いくらおにぎりブログ

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【映画】沖縄やくざ戦争

2008-11-14 | 邦画 あ行
【「沖縄やくざ戦争」中島貞夫 1976】を観ました



おはなし
本土返還を前に、沖縄ではやくざ戦争が勃発。なんだかタイヘンなことに。

前半は千葉真一の暴れっぷり。後半は松方弘樹のキレっぷりを堪能できる、一粒で二度おいしい映画です。

「沖縄市(コザ)」。夜の歓楽街では、東京から進出してきた居酒屋さんがオープンセールの真っ最中。と、そこに入ってきたのはサングラス姿もバッチリな国頭正剛(千葉真一)と、その愉快な仲間たち。トリャっ。ビール瓶を正拳突きで粉砕した千葉ちゃんは、キックで店を破壊していき、満足そうにポーズを取っています。「兄貴、兄貴」と慌てて止めに入ったのは、兄弟分の中里(松方弘樹)ですが、千葉ちゃんの懐刀、石川(地井武男)は黙ってニヤニヤ見ているばかり。

「石川、きさまなぜ止めんのだ」と松方弘樹が叱り付けても、「止めて止まるオヤジですかねえ」と鼻で笑っていますよ。まったく生意気な奴です。トリャ。とりあえず、ひと殴りしておく松方弘樹でした。

さて、ここでお話の前提条件を整理しておきましょう。沖縄は現在のところ沖縄連合琉盛会という組織が仕切っています。この組織ですが、実は那覇の大城派とコザの国頭派の寄り合い所帯。もともと、二派は抗争をしていましたが、本土復帰を目前にして、本土やくざに対抗するために大同団結をしたのです。とは言え、もともと犬猿の仲。それに大城(織本順吉)と千葉ちゃんが、それぞれ理事長という、変則的な組織なので揉め事が絶えません。

さらにコザは、もともと国頭をはじめ三派が合い争う場所でした。しかし、千葉ちゃんのために、松方弘樹が敵をマシンガンでバリバリ殺してあげたために、今では国頭派のみが生き残っているのです。で、地井武男は、その後に入って急成長した子分ですから、言ってみれば格が違うと。しかし、建前はともかく、残った松方弘樹の子分たちは、地井武男に苛め抜かれ、すっかり落ちぶれていたのです。そんなところに、沖縄返還の恩赦で、松方弘樹は出所してきたのです。

一緒にマシンガンをぶっ放した誠治が、白骨死体で発見されたことを知った松方弘樹。「手も足もバラバラ。頭蓋骨はボッコボコだ。誠治はなぶり殺しにされたんだ」と怒っています。もちろん、こんなことをやるのは、地井武男。地井武男に決まっています。しかし、当然のことながらトボける地井武男。それどころか、松方弘樹がプンプン怒りながら帰ったあとに、松方弘樹の悪口を言い出しましたよ。沖縄そばをグッチャグチャ食べながら、それを聞いているんだか、聞いていないんだか分からない千葉ちゃん。しかし、地井武男が「理事長。中里も消しましょう」と言い出したのには、沖縄そばを口からダラッと出しながら、怒るのです。「石川、誠治らチンピラどもを何百人ぶっ殺そうが、俺は屁とも思わねえ。だが、ちょーでぇ(兄弟)だけには手を出すなよ。たとえお前でも、下手な真似しやがったらタダじゃおかねえぞ。ああ?」。思わず、黙ってしまう地井武男。やっぱり、口からそばが飛ぶのがイヤだったんでしょうか。

さて、子分の具志川(室田日出男)が、ほそぼそと営む氷屋さんで、カキ氷を食べながら、じみーに作戦会議を開いている松方弘樹たち中里派。オヤブンが帰ってきたので、室田日出男や鉄男(矢吹二朗=千葉ちゃん弟)あたりは、「石川をやりましょう」とヒートアップしていますが、「喧嘩しても勝てんぞ」と、あくまで松方弘樹は冷静です。「向こうは200。こっちは30」「兄貴を信じる他はねえ。もう少し待つんだ。ムショで待つことだけは覚えたさ」。

えーと、待ったカイがあったんでしょうか。二郎(尾藤イサオ)の幼馴染の宏(渡瀬恒彦)が、田舎の久米島から出てきました。久米島といえば、松方弘樹や室田日出男を出身地でもあるので、なんだか室田日出男あたりはうれしそうです。やったあ、これで31人めですね。それに、芸能界ケンカ最強ともいわれる渡瀬恒彦ですから、心強い限りです。お前も早く、ここで女を作るんだぞ、と渡瀬恒彦に優しいアドバイスをする室田日出男。イエス、ボス。早速、ディスコのトイレで、黒人女性を襲う渡瀬恒彦。むろん、仲間の黒人男性と大喧嘩です。あれ、ちょっと違ったかなあ。今度は尾藤イサオの彼女の友達を紹介してもらう渡瀬恒彦。もう、すぐさまパンツ一丁になって、準備万端。いつでもこいです。「待ってよ。先にちょうだい」と言い出す女(ひろみ麻耶)。「金取るのか」と驚いた渡瀬恒彦ですが、なあに、やっちまえばコッチの勝ちということで、いただきまーす。ゴチン。股間を蹴られてのた打ち回ってますよ。「大丈夫?お医者さん、呼ぼうか」と心配するひろみ麻耶に、「さすってくれよ」とお願いする渡瀬恒彦。ひろみ麻耶はビックリ。なんか、スゴク大きいんですけど。ゴクリ。と、思ったら、パンツにタオルが入れてあったのでした。まあ、そんなこんなで、スケができて良かったね、渡瀬恒彦。

貧乏はツライもので、室田日出男は黙って縄張りを越えて商売をしてしまいました。といっても、じみーに氷を売っただけですけど。でも、縄張りは縄張り。早速、千葉ちゃんたちに拉致されてしまいます。アイスをペロペロ舐めながら、「縄張り侵した奴がどうなるか、国頭一門の掟、知ってるな。んーっ」と、睨んでいる千葉ちゃん。「俺、どうなってもいいっすよ。オヤジや若いもんの身が立つように考えてやってください」と男気溢れる室田日出男は、死を覚悟します。頭に突きつけられるピストル。ところが、千葉ちゃんは言い出しました。「待て、殺したくらいで見せしめになるかい」。その手に握っているのはペンチ(というかヤットコ)。思わず、ビビる室田日出男。ま、まさか。ギャーッ。案の定、室田日出男は、大事なトコロを千葉ちゃんの子分に千切り取られてしまったのです。新しいアイスを食べつつ、それを見ている千葉ちゃん。さすが、狂犬です。

当然、縄張り荒らしなので、松方弘樹は千葉ちゃんに平身低頭。「オヤジさん、俺ガマンできなくて」という室田日出男に、涙のパンチです。許せ、子分よ。「兄貴、すまねえ」と千葉ちゃんにあやまり、「石川すまなかったな」と地井武男にも謝る松方弘樹。しかし、地井武男はプハーっとタバコの煙なんか吹きかけてますよ。ちくしょー、いつかコロス。

「理事長、これで分かったでしょ」と、またも松方弘樹の悪口を言い出す地井武男。しかし、千葉ちゃんは、松方弘樹に新しい縄張りをくれてやれ、と言い出すのでした。さすが千葉ちゃん。決してケチではないんです、単に狂犬なだけで。しかし、これには地井武男が猛反発。「国頭派をここまで大きく育てたのは、この俺だ」。バコッ。千葉ちゃんの裏拳が炸裂しました。メゲズに「俺無しで、やっていけるというなら、この場で俺を殺してくれ」と叫んでみる地井武男。あ、それはマズイ。千葉ちゃんに駆け引きが通じるワケないんですから。バッとサングラスをむしりとり、「言・う・た・な・あ」とピストルを構える千葉ちゃん。「オヤジ、やめてくださいよ」と子分たちがすがり付いて止め、どうにか即射殺は免れたものの、「出て行け、コラぁ」と地井武男は放り出されるのです。

そんなこんなで、仲がいいんだか悪いんだか良く分かりませんが、千葉ちゃんと松方弘樹は、高級クラブでの琉盛会の打ち合わせに参加中。大城理事長こと織本順吉や、その若頭の翁長(成田三樹夫)は、千葉ちゃんにホテルでも建てろや、とシキリに現代ヤクザへの転向を勧めますが、千葉ちゃんは怒り顔です。「ヤマトの奴らを泊めるホテルを建てろと言うんかい」。そう、千葉ちゃんは本土の人間が大キライな、コチコチの沖縄至上主義者だったのです。と、ステージでは、どうみても本土のヤクザ(曽根晴美)が、気持ちよく歌なんか歌ってますよ。ムカムカ。千葉ちゃんの顔が、怒りに歪んでいます。「おいおい」と織本順吉以下、みんなが止めるなか、ステージに飛び上がった千葉ちゃん。いきなり、上半身裸になったかと思うと、琉球空手の演武を始めちゃいましたよ。もう、いかにも挑発してますよー、と言わんばかりの態度の千葉ちゃんですが、そこは曽根晴美は大人でした。というか、危険な香りを感じたんでしょう。ムカムカしつつも、本土のヤクザたちは黙って引き上げていったのです。君子危うきに近寄らず、ですね。

しかし、たとえ君子でも避けられないものがあります。それは千葉ちゃん。挑発に乗らないなら、コッチから行くぜとばかりに、本土ヤクザを襲撃しちゃったのです。曽根晴美をボコボコにしておいて、車で轢く千葉ちゃん。バックして、もう一度。前進してもう一度。バック、前進。とりあえず、何回でも踏んでみちゃうのです。

これに慌てたのは、琉盛会の理事長はじめマトモな幹部のみなさん。なにしろ、曽根晴美は、本土でも最大規模を誇る関西旭会の幹部だったというのですから。「下手したら、旭会と戦争だよ」とガクガクブルブルしている成田三樹夫に、しかし千葉ちゃんは言うのです。「戦争やろうじゃねえか。戦争、だーい好き」。「気は確かかね。向こうは組員2万人の大組織だ」と抵抗してみる成田三樹夫ですが、そもそも、この言葉は間違えています。なにしろ、千葉ちゃんの気は「確か」じゃありませんから。「ヤマトの奴らどもは、一歩たりとも、この沖縄の土を踏まさん」と息巻く千葉ちゃんに、琉盛会のみなさんは困った表情です。

「わしゃ知らん。わしゃ知らんぞお」と織本順吉が日和ったので、しかたなく成田三樹夫と松方弘樹が、はるばる大阪までワビに行くことに。「中里英雄であります。なにぶん田舎者のことで、謝罪の法をわきまえておりませんが、本土の流儀ではかような場合、指を切断すると聞いております。たとえ、十本残らず切られたとしても文句はありません」と、折り目正しく挨拶をする松方弘樹に、心動かされたのでしょうか。旭会の大幹部、海津(梅宮辰夫)は、快く許してくれたのでした。もちろん、千葉ちゃんの首を取るという条件ですが。

沖縄に戻った松方弘樹は、「この恥知らず」と千葉ちゃんから、キツーいパンチを喰らっちゃいました。「ちょうでぇ(兄弟)、貴様までがヤマトの犬に成り下がるとは思わなかったぞ」と、寂しそうな笑みを浮かべる千葉ちゃん。しかし「生きるためさ」と松方弘樹は言います。「生きるためなら、犬にでも豚にでもなるさ」。ドガーンと効果音でも付けたくなるイキオイで振り向く千葉ちゃん。「中里、24時間以内に、このコザから出て行け。てめえの一門の者みたら、一人残らずタッ殺してやる」。

「45だ」と、でかいピストル(45口径)を取り出し、尾藤イサオ、渡瀬恒彦に渡す室田日出男。「オヤジや俺の代わりに、島のモンの意地、見せてくれ」。千葉ちゃんのせいで、かわいそうなことになってしまった室田日出男は、もはや復讐の鬼と化しています。もちろん、その計画に気づいても止めようとしない松方弘樹。なにしろ、やらなければコッチがやられる。それに千葉ちゃんを生かしておいては、いずれ本土のヤクザがやってきて、沖縄ヤクザは壊滅、皆殺しは目に見えていますからね。ただ、ワリを食わないように、準備だけはしておかないと。ということで、早速、成田三樹夫に交渉です。「チャカも金をいらんですが、一つだけ欲しいものがあります」、「国頭の葬式に、大城さん以下、あんたがたが列席しないという約束」です。つまり、千葉ちゃん殺害は、中里派の暴発ではなく、琉盛会全体の意思であることを示してもらいたいということです。ついでに、地井武男の除名も要求する松方弘樹。「中里さん、負けたよ」と成田三樹夫は同意しましたが、で大丈夫でしょうか。成田三樹夫が義理堅いとは、聞いたことがありませんけど。

ともあれ、賽は投げられました。ルビコン川は渡ってしまったのです。キャバレーで飲んでいる千葉ちゃんを、尾藤イサオと渡瀬恒彦が襲撃します。「なんじゃい貴様」と言う千葉ちゃんに、渡瀬恒彦がズドン。なにしろグリズリーをも倒すという45マグナム。一発で千葉ちゃんは消し飛び、と思いきや、千葉ちゃん暴れてます。ズドン。ズドン。5発目にして、ようやく千葉ちゃんは「倒立」をキメつつ死ぬのでした。

しかし、約束はドコへ行ったのか。織本順吉はじめ幹部のみなさん列席のもと、厳かに行われる千葉ちゃんのお葬式。もちろん、地井武男も除名されず、逆に松方弘樹一派は追われる立場になってしまいました。仕方ない。矢吹二朗の実家のある、島の北部、名護市に隠れる松方弘樹たち。「どいつもこいつも、ケロっと裏切りやがって」と松方弘樹は、憤懣やるかたない様子で、子分たちも意気消沈しちゃってます。元気なのは、室田日出男だけみたいですね。

さて、警察に捕まった渡瀬恒彦を救いにやってきた尾藤イサオ。差し入れのお弁当の中に、ピストルを隠し、無事、渡瀬恒彦を脱出させることに成功しました。ピーポーピーポー。サイレンを鳴らして追いかけるパトカーとカーチェイスの始まりです。お前は先に逃げてろ、と渡瀬恒彦を降ろす(というか捨てる)尾藤イサオ。だって、渡瀬恒彦が車に乗っていなければ、あとはどうにでもなりますもんね。キキー。車を止めて、あとはパトカーを待ちます。えーと、あれ。すごい勢いで突っ込んでくるパトカー。バコッ、ドッカーン。あらー、車は尾藤イサオを乗せたまま大爆発しちゃうのでした。

一方、そのニュースをテレビで見つつ、ご飯を食べている松方弘樹一派。どうしたんだろう。大丈夫かなあ。口々に心配している皆さんをよそに、室田日出男は「石川、タッ殺せー」とか呟いていますが。「具志川の言うとおりさ。奴らタッ殺さにゃ、コッチがやられる。とにかく、金がいる。武器買う金がいる」と、リーダーらしく、一同に言い聞かせる松方弘樹。しかし、みんなが持っているのは小銭ばかり。困ったなあ。「タッ殺せー。タッ殺せー」、はいはい、室田日出男はまだ、ツブヤイていますけど、ほっときましょう。おっと、そこにズタボロの渡瀬恒彦がやってきましたよ。これからは尾藤イサオの分も働く、「石川だって、ナンだって、オレがタッ殺すさ」と、力強く宣言する渡瀬恒彦に、思わずみんなの元気も回復するというものです。

金稼ぎ作戦、そのいち。松方弘樹のスケ(新藤恵美)、東京トルコに身売りするの巻。結果、金を受け取って帰ろうとした矢吹二朗は、敵に見つかり軽トラごと海へドボン。

金稼ぎ作戦、そのに。渡瀬恒彦のスケが貯めた貯金ツボをかっぱらおう。渡瀬恒彦はスケのところに行って、いい事したあと、ツボを奪う作戦に。しかし、敵地で悠長にいい事なんかしてたもんですから、地井武男たちに見つかっちゃいました。命からがら逃亡したものの、お金はゲットできず。

金稼ぎ作戦、そのさん。昔の借金、とりたてよう。早速、コザのバーに借金を取り立てに行く子分のみなさん(片桐竜次、成瀬正孝、三上寛)。もちろん見つかり、生き埋めにされることに。「名護の、名護の鉄男の実家だ」「おい、ラクにしてやれ」。バーン。バサッバサッ。土がどんどん降り積もります。

金稼ぎ作戦、そのよん。素直に借りよう。折りよく沖縄にやってきていた梅宮辰夫と成田三樹夫が酒を飲んでいるところに、金を借りにいった松方弘樹。バッと土下座をして、「海津さんワシに金めぐんでください。お願いします、頼みます。私ら、武器買って石川たち皆殺しにする」と頼んでみます。ポン。札束が投げ出されました。500万円、うわーい。

金が入ったので、早速、お買い物。米軍からジープを買って、機関銃を買って。ついでに迷彩服をバッチリとキメちゃう松方弘樹。「そのカッコ、死んだ国頭のオヤジさん、ソックリですわ」と子分に言われて、「くらーっ、そんなこと言うな」とパンチです。でも、お金があるって素晴らしい。ジープで敵事務所に乗りつけ、乱射してみたり、敵の子分をジープで引きずってみたり。思わず、冷静なはずの松方弘樹ですら、「タッ殺せ、タッ殺せー」と喚いちゃうくらいの気持ちよさです。途中、子分が二人ほど撃ち殺されましたが、なあに気にしない、気にしない。目指すは地井武男の首、ただひとつ。おー。ズドド。バーン、バーン。あいにく室田日出男は死んじゃいましたが、ようやく地井武男をタッ殺すことに成功した松方弘樹。これで、梅宮辰夫や成田三樹夫との約束どおり、千葉ちゃんの後を継いで、島の北部を支配することができます。やったあ。

しかし、喜び勇んで成田三樹夫に電話すると、なんだか言ってることがヘンですよ。「理事長はもういらんのだ。これで琉盛会は大城会長の下で一本化だ」。ガーンとする松方弘樹。そして、成田三樹夫の後ろで、もっと激しくガーンとしているのは、大城会長こと織本順吉です。な、なんてことを。そんなこと言ったら、ボクが松方弘樹に命狙われちゃうじゃない。なあに、絶対ガードして見せます、と成田三樹夫は豪語しているものの、アテになるんでしょうか。

なるほど、成田三樹夫はいい仕事をしました。水も漏らさぬ警戒態勢とは、このことを言うのでしょう。犬を連れたヤクザ。ジープで巡回するヤクザ。門前にもトランシーバーを持ったヤクザ。いやあ、これだけの警護は大統領だってしてもらえませんよ。「どうですか、どーぞ」「OK、異常なしです、どーぞ」「本当だな、どーぞ」「本当です、どーぞ」。ようやく安全を確認したのでしょう、警備のヤクザが、後ろを振り向いて織本順吉に言います。「会長、大丈夫です」。「本当だな」と念を押す織本順吉に「本当です、どーぞ」と答えるヤクザさん。もう、オチャメなんだから。

「さあ、ジョージ、散歩しようねえ」と、三輪自転車で散歩に出かける織本順吉。しかし、そこに現れたのは、火達磨になったクルマから奇跡の脱出をした尾藤イサオだったのです。バーン。バーン。うぎゃあ。もちろん、尾藤イサオもボディガードたちに蜂の巣にされましたが、その死に顔が満足そうでした。

沖縄の海。豪華クルーザーで大物釣りを楽しむ梅宮辰夫。横でオベッカを使っている成田三樹夫さえいなければ、その後の梅宮辰夫を暗示するような展開です。と、そこにモーターボートが疾走してきました。来ました、来ました。松方弘樹と渡瀬恒彦です。もちろん、釣りの仲間に入れてもらいにきたわけでなく、その目的は復讐。ズドドド。ズドドド。機関銃を撃ち込む松方弘樹。あわれ、成田三樹夫はズタボロになって死にました。しかし、これで終わりじゃありません。戻ってきて、またも機関銃を撃ち込む松方弘樹。もちろん、梅宮辰夫の子分も反撃し、銃弾の応酬が続きます。ズドドズドド。バーンバーン。ズドドドドド、ババーン、ババーン。クルーザーの上に生き残っているのは、負傷した梅宮辰夫のみ。「くそ、あのくされガキが」。

そのくされガキこと松方弘樹の横では、流れ弾に当たったのでしょう。渡瀬恒彦が血まみれになって息絶えています。松方弘樹は、モーターボートを沖合いに向けつつも、いつまでもクルーザーを睨んでいるのでした。


ともすればリクツっぽくなる中島貞夫監督ですから、沖縄問題から真正面に取り組んでしまいそうなトコロですが、この映画は、どこまでもギラギラと、そしてアッケラカンと撮った作品だと思います。もちろん、そこはかとなく漂う、グズグズのユーモアも捨てがたい魅力です。

何と言っても、この映画の最大の魅力は、千葉ちゃんの野獣そのものの演技。仮にもスターなんだから、そこまでやらなくても、と心配になってしまうくらいのキチガイっぷりがステキです。

そして、千葉ちゃんが退場してからは、蒼白メイクで「タッ殺せ、タッ殺せ~」とつぶやき続ける室田日出男や、その狂気が乗り移ってしまったかのような松方弘樹のイカレっぷりが映画を支えます。他にも、小悪党っぷりがナイスな成田三樹夫や織本順吉。粗暴な男、渡瀬恒彦。それにエラソウな演技がカッコイイ梅宮辰夫など、的を射たキャスティングが、グイグイと映画を引っ張りました。

本来の東映路線からは、微妙にヘンな方向にズレているような気がしないでもありませんが、間違いなく「どこか」に突き抜けている、この映画。ひじょうに面白いです。







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2 コメント

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イントロのギター (めんちかつ)
2008-11-15 02:06:12
は、かっこいいなぁーと思ってしまいました。

新藤恵美さんの「オミズ」顔、織本順吉のへたれ親分、成田三樹夫のC調、室田日出男の人格崩壊・・・

結構みどころありますね。

地域最安値 (いくらおにぎり)
2008-11-15 10:37:33
ですよねえ。みんな、持ち味を全開していて、楽しい映画だと思いました。特に織本順吉のヘタレっぷりは、金子信雄(仁義なき戦い)よりも、さらに「安くて」いい感じだと思いませんか。

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