いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】竜馬暗殺

2006-08-03 | 邦画 や~わ行

【「竜馬暗殺」黒木和雄 1974】を見ました。

おはなし
新撰組や佐幕派からはもちろんのこと、勤皇派からも狙われることになった、坂本龍馬の最後の3日間を描いています。

坂本龍馬が原田芳雄。中岡慎太郎が石橋蓮司。それに岡田以蔵に「そっくり」な浪人の右太が松田優作。ATGだし、製作費がすごく少なかったそうですが、これだけのメンバーが揃っているのは今から見るとすごく豪華ですね。
   
サイレント風の演出でときおり説明のテロップが入りますが、そこにあった
「侍たちの内ゲバ 日常茶飯事……ナリ」

が、この映画の全てを象徴しています。そう、この映画は一見時代劇のようでありながら、学生たちのセクト争いや内ゲバを描いた作品なのです。

また、劇中に原田芳雄の言う「幕府を倒しても、新しい権力が生まれるだけだ。そうではなく、権力から自立する方法をこれからは考えるべきだ」という意見と、石橋蓮司の「まずは幕府を倒す。徹底した破壊者になるべきだ」という意見は相容れません。また、その話し合いの中に、突然苛立って切り込んでくる松田優作、こういったテロが手段でなく目的化した男もいます。

これを学生運動に置き換えると、自民党の政治体制を倒すのは全員賛成。しかし、その方針を巡って、細かい部分での食い違いが、血で血を洗う内ゲバに発展してしまった結末を表しています。

近親憎悪というか、向いている方向がほとんど同じなのに、徹底的に潰しあう学生運動。これに黒木監督は歯がゆい思いをしていたんでしょうね。
劇中、原田、石橋、松田の三人が一緒に写真を撮るシーンがあります。内心の不満は、ひとまず置いておいて、共に同じカメラのレンズを向いて立つ。それは黒木監督の願いだったのではないでしょうか。


また、「ええじゃないか」の踊りを見た原田が、「何がええんじゃー、おまんら何がええんじゃー」と怒鳴るシーン。これは、見せかけの平和に溺れていく74年当時の日本人に対する、黒木監督からの痛烈な批判の言葉だったのかもしれません。

そして最後、松田優作が思い入れたっぷりの芝居で斬られて死に、さらに原田芳雄と石橋蓮司も斃れていく結末。黒木監督は、何をこの映画に託したかったんでしょうね。

それはともかく原田芳雄、石橋蓮司それに松田優作。この男臭い3人の男達が演じた結果、この映画は妙に男臭いものに仕上がりました。フィルムがなんとなく汗臭そうです。

 

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