laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
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腐っても歌舞伎座

2008-01-10 | kabuki a Tokio

今年最初の歌舞伎座。

直前の演舞場がナニだっただけに、どうかと思いましたが、いや良かったです!

 

 

鶴寿千歳


 

昼の部頭でもいいんじゃないの?と思われるめでたい踊り。後半の御大二人が朝イチだときつかったんだろうね、とも思います。

前半、松竹梅の三人(歌昇、錦之助、孝太郎)は、まあ無難というか綺麗というか、いい踊りっぷりでした。

後半がやっぱり凄かったです。

動きこそやや鈍くなっている(特に富十郎)けれど、なんというかとにかくめでたい。
芝翫さんは、国宝様のなかで、藤十郎と並んで、ありがたいというよりは「現役感」が優先する役者さんなのですが、今日は富十郎と一緒のせいか、とても「ありがたかった」。それがめでたい踊りとマッチして、見ていてはは~~っとありがたく、、めでたい気持ちにさせていただきました。

 

連獅子

 

あたしの中で、どうしてもデフォルトなのは、中村屋の三人連獅子なので、それと比べてしまうのだが、何しろテンポが遅いのにびっくり。
テンポが遅いことにより、ゆったりした感じは出るのだろうが、それを埋めるだけの味が、高麗屋親子には不足していたような。

間狂言の高麗蔵松江の生真面目すぎるのもなんだかなーだったし。

高麗屋(幸四郎)がそろそろきつくなってきているので親子で今のうちに連獅子をやっておきたかった!という以外に意義を見出せない狂言だった、と思う。

一階最後列で見ていた染五郎の息子に、祖父の意図は伝わっただろうか?

 

助六

 

よかった!

今は酔っ払っていて(夜23時半)具体的に良さを書くのが面倒になったので、明日かあさってきちんと追記で書きます。

とりあえず良かった役者は團十郎、福助、段四郎、梅玉、東蔵、芝翫etc。

 

 

ここから翌日追記。

 

なにより、昨日再確認したのは、この芝居、実によくできているなということ。
あれだけ大ぜいの人間が並んで、一人として邪魔なものはなく、二時間の長丁場、客を退屈させずに引っ張ってしまう。
もちろん助六役者と揚巻役者が魅力的であるにこしたことはないが、ある意味、そこそこの役者なら誰がやっても(それは失礼か?)面白い芝居なのだと思う。

 

…と書いておいてから役者を褒めるのもなんだが、團十郎と福助、どちらもとても魅力的だった。
外見的にはいまや海老蔵にニンを譲ったかのように言われている成田屋の助六、あたしは息子よりずっと素敵だと思う。
なにより、助六の一筋縄ではいなかいすっとこどっこいさがこの役者の味にぴったり。助六、実は曽我五郎のハラが 茫洋とした風貌のなかのときどき鋭い目つきにしっかりと感じられたし、何より他人の頭に下駄をのせたり、うどんをかぶせたりの悪行が、この人がやると嫌味な感じがしないのが凄い。(息子のは悪いけど「いじめ」を思い起こさせた)
花道の出端も、動きのきれはともかく、悠然とした構えで、飽きさせなかったのはさすが。
当代一の助六役者、まだまだ息子には譲って欲しくない。
心配なのは声が枯れ気味だったこと。まだ中日前。労わっていただきたい。

 

 

福助、これがまた素敵に魅力的な揚巻だった。
生舞台では雀右衛門、玉三郎、菊之助で見たことがあるが、個人的にはいちばん好み。雀右衛門の品とも玉三郎の押しも押されもせぬ大花魁ぶりとも菊之助のお人形さんっぽさとも違う、ナマの人間っぽい揚巻。
花魁でありながら、心は助六の妻、満江の嫁という感じ。冒頭の「心の闇」という台詞が実にこの役者の口から出ると、真実味を持って聞こえる。
出の部分の生酔いの芝居、あそこがもうひとつなんとかなれば、もっとすばらしくなると思う。後半に期待。



それ以外の役者ではなんといっても芝翫の満江の貫禄と愛情。特に花道で助六と揚巻を振り返るときの慈愛に満ちた表情は、絶品。
梅玉の白酒売りがこんなにいい味を出すとも思っていなかった。
まじめに演じていてたくまざるユーモア感をかもし出す、という点では音羽屋より中村屋より、好きかも。最近梅玉、いいよなあ。
段四郎のくゎんぺらは手の内に入った役、という感じ。この人で意休も見たい。
東蔵の通人はやりすぎていないのがいい。

 

 

…ということで主要登場人物では意休と白玉が弱かった意外はほぼ満足。
意休(左團次)は、身体は大きいのに役者が大きくみえない。やはりここが助六とタメを張るくらいの存在感を持ってくれないと、芝居が弱くなるよね。仁左衛門や吉右衛門で一度くらい見たい。
白玉(孝太郎)は、いい意味でも悪い意味でも目立たず。揚巻が引き立つからいいともいえるのだが、もうひとつ華やかさが欲しかったような。

 

小さな不満点はほかにもなくはないが、いやあ新春一発目の吃又以来、久々にいい芝居がみられたという満足のほうが大きかった。ありがとう、團十郎&福助(とあたしのさとぴー♪)

 


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2 Comments

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Unknown (きょん。)
2008-01-12 09:40:46
どういたしまして~

二日目の助六さんは最後にはややお疲れだった
ように見えましたが、よかったですか。うふふ。
再見するのが楽しみです。

揚巻@福ちゃんの笑顔がコワくて震えたけど、次は怯えないように頑張ってみまっす
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Unknown (laviedure)
2008-01-12 16:35:54
いちばん心配なのがお喉です。
風邪でしょうか?
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