いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】お嬢さん

2006-06-27 | 邦画 あ行

【「お嬢さん」山本薩夫 1937】を見ました。

おはなし
金持ちの娘が、社会経験のため田舎の学校に教師として赴任するのですが、自分の考えの甘さを知り…

山本薩夫監督のデビュー作。いや、突っ込みどころ満載で面白いのなんの。主人公の規矩子役は宝塚出身の霧立のぼる。これが、ブルジョワの娘役なんですけど、もうカッコイイんですよ。タバコなんてスパスパ吸って、親が決めた伯爵との結婚なんてのにも興味が無い。夢は自分の力で生きること。

さっそく、おじさんの"つて"で、文部省に自分の就職を頼むお嬢さん。いきなり、コネっていうのがちょっと引っかかりますが、まあお嬢さんですからね。

めでたく九州の果ての島に赴任が決まり、意気揚々と出かけるお嬢さん。当然、自分の力で生きていくお嬢さんだから、客席は3等ですよ。無神経な酔っ払いや、座席に自分の子供を長々と寝かせている客などいますから、注意なんてしたりもします。「ちょっと、そこ席をあけてくださいますこと」とか言ったりして、当然、下々の者はバカですが素直でもありますからね。ははあ、って感じで席を空けます。おさまらないのは、ぐっすり寝てた子供。ギャアギャア泣き出す始末。これじゃ、お嬢さんも眠れやしない。睡眠不足は美容の敵ですから、さっそく2等の寝台車に移ることにします。まあお嬢さんですからね。

鹿児島から、島へ渡る連絡船。同僚が迎えに来てくれていました。潮風を浴びながら、尋ねるお嬢さん。「いつも、こんな風に新任の先生には出迎えがあるんですの」。困ったような顔をしながら「いえ、あなたは特別ですから」と答える同僚。「あっ、そう」。鷹揚なのはお嬢さんの良い所だと思います。でも、そこにいるのは召使じゃなくて、先輩の先生だということはうっかり忘れているようです。まあお嬢さんですからね。

島に着き生活が始まれば、派手だの、お高く止まってるねえ、などと原住民に言われるのは、当然のことなんで、気にしないことにしておきます。所詮、身分が違いますからね。お嬢さんは、自分の生活を実家にせっせと書き送ります。こんなに頑張っています、と。その時は、実家にいる母と姉のショットが入るんですが、必ず最初に映るのが「西洋甲冑」。いや、確かに金持ちの象徴っぽい気もしますが、そんなものリアルに飾っていた家ってあったんでしょうか。あと、虎の毛皮、というか虎をプレスしたみたいな敷物とか。

島で苦労しているんだねえ、ということで実家から送られてきたグッズ。さっそく、同僚とともに下宿していた旅館に飾ることにしました。島では誰も見たことの無いような蓄音機。おしゃれなランプ。なぜかペルシャ絨毯。それに全長1メートルは優に超えているフランス人形。ぎゃあーっ。

同僚はとても良い人です。まあ、貧乏人のあがりにしては、口の利き方もキチンとしているし。「いつまでも、友達よ」ということで意気投合しますが、いきなり同僚の妊娠発覚。どうやら、サナトリウムにいる恋人との間にできた子供のようです。夏休みに入ったら早速、辞めることになった同僚のために、自分の給料で援助をしてあげようと堅く決意するお嬢さん。東京から来た婚約者にも「私は帰りませんことよ」と高らかに宣言します。それから数日、いきなり小汚い娘がやってきました。ちなみに、名優高峰秀子ですけど。「あんたが来たから父さんはクビになったんだっ!
金持ちのクセに、偉い人に頼んで父さんの仕事を取るなんて」。

がーんですよ、お嬢さん。ショックを受けたお嬢さんのアップ。

シーン変わって、同僚とお嬢さんが連絡船に乗っています。どうやら、お嬢さんも同僚と一緒に仕事辞めたみたいです。タバコをぷかーっと吸って、海にポイっと捨てるお嬢さん。同僚への援助の話はどうなったんですかね。まあ、どうでもいいんですが。とにかく、頑張ったね、お嬢さん。

えー、これが「赤いセシル・B・デミル」山本薩夫監督のデビュー作。まあ、戦前ですからね。はっきり言って、「アカ」は刑務所に入れられるし、普通に華族とかいる時代ですから。まあ、こういう映画でデビューするのも悪くないと思うんです。だけど、一言だけ。

「これは、華族制度や、社会の矛盾を”お嬢さん”の行動によって抉り出そうとした作品」

ってことだけは、絶対にないと思います。

 

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