかし時代の価値観が変わったのに、顧客本位のビジネスモデルを構築できない金融機関は競争力を失うということだ。この本はかなり難しかったが、今後の金融庁による銀行等の検査の方向性を示したものである。

『必ずわかる!「〇〇主義」辞典』 吉岡友治著 PHP文庫 評価☆☆☆ ’17年6月21日読了
寸評:概念と言葉が境界を越えて絡み合い、それが状況を多面的につくっている様相は複雑怪奇である。正と反が裏で手を結び、とんでもないものに転嫁するなんて弁証法的展開は当たり前である。様々な主張、概念が陰謀を企て、他の主張、他の概念との総合依存、何だか禅問答しているようでもあり、屁理屈の並べ合いのようでもある。非常に哲学的であり難解な本であった。中断もしたが、読了まで4か月半掛かった。

『容疑者Xの献身』 東野圭吾著 文春文庫 評価☆☆☆☆ ’17年6月23日読了
寸評:主人公は天才数学者で高校教師、一人娘と暮らす隣人女性に密かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うために完全犯罪を企てる。だが、皮肉にも彼のかつての親友である物理学者がその謎に挑む。警察には絶対に解けない謎、天才同士の同級生であるがゆえに、奇想天外なトリックが解明されていく。著者の本格ミステリーで直木賞受賞作。トリックは凡人の私には思いもよらないものだったが、結末には少々不満が残る作品だった。一気読み必至だ。

『お江戸八百八町三百六十五日』 山田順子著 実業之日本社 評価☆☆☆☆ ’17年6月24日読了
寸評:時代劇の時代考証を仕事にしている著者、大学が私と同窓で2年間は同時に在学していたことになるが面識はない。時代考証は大変な仕事だと思うが、TVドラマ『jinー仁ー』の撮影中に執筆したりでエピソードも面白い。吉原のしきたりや江戸の風俗、江戸食事事情、大江戸版踊る捜査線、幕府崩壊など勉強にもなったし時代劇を楽しむように読んだ。

【6月24日過去の釣行記録】
・2006年第2埠頭東側、07:15~17:15、大潮、釣果=カレイ12・キス7・アイナメ4
・2007年櫛ヶ浜港防波堤、19:45~23:20、長潮、釣果=メバル1・アジ5・チヌ1

【この日の釣り情報】
・2006年庄の浦港、夜、大潮、釣果=メバル8・クロ1

【旧暦閏5月1日釣行記録】
・この日の釣行記録はありません

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