いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】女たらしの帝王

2009-01-26 | 邦画 あ行
【「女たらしの帝王」斉藤武市 1970】を観ました



おはなし
「帝王」の浩(梅宮辰夫)は、信じていたママ(富士真奈美)に裏切られ一文無しになったものの……。

基本的に前作「夜遊びの帝王」の続きの話です。とはいえ、梅宮辰夫の役名が松原浩から松永浩に変わったり、富士真奈美が艶子から恭子に変わったりと微妙な変化はありますけどね。これはたぶん、前作とは「パラレルワールド」だという監督のメッセージ、、なワケはなく、ただテキトーなだけだと思います。お話の内容自体もかなりテキトー。もともと東映のシリーズ作品は、回を追うごとにテキトーになっていきますが、このシリーズは2作目にして、ここまでテキトーに「なれる」んだ、とかえって感心したりして。テキトーな映画を、マジメに書くとなんだか悔しいので、こっちもテキトーに行きますよ。もちろん、読んでいただくみなさんも、テキトーにどうぞ。

「母ちゃん、どげんした」と郷里の炭鉱町にあわてて駆けつけてきた浩(梅宮辰夫)。「浩、電報打ってビックリしたろ。人目会いとうなってな。母ちゃんは父ちゃんのとこ行くけん。あと、頼むばい」と、死にそうなイキオイの母ちゃん(初井言栄)。ガクっ。。。と死ぬこともなく、近所の藪医者(殿山泰司)の見立てだと、単なる栄養不良からくる貧血だそうです。なあんだ、と一安心の浩。ところで、「先生、なんぼあったら病院ば建てられっとですか」。なんだい、藪から棒に、うーん、5億くらいかな。よーし、「俺はこの息子ば使こうて、使いまくって、どげんしても5億円稼ぎだしてみせったい」。下半身中心に力のはいる浩でした。

はい、浩はテーマ曲にのって、飛行機で東京に。前作では機関車に乗っていたことを考えると、えらい出世です。ちなみにテーマ曲は、あの名作。「♪シンボル、シンボル。男のシンボールぅ。こいつを使って、こいつで泣かせて、その上こいつがぁ、金を産ーむぅ♪」。

さて、意気揚々と銀座に戻った浩ですが、バー「エスペランサ」に戻ってビックリ。いきなり店が閉店しているじゃありませんか。艶子あらため恭子(富士真奈美)と組んで、大もうけしていたのに、いったい何事。あわてて恭子の部屋に行って、自分の分け前1千万円を要求する浩。しかし、恭子はそんな浩を鼻で笑い、「浩さん、あなた騙されたと思うのは間違いよ。あなたは銀座に負けたのよ。頭が足りなかったってワケね」とバカにするのです。

「まだ勝負がついたワケじゃねえ」と粋がってはみたものの、金はなし。せめて、エンコの政(山城新伍)から、貸した金を返してもらおうと思っても、エンコの政にも金はなし。どこをどう振っても、金はゼロです。しかし、金はなくても食事はできる。というか、しちゃうのが、エンコの政流のおもてなし。さあ、食ったら逃げろー、ぴゅー。えーと、そういうことだと思ってなかった浩は逃げ遅れちゃいました。しかし、捨てる神あれば拾う神あり。忠男(田中邦衛)という、北海道の元炭鉱夫が飯代を払ってくれて、感激する浩です。「あの北海道の山男ば見習ろうて、おいもマトモな道ば生きったい」。

キックボクシングに挑戦する浩。ダメ。競馬の予想屋。ダメ。サンドイッチマン。ダメ。アイスクリーム売り。ダメ。土方。ダメ。おっ、電柱にホスト募集の張り紙が。「ホスト、これじゃあ。おいはやっぱり、おなごが絡まんと銭にならんたい」。ということで、ホストになった浩。しかし、最初の客は、どうみても金を持ってなさそうなオバサン(赤木春恵)ですよ。とはいえ、浩のモットーは女に尽くして、社会に尽くすなので、相手が若かろうが年をとっていようが、金持ちだろうが貧乏だろうが、シンボルを使って誠心誠意ガンバルだけです。はい、ここで大方の予想どおり、実はオバサンはたいへんな大金持ち。初めて女の喜びを教えてくれた浩に、ぽーんと1千万円の小切手をくれるのでした。なんか、あまりにベタな展開すぎて、笑えません。

ま、それはともあれ、1千万円を元手に商売をすることにした浩。とりあえず、六本木に「スナック ナポレオン」をオープンしました。とは言え、開店したから千客万来とは行かないでしょうし、まずは客筋を開拓することが必要です。自分が知っているのは銀座のママ、ホステスたち。彼女たちが気軽にやってくる店を作りましょう。そのためには付加価値をつけなくては。

1 ママさんたちへの入居斡旋サービス。離婚の慰謝料でマンションオーナーになったマダムに接近した浩は、自慢のシンボルで篭絡。サラリーマンより金を持っている銀座のママたちの入居を斡旋するかわりに、権利金をタダにしてもらうことに。これなら、安定収入を得られるマダムも喜び、銀座のママも喜び、ついでに自分もうれしい。いいこと尽くめです。

2 ママさんたちへのブランド品、格安提供。有名ショップ「セシール」のオーナーを篭絡。デパートに卸す額より、多少割高で商品を引き取ることに。それでも、ママたちに、多少色をつけて売れば、セシールも儲かり、ママも得をして、自分もマージンが入る。いいこと尽くめです。

3 ママさんたちの節税対策。税務署の職員を篭絡して、ママさんたちへの節税サービスを始めることに。これなら、ママたちも大喜び。職員だって、小遣い稼ぎになるでしょう。と、思ったら、職員は「他の儲けなんかいいから、もっと色々教えてーん」。えーと、望むところです。

そんなこんなで、スナックはママたちで大繁盛。しかし、この儲けじゃ5億円を稼ぐには何年かかることやら。ということで、事業の多角経営だ、おー。目をつけたのは、銀座のクラブにオシボリやおつまみを卸すサービスです。ライバルはいるものの、良心的にやれば、きっとうまくいきそうな気がします。エンコの政をおつまみ担当に。そして、偶然再会した北海道の山男こと忠男をおしぼり担当に。配達は大学の空手部の面々(小林稔侍ほか)に任せましょう。その名も「ナポレオンサービス」の旗揚げです。

さて、ここで唐突に、浩に女の子ができちゃいました。いえ、本当の子がどうか分からないんですけど、浩の留守中に女がやってきて、小学生の子供を置いていってしまったのです。なにしろ、覚えがあるかと聞かれれば、いくらでもある浩ですからね。まあ、母親が戻ってくるまで、育てることにしましょう。

銀座のオシボリ、おつまみは「銀栄サービス」という会社が一手に握っていました。しかし、そこに浩の会社が参入したために、銀栄サービスの売り上げは激減。当然、銀栄サービスのバックについているヤクザ組織、「八雲会」の会長・丸岡(金子信雄)は激怒です。
そうなると、嫌がらせが始まるのは必至。配送のお兄ちゃんがボコボコにされたり、お得意先が脅迫されたりと、ナポレオンサービスはピンチになっちゃいました。うーむ、どうしよう。早速、八雲会に乗り込む浩。えーと、嫌がらせをやめないと告訴しちゃうぞぉ。しかし、丸岡は「おい、松永。告訴くらいで、俺がおたつくと思ったら大間違いだぜ」と動じる様子もありません。まあ、告訴されてヘナヘナになるようじゃ、ヤクザは勤まりませんよね。

八雲会に、九州からヤクザがひとり訪ねてきました。木島(八名信夫)というその男は、子供を連れて逃げ出した女を捜しているようですよ。って、これは、もしや。

はい、その女が浩を訪ねてきました。女は襟子(花園ひろみ)といい、木島に騙されて娘を金持ちに売り飛ばされてしまったそうです。どうにかその娘を連れ出したものの、木島の追及が厳しく、東京まで逃げていたのです。そして、父(藪医者)の関係で、たまたま知っていた浩のところに、子供を預けて、今まで身を隠していたそうです。えーと、設定がかなりキビシイというかムリがありますけど、まあテキトーですから。

しかし、浩のところに襟子がやってきたのは、八雲会にはバレバレ。会長の丸岡は木島に居場所を教えてやるかわりに、ついでに浩を殺すように頼むのです。かわりと言っちゃ何ですが、子供をさらうのは、こっちでやっておいてあげるからね。

しまった、テキトーに書くといいながら、それなりに細かく書いちゃってますね。えーと、手短に行きます。襟子と浩を殺しにやってきた木島は、襟子に惚れていた忠男が自分の命を呈して殺害。しかし、子供は八雲会にさらわれちゃいます。さあタイヘン、ということで浩は権利書を持って八雲会に乗り込むことに。もちろん、エンコの政もいっしょです。

乗り込んだ浩は、子供と引き換えに権利書を渡すものの、丸岡は約束を破りピストルを手に。それをエンコの政が奪い取って形勢逆転。ついでに金庫まで漁ったところで、サイレンの音が。浩たちは大金を手に悠々と逃げていくのです。どこかで、こんな話を聞いたようなと思ったあなたの考えは正しい。えーと、最後は「まったく」前作と一緒です。

もちろん最後は「♪シンボル。シンボル。男のシンボル~こいつで世界を征服しようぜ。今度もガーッチリ、たーのんだぜぇ~♪」。そして、ベルの音がチン、チンまで一緒。

なんていうか、ヒドイ映画だなあと。前作は、それなりに面白いと思いましたが、これはいただけません。確かに東映は「似たような」話を量産する会社ではあるけど、それは予算やキャストの関係で、結果的にそうなってしまうだけです。どうも斎藤監督、まだ2作目なのに、東映の映画をなめきってる感じです。もちろん脚本がそうだったんだもーん、とかスケジュールがタイト過ぎてさあ、みたいな言い訳はあるのかもしれませんが、最終的に映画は監督のもの。現場で脚本をイジってでも、少しは目新しいものを撮るべきだったと思うのです。その点で、斎藤監督の映画に対する誠実さを疑います。ちょっと、厳しい言い方になってしまいました。斎藤監督のファンの方、ごめんなさい。







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