世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

不登校は腰を落として取り組もう

2007-08-16 23:20:55 | 社会
 06年度で、小中学校の不登校者数が全国で約12万7000人に達したことが文部科学省の学校基本調査でわかった。5年ぶりの増加で特に中学校は前年度よりも3000人増えたという[1]。
 不登校は病気や家庭の経済的問題といったことがないのに、年間30日以上欠席することと定義される。河北新聞の社説で述べられているように、私も不登校の原因はいじめが最初に思い浮かんだ。しかし、実際の統計ではいじめが「不登校のききっかけ」の原因になったのは3.2%、「不登校の継続」の原因になったのは1.0%にすぎないという。一番多い原因は子供本人の理由で、「不登校のきっかけ」の原因は「病気以外の本人にかかわる問題」が31.2%で最多、学校関係の原因では「いじめ以外の友人関係」(15.6%)が最多、次が「成績不振」(7.9%)である。「不登校の継続」の原因では、「不安など情緒的混乱」(31.7%)「無気力」(24.8%)の順で大きい[1]。
 私が漠然と不登校の原因として考えていたものとは、かなり違ったものが原因だと驚いた。社説でも述べられていたが、不登校の原因が本人にかかわることならばなぜそうなったのかをきちんと分析していくことが必要だ。情緒不安定、無気力といったことになるのはなぜなのか。その本人の育っている家庭や学校、その他の環境に原因があるに違いない。そこまで踏み込まないと真の不登校の原因はわからない。今子供たちに何が起きているのだろうか。本人の心理的な問題は解決するのが難しい。いきなり生き方を変えよといわれても無理な話だし、本人の考え方を変えさせて別な方向に導くというのは想像以上に難しく手間のかかることだ。それに小中学校の頃の子供たちは、心身ともに未成熟であるがゆえに大人が考える以上に繊細で壊れやすい人も多い。無理に何かをさせようとして、大変なことになってしまいかねない。
 不登校については、まずは原因の追究を徹底して行うべきだ。原因がはっきりとわかったとして、おそらくそれは子供の内面に関る問題で、改善するのに時間や手間のかかる仕事だろうから、じっくり腰を落として取り組んでいくしかないだろう。子供自身に変わっていこうとすることがよいことだとわからせ、努力するように説得する。それは頭でわかっていて、論理的に説明したって通じるものではない。

参考
[1]06年度の不登校者数、不登校のきっかけ、継続の原因に関する統計は"河北新報Kolnet(2007.8.16)"によった。