ポコアポコヤ

食べ物、お菓子、旅行、小説、漫画、映画、音楽など色々気軽にお話したいです(^○^)

「昨夜のカレー、明日のパン」木皿泉 内容あらすじと感想

2016-05-14 | 小説・漫画他

2年ほど前、話題になっていた時、図書館の順番待ちが多すぎて、諦めた本でした。
最近思い出し、やっと読む事が出来ました。
ちょっと悲しいけれど、温かい気持ちになる本でした。
ぽろぽろっと良い表現の文章があったり、雰囲気が良いです。
知らないうちに、NHKでドラマやコミック化もされていたんですねー。
キャストを見たら、ちょっとイメージが違ったので、ドラマは見ないかな・・・。

私が一番好きだったのは「山ガール」で、「パワースポット」「虎尾」も良かったです。

「ムムム」
テツコは寺田一樹と結婚するが、7年前に一樹は25歳で病死してしまう。
その後、暗い階段、息苦しかった実家には帰らず、気象予報士のギフ(義父・連太郎)と、古い日本家屋で二人暮らしをしている。
2人は同居人で家族であるが、お互いにある程度の距離を置き、たまに見て見ぬふりをしたり、のんびりと上手くやっているのだった。
テツコは岩田という彼氏がいて、プロポーズされているのだが、どうも気がすすまない。

待つ事に慣れ切っていたテツコとギフ。悲しく疲れ切っていた2人だが、ある夜、病院の帰り道に、ふとパン屋さんで焼き立てのパンを買うに至る。
このシーンが、とても良かったです。悲しい時でも、ちょっとした些細な事ではあるけれど、幸せな気持ちになれると知った後、テツコは色々なことを受け入れやすくなったような気がする。

パワースポット
頑張り過ぎてしまったのか、笑えない精神疾患に陥った、元飛行機の客室乗務員のムムム(本名 小田宝)ことタカラ。
幼なじみの隣家のカズのお見舞いに行き失敗したことを悔いていた。
ある日、顔面神経痛で笑ってしまうため産婦人科医をやめざるを得なかった中学の時の同級生のサカイに再会。
バイク事故の後遺症で正座できなくなり住職を辞めてしまった深チンと三人でパワースポットでも行く?なんて話になる。

ペルセウス流星群を観察しているカズのお父さんに会い、亡くなった人が星になり見守ってくれると思いたいのに思えないという言葉を聞く。
ふと、自分がかつてカズにあげたお土産の雪たるまを、CAの後輩の黒河内にフライト中、持って行ってもらうアイディアを思いつく。
この黒河内っていう後輩が良い子だなぁーーと泣けましたわ。
そして、3人の仲間が、どうやらパワースポットっていう惣菜やさんを開店させそうな勢い♪

山ガール
ギフはテツコに紹介してもらった山ガール・32才の小川里子こと師匠と一緒に山登りをすることになった。
もういい年したギフだが、やっぱり幾つになっても現役的な気持ちは失っていない^^

ギフに何故山に登る様になったのか?と聞かれ、里子は恋人が山で死んだ事がきっかけだったと言い、ギフも息子が亡くなった事を話す。里子はテツコが夫を亡くしていたことを今まで知らずにいたし、恋人が死んだというのは嘘で、実は婚約者が別の女性の方に行ってフラれてしまった事を打ち明ける。
その後、山頂で飲んだビールのせいか気分が悪くて、動けなくなったギフを、里子はおんぶして下山すると言うのだった。
「私たちがバチ当たるわけにはいかないんです」と本気の覚悟を見せる。
その時、ギフは里子のうなじを見て、かつて亡くなった妻・夕子が台所で包丁をわたされ、賭け事を辞められないなら私の首を刺せと言われた時の映像が蘇る。あの時以来、ギャンブルから足を洗えているのだった。
里子は、自分が山登りをする理由が解った「誰かと生死を共にしたかったから」と言うのだった。

ラストは、テツがキッチンで、銀杏の実をギフのために銀杏割り器で割ってやっている。
「大きな銀杏になったかもしれないのにね、すみませんね」と言いながら。

虎尾
虎尾は、亡くなった3つ上の従兄の一樹の遺品の車を譲りうける。
虎尾にとって、モテる一樹とその車は憧れの存在だったのだ。
そして、何故モテる一樹の選んだ伴侶が、テツなのか?を疑問に思ったりもしたが、一樹は、卵が入ったプラスチックのケースをひきあいに出し、選ぶんじゃなくて、もうそれしかないんだって、と言われたのだった。

虎尾は、小学生時代、同級生の女子に対して、嫌な思いを持っていたが、それは大人になるにつれて、だんだん変化して行った。現在は、大学のサークルで知り合ったオオちゃんと婚約中だ。新居を探している処だが、あの車を持ち続けるとなるとガレージ代が凄くかさみ、それで目下だんまりの冷戦中である。

そんなある日、テツコからあの車についていた雪だるまは、まだあるか?という電話が来る。
虎尾はあの車で、テツコ宅まで来て、今までテツコがこっそり持っていたカズの骨を、(気持ちの変化により)お墓に戻すために、元僧侶の友人(1話目に登場した深チン)と共に連れて行く。無事に骨を戻し、汗を流したいと友人のラブホに立ち寄った3人。
虎尾は、テツが今まで骨を入れていた小さな缶を譲り受け、車は手放し、今後はその缶を手元に置き続けようと決めた。

魔法のカード
テツコの彼氏、岩井が五百万円結婚詐欺にあったらしい。それは結婚式のはずだった。
事実は、自殺しようとしていた小学五年生の少女の願いをきいてやったのだった。

夕子
夕子は、一樹の母であり、ギフの妻。彼女がまだ結婚する前からのお話である。
夕子は、涙が止まらなくなることにより、誰かの死を予想でき、亡くなった知らせと共に涙は止まるという性分だった。
ある日、気象予報士・寺山連太郎とお見合いし、気に入るも、占い師からの良くない話により母に猛反対され、母はお見合いを断ってしまう。
しかし、突然、涙が止まらなくなり、寺山が死んだのかと心配になり家を訪れ、再会し、結婚する。
息子も産まれ幸せだったが、東北に転勤になり集合住宅に住むと連太郎はギャンブルにはまるようになってしまう。

夕子が会社勤めを始めた頃、まだPCとかが会社に入る前の時代。手書きの数枚複写の伝票を使っていたし、計算もPCが自動的にやってくれるのではなく、電卓でやって図表やグラフを人間が書いていたんですよね・・・。私は、ちょうどその過渡期に会社勤めをしていたから、夕子が素敵だと思った事務仕事の中での些細な楽しみ?や、先輩の手さばきに惚れ惚れすること、それが失われ、機械化されて行った事、すごく良く解りました。

男子会
ギフは女詐欺師に温泉旅行に誘われ、高級家具や水を買ってしまい、それをテツに隠しており、岩井の部屋に入れさせてもらっていた。
その後、2人で寺山家に戻り、岩井は朝食時、普段のテツとギフのあうんの呼吸的な日常の姿を見て、自分が入りこむ隙など無いんじゃないか・・という気持ちになる。そんなある日、テツは黙って出かけてしまい、どこに行っていたのかといえば、京都に岩井の分のお茶碗を買いに行っていたのだった。
そして、テツはギフに「もういいのね、一樹は死んだってことで」と言うのだった。
彼女なりに、踏ん切りをつけ、それをギフにも確認したようですね。
その後、岩井は、その茶碗を食器棚に入れて帰るのではなく、いちいち持ち帰り・持参して、食事を一緒に食べるのだった。
そして、少しづつ、寺山家の家の仕事を覚えて行った。
これからは、3人で暮らしていく様になるのかな・・・。

一樹
母・夕子に「パン買ってきて」と、雨の中お使いに出され、母の水玉の傘で歩いていたら、子犬を抱いた少女が「入れて下さい」と傘の中に飛び込んできた。
少女からカレーの匂いがして、聞いたところ、「夕べのカレー」と答え、一樹の持っているパンを見て犬の名をパンにしていいかと言い、雨の中を去っていった。
それから何年か経ち、17の時、母を亡くした一樹がさしていた水玉の傘を見た女子高生が、あっ!と、そして一樹も思い出し、すいませんと去って行った彼女を追いかけて、声をかけた!!
これが、テツコとのなれそめなのですね^^

昨夜のカレー、明日のパン 2013/4/19 木皿泉
『小説』 ジャンルのランキング
コメント (10)   トラックバック (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 新宿御苑散歩 | トップ | 箱根富士屋ホテル 宿泊記と... »
最近の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (苗坊)
2016-05-15 00:49:03
こんばんは。
2人の境遇は悲しいけど、それでも温かくて素敵な物語でしたね^^
私、本の感想を詳細に書いていなかったので、記事を拝見してそうそう、そんなお話だった!と思い出してました^m^ありがとうございます。
一樹とテツコの馴れ初めが可愛くて、でも2人の将来を思うと切なくもありました。
こんにちは。 (Noinu)
2016-05-16 11:36:48
『キャストを見たら、ちょっとイメージが違ったので、ドラマは見ないかな・・・』

わたしも最初そう思いましたが、
本の雰囲気を壊さず、なかなか
良かったです。本を読んでいない人にも
ドラマだけでも成立すると思います。
作家さんが、脚本家ってこともあるんでしょう
けど…
機会があったら、是非、お試しくださいませ。

Unknown (神崎和幸)
2016-05-16 13:16:57
こんにちは。

自分も「昨夜のカレー、明日のパン 」読みましたよ。
温かい気持ちになれますよね。
ほのぼのとしているのにシュール。そう感じました。
日常を大事に生きていきたい。そんなふうに思わせてくれるような作品だと思いましたよ。
苗坊さん☆ (latifa)
2016-05-17 10:03:33
こんにちは、苗坊さん
確かに、馴れ初めが可愛くて、微笑ましく読んだのですが、あれからほんの数年で、その生活が終わってしまったんだなあ・・・と思うと、悲しくもありますね・・・。

最近、本当に怖ろしいほど記憶力が悪くなって、、なので、気に行った小説は、内容あらすじを書いておこう・・・と思うようになりました。
1年くらいたつと、全て忘れちゃって、ズドーンとショックなのです。
あらすじを書いておくと、結構思い出しやすいので・・・自分のために・・。
Noinuさん☆ (latifa)
2016-05-17 10:08:01
こんにちは、Noinuさん
ドラマ版もなかなか良かったのですね?
里依紗さん?が主役ということで、妙に若いな、、って思ったのですが、よく考えてみれば、この小説のテツじたいが、そもそも若くして結婚して、今もまだ20代後半に入った処なんですもんね。
今度再放送があったら、ちょっと見てみようかな。

で、秘密!
そうなんですよね、映画化されるそうで。
それは嬉しい事だったんですが、キャストが・・。
生田君、別に嫌いってわけじゃないですが、秘密の主役に・・・・合ってない気が・・・。
神崎和幸さん☆ (latifa)
2016-05-17 10:16:05
神崎和幸さん、こんにちは
コメントありがとうございました。
神崎和幸さんも、この本、読まれたのですね。
ほのぼのと、良い小説でしたよね。

神崎さんは小説家さんでもあり、探偵業もされていた経験があるとのこと。すごいですねー。
探偵はBAR2の感想とか、幾つか記事拝見させて頂きました。

イイネボタンとか、コメント書こうとしたのですが、なぜか出来なくて、すいません。。
Unknown (神崎和幸)
2016-05-19 11:14:23
謝ることなんてありませんよ。

自分のブログを見ていただきありがとうございます。
嬉しいです。(笑)

コメントができなかったのですか。
たまにアメブロは調子が悪い時があるので、そのせいかもしれません。
神崎和幸さん☆ (latifa)
2016-05-22 12:03:30
再度おこし頂いて、すいません!

今、コメントにトライしてみたところ、今日は上手く行ったような気がします。
まだ保留になっているようですが、先日の様なエラーにはならなかったので、ちゃんと届いているといいな・・・
Unknown (すずな)
2016-05-29 14:00:24
コメントが遅くなってしまってすみません。

ギフとの二人暮らしになった理由は切ないものでしたが、そうやって二人で悲しみを共有しつつ癒していってるんだなぁと、そんなことも思いながら読みました。
最後はちょっとほっこりできるお話でよかったです。
すずなさん☆ (latifa)
2016-06-03 19:59:07
すずなさん、こんにちは!
いえいえ、私こそ、いつも遅れ気味で、のんびりやっちゃってますんで、全然お気になさらないでくださいまし

そうですね、まだ若くして、まさかの・・・。
でも、その後辛い時期を分かち合ったギフとの暮らしは、長年を経て、今やとても良い感じですよね。
そして、今は、もうちゃんと彼氏もいるし^^

この後、3人が良い関係になるといいですね。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

4 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉 (苗坊の徒然日記)
昨夜のカレー、明日のパン著者:木皿 泉河出書房新社(2013-04-19)販売元:Amazon.co.jp オススメ! 悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく ...
昨夜のカレー、明日のパン(木皿泉) (Bookworm)
7年前に亡くなった夫の父である”ギフ”と二人で暮らすテツコ。二人と、その二人を取り巻く人々を描いた連作短編集。
「昨夜のカレー、明日のパン」木皿泉 (Noinuの云いたい放題、やりたい放題)
昨夜のカレー、明日のパン著者 : 木皿泉河出書房新社発売日 : 2013-04-19ブクログでレビューを見る? *** 内容(「BOOK」データベースより*** 悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からた...
木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」 (日々のんぽり)
 誰かが1人亡くなるたびに、ああ、自分の番が近付いているなぁと感じるようになっている昨今。ああ、いつの頃からだろうか。  実際、若くても亡くなる人はいるし、誰よりもず ...