いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】陸軍中野学校 雲一号指令

2006-11-23 | 邦画 や~わ行

【「陸軍中野学校 雲一号指令」森一生 1966】を観ました。



おはなし
輸送船が爆発する事故があいつぐ神戸。どうやら秘密兵器が狙われてい るようです。椎名次郎(市川雷蔵)は、早速その調査を命じられました。あやしい人物を調査していく中、椎名次郎は、背後に大きなスパイ団の存在を察知します。


陸軍中野学校の続編です。同じ市川雷蔵主演の「忍びの者」シリーズでも痛感しましたが、「何だかんだ言っても、シリーズ物は1作目が一番面白い」という「真理」を発見してしまっているので、最初からモチベーション下がりまくってます。果たして、この映画はどうでしょうか?

映画の冒頭は、輸送船の爆発シーンです。あまりのショボサに、先行きが不安になってきます。さて、シーンが変わると列車に揺られている椎名次郎(市川雷蔵)が写ります。前作で、中野学校を卒業した椎名は、任地の北京に向かって、朝鮮半島を北上中なのです。おお、次の舞台は外国だね、と思っていると、草薙中佐(加東大介)に暗号電報で呼び返される椎名。神戸で起きた輸送船爆破事件の真相を探るようにとの命令です。とりあえず、外国駐在を期待していたエリートサラリーマンが神戸支社に行かされてしまうようなものですね。市川雷蔵も「何だかなあ」と思っているかもしれませんが、観てるほうも、ちょっと騙された気分です。

さて爆発沈没した輸送船は、新型の特三型砲弾を積んでいました。これは戦局を一変させてしまうほどの秘密兵器だそうです。そのため事態を重視した参謀本部は、特にこの件について「雲一号」という秘匿名匠をつけて、神戸の憲兵隊、そして中野学校に徹底調査を命じました。もっとも中野学校への調査指示は、草薙中佐いわく「正直言うとな、俺の方から強引に売り込んだんだ」だそうですが。
そりゃ、そうですね。出来たばかりで、まだ海のものとも山のものとも知れぬ、中野学校ですから。積極的にアピールしなきゃね。この気持ち、弱小ブログをやっているものにとっては、とてもよく分かります。

さっそく調査を開始する椎名次郎と同僚の杉本。しかし、ごそごそ調査していた椎名は憲兵隊にとっ捕まってしまいます。椎名を捕まえた憲兵大尉(佐藤慶)はネチネチ雷蔵を攻め立てます。しかし、上司の憲兵中佐(戸浦六宏)が物分りの良い男だったので、椎名は助かりました。
あやしい、物分りの良い戸浦六宏なんて、絶対にあやしいです。こいつが犯人だとぼくは思います。

調査をしていくと、あやしい人物が浮上してきます。それは埠頭の夜警。確かに奴なら、夜中にひとりで荷物に爆弾を仕掛けるのも可能でしょう。そのうえ、銭湯で、芸者の梅香に、なにやら秘密のものを手渡しています。「夜警ごときが芸者と知り合いなのはおかしい」と、かなりとんでもない理由で、椎名たちは、夜警を徹底マークすることにしました。

そんな時、椎名は帝大の同級生と再会します。彼は新聞記者をしているようです。二人は世間話をして別れました。あやしい。こんなところで、同級生に会うエピソードが入るなんて、もうあやしさプンプンです。絶対、こいつも一味です。

夜警は、毎日決まった生活をしています。決まった時間に銭湯に行き、決まった時間に中華料理屋でご飯を食べています。そして、その中華料理屋の親父を演ずるのが伊達三郎。同じ市川雷蔵の「忍びの者」シリーズ常連さんじゃありませんか。もう、あやしさ全開です。単なる中華料理屋の親父だったら伊達三郎が演ずるわけありませんから。こいつも、犯人決定。

伊達三郎は、教会の神父さんと立ち話をしています。ふふん、外人神父だなんて、もう犯人決定じゃないですか。それも、ボスと見ました。絶対、そうに決まってます。

結局、追い詰められた夜警は自爆。さらに同級生は自殺、とスパイ団は追い詰められていきます。色仕掛けで、佐藤慶から機密書類を盗撮した梅香も、それがバレて佐藤慶に射殺されました。もちろん、そのあと佐藤慶も自分の不明を恥じて、自決するのですが。

さて、憲兵隊が教会を急襲します。家宅捜索の結果、風見鶏に似せたアンテナや無線機が発見されます。慌てて毒を飲んで自殺しようとする神父さん、いやスパイの親玉でしたね。その毒薬を叩き落とした憲兵隊長は言います、「神は自殺を許さんはずでしたな」

えっ、憲兵隊長の戸浦六宏はスパイじゃなかったんですか。あれれ。どうやら、あやしいと踏んだ4人のうち3人までしか当たらなかったようです。なんか、すごく負け犬気分です。犯人当てに失敗するなんて……でも、戸浦六宏が出てきたら普通は犯人ですよねえ(しつこい)。

ついでに、造船所に仕掛けられた爆弾も、憲兵たちが危険を感じて退避するなか、椎名次郎が一人残って発見、処理するのでした。ちなみに、椎名次郎の使った方法は金属探知機での探査。地面に埋まっている地雷を探すのに金属探知機は有効だと思いますが、周り中、金属だらけの造船所で、どうして爆弾を見つけられたのかは謎です。多分、中野学校精神で頑張ったのでしょう。

前作で大活躍だった草薙中佐(加東大介)。もう、市川雷蔵が主演なのか、加東大介が主演なのか、分からないくらい熱い男でしたが、今作ではいまいち出番が少なく、とても悲しいです。でも、少ないシーンでも、熱い魂の一端は感じることができたので、ご紹介しておきますね。

<今日の草薙中佐>
どうやら椎名次郎の母親は病気で危ない状態のようです。草薙中佐は椎名に、少しだけでも母のところに顔を出してやれ、と言います。しかし
「私たちに一切の私情を捨てろと言われたのは、中佐殿、あなたご自身ではありませんか」
とつれない返答が。この瞬間の草薙中佐の切なそうな表情がいいです。思わず、「椎名、草薙中佐を苛めるなよ」と味方したくなってしまうほど。無言で部屋を出て行く草薙中佐の後姿はどことなく寂しそうです。
シーン変わって、病院。椎名の母が寝ています。医者に病状を聞く草薙中佐。しかし出血が止まらず危ない状態のようです。躊躇無く、私の血を使ってくださいという草薙中佐。医者が、あなたからは、これ以上取れない、と言っているところを見ると、もう何リットルも血をあげているのでしょう。くぅーっ。なんて奴なんだ、草薙中佐って。

また、事件がすべて解決したあと、椎名は参謀本部に出頭し草薙中佐に会います。椎名も、今では草薙中佐が母のために尽力してくれたことを知りました。映画の中では、一切笑わず、無表情に徹していた椎名が、ここで始めて笑顔を浮かべます。草薙中佐も笑顔です。椎名と固い握手をした草薙中佐は言います。
「椎名、確か前にも言ったが、たとえどんなところに赴任しても、どんな目に遭っても死ぬな」

カッコよすぎです。


(堅い握手)


(佐藤慶と戸浦六宏)


いくらおにぎりブログのインデックスはここ
いくらおにぎり日記はここ

『映画・DVD』 ジャンルのランキング
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 【映画】私は貝になりたい | トップ | 【映画】ゴジラVSメカゴジラ »
最近の画像もっと見る

あわせて読む