いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】いれずみ突撃隊

2006-11-13 | 邦画 あ行

【「いれずみ突撃隊」石井輝男 1964】を観ました。



おはなし
衆木一等兵(高倉健)が南支の最前線に転属してきました。そこは初年兵イビリが横行しているろくでもないところ。早速、衆木はそれをやめさせ、古参の阿川准尉(安部徹)に睨まれることに。信頼できる上官の安川中尉(杉浦直樹)も異動してしまい、衆木は慰安婦たちと共に、最前線に送られてしまいます。仲間や慰安婦が次々に死んでいく中、衆木は……


チャランポランな健さん主演の娯楽戦争映画。一言で言ってしまえば、、まあコレだけの映画です。岡本喜八監督の「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」がクールで面白い娯楽戦争映画だとしたら、こちらはさすが東映、主人公が入れ墨を入れたヤクザというところが目新しいでしょうか。

映画の冒頭は、馬に乗った健さんの姿を映し出します。「ハイヨー」とか言いながら馬を走らせる健さん。そして、健さんは前線の部隊に転属します。しかし、ひとり颯爽と馬に乗って転属してくる一等兵が、どこの軍隊にいるものか、と真面目に考えていると、この映画にはついていけませんから、まあ無かったことにしておきましょう。
転属してきた部隊は、新兵イジメが盛んなとんでもないところでした。今日も、宮田二等兵(津川雅彦)がイジメられていて、健さんの正義感爆発。いきなり入れ墨を見せ、「おひけえなすって」と仁義を切ってしまいます。阿川准尉(安部徹)は軍法会議にかけろと激怒していますが、安川中尉(杉浦直樹)は許してやれと健さんをかばうのでした。しかし、健さんはそれを感謝するわけでもなく、かえって「勝負してやろうじゃねえか」と杉浦直樹に息巻く始末。ところが、勝負するとあっさり負け。よくよく話を聞くと、同じ浅草のヤクザでも健さんはトウモロコシを売っていただけのチンピラ。杉浦直樹は関東武藏一家の跡取りで武闘派ヤクザだったのです。すっかり心服した健さんは、杉浦直樹を「兄貴」と慕うのでした。もう、ここらへんのお調子者っぷりは、健さんノリノリって感じで可愛いですね。

その後、健さんは津川雅彦に慕われちゃったり、慰安婦のみどり(朝丘雪路)に惚れられちゃったりと、最前線とは思えないユルユルな雰囲気の中で、日々を送ります。しかし納まらないのは、やっぱり自分も朝丘雪路に惚れている安部徹。階級が上の兵隊と殴り合いをしている健さんを見つけ怒鳴りつけます。しかし健さんは
「やかましい、ヤカンも上官もあるけえ」と傍若無人です、さすがにキレた安部徹が、ぶったぎってやる、と言うと
「やってくれ。鼻血が出るほど、血の気が有り余ってるんだ」と完全に安部徹を舐めきっています。准尉と言えば、兵隊にとっては神様のような存在なんですけどねえ。揚げ句の果てには軍刀を健さんに奪われて
「てめえみたいなクズでも数のうちだ。命だけは助けておいてやらあ」とまで言われる始末です。ちょっと安部徹が可哀想な気もしてきました。

取りあえず腹の虫が納まらない安部徹は、健さんたちを危険な任務に送り出します。しかし、死ぬのは津川雅彦。健さんは腕を撃たれましたが、思いっきり元気です。そして、部隊に戻ると、心配していた朝丘雪路が健さんに抱きつきキス。でも、そこは津川雅彦の墓の前なんですけどね。まあ津川雅彦と朝丘雪路が結婚するのはまだ先の話ですけど、それにしても立場ないよなあ、津川雅彦。

杉浦直樹が派遣されている最前線の陣地に、慰安婦たちが送られることになりました。従軍看護婦としてだそうですが、普通そんなことあるんでしょうか。護衛を買ってでるのは、当然、健さんたち。安部徹の策謀で、部隊に残っていた朝丘雪路は、健さんの後を慕ってきます。逃がすものかと、追っかけてくる安部徹。

こころへんから、映画はわけの分からないスピード感たっぷりの展開になってきます。
健さんを狙った銃弾は、間違えて朝丘雪路にヒット。その安部徹は突然現れた、八路軍に撃たれ死亡。慰安婦たちの乗った馬車を中心に、円陣を組む健さんたち。襲いかかる八路軍の騎馬兵たちを必死に狙撃します。ここは、もう完全に駅馬車のパクリ。そして突撃ラッパと共に救援に現れる杉浦直樹の騎馬隊。ああ、パクリまくり。
慰安婦の三原葉子の頑張りもあって、どうにか陣地に逃げ込んだ一行ですが、周囲には八路軍の大軍が取り囲み、ピンチであることに変わりはありません。そんな中、とくに見せ場のないまま朝丘雪路は死亡。機関銃を撃ちまくる健さんですが、横にいた砂塚秀夫などの仲間も次々死亡。ついには三原葉子が装弾手になって射撃を継続しますが、三原葉子もサクっと死亡。ふっと横を見ると兄貴(杉浦直樹)も死亡。健さんはダイナマイトを腹にぶち込み。兄貴の魂(抜き身の日本刀)を持って、敵に向かいます。そのスタイルは諸肌脱ぎなのは良いとしても、ズボンも脱いでしまったのでフンドシ姿です。なんか、露出狂みたいですね。「撃ってみろ、この野郎」と言いながら、敵に向かって歩いていく健さん。戦場を俯瞰するロングショットです。小さくなっていく健さんの姿。と、突然、健さんのいるところが大爆発。そして「完」

相変わらず、石井監督らしい終わり方です。余韻もへったくれもありませんでした。

ところで、この映画で光っているのは何と言っても三原葉子。東北弁の守銭奴だけど、実は気のいい慰安婦を楽しそうに演じています。実際、ヒロインは朝丘雪路ということに会社の事情でなっているんでしょうが、石井監督としては、三原葉子の方をメインに撮っていると思われます。やっぱり、石井監督の映画のヒロインは三原葉子で決まりですよね。

ちなみに、東映だし、石井監督ですから、勝新太郎主演、増村保造監督の「兵隊やくざ」のパクリかと思ってしまいそうですが、公開はこっちのほうが5ヶ月ほど先。やったね東映。






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