いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】あゝ零戦

2006-10-17 | 邦画 あ行

【「あゝ零戦」村山三男 1965】を観ました。



おはなし
夏堀中尉(長谷川明男)と峯岸二飛曹(小柳徹)、二人の若い零戦搭乗員がラエ基地に配属されます。そこには梶大尉(本郷功次郎)や、徳永兵曹長(早川雄三)といった歴戦のパイロットがおり、二人は徹底的に鍛えられていきます。しかし、戦局は悪化。二人の戦う場もフィリピン、そして日本本土と追い込まれていき、とうとう特別攻撃隊に配属されることになるのですが……。


大映の「あゝ」シリーズ全5作中3番目の作品です。このブログでは最後の感想文になります。
具体的に列挙すると、大映の「あゝ」シリーズは以下のとおり。
「海軍兵学校物語 あゝ江田島」村山三男 1959
「あゝ特別攻撃隊」井上芳夫 1960
あゝ零戦(1965)村山三男
「あゝ海軍」村山三男 1969
「あゝ陸軍 隼戦闘隊」村山三男 1969

映画は1942年6月のラエ指揮所から始まります。折りしもラエ基地では、攻撃のため零戦が発進するところ。ちょうど同じタイミングで、基地に着任した夏堀中尉と峯岸二飛曹ですが、夏堀は勝手に攻撃に着いていってしまいます。そのまま空中戦までおこなって2機撃墜の夏堀。基地に帰投して、嬉しそうですが当然怒られます。でも「バカモノ」と怒鳴られても「そうかな」と答えているような懲りないヤツです。
心配する飛行隊長の梶大尉は、夏堀と新米の峯岸を、超ベテランで「翼もぎりの徳さん」との異名を持つ徳永兵曹長に預けることにします。特に若い峯岸は、徳永を親のように慕い、日々教えを受けていました。

ある日、参謀(根上淳)の意見で、零戦に250キロ爆弾を爆装することにします。しかし、零戦は戦闘機であって戦闘爆撃機ではない、というゼロ戦フェチの梶大尉は猛反対。しかし、偉い人の命令には逆らえません。部下には任せられないと、飛行実験を引き受ける梶大尉。爆弾を搭載したまま急降下をする零戦ですが、華奢な機体は負荷に耐え切れず、翼がもげて墜落。梶大尉は死んでしまいます。
参謀は「今後60度の降下に耐えるように機体を補強しよう」と言って終わり。いやはや、軍隊って怖いところです。

戦局も悪化してきて、基地が連合軍より空襲を受けるようになりました。愛する零戦たちが、地上で空しく撃破され、零戦フェチの峯岸はキレてしまいます。防空壕から飛び出し、愛機のもとに走り出す峯岸ですが、当然ものすごく危険です。まさにグラマンの機銃掃射で、峯岸ピンチのその瞬間、徳永兵曹長が身を挺して庇ってくれました。もちろん、徳永兵曹長は戦死です。

峯岸は内地に戻り、徳永兵曹長の実家に形見の尺八を届けに行きました。するとぞろぞろと近在の人が集まってきて、徳永兵曹長の最後の様子を聞きたがります。最初は調子よく「空で死んだ」と話をしていた峯岸ですが、徐々に追い詰められていき、最後には「違います、みんなうそです。徳永兵曹長は飛行場の片隅でグラマンの銃撃をあびて死んだんです」と絶叫して、家を逃げ出していきました。

1945年4月、南九州笠原基地で久しぶりに夏堀と峯岸は再会しました。戦局は完全に末期。配属は特攻隊の直掩部隊です。しかし、彼らも特攻に狩りだされる日が来ました。海軍兵学校出身の夏堀は「後進の育成のため」という名目で、横須賀に転勤を命じられますが、部下の峯岸は特攻要員です。もちろん血の熱い夏堀には、一人だけ逃げるなんてことはできません。司令に直訴し、自分も特攻に参加させてもらうことにしました。

特攻が決まったパイロットは全員が喜んで死んでいくわけではありません。やはり、特攻を命じられた山県一飛曹は、整備兵にいちゃもんをつけ殴っているところを、夏堀に見つかり、逆に殴られてしまいます。キレた山形は、その夜寝静まった頃、「聞いて下さーい」とデカイ声。明日は特攻に行くのに、ある士官がボクを殴ったんです。目が腫れてこれじゃ、特攻に行けませーん、とわめき散らします。しかし、誰も聞いてくれない。それで、すっかり逆上した山県は軍刀を抜き、今からその士官をぶった切る、と大騒ぎします。しかし、部屋から出てきた夏堀に「斬ってみろ」「俺も(特攻に)行くんだ」と言われるとシオシオに。すっかりおとなしくなってしまいました。

翌日は出撃です。夏堀が隊長で、峯岸や山県などが一緒に飛ぶことになります。しかし、飛び立ってしばらくするとグラマンの編隊に遭遇。夏堀は部下達に躊躇なく「爆弾を捨てろ」と命令します。零戦は戦闘機。敵機と戦ってこそ、本来の役目を果たすのですから。しかし、夏堀自身は爆弾を捨てません。そして、叱られてからすっかりなついてしまった山県もです。爆弾を捨て身軽になった僚機がグラマンと空中戦をしている間に、山県が突入、しかし失敗。そして夏堀はみごと敵艦への体当たりに成功しました。ちなみに、ここは有名なニュースフィルムの流用です。
一方、敵機と戦った峯岸は負傷しています。もうダメだ。自爆しよう。そう思うと頭の中に「貴様だけは生かしてやるぞ」という夏堀の声が。そして、やがて島影が見え不時着に成功するのでした。

さて、シリーズど真ん中のこの映画。初期の「戦争の悲惨さも視野に入れた」作品と、後期の「特撮やカッコよさに重点をおいた」作品の狭間に位置するせいか、どうにも焦点がはっきりしません。なんとなくダラダラと話が進んで、終わってしまったような気もします。特攻隊員の描写にしても、すごく表面的で、こんなものじゃないだろう、という思いが消えません。かなり期待をして見たのですが、ちょっと残念でした。

もっとも特撮に関しては必要十分。この次の映画から特撮監督が、ガメラの湯浅憲明になりレベルが急上昇しますが、これはこれでOKじゃないでしょうか。東映の5倍はイケてます。


(夏堀と峯岸)

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