静かな場所

毎日、音楽を聴きたい親父りゅうのつぶやきです。

聖響×OEKブラームス・チクルス 第4回

2008-03-02 23:44:06 | 金 聖響
ついに来ました最終章。
4回通しのチケット買った時は「全部は行けんやろなぁ、まあ、とにかく勢いで買っちゃえ!」って感じだったのですが、終わってみれば皆出席。
いやはや、まさに家族のおかげ、音楽の神様のおかげ、ブラームス御霊様のおかげです。ありがたいです。感謝です。


聖響×OEKブラームス・チクルス 第4回

ハンガリー舞曲第1番、第3番、第10番
弦楽六重奏曲第1番より第2楽章(指揮者無し)
弦楽五重奏曲第2番(弦楽合奏版)

(休憩)

交響曲第4番 ホ短調


指揮:金 聖響

管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

2008.3.2 15:00〜 大阪 ザ・シンフォニーホール



さて、最初はハンガリー舞曲の3曲。
ブラームス自身がオケに編曲した3曲で、この3曲だけを録音している指揮者もけっこういるかと。(我が家ではフルトヴェングラー、ハイティンク、スクロヴアチェフスキかな??)
にこやかに登場した聖響さんが振りだした1番は、どこかリラックスしたムードの演奏。
あんまり、あれこれやってなかったけど、曲自体を楽しんだ。
まあ、表現の仕方によっては「緩い」とも言えるかも知れないが、先に書いたように、本日、この客席に座していられるだけで幸せな私は、久々に聴くハンガリアン・ダンスの生音に酔いしれてた。

次はOEKの主席さん達だけによる六重奏。
観たことないけど映画でも使われたらしい曲で、ブラームスの室内楽曲はけっこう知らない私でもこれは知ってました。
照明も落とされて、ムード満点でしたね。
変奏が進むにつれて苦悩が深まっていくブラームス得意のパターン。


次の五重奏曲第2番は弦楽合奏版。
枯れた中に所々甘い楽想の切れ端が見え隠れして、何とも切ない曲。
遠い過去に思いやるような第2楽章は、本当にしみじみと聴けた。
そして、第3楽章は3番の交響曲やマタイ受難曲(バッハ)のエコーが聞こえてくる忘れがたい曲。
聴いてて、重奏を合奏版にしたものは、おそらく奏者さん達にとっては大変なんだろうなと思った。
音的には単調になりがちだし、細かなパッセージで響きの透明度を保つのも大変だろうな。
予習で半年ほど前からアマデウス・クァルテット他のCDを聴いてきたけど、合奏版ってのは、これまた全然違うパースペクティブなのであった。
終楽章では、聖響さんは、かなり劇性を強調していたかと思う。最後の高揚感はすごい集中度だった。


さてさて、休憩後はお目当ての4番シンフォニィ。

はたして、4番は凄いスゴイ演奏であった。
聴き位置にもよるのだろうが、私の位置では、オケの音がかなり剥き出しのまま、あちらこちらから襲いかかってくるような感じ。
枯れてはいるが控え目な甘さを伴ったちょっと出しの悲哀は、突如としてメールシュトレームの大渦巻きに呑み込まれる如くの悲劇になるという第一楽章の特徴をかなり鮮明に描いていた。
第2楽章は冒頭ホルンも抑え過ぎず朗々と、その後のピチカートの緊張感や木管の歌いっぷりに耳を奪われ、そして例の低弦のメロディが生で聴けるだけで私は幸せだった。
天馬空を行く第3楽章は硬質マレットがバチバチと炸裂して手筒花火の火の粉が降り掛かる如く。
実は、私が初めて生オケを聴いた曲が、このブラ4(渡辺暁雄指揮京響)だったが、あんときはトライアングルの音だけが印象に残った。今日、初めてブラ4を聴いた人がいたら、もしかしたら硬質マレットによるティンバニ激打が強烈にインプットされたのじゃないだろうか?
そのパワー全開の部分と、その合間合間の細かな部分の丁寧さも際立っており、目も耳も呪縛されたみたいに釘付けとなった。
とにかく胸のすく演奏だった。

そして最後、終楽章はブラームスお得意「人生パズル」。
二重構造の隙の無さに、今日はパンチの効いたアプローチにて、どの音符にも火が点いてた。
テーマに続いて30の変奏がきっちり8小節ずつ連なる。
(プログラムには「36回」って書いてあるけど、終結部分も変奏に入れてるのかな?)
これは、まるで整然と並んだ30の方眼のマス目一つひとつに実にバラエティに富んだ絵画が描かれているような見事な作品。
ぱぱっと一筆描きもあれば、細密画(12変奏)もある。
そして、折り返しの16変奏できちんとテーマをはっきりと再現させた後は聞き手を挑発するかのような高揚感を持ちつつ、一枚一枚(の変奏)が過ぎていく。
そして、30変奏から「規定外」の繋ぎ目が現れ(ここでブラームスの心中は「それぇ〜、いてまえ〜!滅茶苦茶にしたらんかい!」??)、一気にピウ・アレグロの終結部へとなだれ込む。
「なだれ込む」ところに「ポコ・リタルダンド」なんて書いてるのがブラームスらしい。
で、強拍に穴を開けたその後の展開の緊張感は誰の指揮でもすごいのであり、チェリビダッケやジュリーニが音の抜けた強拍で思いっきり指揮台を踏む、その気持ちはよく分かるのだが、今日の聖響さんは、容赦なく前のめり気味に音を重ねてきては、ティンパニの豪打で会場の空気をバサッと真半分に裂いて圧倒的だった。
エンディングでは、「短調のまま終結させた」ブラームスの(怒りにも近いような)孤独を全身全霊をもって体現されていたかの如く、コーダのフレーズが「これでもか」「これでもか」って聞こえたほど。


やられましたなぁ・・・ぶっ飛びました。
「激しい系」のブラ4もけっこう聴いてきましたが、こんなのは初めてでした。たぶん、肌に合わずに嫌悪された方もいたでしょう。
僕は完全に平伏しました。いいです。最高でした。
あっ、どこだったか忘れましたが、ファゴットがとっても雄弁だったところもありました。

拍手を受ける聖響さんは長いチクルスを終えた満足感と手応えを感じておられるようでした。いろいろとアレでしたのでトンボ帰りでしたが行けてよかったです、本当に・・・。


4月からは、また新たな4回シリーズ聖響/音楽至上主義が始まります。これも、4回分チケット取っちゃってます(今回は通しじゃなくバラで)。
また、神様の思し召しがあれば全部聴けるかも知れません。楽しみです。

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2 コメント

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音楽至上主義! (ピースうさぎ)
2008-03-04 22:04:55
こんばんは。
聖響さんが今週金曜日にセントラル愛知交響楽団の定期を振るんです。
まだ聖響さんの指揮を生で見たことがなかったので、楽しみにしています。
メインがブラ2なのでどうなるか・・・です。

大阪センチュリーの公演も面白そうですね〜。私も大阪詣でしたくなりました。
>ピースうさぎさん (親父りゅう)
2008-03-04 22:11:04
聖響さんのブログにあった「すぐに名古屋」とはセントラル愛知響だったんですね。
シベリウス、グリーグ、そしてブラ2ですね。
聴きたいですが、チト無理ですね
今年は名フィル定期にも登場されるので、そっちはなんとかなればいいなぁって思ってます。シベ5だし!

ピースうさぎさん、初聖響さんを楽しまれますように。

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