世界変動展望

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小保方晴子がSTAP細胞を再現できなかったら捏造と考えてよいか?

2014-11-13 18:05:50 | 社会

小保方晴子のSTAP細胞検証期日は11月末。再現できなかったという結果が報告されるだろう。4月の会見で不正を強く否定した態度を考えると、小保方晴子はSTAP細胞の捏造を認めないと思う。では、再現ができなかった時に捏造と考えてよいか?私は捏造と考えてよいと思う。なぜなら現時点で捏造を認定できる十分な証拠があるからだ。遺伝子解析の結果STAP幹細胞はES細胞、FI幹細胞はES細胞とTS細胞が9:1の割合で混ざったものと判断された。これらの細胞を使い分けて都合のよいデータを作ったというのは故意でなければ不可能だから捏造と考えてよい。もともとこれらの事実がわかった6月上旬の時点で検証を続ける意味はなかったが、小保方晴子や理研の勝手な要望のために検証を続けたに過ぎない。文科省ガイドラインに被告発者が希望すれば再現実験の機会が与えられると定められているので小保方晴子が検証するのは仕方ないと思うものの、無意味な検証だった。

理研が端的にSTAP細胞は捏造だったと認めるかは不明。単に再現性が確認できなかったという結論で終了させるかもしれない。しかしこのケースでも実質的に捏造があったと判断すべきだ。上で述べたように捏造と判断できる合理的根拠があり、小保方晴子は論述による反論を放棄し再現実験のみを選択。それが失敗し、実験ノートが断片的でデータの客観的証明ができない。こういう状況は小保方晴子が捏造の指摘に対する合理的な反証が全くできず捏造を認定する十分な根拠があるのだから捏造と考えてよい。文科省ガイドライン上もそう判断しなければならない[1]

似たような事例で2005年の多比良和誠元東大教授らの捏造事件がある。学会から論文捏造を告発され東大が調査。実験実行者だった川崎広明元助手の実験ノートや生データがなかったため再現実験を要請。再現できず最終的に東大は再現性なしと判断し調査を終了。多比良と川崎は懲戒解雇された。公式な調査結果は捏造の端的な認定ではなく再現性なしというもの。再現性がないことが必ずしも捏造を意味するわけではないが、このケースは捏造と考える合理的理由があり、実験ノート等がなく、結果の再現性がなかったので、捏造と考えるのが合理的と判断され学界や世間では一般に実質的には捏造があったものと考えられている。

小保方晴子も多比良和誠、川崎広明も捏造したから実験ノート等の基本的情報が不足又は存在せず、捏造指摘に対する合理的な反論が十分できない又は反論を放棄し、論文主張の再現性がなく、捏造の有力な証拠がある。こういう場合は実質的に捏造と考えてよい。

小保方晴子に反論の機会を与えるべきだという人たちがいるかもしれないが、今まで反論の機会は十分与えられた。ES細胞等の混入又はすり替えを指摘された時も検証を凍結して疑義に対して説明すべきだと学界の多くの研究者が小保方晴子に述べたが、小保方晴子は論述による反論を放棄し再現による反論という方法をとった。それは論述では合理的説明ができず捏造と判断されてしまうから論述による反論を放棄し再現による反論にしたということ。それで再現に失敗したのだから捏造と考えてよい。

理想的には理研がきちんと調査して捏造を認定してほしいが、本当にやるのか。今までの理研の隠蔽、不公正な態度の数々を考えると非常に疑問だ。だから、再現性なしという結論で終わる可能性はそれなりに高いと思っているが、そうなっても実質的に捏造と考えてよい。

参考
[1]文科省ガイドラインでは「被告発者が自己の説明によって、不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、不正行為と認定される。」(第2部Ⅳ3(3)後段)と端的に規定されている。被告発者の反論の放棄や再現失敗によって不正の疑いを覆せない時は不正と認定されるのがルール