いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】丑三つの村

2012-12-30 | 邦画 あ行

【「丑三つの村」田中登 1983】を観ました



おはなし
懐中電灯を頭につけたオカシイ人が、村中を大虐殺。

有名な「津山三十人殺し」を映画化した作品です。監督はにっかつロマンポルノの名匠、田中登。そのため、残虐性とともに、おっぱい成分も高まっているのが、特徴といえば特徴ということで。


田舎の小さな駅。群集が日の丸の小旗を持って集まっています。どうやら、出征兵士を見送っているようです。「赤木巌くん、ばんざーい」と音頭を取っているのは、日暮谷村の重鎮、赤木勇造(夏木勲=夏八木勲)。ちなみに兵隊さんはビートきよしがやってたりしますが、ペコペコお辞儀をしているだけで台詞はゼロなので、なんていうか「その程度の扱い」感が漂います。

ともあれ、兵隊さんの乗り込んだ汽車がポーっと汽笛を鳴らし、見送りが最高潮に達したころ、「ばんざーい、ばんざーい」とホームをダッシュし、ついでに盛大にコケているのが、この映画の主人公、犬丸継男(古尾谷雅人)です。どうやら、人一倍、兵隊さんにあこがれを持っているようですね。

そんな継男が村への帰り道を辿っていると、道の真ん中でニワトリをいじめ殺している3人の青年がいます。「余所モンだから、バカにされとおしじゃあ」。タダアキをリーダーとする半グレくんたちは、継男にも言いがかりをつけてきましたよ。「よう、天才少年、たまには遊んでくれやあ」。さらに、継男のおばあちゃんに夜這いをかけようかとまで言いだす始末。プチン、キレた継男は「村から出てけ、この穀つぶしもんがあ」と怒鳴り、石を投げまくりますが、そのあとゲホゲホと咳をしまくり。はい、この短いシーンだけで、「悪い子タダアキ」「夜這い」「ゲホゲホ=結核?」みたいな伏線が貼られましたね。ふむふむ。

さて、家に帰って、おばあちゃん(原泉)とご飯を食べている継男。「おばやん、俺が兵隊行くとき、泣きへんか?」。それに、おばあちゃんは答えます。「お国のためや。立派に戦こうてこい、ちゅうて笑ろうて見送ったる」。しかし、そうは言いつつも、継男が勉強しに自室に戻ると、「大声あげて泣くかもしれへん」と悲しそうです。そう、継男の両親はすでになく、ババひとり、孫ひとりなのですから。

と、そこに遠縁の赤木ミオコ(五月みどり)がやってきました。いつものように借金の申し込みに来たのです。「うちかて、継男とふたり、細々とやり繰りしとるんや」と苦い顔のおばあちゃんですが、「継男ちゃん、学校の先生になるんやろ」とミオコにおだてられると、満更でもなさそうな表情。そう、継男は村始まって以来の神童と謳われ、おばあちゃんを独りにしないため、上級学校にこそ進学しなかったものの、検定試験をうけて教員になる道を目指しているみたいですよ。

さて、ゲホゲホがおさまらない継男は、近所のヤブ医院を訪ねます。しかし、診察は軽い肺門浸潤ということで、しばらく安静にしてれば治るとのこと。ほっ、良かった。良かったついでに、チャラい先輩(新井康弘)からエロ写真をもらった継男。うれしくて、草むらに直行です。エロ写真を見つつ、股間に手を伸ばします。まったく見境がないんだから、と、そこに野良姿の美少女があらわれましたよ。はい、幼馴染のやすよ(田中美佐子)です。「何、見てたん?」「やすよが見たらビックリする」「見せて」「あかんあかん」。そりゃそうだ。ま、それはともあれ、草むらにゴロンとしたりする、無防備なやすよの姿にドギマギする継男です。と、やすよが言います。「検定、受けるんやて。やっぱり継男さん賢いやねんな」。「なんぼ頭良うても、男はいざっちゅうとき、鉄砲もって立派に戦えんとあかん」と答える継男に、やすよは続けます。「みんな言うとる、日暮谷始まっていらいの神童やいうて」。ちなみに、この二人、好きあっているみたいなのですが、「従弟くらいの関係」ということで、結婚はできないみたいです。

さて、その夜のこと。継男が寝苦しさを感じて目覚めると、部屋に煙がモクモクと侵入中。外に出てみると、村はモヤに沈んでいます。ま、部屋にスモークをガンガン炊くのは、ちょっと演出的にどうなのよ?と思いますけど。
ま、それはともあれ、ちょうどいいや。深夜の散歩でもしてみよう。継男は歩きだすやいなや、いきなり一軒の家を覗き始めましたよ。この「散歩から覗き」という一連の流れが妥当かどうかは別として、そこでは、アッハンウッフンの真っ最中。しかしおかしいですね。、えり子(池波志乃)の家は旦那さんが出征中のはずなのに。おっと「おかん、ええか。おかん」と言いつつ、怒涛のストロークをしている人は、赤木勇造でしたよ。「勇造さんか。夫婦もんでもあらへんのに」と、覗きをやめて納得する継男。いや、そこは普通にスルーするとこじゃないから。

さて、さらに継男が深夜の徘徊をしていると、「誰や」と声をかけられましたよ。そこには棍棒で武装した村の男が6人ほどいます。「なんじゃ継男か」という男たちに「寝苦しいから散歩です。おっちゃんらこそ?」と継男は答えます。「タダアキらが悪させんように毎晩交代で見回りしとるんや。勇造さんの考えやけどな」。ふーん。勇造さんのね。思わず、「夜這いも悪さのうちですか」と皮肉な質問をしてしまう継男でした。

さて、ここからはしばらく夜這いタイムというか、エロパート。まずは古尾谷雅人VS池波志乃。そして古尾谷雅人VS五月みどり。田舎の村に、こんなエロいおばさんたちが夜這い対象としてゴロゴロしているのは、なんていうかウラヤマシイ限り、なのか。そうじゃないのか。

さて、エロパートもひと段落し、村を見下ろす鎮守の森に来た継男。待っていたやすよが声をかけます。「顔色悪いな」「うん、咳がひどいんや」。いや、夜這いのし過ぎだろ。映画では描かれてませんが、どうやら継男は検定試験に落ちたみたいです。きっと夜這いのし過ぎです。「みんな心配してる」というやすよに継男は答えます。「勉強のほうで期待にそえんでも、男は立派な兵隊になりゃええ。徴兵検査で甲種合格して名誉挽回や」。と、下界にちんまりとうずくまっている村の方を見やると、タダアキたちが暴れていますよ。家々の桶やら戸板やらを、次々とぶん投げたり、ひじょうに「分かりやすい」暴れっぷり。まさに「暴れん坊」というテーマで「名前を付けて保存」したいくらい。それを見つつ、やすよは言います。「あの人、殺されるんかもわからん」「タダアキか」「勇造さんがうち来て、お父ちゃんとそんな話してた」。「まさか」とビックリする継男ですが、そんなこともあるのかもしれませんね。とか何とか話をしてると、あっというまに夕暮れになり、見下ろす村も真っ赤に染まっています。思わず継男はつぶやきます。「どんどん血の色に似てくる。狭い村ん中だけで、男も女も誰彼なくまじりおうて、子供作って、川に流して……気持ち悪いなあ」。あ、最後は確かに気持ち悪いですね。っていうか怖い。と、かわいい"やすよ"は手作りの組みひもを継男に渡しました。「女の方から打ち明けるなんて」となんだか照れています。「昔は兄弟や親子でも結婚したそうやけど、気持ちだけ受け取って」、そのままズドドとダッシュ。ええと、昔は親子で結婚したって、いつの時代、どこらへんを想定してはるんですか。

「昭和十二年度 新山地區 徴兵検査會場」。近在の高等小学校で徴兵検査が行われています。もちろん継男も満を持して参加。目指せ甲種合格だあ……はい、不合格でした。「肺ですか?」「結核じゃ」。ああ。ショックを受けて村に帰る継男ですが、げに恐ろしいのは悪い噂の伝わる速度。帰り道の段階で、村人たちが挨拶をしてむ無視するし、まわれ道で逃げ出したりしてますけど。

落ち込んでいる孫のために、おばあちゃんは産みたてタマゴを出してきてくれましたよ。しかし悲しみの継男はウリャアっと手を払ってます。ぐしゃ。割れてしまうタマゴ。「何するんじゃ。おばやんの気持ち分からんのか」。そう言われると基本イイコの継男は反省モード。残っているタマゴを割って、そのままゴクリです。「もひとつ、どや?」。はい飲みますよ。カンカン、パカリ、ごくっ。えーと、まだ飲むの。カンカン、パカッ、ごきゅごきゅ。えーと、俳優さんってタイヘンです。「ロッキー」でシルベスタ・スタローンが生卵をごくごく飲んでいるのは、カッコいいし、小学生だった時にマネとかしました。でも、ひょろひょろした古尾谷雅人が、砂かけ婆みたいな原泉に凝視されつつ、苦悶を浮かべつつ生卵を飲んでいるのは、素直にキモチワルイ。見ている方までオエっとしちゃいますよ。

もちろん生卵を飲んだからといって肺結核が治るわけもなく、さらには大好きな"やすよ"が嫁に行くことになり、やけっぱちの継男。どれくらいやけっぱちかと言うと、四つん這いになって犬に吠え掛かるくらい。えーと、これは数字で言うと、どれくらいのやけっぱち度なんでしょうね。ともあれ、病人のくせに、四つん這いになってワンワンやってるから血を吐いちゃいましたよ。ゲボっ、おえおえ、ゲボろっしゃー。と、そこに野良仕事帰りの和子(大場久美子)が登場。小走りに駆け寄ってきて、手ぬぐいを差し出してくれるじゃありませんか。「汚い血で汚れてしまうぞ」と遠慮する継男ですが、「洗ろうたらしまいや。背中さすってあげる」とあくまで優しい和子。思わず手ぬぐいをクンクンして「ええ匂いが残っとる」と継男が言うと、和子は「イヤやわあ、継やん」と恥じらいつつダッシュしていくのです。「地獄に仏や。なあ」と吠えあっていた犬に声をかける継男。思わず胸に暖かいものが。

ついでに股間にもあたたかいものが充満したのか、継男は五月みどりなミオコのとこに、昼だけど夜這いをかけてみました。しかし、ミオコは相変わらずのエロさで悶えまくるものの、なぜかキスをしようとすると、顔を左右にして逃げまくってますよ。ムカっ。さらにキスをしようとすると、「もともと嫌いなんよ」とミオコも逆ギレしてますよ。「もう二度と来ん」とミオコの家を飛び出す継男。そのまま村はずれの草むらにくると、おや、誰かが乳繰り合ってます。えーと、あれは。ガガーン。えろ写真をくれたチャラい先輩が、脳内(俺の女)な和子といちゃついてるじゃありませんか。「何やっとんじゃあ。昼間から」と怒鳴る継男ですが、和子はなんだか冷たい顔でスタスタと去っていってしまいましたよ。「あいつ俺に惚れとるんや。血吐いて苦しんでた時に手ぬぐいを」とチャラい先輩に訴えてみる継男。しかし、先輩は言います。「聞いた。けど、惚れてなんかおれへん。お前の病気のこと知らんかっただけや」。

懲りずに池波志乃なえり子のところに夜這いをかけて追い返され、ミオコのとこにも夜這いをかけて騒がれ、夜の村を逃げ回る継男。と、おや余所者のタダアキが、勇造をはじめとする村の男衆にリンチされている光景を目撃しちゃいました。どうやら、タダアキはリンチの果てに死亡したみたいです。

翌朝、高さ十メートルはあろうかという枝にぶらーんとぶら下がっているタダアキの死体。どうみても自殺じゃありませんけど、これは自殺だね。うん自殺だよね。みたいにノンキな現場検証をしている駐在さん(山谷初男)と勇造さんたち村の男衆。と、そこに継男は飛び出して叫びます。「駐在さん、あれ、自殺やない。俺見たんや」。しかし、当の駐在さんの反応は鈍く、勇造さんは「へっへっへ。継男のやつ、勉強のし過ぎでワケの分からんこと口走るって、村でも有名なんや」と笑っています。村の男衆もみんなで笑います。わはは。わはは。へへへ。えーと、全員、目が笑ってないんですけど。特に勇造さんこと夏木勲の顔。赤ん坊がヒキツケ起こしそうな顔です。こわい。

「俺も殺されるかもしれん」とおばあちゃんに訴えてみる継男。しかし、おばあちゃんは相手にしてくれません。「そんなしょうもないコトばっか考えとらんと、ちょっとは金の心配でもしてくれえ」「畑売って、金作ったらええんや」。ん、今、オレ良いこと言ったぞ。閃いた。

ということで、(おそらく)作った金で、町の銃砲店を訪ねた継男。早速、村に戻ると銃の練習です。そして、家で仕上げたのは「犬丸継男の戦場」と題したデカイ手書きの地図。そこには、ターゲットとなるべき村の人々が、こと細かに書き込まれています。ドヤ顔で地図を眺めていた継男は、一人ひとりの名前の上に火薬を少しずつパラパラと振りかけ、そしてマッチで着火。ボフッ。ボフッ。爆燃する火薬の音は、これからの惨劇を予告するものでした。

親切めかしていた和子が結婚して村を去り、逆に結婚したものの、継男と親しかったイコール結果かも、という理由で"やすよ"が離縁されたと聞き、怒り心頭の継男は、鉄砲をかついでミオコのところに夜這いをかけることに。なんで、怒ると夜這いをかけたくなるのかはよく分かりませんが、「犬丸継男の戦場」とか地図を書いてドヤ顔してる奴ですからね、継男は。しかし、ミオコの家に行ってみると、留守だった旦那の中次さん(石橋蓮司)が戻ってきているじゃありませんか。しかも夜這いのことが全部バレてる。逆ギレした継男は「ぶち殺して欲しいんか」と猟銃を構えてみますが、逆に中次さんにボッコボコにされちゃうのでした。それにしても、石橋蓮司にボコボコにされるのって、かなり弱い感じ。

孫の不穏な雰囲気を察したのか、病床のおばあちゃんは、こんなことを言います。「おばやんも、もうお迎えが来てもおかしない歳じゃ。体もそこらじゅうガタが来とる。継男、おばやんが死んだら好きな事してもええ。だけど、生きてるうちは悲しませんでくれよなあ」。ああ、そんなこと言うと、単純な継男のことだから、危険ですよ。ほら、さっそく継男は毒薬を準備してるよ。「おばやん薬飲みや」「なんやケッタイな色やなあ」「はよ飲め、おばやん」。えーと、どうみてもヘンな色の薬だし。「何、飲ます気や、お前は」と叫ぶやいなや、おばやんこと原泉はダッシュで逃げていきます。その走りっぷりは見事のひとこと。原泉、ばあちゃんのクセに走るの速すぎ。

ご飯を用意したのにおばやんが帰ってこない(当たり前)ので、継男は出かけることにしました。ちょうど嫁ぎ先から離縁されたやすよがお風呂に入っていたので、それを覗きましょう。じーっ。あ、ダメだ。なんか込み上げてきた。早速、お風呂になだれ込んで、やすよを押し倒す継男。しかし、「俺の子供、産めっ」と叫んだ直後に、別の者が口に込み上げてきちゃいました。げぼーっ。お風呂の中に大量の吐血をしてしまう継男。すると、なんだか高ぶっていた下半身方向は沈静化してしまったみたいです。吐血した血の混じるお湯を手桶でバシャーっとかぶる継男。するとオッパイ丸出しのやすよが、手桶を奪い取って、血の混じったお湯をかぶってくれるじゃありませんか。感動しつつ、手桶を取ってお湯をかぶる継男。また、交代でお湯をかぶるやすよ。じわーん。「悪かった」と叫ぶと継男は外にダッシュです。オッパイ丸出しのやすよは、そんな継男を悲しく見送るのでした。えーと、まずはオッパイを隠せって。

近所に逃げ込んだおばあちゃんが、継男に毒殺されそうになったと言ったらしく、警察の手入れが入りました。天井裏に隠してあった多数の猟銃、日本刀、その他火薬などなどが全部没収です。しかし、もはや継男を抑えるものは何もない。さっそく、都会の銃砲店に出かけ「五連発以上のはないの?」とよりパワーアップした武器を買いまくる継男。部屋には連発銃のほか、日本刀に短刀、匕首などが盛りだくさんです。

草むら(好きだよね)に継男が座っていると、やすよがやってきました。「村のみんな、継やんがそのうち何かしでかしよる、言うてるの知ってる?ウソやろ。ウソやな」「ウソや」「聞いときたかったんや。最後にそれだけ」「?」「またお嫁入り」。ガーンとしている継男にキスをするやすよ。そのまま草むらに倒れこみ……。はい、サービスタイムです。

一方、村では緊迫の度が高まってきました。まず継男に恐怖を感じたのか、中次・ミオコ一家が、夜逃げ同然に村を捨てました。実に賢明な判断と言えましょう。それを見て、継男に挑戦的な視線をぶつけてくる勇造さんこと夏木勲。「近いうちにみんなと相談して、お前の処分決めて、おばやんに報告に行くさかいな」と宣戦布告です。もちろん継男も負けていません。「逃げられたんかい。のんびりしとれん」とそっとツブヤキます。

靄に沈む村を見つつ、継男は言います。「まあ皆様方。今に見ておれで御座居ますよ」。ちなみに、これは、この映画のキャッチコピーね。

そして、継男は手紙も書いちゃいます。「前略やすよさま、お元気ですか。突然の不躾なお便り、お許しください。僕は戦場に行きます。十月二十日、戦場に行きます。その日、村には絶対に近づかないで下さい」。でも、こんな手紙を出したら、ねえ。

夕方のうちに村への電線を切断した継男は、ろうそくで食べる夕餉の席で(あ、ばあちゃんは戻ってきました。良かったね)、ばあちゃんから、和子こと大場久美子が里帰りしていることを聞きます。思わず「今日はええ日や、大安や」とニヤける継男。ひゃっはー。狩りの獲物が増えたぜ。

そのまま夜の一時まで待った継男は戦闘準備開始。素っ裸になって、新品のふんどしをアターーッチメント!。シャツ、詰襟の学生服、そして地下足袋に上にゲートルをロールオーーン!!。弾薬をズックに入れ、肩に下げると、革帯をしめ、日本刀をセットオーーン。ま、ともあれ、さらに革帯をつけたり短刀、匕首を装備するなど、最終決戦にふさわしい出で立ちです。もちろん、両側頭部につけた懐中電灯と、胸にぶらさげたナショナルランプは、最高の魅せポイント。俺のカッコを見てくれ!なもんです。

「おばやん、約束や。笑ろうて見送ってくれや」と言って、まずは斧でおばあちゃんの首をセパレート。返り血で血まみれになった継男は叫びます。「おばやん。俺を夜叉にしてくれーっ。鬼にしてくれーーーっ」。ふーふー。ラマーズ法のようにスーハー、スーハーしたあと、ロボットのようなカッチンコッチン状態で万歳を始めちゃう継男。「犬丸継男クン、ばんざーい。犬丸継男クン、ばんざーい。犬丸継男クン、ばんざーい。犬丸継男クン、ばんざーい。犬丸継男クン、ばんざーい」。さあ、虐殺の始まりだ。

まずは隣家のおばさん(石井富子)を刀で刺殺。ここまで、特に出番がなかったのに、石井富子を皮切りにしたのは、多分、死にっぷりが面白すぎるから。うぎゃああああ。刺された石井富子、腹筋の力で90度直立してます。鍛えてます。ついでに旦那も射殺した継男は次の家に。

「夜這いに来たでえ」と言いつつ、大場久美子こと和子の家に乱入した継男は有無も言わさずお母さんを射殺。さらに、恨みの対象、大場久美子の口に銃口を突っ込みつつ「結婚、おめでとうさん」と嘲笑います。そのまま肩を撃ち、胴体を短刀でグリグリ。よし、次。

「起きんかーい。皆殺しにしたるわ」、継男は一軒、二軒と潰していきます。「わしら、お前の悪口、言うたことないわ」という家は。それもそうかと見逃して、次の家を皆殺し。キャーキャー飛び出してきた、若い女の子たちも、もちろん射殺だ。ずがーん。

いったん鎮守の森に継男が撤退して、弾込めをしてると、そこに"やすよ"が出てきました。「継やん」「誰じゃ」「もう、もう、やめてぇ」。えぐえぐしている"やすよ"に継男は言います。「まだ三軒残っとる」「鬼や」「鬼のどこが悪い」。

次の家も潰した継男ですが、さすがにのどの渇きを覚えました。早速、そこらの山羊の下に潜り込んで、乳をダイレクトにドリンキング。「よしっ」。次の大物を前にエネルギーチャージです。

「勇造出てこんかーい。一番許せん。ぶち殺したる」。しかし、勇造こと夏木勲はただものじゃない男。「助けてくれー」とか言いつつも、二階から手当たり次第にものを投げつけてきますよ。って、座布団とかですが。さらに、畳をバリケードにし始める夏木勲。一枚。バーン、貫通。二枚。バーン、貫通。ニヤニヤしながら、畳を重ねていき、邪悪の笑みを浮かべる夏木勲、ちょっと怖すぎます。ここらへん、いまいち演出意図が分かりませんが、まあ夏木勲の笑顔が怖いから、いいか。えーと本当にいいのか?

「ちくしょー。時間があらへん」と継男は、笑顔の怖い夏木家から撤退。最後は、自分をバカにした池波志乃ことえり子の家を襲撃だあ。なんの事情も知らない旦那さんが「やめんかあ」と立ちはだかる中、「どいてくれや、おっつあん。どいてくれや」と継男は思わず発砲。旦那さんの頭も、思わずキレイさっぱりはじけ飛んでしまうと言うものです。ぎゃあああ。逃げ回る池波志乃を撃ち倒す継男。池波志乃は、こけた衝撃で、股を開いてひっくりかえっていますよ。ぐいっ。その股間に銃口をあてる継男。「ここがいかんのや」。バーン。無音のまま、キラキラと舞う血しぶき。ああ、キレイ……なワケない。

鎮守の森に戻った継男は、えぐえぐしている"やすよ"に言います。「終わったんや。肝心な奴、やれなんだ」。「もう、やめてっ」。「俺はこれで終わりや」。と、いきなり"やすよ"のお腹に耳をあてる継男。「心臓の音や。俺には良う聞こえる」。えーと、やすよは継男の子供を身ごもったんですね。しかし、それを察知する継男の能力、おそるべし。妄想かもしれないけど。

ともあれ、やすよを残し、村を見下ろす高台にあがった継男は、猟銃を口に咥え、足の指を引き金にかけて、言うのです。
「皆様方よ。さようならで御座りますよ」
バーン。銃声が響きます。


ずばり、この映画のポイントは3つ。

一つ目は池波志乃と五月みどりのエロ対決。これは、自然にエロい池波志乃に、あれこれと技巧に走り過ぎて、嘘くささ全開な五月みどりって感じで、軍配は池波志乃に上がるような気がします。それに、池波志乃の演技は凄すぎます。オッパイ担当として十二分な活躍のうえ、いわゆるアヘ顔が破壊力ありすぎ。もし「俺は熟女のアヘ顔に命を懸けてるんだ」という人がいらっしゃいましたら、ぜひ。わたしは、ちょっと引きましたけど。

二つ目は、もちろん売りであろう、最後のノンストップな虐殺シーン。この疾走感というか、隙のないタイトな演出はなかなかのものです。もちろん、現実の世界で、あれこれ悲劇的な事件が起きているなか、これを「面白い」と言ってしまうのは、いかにもまずいです。下手すると鬼畜とか、空気を読まない奴とか、「おエライ人たち」から批判の対象にもなるでしょう。ですから、小さい声で言いますね。えーと、すっごく面白い。……。ふう、言ってやった。

この映画、三つ目の見どころ。個人的には、これが僕にとっての一番の見どころだったのですが、それは田中美佐子の美しさ。もう文句のつけようがありません。インタビューとか見ると、現実の田中美佐子さんはけっこう男っぽい性格のようですが、この映画に焼き付けられた田中美佐子さんは、まさに可憐のひとこと。とてつもなく可憐かつ美しいひとが、さらにオッパイ丸出しってのは、どうなんでしょう。鼻血でも出せってことですか。ああ、出してやるよ。鼻血ドバーで御座りますよ。

ま、最後にちょっとマジメになります。現実の「津山三十人殺し」に関しては、とうぜん、犯人も自殺しているし、関係者の「ほとんど」が殺されている以上、真実は闇の中です。しかし映画的には、そこに何か道筋をつけたい、理由づけをしたい、ということになります。そのため、徴兵検査に落ちた屈辱であるとか、夜這いにまつわるモメごと、さらには村人のリンチ問題まで出してくるわけです。でも、僕は、そのどれにも決定的な「動機」を見いだせなかった、というのが事実です。なぜ人は大量殺人をするのか。そこに合理的な理由づけはできるのか。これは単に犯人がシリアルキラーというかサイコパスだった、という理解でいいんじゃないのかなあ、と考えたりもして。そっちの方が、より不気味さは増したと思います。

 

 

 

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