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ネタバレ「雪の鉄樹」感想 遠田潤子

2017-11-10 | 小説・漫画他
この小説、どこで評判を聞いたのか、、もう忘れてしまったのですが、内容が面白そうだな・・と思って、図書館にリクエストしていました。ネットでちょっと見たところ、評判も凄く高かったです。
私は遠田潤子さんの本を読むのは初めてでした。

読んだ感想は?と言うと
うーーん、いったい何があったんだろう?と、気になって、ぐいぐい引き込まれて読んだものの、雅雪は直接何かをしたってわけじゃないのに、ちょっとそこまでやるのは、どうなんだろう・・・?と思う処がありました。
彼が運転した車が・・っていうなら解るけれどもね・・。
彼は自分の人生を犠牲にしても、何かしたい・・って真摯に被害者家族に向き合うのだけれど・・・

あらすじ
主人公の庭師の雅雪、真面目な男。若白髪で仕事熱心、ひどい火傷の跡が今も痛む。
どうやら両親のいない遼平という少年の父親代わりみたいな事をしていたものの、割と最近何かで関係が破綻してしまった様子。
遼平と一緒に暮らしている祖母からは、酷い冷たい扱いをされている。過去に何か酷いことをして、絶対に許されない立場であることがうかがえる。

その後、過去に遡ったりして、その過去の重大な時間や、たらしと言われる父親と祖父などの様子も描かれる。
モテるのよねー、この祖父と父親が。どうやったら、そんなに次々、女性が出来るのか?積極的な行動力?


以前、東野さんの「手紙」で加害者が被害者にお詫びの気持ちの手紙を何度も送るんだけど、そういうのって、一見反省しているという気持ちを何とか少しでも伝えたい、って事ではあるものの、それって加害者の押し付けであって、受け取る側にとっては必ずしも・・・っていう処を描いていて、なるほどなあ・・・って思った事があったんですね。

それを読む前までは、私は加害者が手紙を沢山書いたり、お詫びに何度も通ったりと、その頻度が高ければ高いほど、反省の気持ちを相手に示すことが出来ると思っていたのですが、そうじゃないんだなあ・・・と、気がつかされた作品でした。

この小説に戻りますね、
それとね、小さい町なのに、遼平に過去の事件と自分との関係をずっと隠し通せるわけもなく、もうちょっと早くに自ら明かす方が良かったですよね・・・。刑務所から出所してくる女性の事、彼女と一緒に暮らすつもりだということも、黙って隠してカウントダウンしていたのも良くなかった。まあ、言おうと思っていた矢先、祖母が急死してしまって・・という予想外な事が起こってしまったっていう不運もあったんだけれど。

この小説で印象に残ったところ。
一人きりでしか食事が取れない体質になってしまった。
食事の後、空いた食器にたばこの吸い殻を悪気もなく置く癖が…(誰も注意してくれないので、ずっとそれがマナー違反だということさえ気がつかずに来てしまった)

庭師の仕事って今まで全く知らない職業だったので、色々と興味深かった。

★以下 更にネタバレ ラストのネタバレ★
最後は、激怒した遼平も解ってくれて、雅雪がバイオリンを探している間、出所してくる彼女を遼平が迎えに行ってくれる。
雅雪が借りていたアパートに行ってみると、そこには彼女がいてくれて。
そのままの姿で爆睡して起きてみると、美味しそうな朝食とともに彼女がいてくれて、お揃いのお茶碗とともに、これから・・・という、温かいハッピーエンドでした。
以上


雪の鉄樹 遠田 潤子 2016/4/12
ののしられながらもひたすら愛する女の出所を待つ男。感動のサスペンス!

内容(「BOOK」データベースより)
祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。遼平の祖母から屈辱的な扱いを受けつつも、その傍に居るのは、ある事件の贖罪のためだった。雅雪の隠してきた過去に気づいた遼平は、雅雪を怨むようになるが…。

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