いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】伊豆の踊子(63)

2006-09-05 | 邦画 あ行

【「伊豆の踊子」西河克己 1963】を見ました。

おはなし
一高生の川崎(高橋英樹)は、伊豆を旅している時に旅芸人の一行を知り合いになります。なぜか、意気投合した川崎と一座の面々は共に旅をすることになりました。川崎は一座の踊子の薫(吉永小百合)の無邪気な姿に徐々に惹かれるのですが……
 

過去に何度も映画化されているので、どれかしらを見たことのある人は多いのでは。また中学生くらいの時に読書感想文で原作を読まされた記憶がある人も少なくないでしょう。
でも、この映画(というか原作)は、表面的にはとても叙情的な話ですが、実は身分制度にかかわるちょっとヘビーな部分もある問題作です。

最初に主人公と踊子が出会う茶屋。茶屋のばあさんは、主人公のことは下にも置かぬ歓待をしますが、踊子一行には冷たい態度です。また下田に向かう途中の村に「物ごい旅芸人村に入るべからず」という札が掲げられていたりして、いかに旅芸人が差別されていたかが良く分かります。
そもそも踊子たちは、諸芸を見せるためにあちこちを往来するいわば「道々の輩」と呼ばれる人たちの末裔。役者が「河原乞食」と蔑まれたように、こういった諸芸を見せる人たちは身分制度の中で、下級ランクでは無く、ランク外として扱われていました。

一方、主人公は高校生。それも旧制の一校生です。これは現在でいうと駒場に通っている東大教養学部前期課程の学生にあたるわけで、当時はまさに「末は博士か大臣か」と将来を嘱望されたエリート中のエリートでした。

踊子一行が、芸を見せてもらえるのがせいぜい50銭銀貨。ところが主人公が茶屋で婆さんに払うのも
50銭です。今で言うと、踊子たちが芸を見せて5千円稼ぐのに、主人公はちょっとコーヒー飲んでも、平気で5千円払っているようなものかなあ。

主人公は、純粋な好奇心から一座と共に旅をします。とはいえ、座長(大坂志郎)と談笑したあと、自分の宿に帰る座長に対して2階の窓から「これで柿でも食べなさい」と金包みを投げたりしています。もちろん、本人は何の意識もせずに。でも、これってかなり高飛車な態度ですよね、オマエは殿様か?と思ってしまいます。

原作でも映画でも、基本的に主人公は自分の「特権階級」ぶりを意識することはありません。だって、そういうものですからね、特権階級は。

とはいえ「伊豆の踊子」は、そんな小難しいことを言わずに見るのが正しいでしょう。なにしろ、何度も映画化されていますから、自分の好きな俳優さんでセレクトして見るのが「正しい態度」です。
ぶっちゃけて言えば、大学生が女子中学生に「萌える」話でしかないし。ある意味、すごく現代的ですよね。

(注:原作では主人公は高校生、とは言え旧制高校なので、現在で言うと大学の1、2年くらいです。確か原作では20歳くらいだったような。踊子は当然中学校に行ってませんが、年齢的にはそんなもんでしょう)

歴代の踊子は田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、それに山口百恵。
主人公は大日向伝、石浜朗、津川雅彦、高橋英樹、黒澤年男、それに三浦友和と選び放題です。
あなたはどの踊子(主人公)に「萌え」ますか。

僕個人としては、「ジョゼと虎と魚たち」の組み合わせ。犬童一心監督で、池脇千鶴の踊子、妻夫木聡の主人公なんてのがあったら「萌え」るんですが。

 

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