セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「奇跡のひと マリーとマルグリット」

2015-06-14 20:36:06 | 映画感想
 「奇跡のひと マリーとマルグリット」(「MARIE HEURTIN」、2014年、仏)
   監督 ジャン=ピエール・アメリス
   脚本 ジャン=ピエール・アメリス   フィリップ・ブラスバン
   撮影 ヴィルジニー・サン=マルタン
   音楽 ソニア・ヴィダー・アサートン
   出演  イザベル・カレー
        アリアーナ・リヴォアール
        ブリジット・カティヨン

 聾唖の子供達を預かってる修道院に、或る日、見えない、聞こえない、喋
れないの三重苦を抱えた娘を預けに農夫がやって来る。
 その娘マリーは、本能だけの野生児のようだった。
 院長先生は断るが、修道女マルグリットが「私に、やらせて下さい」と願い
出る。

 「19世紀末、フランスに実在した“もうひとつ”のヘレン・ケラー物語」
 この作品の惹句ですが、まさしくその通りで、それ以上でも、それ以下でも
ない。
 ドラマティックなのが好きならハリウッドの「奇跡の人」(1962年、アーサー
・ペン監督)を、淡々とした短編が好みなら、こちらの作品が合うかもしれませ
ん。
 観賞後の印象も、左程、違わない気がしました。
 勿論、設定の違いは有りますし、テーマも違うと思います。
 「奇跡の人」がヘレンとサリバン先生との絆と愛情を描いたものならば、こち
らは「愛情の伝承」かもしれません。
 舞台が修道院なので、キリスト的な「汝の隣人を愛せよ」(マルグリットが受
けた啓示は、これじゃないかな)も僕は感じました。

 「愛情の伝承」
 観ていて、途中から「赤ひげ」の「おとよのパート」を思い出していました。
 保本からおとよへ注がれた優しさが、回復後、おとよから長坊へと引き継
がれていくように、この作品では、マルグリットからマリーへ、そして・・・と、
なってる。
 非常に個人的な印象ですが、とても似てる気がしました。
 (ラスト近くでなく、マリーが言葉を覚えだした辺りから「赤ひげ」が重なって
きた)

 三重苦のマリーを演じたアリアーナ・リヴォアール 。
 「奇跡の人」のパティ・デューク、「赤ひげ」の二木てるみに比較したら可哀
そうかもしれませんが、他に誰か居ないの?って気がしないでもない、体格
が立派すぎて何となく違和感が付き纏っちゃう。
 でも、修道院の門前でマルグリットと共に両親を待つシーンは良かった気
がします。

 淡々とした感動がお好きな方にお勧め、かな。(汗)

※19世紀だって杖は有るでしょ。

 2015.6.13
 シネスイッチ銀座2
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