八ヶ岳の設計事務所 アトリエリーフの『たてものブログ』

八ヶ岳での家づくりや暮らしの話題を中心に、あれこれ綴っています。

北欧からの客人

2017-06-19 | 住まい

これは私がフィンランドに行ったときに撮ったオーロラの写真(↓)・・・ というのは冗談です。(笑)

実は先日、フィンランドから“仕事関係”の来客があり、これはその時のお土産に頂いたもの。 こう書くと、山梨の田舎の設計事務所に、何故わざわざ北欧から?・・・と思うことでしょう。 私もびっくりしています。

きっかけは、ある日突然送られて来た一通のメール。 フィンランドのHirsiset(ヒルシセット)というログハウスの会社からで、内容を要約すると、アトリエリーフのホームページに載っている 『スマートログ』 に興味があり、今後ログハウスの計画がある場合には見積りをさせてほしい、というものでした。

この 『スマートログ』 というのは、事務所設立当初に考えたオリジナルのログハウスで、一般的なログのイメージ(いわゆる山小屋風)に捉われない、シンプルでオープンなデザインの4つのタイプがあります。 このスマートログそのものは未だに実現していませんが、これを見て、「こんな感じのデザインで・・・」 と、“木造在来工法”の家を依頼された施主さんが何人かおられます。

驚きなのは、メールの日本語の文面が、並みの日本人よりも丁寧で上手だということ。 スマートログは、ホームページ中のあまり目立たないページで紹介されていたのに、よく見つけたなぁ~ということ。 そして、この Hirsiset はアトリエリーフの事務所兼自宅のログハウスのメーカー(でも、これは後に分かったことで、全くの偶然!)だということです。

〔↑ 上の写真は「スマートログ・タイプA」、下は「タイプD」 〕

そして今回は、取引き先への挨拶回りのために来日されたという訳です。 当日は、社長さんとメールをくれた輸出マネージャー(中国の方でした)のお二人で来られ、「こんなログハウスは初めてです・・・」と、我が家を興味津々で見学されました。 完璧な通訳のおかげでいろいろと会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができました。

あ、そうそう。コーヒーを飲んだ社長さんからは、「日本で飲んだ中で一番美味しい!」 と褒めて頂き、コーヒーを淹れた家内はご機嫌です(笑)。

なお折角なので、ホームページの 『スマートログ』 の紹介内容に少し手を加え、トップページの「設計事例」や「家のたね」と並べて掲載しましたので、興味のある方はぜひご覧下さい。

冒頭のオーロラのポストカード以外にも、お土産をたくさん頂きました。(↑)

この何とも不思議な出会いが何かに繋がるといいなぁ~。

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出る幕無し

2017-05-12 | 住まい

時々ですが、「住宅を建てたい」とお客さんが相談に来られたものの、お断りするケースがあります。折角、数ある設計事務所や工務店の中からアトリエリーフを選んで来て頂いたのに、お役に立てないのはとても残念です。

でもこれは、忙しくて手が回らないからではなく、ほとんどは、“設計者の出る幕無し” だからなのです。

この春の話で言えば、あるケースは、お客さんがご自身で描いた平面図と立面図をもとに、「この内容で建てて欲しい」というもの。 またあるケースは、ワンルーム+ロフトの「小屋的な最小限住宅を建てたい」、ただし、ご予算は非常に厳しく、設計・監理料さえも足かせになりそうな状況、というものでした。

設計においては、施主さんのご要望、敷地の要件や特性、構造面や機能面、デザインやご予算とのバランスなどを考慮しながら、施主さんと 「こんな空間や暮らし方がいいね!」 と共感できる具体像を “一緒に練り上げていくプロセス” が最も大切で、それを図面化したり実際のモノを選んでいくのは、それに付随する二次的な作業なのです。(これは私の考えであり、二次的な作業を重視する人もいるかもしれませんが。)

上記のケースでは、このプロセスはほとんど必要とされていない・・・ つまり私にとっては、“設計者の出る幕無し” なのです。

あ、そういえば別のケースでは、お話を伺って、「では、家づくりを始めましょうか・・・」 という段階になってから、「実は・・・親戚に、建築業の人がいて、その人に頼まざるを得なくなって・・・」と、キャンセルされたこともありますね。 そんな“しがらみ”は先に片づけてから来て! って話なのですが(笑)。

でも、もちろんこんな話ばかりではなく、価値観を共有できる施主さんがいらっしゃることも知っています。 これまでの実例が何よりの証拠ですから。

 

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住まいのチカラ

2016-12-24 | 住まい

先月竣工した大泉K邸の施主さんから食事のお誘いがあり、家内と出掛けました。

美味しい食事を頂いた後、K邸にお邪魔し、約1ヶ月住んでみての感想を伺ったところ、

「面積を聞くと狭い印象だが、実際は全くそんなことはなく、のびのびと暮らせている」

「窓の配置がよく考えられていて、プライバシーを保ちながら、室内のあちこちで景色が楽しめる」

「室内はとても暖かく、12月なのに薪ストーブはまだ薪を数本燃やしただけ」

「2階のフリースペースの居心地が良く、頻繁に活用している」   といった喜ばしいものでした。

窓枠やレンガ壁の上などあちこちに並んだ小物が、いいアクセントになっています。

実は、施主の奥さんは工事期間中あまり体調が良くなくて、設計の細かな打合せや現場の確認などは、ご主人が奮闘されていました。 話によれば、仮住まいは結露がひどく、湿度も非常に高くて難儀しているとのこと・・・体調悪化は、住環境の影響もかなりあるのでは?と感じていました。 なので今回引っ越されて、奥さんの具合がどの程度改善されるのか気掛かりでした。

実際に数時間お会いした印象では随分表情が明るくなり、住み心地について話す様子も楽しげで、新しい住環境が良い影響を与えていることを実感しました。 これは嬉しい結果であり設計冥利に尽きますが、逆に、住まいにはそれだけの “影響力” があるということで、責任の重さを感じます。

ところで御宅を拝見した際に、納戸の棚にずらりと並んだご主人のコレクションを発見! 骨董市などで集めた品々だそうですが、私が思わず 「骨董屋さんでも始められそうですね」 と言うと、「それができる資格は持っているんですよ」 と、さらりとお答えになったご主人・・・ 恐れ入りました。

 

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小さな工夫(大泉K邸 完成)

2016-11-05 | 住まい

5月下旬に着工した「大泉K邸」が、先日無事に完成しました!

施主さんや見学に来られた皆さんからは、「寸法や面積以上に、大きく広く感じられる家ですね~」 というお褒めの言葉を頂きました。 ありがとうございます!!

 

アトリエリーフのHPに竣工写真をアップしたので詳しくはそちらをご覧頂くとして、竣工写真だけでは分からない設計の工夫を少しご紹介しましょう。

ひとつは薪ストーブについて。 今回は施主さんのご希望で、「アイアンドッグ No01」 を選びました。余分な装飾を排したドイツ製らしい質実な雰囲気と、程よく曲線を取り入れた柔らかなデザインが魅力です。 背面のレンガ壁は、窯を解体した際などに出る耐火レンガの再利用で、通称『しろふるレンガ』。「茅野K邸」でも採用しましたが、その時とはまた違った色味で、唯一無二の味わいがあります。

薪ストーブはLDKの中央付近にあるので、床面は鉄板敷きのフラットな納まりとし、レンガ壁は後ろの見えない部分で建物本体に固定することで、控え壁(壁が倒れないよう直交方向に立てる補助的な壁)を設けないようにするなど、このコンパクトでシンプルな空間にすっきりと馴染むように配慮しています。

もうひとつは室内の窓について。 この住まいは施主さんのご希望で、コンパクトながらも個室のプライバシーを重視しており、奥さんの部屋(洋室1)は1階の東側に、旦那さんの部屋(洋室2)は2階の西側にと、完全に切り離した間取りになっています。 でも、決してお二人の仲が悪い訳ではなく、睦まじいご夫婦なので、設計の工夫として洋室2の隅に「小窓」を設けました。

(↑)この写真は吹き抜けに面したその小窓を見上げたところ。 窓には防音を考慮して屋外用サッシを採用しました。冬はこの窓から薪ストーブの暖気を個室に取り込みます。

(↑)こちらは洋室2からの眺め。 小窓からは薪ストーブの煙突と、その先に “奥さんの部屋の扉” が見えます。つまり、窓と扉が閉じていればプライバシーが保たれて、開いていれば双方の気配が感じられる・・・ という訳です。 些細なことですが、このご夫婦のライフスタイルに合わせた大事なひと工夫なのです。

お二人にはぜひ、設計コンセプトの 『コンパクトにのびのび暮らす』 を味わいながら、ゆったりとした気分で過ごして頂けたらと願っています。

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サッシの話2(戸先錠)

2016-10-20 | 住まい

大泉K邸の完成見学会を、10/29(土)・30(日)に開催致します。 ご興味のある方は、ぜひご予約下さい! →詳しくはコチラ

その大泉K邸のサッシの話をもうひとつ。今回は錠前について。

引違い窓の錠前で一般的なのは「クレセント」という金物で、ほとんど当然のように付いています。

 クレセント

(↑)大泉K邸でも掃き出し窓には付いていますが、それ以外の引違い窓には「クレセント」は付いておらず、開閉の際に指を掛ける引手に鍵が仕込まれています。(↓)

 窓を開けた時

 窓を閉めた時

引手の中にレバーがあり、これに指を掛けて引くと解錠され、窓を閉めると自動的に施錠される、という仕組み(赤いラインは“未施錠”の表示)。

これは、「戸先錠(とさきじょう」 と呼ばれるものの一種で、従来は鍵やレバー等によって施錠・解錠していたものを引手と一体化させて、開閉の動作と連動するように工夫したものです。

鍵の掛け忘れがなく、手間要らずでこれは便利。(↑)しかも、サッシ中央部に見えるはずのクレセントが無いので見た目はスッキリ! また、屋外から施錠されている箇所が分かり難いのも良い点です。 これは結構優れモノなので、今後標準化されていくような気がします。

ガラスもサッシもまだ進化の余地がありそうです。

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