日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

狂った電波時計 職場放棄を恥じない情報通信研究機構

2011-05-10 22:29:40 | Weblog
数日前に偶然気がついたのであるが、私の部屋の壁掛け電波時計(A)と電波腕時計(B)の時刻がずれている。おかしいと思い腕時計と居間の壁掛け電波時計(C)をくらべたらこれは一致しており、時報117とも合っている。おかしいのはAであったのである。それにしても理由が分からない。太陽光パネル付のデジタル時計で買ってから10年は経っているのでそろそろくたばってきたのかとは思いつつも、取扱説明書を探し出して調整法を調べるつもりでいた。ところが今朝ふと見るとAとBがピタリと一致している。この時になってようやく思い出したのが福島第一原発事故で、原発から17キロの距離にある時刻合わせの電波を送る施設に常駐の作業員が、震災の翌日に避難指示を受けて避難し、電波の送信が停止されたというニュースであった。その電波の送信が回復したのだろうかと思って調べると、すでに4月22日に送信がいったん再開したものの25日には落雷でまた停止したとある。そして5月9日、すなわち昨日の午後から暫定的に電波の送信が再開され、それが今日、10日の午前中まで続けられるとのことであった。この最近の電波でAの時刻が正しくなったらしい。NHKは次のように伝える。

電波時計へ暫定的に送信再開

電波を受信して正確な時刻を表示する「電波時計」は、東日本の広い範囲でうまく動かない状態が続いていて、メーカーなどには利用者からの問い合わせが相次いでいます。国内に2つある電波の送信所のうち、東日本をカバーする施設が、立ち入りを禁止された福島第一原発から20キロ圏内にあるのが原因で、電波の送信は震災の翌日の3月12日からほぼ停止されたままです。施設を管理する情報通信研究機構は、このため、立ち入りの許可を求めて地元自治体と協議してきましたが、9日、立ち入ることが認められ、午後1時すぎから暫定的に電波の送信を再開しました。電波の送信は、10日午前10時すぎまで続けるということで、情報通信研究機構は、時刻を合わせたい時計は電波を受信しやすい窓際に置くよう呼びかけています。情報通信研究機構では、今後も月に一日程度、福島県の施設から電波の送信を行い、東日本にある電波時計の時刻を合わせたいとしています。これについて、情報通信研究機構時空標準研究室の花土ゆう子室長は「立ち入りが禁止されている以上、常に送信するのは無理だが、月に一日、電波を送信することで、時刻を補正したい。時計によっては、月に数十秒ほどのズレは出ると思うが、最低限の精度は保つことができるのではないか」と話しています。

電波時計であるべき時計で、月に数十秒ほどのズレが出ても最低限の精度は保つことができる、との「強弁」には驚いた。それでは電波時計としての値打ちは0ではないか。さらには「立ち入り禁止」の圏内だから月に一度電波を発信しに作業員が出かけるとは、職場放棄そのものではないか。福島第一原発の過酷な現場で作業している方々との対比があまりにも大きいのに愕然とした。ひょっとしてこの独立行政法人、もう整理が決まっているからなのだろうか。

わが家の電波時計のうちAだけが狂った理由も分かった。現在標準電波送信所は福島県大鷹鳥谷山(おおたかどややま)山と佐賀県・福岡県県境の羽金山(はがねやま)山の二カ所にあって、前者は平成11年6月から、後者は平成13年10月より運用開始された。古いAは大鷹鳥谷山からの電波しか受信出来ないのに対して、BとCは両方の電波を受信出来るので正常に作動していたのである。電波のやって来ない電波時計、ただのパネルになりそう。

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