静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

メンデルスゾーン/「フィンガルの洞窟」「宗教改革」(バーンスタイン IPO)

2006年08月24日 07時55分11秒 | バーンスタイン(独墺系音楽)
今回も棚のバーンスタイン・コーナーから・・・・。

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」

同:交響曲第5番「宗教改革」

指揮:レナード・バーンスタイン

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1978、79年


今はセット物で入手できるけど、ちょっと前までこの2曲のCDは入手難だった。その頃に某オークションでゲットしたもの。
2曲ともNYPとの録音もある。それよりも落ち着いた色調の演奏だ。見方を変えれば「おとなしい」と言えるかも知れない。録音されたのは70年代後半。私生活でもいろいろとあって、レニーの「スランプ期」と言う人もいる頃だ。

ディスクは「フィンガル」から始まる。
振幅の大きな息遣いと「こく」のある響き。
フェブリティス島の岸壁に打ち寄せ砕ける波が目に浮かんでくる。もちろん、見たことは無いのだが・・・。
曲尾の盛り上がりも、どこか余力を残している。それが物足りないという感じはなく、かえって曲の持つ風景画的な持ち味を出している。(フルトヴェングラーの旧録音を聴いた後だったから、よけいにそう感じたのかも?)
そう、この演奏では、例えば展開部前半の管楽器によるファンファーレ的音型が繰り返されるところや、その後の弦による第2テーマの歌いっぷりなど、「静」の部分の味わいが何とも言えないほどいい。

交響曲第5番「宗教改革」の方もほぼ同様のアプローチ。
作品(作曲者)や指揮者への敬愛と共感が感じられるような歌いっぷり。
ノン・ヴィヴラートのピュア・トーンも美しいが、ここで聴くヴィヴラートばんばんの弦の響きもまた美しい。
時折現れる「霊感が満ち満ちたような」瞬間がたまらないし、何度聴いても飽きない洗練味がある。
例えば、第2楽章結尾近くのあたり。ゾクゾクッとさせられる。
バーンスタインは、終始、厳かで美しい曲趣を大切にしながら指揮しているようだ。極端に大げさな表現は避けながら・・・。
ここでは60年代のはじけるような躍動感も後年の思いっきり感情移入した重々しさもあまり無い。
これもこの時のバーンスタインの姿。


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