世界変動展望

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質問なるほドリ:論文撤回、なぜ増える?=回答・八田浩輔

2013-02-28 19:56:30 | 社会

◇背景に激しい学者間競争 不正の割合、40年前の10倍

 なるほドリ STAP細胞の論文がピンチなんだってね。論文は、どういう時に撤回(てっかい)されるの?

 記者 結論に関わる重大なミスが見つかったり、論文の成果がいつまでも再現できなかったりした場合などです。論文が間違いのまま残れば、その研究分野の発展に悪影響を与えるからです。ただ、論文の撤回は、それほど珍しいことではありません。米国のグループが1970年代から2012年までに世界で撤回された生命科学・医学分野の論文2047本を調べたところ、約7割が捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用、二重投稿などの不正(疑い例含む)が原因でした。最近は不正が原因で撤回される例が増え、その割合は75年ごろの10倍近くになっています。

 Q なぜ不正が増えているの?

 A 科学研究の世界には、「パブリッシュ・オア・ペリッシュ(publish or perish)」という言葉があります。「論文を出さない学者は消え去る」という意味です。それほど激しい競争があるのです。研究者の業績は論文で評価され、一流とされる科学誌に論文を多く載せるほど、良いポストや研究費の獲得に有利になるため、論文を作成する中でデータを都合よく操作したくなる気持ちになる可能性があります。不正による撤回数が米科学誌「サイエンス」や英科学誌「ネイチャー」などの有名誌でも多いのは、そのような事情があるのかもしれません。

 Q 撤回されるとどうなるの?

 A その研究成果がなかったことになります。ただし、論文自体は「撤回した」という注釈付きで世界共通の学術データベースに残されます。そうなると、研究者の業績に大きな傷がつきますし、内容によっては社会にも影響を与えます。06年に韓国の黄禹錫(ファンウソク)・ソウル大教授(当時)らの胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう)(ES細胞)に関する論文が捏造を理由に撤回されましたが、韓国の研究に対する信頼が下がったばかりでなく、世界全体でES細胞の研究が停滞してしまいました。

 Q じゃあ今回も心配だね。

 A 今回の問題は、既に世界中に知られていますから、日本の科学研究の信頼を低下させる深刻な事態につながりかねません。きちんと検証し、当事者たち自ら説明することが求められます。(科学環境部)

毎日新聞
2014年3月15日

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