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邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】俺にさわると危ないぜ

2006-08-27 | 邦画 あ行

【「俺にさわると危ないぜ」長谷部安春 1966】を見ました。

おはなし
従軍カメラマンの本堂大介(小林旭)は、美人スチュワーデスの沢之内ヨリ子(松原智恵子)とナイトクラブに遊びに行きます。しかし、ヨリ子はさらわれてしまい、大介は殺人犯に間違われるはめに。大介はヨリ子の行方を調べる中で、この事件の裏には終戦時に沖縄から移送された莫大な金塊が絡んでいることを知ります。暴力団、不良外人組織、そしてブラックタイツ団の思惑が錯綜する中、大介はヨリ子を救うことができるのでしょうか?


冒頭はベトナム戦争のシーン。飛び交う弾丸の中、従軍カメラマンの旭が危険を冒して写真を撮ります。曳光弾の表現がカッコいいし、火薬の量も大量。おおっ、と思わせます。
そしてクレジットの後には007風のスタッフロール。ブラックタイツに黒マスクな女性たちが踊りまくる、そのシーンはスピーディーなカメラワークで「この映画は何かが違う」と思わせるのに十分です。



基本的にはさらわれた松原を追い求めて、旭が大活躍。最初は敵だと思っていたブラックタイツ団も味方になり、敵ボスの野望を打ち砕く、というコミカル・アクションですが、とにかくスゴイのが圧倒的なスピード感で、なおかつ全編スタイリッシュ。そして旭のアクションも冴え渡り、ブラックタイツ団や松原の下着姿でお色気方面もきっちりカバー。





さらに踊るブラックタイツの腰帯がアップになると、それがそのまま次の場面の背景色になったり、松原が赤い壁に手を突くと、ビリっと破れて真っ青な部屋が後ろに現れるなど、色彩設計も鈴木清順風の大胆なもの。
とにかく、どこにも文句をつけようが無い。ごくまれに、こういう傑作に出会えるので古い邦画はやめられません。

ブラックタイツ団の戦法は独特で、チューインガムを相手の目に飛ばす「忍法ガムガム弾」、さらには色仕掛けで自分を抱かせ、ごにょごにょで相手のごにょごにょを締めつけてしまう「忍法オクトパスポット」など技は多彩。
しかし、実は全員、沖繩出身の従姉妹同士。終戦間近に日本軍の手によって奪われた沖繩の財産を取り返したい、という目的で女忍者として、暴力団やら不良外人組織と戦っているというヘビーなバックストーリーもあります。そのうえ、一人ひとりが旭の腕の中で死んでいくので、けっこうシリアスな部分もあったりします。

この映画は長谷部安春監督のデビュー作。長谷部監督は、小林旭の映画の助監督を長く務めたということで、監督デビューにあたっては小林旭が絶対に出てやる、と言って作られたそうですが、でき上がって見れば予算を軽くオーバー。長谷部監督は予算超過の責任を取らされて1年数ヶ月干されましたが、しかしこれだけの傑作。会社も見る目がなかったなあ、と。

鈴木清順が「殺しの烙印」で、訳の分からない映画を撮ったとされ、日活を馘になったのは翌年の1967年。まあ、日活自体が業績も悪化していたので仕方ないとは言え、「遊び」が許されない時代になっていたのですね。

 

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