波間に漂うクラゲのように

a person with no definite ideas.

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ひとり

2010-02-24 | Weblog
彼女の友人夫婦に会った。
奥さんが運転する車が、見知らぬまちを走り出す。

途端、国の言葉が滝のように場を満たす。
主に、彼女と友人の旦那さんが発する言葉。
ぼくには馴染みが薄い言葉。
聞き取れはするけれど、内容が地元の話ばかりなので、ぼくには分からない。
奥さんの方も、言葉少なに相づちを打っている。
分からないなりに推測して話を聞いてはみるけれど、国言葉の勢いもあってうまくいかない。

話が一区切りしたのを気に会話を試みるけれど、人見知りをする性質らしく、返事がない。

話題がまた変わった。
世間話みたいだけれど、“あれ”とか“この間の”なんて言葉ばかりで、やっぱり良く分からない。

彼女の横顔を見ながらぼくは、今まで彼女たちはこうやって過ごして来たんだなぁと思う。
他に思うことも出来ることもないぼくは、ただ、見知らぬまちが流れていく様を見ていた。

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とおくはるか

2009-07-18 | Weblog
その時、ぼくの内に現実が染み込んだ。
きみに拒絶された事実よりも、それ以前にぼくがしなければいけない事。
きみとは関係なく、ぼくがしなければならなかったこと。

でも、ぼくがそれをするには、きみと。

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ぼくのことばはとどかない

2009-02-03 | Weblog
 きみからレスが来たよ。
 きみのことがたくさん書いてあった。
 ぼくから投げた言葉については、なんにも書いてなかった。

 そのときから。

 ぼくの言葉が、冷たい床に落ちているイメージが。
 浮かんでずっと、離れないんだ。

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ただ、おもってしまうんだ。

2008-12-26 | Weblog
 返事が来ないなぁ。
 ぼくはケータイの画面を見つめる。
 別に来なくても良いのだけれど。
 変なこと、書いたりしなかったかなぁ。
 したかも。平気かも。
 …どっちだ?

 メールを打とうかなぁ。
 でも、鬱陶しいかなぁ。
 でも、打たないと冷たいって思われるかなぁ?
 …どっちだ?

 考えすぎなのは分かっているんだ。
 面倒くさくなるのも悪いクセなんだって分かっているんだ。
 でも。
 思ってしまうことは、どうすれば止められるんだろう。

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故郷はゆったりと時間が流れる場所、らしい。

2007-06-28 | Weblog
「東京にいると、周囲みんな敵だって思っちゃうんですよね」
 途中だったけれど、ぼくは雑誌をラックに戻した。

 好きな人のインタビュー記事。買って家で読もうか悩んで、結局その場で読み出してしまったのだけれど。
 買わなくて良かったかも。
 ぼくは息を吐いてコンビニを出た。
 強い日差し。目が慣れるのに数秒。
 その間に前を通った人の数は両手の指でも余るほど。
 ここは、ぼくが生まれて育った場所だ。
 そしてあの人が“みんな敵”だと感じる場所だ。
 言いたいことは、分かる。
 東京に“出てきた”人たちは、みんな何かしら希望を持って進んで行くつもりでいるのだから。
 そんな人たちがぶつかれば、“敵”に感じられるだろう。
 みんなが自分と同じように戦っているように感じるだろう。
 そしてたまに故郷に帰れば、落ち着いた気持ちになるのだろう。
 でも。
 ぼくにはここが、故郷なんだけどなぁ。
「みんな敵、かぁ」
 仕方ないよな。それが都市の宿命ってやつだよな。
 つぶやいてみても心の靄は晴れぬまま。
 しょうがないから大きく深呼吸して、最初に思い出したメロディーを、鼻歌に乗せて家路についた。

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