いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】あゝ海軍

2006-08-15 | 邦画 あ行

【「あゝ海軍」村山三男 1969】を見ました。


(オープニングテーマは軍艦マーチ)

おはなし
村の秀才、平田(中村吉右衛門)は海軍兵学校に合格します。また、友人の本多(峰岸隆之介)も陸軍士官学校に合格します。意気揚々と海軍兵学校に入学した平田は、理想と現実のギャップに苦しみ、学業にも身が入りませんでした。しかし、先輩のしごきが深い愛情からだと知った平田は学業にも集中するようになり、トップで卒業。海軍士官の道を歩み出します。


冒頭、海軍兵学校の入学から卒業までのくだりは、村山監督が10年前に撮った「海軍兵学校物語 あゝ江田島」とそっくり。とは言え、10年の時の流れは確実にあって、なにより主演の吉右衛門が現代っ子というか、いかにも戦後的な人物像として描かれているのが印象的でした。特におかしいのが、吉右衛門が海軍兵学校に入学したあと、併願していた一高への合格を知ったくだりでしょう。分隊監事の岡野大尉(宇津井健)に「私は第一高等学校に合格していたので、今日限り退学させていただきます」と言う吉右衛門。当たり前のように宇津井健に怒られて、すごすごと退散することになりますが、こんなの現代でも通用しないよなあ。
当然、吉右衛門が海軍兵学校に入ったのは「ただで勉強ができる」というだけの理由ですから、学業・訓練に身も入らず、それを先輩に見抜かれてしごきを受けるわけですが、特に先輩の森下(平泉征)は鬼のような形相でしごきをする怖い先輩です。


(怖い先輩)

しかし、ある夜、森下がそっと毛布をかけ直してくれたことに感激。以来、率先して訓練に励み、恩賜の短剣をもらってトップで卒業することになります。意外と単純な奴ですね、吉右衛門って。

卒業後、大村の航空隊に配属され、飛行機の操縦を習ったあとには航空本部に異動です。さすがにトップ卒業。上司の井口本部長(森雅之)に可愛がられ、連れられていった料亭で山本五十六(島田正吾)にも会うなど、エリート街道まっしぐらです。その時に旧友の峰岸隆之介=峰岸徹が憲兵に追われて部屋に飛び込んできたり、娼婦に身を落とした峰岸の恋人が自殺してみたりするんですが、「結局、貧乏がいけないんだ」の一言で終わり。何だったんだ、このエピソードは?と唖然とします。


(イカした二人)

その後は、ニュースフィルムと特撮で、日米開戦からミッドウェイの敗北までをさくっと紹介。ある意味、1分で話を一気に進めてしまうのもスゴイ。

ラバウルに異動した吉右衛門は飛行隊長として、美大志望の山下(露口茂)や梅本少尉(成田三樹夫)などを率いて戦います。しかし、部下が濃いですねえ。成田三樹夫もそうですが、露口茂ってのは。それも露口茂(山さん)が美術家志望ってのはどうなのかと。ついでに言うと、山さんの書いたお母さん(浦辺粂子)の絵というのが、まったく似てなくて大笑いでした。


(似てません)

途中、峰岸に再会して宴会などしつつも、山本長官の護衛にあっさり失敗、自らも自決しようとするのですがこれまた失敗して本国に召還です。

海軍兵学校の校長になった森雅之に呼ばれ、教官になった吉右衛門少佐。ミスをしてる割には出世をしているのは、やっぱりトップで卒業しているからでしょうね。「学歴は大事だ」ということなんでしょうか。生徒たちをしごきにしごいた吉右衛門はやがて辞令を受け、沖繩に向かうのでした。おしまい。

えー、全体的に「海軍兵学校物語 あゝ江田島」に比べ、トンデモ要素が増えているような気がします。これでは「あゝ海軍」というより「あゝ吉右衛門」と言った方が適切な気すらしてくるくらいです。でも、その分、出演者は豪華。島田正吾や、何と言っても名優森雅之を引っ張り出したのが素晴らしいです。でも、役名の井口っていうのはよく分かりませんが。航空本部長や海軍兵学校長を歴任していることから、どう考えても井上成美ですけど、映画公開時にはまだ存命だったので「諸般の事情」ってやつがあったんでしょう。

特殊撮影の監督は湯浅憲明。ガメラシリーズの湯浅監督を迎えて、特撮のレベルは格段に進化しています。東宝の円谷英二に比べると一歩遅れるとはいえ、松竹、東映、日活がロクな特撮技術を持てなかったことを考えると素晴らしいとしか言いようがありませんでした。

 

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