いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】暁の非常線

2006-11-03 | 邦画 あ行

【「暁の非常線」小森白 1957】を見ました。



おはなし
馬島政吉(天知茂)は、三の輪一家の代貸し。親分の娘・雪江(三ツ矢歌子)と結婚し跡を継ぐことになっています。しかし、彼にはもう一つの顔が。それは、各地を騒がせている銀行ギャングのボスとしての顔でした。
非情な犯罪を繰り返す馬島ですが、やがて証拠をつかまれ追われる立場に。香港への逃走を謀る馬島ですが、その前には厳重な非常線が。


天知茂を主役にしたピカレスクロマンです。でも、天知茂ですからさわやかな義賊だったりするわけもなく、とことん悪漢に徹していて、潔いほどです。

天知は伝統ある三の輪一家の代貸し。しかし三の輪一家は侠客ですから、あまり金はありません。そんな中で、金をガンガン稼いでくる天知は、一家にとって貴重な存在ですが、問題はその金を天知が銀行ギャングで稼いでいること。それも、無抵抗の行員を残虐に殺して、金を奪う極悪非道ぶり。しかし、親分はそんな天知の裏の顔を知らず、一人娘の三ツ矢歌子と結婚させ、一家の跡目を天知に継がそうと考えています。そんな天知の正体に気付いた老幹部もクルマで轢き殺した天知は、次の銀行襲撃計画を練ります。

銀行に忍び込んだ天知一味は、命乞いをする行員を縛りつけたまま金庫を爆破する鬼畜っぷりで金を奪取します。しかし、逃走時に警官にクルマを目撃され、そこから足がつきそうになるや、情婦ごとクルマを谷底に叩き落とすなど悪党っぷり全開で、誤魔化そうとしますが、竜のカフスボタンから足がつき、警官に追われることになりました。で、逃げるならついでに、ということで三ツ矢歌子も拉致。しかし、捜査の手は、もう間近に。天知一味の隠れる倉庫は、すでに警官隊に包囲されていました。一味は横浜から出る船で香港に逃げようと、川に浮かぶボートに隠れますが、そこも警察に見つかります。天知は躊躇無く、ボートに乗った部下たちを爆殺。三ツ矢歌子と共に逃げようとしますが、それも邪魔になりあっさりピストルを三ツ矢に向けて撃ちます。

明日の5時半までに、横浜へ行かなくては、と天知は焦ります。日通のトラックに隠れ、それがバレルと霊柩車に隠れ、厳重な非常線を一つ一つ突破していく天知。ようやく、目的の船に乗り込むことに成功した天知。しかし、その船員はみんな警官でした。天知と警官隊の激しい銃撃戦。しかし、弾も尽きた天知は潔く(無いことに)

「撃たないでくれ、殺さないでくれ」と哀願します。

シーンは変わって、傷の癒えた三ツ矢歌子と、新聞記者の沼田曜一。カタギの暮らしをしている親分の息子と、捜査責任者の妹のシーンです。
「どうだ、共同で結婚式をあげたら経済的だぞ」「わっはっは」みたいなユルユルな場面で映画は終わります。

えーと、この映画の狙いってどこにあったんだかまったく分かりません。主役がとことん卑怯で、なおかつ死ぬわけでもない。そして脇役たちが、結婚しようが何しようが、どうでもいい話。どこにもクライマックスと呼べる部分がないんです。
もし、これが天知茂の悲惨な生い立ちに少し時間を割くなり、天知の持ってきた金で、豪勢な生活をしている親分や三ツ矢歌子という部分を少しでも皮肉っぽく描けば、また別の映画になったと思いますが、そういう小難しいことは「新東宝」の映画に期待してはいけませんからね。

とはいえ、現在的な視点で見ると、天知茂の熱演ぶりは一見の価値があります。とにかく最低の男を気持ち良さそうに演じているんですよね。「ふっふっふ」とか笑ったりして、すっかり悪にはまっています。それに、あの手この手で脱出を謀るのもまあ面白いし。

だから、見ていて退屈はしないのですが、見終わると「天知茂の顔しか思い出せない」映画でした。

あと、天知茂の子分がエリック・アルテンバイさん(海底大戦争にもいましたね)でした。


おまけに天知茂の百面相っぷりを載せますね。









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