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「リアルワールド」「優しいおとな」「柔らかな頬」「アンボス・ムンドス」桐野夏生

2010-12-16 | 小説・漫画他

読んだ順番は、「柔らかな頬」「アンボスムンドス」「リアルワールド」「優しいおとな」の順番でした。それぞれ、どれも3つ☆~3つ☆半という感じで、凄く良かった!とか外れた・・というのはなく、普通にみんな面白かったのですが、逆に1冊読んで、いざ感想書こう!って風にならなかったんですよ・・・

「優しいおとな」
表紙のイラストが魅力的で、読んでみたくなりました。
ホームレスの少年、地下に住む者達、マムズという女性達と子供のホームレス集団などのお話。
なんか、こういう話は以前にも何度か読んだり映画で見たりしていて、特に新鮮さを感じなかったこととと、体調が良くない時に読んだのもあって、あまり面白く読めませんでした。
でも解りやすく、子供にも読める内容だったかな・・と思いました。桐野さんらしさが、あまり感じられない作品だったかも。3つ★

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
実は「照葉」という集団で暮らしていた子供だったことが解る。
血のつながりを重視せずに、みんなが大きな家族のような共同体としてやっていく・・という理念から成っていたというのは、全く意外な展開でした 
以上

「優しいおとな」(2010/09) イラスト スカイエマ
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「リアルワールド」

4人の女子高校生のキャラがそれぞれ立っていて、その4人それぞれの心情や抱えている悩みやら、4人の中の誰の事をどう思っているか?というのとか、とても巧に描いていました。この女子達が通っている高校は、きっと進学校または、結構頭の良い子が集まる学校なんだろうなあ・・・って思いました。

キラリンの元彼が、イヤなヤツだと思いこんで読んでいたのですが、ラストの方でそうでもなかったみたいなのが、なんか気が抜けちゃったというか・・・。キラリンがあんなにミミズにくっついてずっと逃避行?まがいの行動をしちゃうかなぁ・・・と思っちゃったかな。

テラウチの母が長いこと不倫をしていて、小さいテラウチが、母が突然どこかにいなくなってしまうんじゃないか・・といつも心配しつつ成長していった事が、かなりテラウチの性格形成に影を落としてしまった。やっぱりバレないとなんぼ思っても子供には見通されてしまうから不倫とか良くないんだなあ・・・って改めて思った部分でした・・。
普通に面白かったけれど、予想を裏切る様な展開とか感動とか何かなかったので3つ☆半

リアルワールド(2003/2/26)
4人の女子高生、ホリニンナ、ユウザン、テラウチ、キラリン。
ホリニンナの隣家の男子高校生のミミズが母親を殺して逃亡した。4人はミミズの逃亡を手助けすることに。現代の高校生の心の闇を描く

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「柔らかい頬」

北海道の小さな町で食堂を営む家の娘として生活し、ここでの将来を悲観して、18歳で親を捨てて上京した主人公。中盤まではスピード感があってすごーーく面白かった。
不倫相手と、その妻(セレブな人たち)と、田舎から出て来て上昇志向な気持ちを持ちつつも、結局印刷会社の事務員として働き、そこの男と結婚し、生活に疲れつつも、強気な野性?みたいなものを持っている主人公。セレブな坊ちゃんが、今まで持ち得なかった、回りにもいなかった、その主人公の逞しい野性な部分に惹かれ・・って処とかは、おおおー!!
っと思ったし、子供がいなくなってしまって、一体誰が誘拐したのか?というサスペンス的な処も、ページをめくる手が止まらない!って程凄かった。

しかしながら、中盤にガンの警官が出て来てから、私的に面白くなくなってしまった・・・。残念。前半5つ☆、中盤以降3つ☆ トータル4つ☆。
天海祐希、三浦友和主演でドラマ化もされていたんですね。未見でした。

柔らかな頬 1999-04
「アナタハン事件」という実際の事件と似た部分がある作品のようですね・・。
行方不明になった娘を捜し続け、悔やみ、霊能者やテレビ視聴者の情報にすがり、不倫相手との愛情はすっかり醒め・・・
第121回直木賞受賞作 2000年版 このミス5位

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アンボス・ムンドス

「植林」「ルビー」「怪物たちの夜会」「愛ランド」「浮島の森」「毒童」「アンボス・ムンドス」という7つの短編。
表題となっている「アンボス・ムンドス」が私は一番面白かったです。
結構女性の生々しい?(^^ゞお話もあったかな。

2005-10-14 内容(「BOOK」データベースより)
不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。女性の奥底に潜む毒を描き、直木賞受賞以降の作品

「東京島」感想 +映画情報 
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4 コメント

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こんにちはー (hito)
2010-12-16 15:44:10
ここ数年桐野さん全然読んでないなー

読みやすくて、読み出すと止まらないんですよね。リアルワールドも柔らかな頬もどうも共感できずで・・というか理解できない部分が多くて、サクサク読んだけれど読後感はそんな良くなかった覚えがあります。

結構映像化されていますよね!久しぶりに読みたくなってきましたー。

こんにちは。 (時折)
2010-12-17 12:56:39
TBさせていただきました(読んだことがあるのは「リアルワールド」だけでした)。
>どれも3つ☆~3つ☆半という感じ
よくわかります。
だから、桐野さんを読もうとするときって、
無意識裡に3つ☆~3つ☆半を求めているときだと自分でも感じます。
そのうち、『柔らかい頬』を読みたいと思います。
hitoさん☆ (latifa)
2010-12-17 14:34:19
こんにちは、hitoさん
確かに両方とも共感出来ない内容でした。
OUTとかは、部分的に凄い共感出来るところがあったんですけれど。(それが逆に怖かったりもして
やっぱり桐野さんといえば、ドロドロと女性の怖さを感じさせる処がスバラシイので、そういうのをまた読みたいです。
時折さん☆ (latifa)
2010-12-17 14:37:41
こんにちは、時折さん
>桐野さんを読もうとするときって、無意識裡に3つ☆~3つ☆半を求めているときだと自分でも感じます。
 うははは!!面白い~ そういうのってあるのかも・・・。失敗したく無い時読む作家さんとか、ちょっと冒険してみたい気分の時読む作家さんとか・・・。

私はいつも図書館で借りて本を読んでいるので(リクエスト無しで棚に入ってる本を読むということが少なくて、リクエスト本が届きましたよ~というお知らせが来て、こちらの気分とは無関係に、届いた本から読むというのをやってます

『柔らかい頬』
時折さんの感想が楽しみです!
ぶ厚い本なんですが、私は中盤までは一気に読めました。

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