いくらおにぎりブログ

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【映画】愛と誠

2013-04-11 | 邦画 あ行

【「愛と誠」山根成之 1974】を観ました


おはなし
幼いころ、スキーで死にかけた愛を救ったのは、白馬の騎士な誠。運命は再び、二人をめぐり合わせ……

少年マガジンで、1973年から76年まで連載された劇画が原作です。連載中の74年に映画化されたので、お話としては、中途半端。もっとも、映画版は、このあと「続」「完結編」と、すべて主役の誠が違うという迷走っぷりなので、それくらい、どーでもいい気がしますけど。



まずは、ネルー(ネール)さん(インド出身・故人)のありがたい言葉がどどーん。

愛は平和ではない/愛は戦いである/武器のかわりが/誠実(まこと)であるだけで/それは地上における/もっとも激しい/きびしい/自らを捨てて/かからねばならない/戦いである―/パンディット・ネール

ちなみに、インドの初代首相のネルーさんですね。娘がインディラ・ガンジー。孫がラジーヴ・ガンジー。両方とも首相になりました。ひ孫のラーフルも、やがては首相になりそうな勢いで、なんていうか、日本の世襲政治家も真っ青な名門家系ということですね。

と、インドの政治は、この際おいておいて、ここは冬の蓼科高原のとある別荘。「愛、愛、愛」。スキーをかついだ8歳くらいの女の子にお母さんが声をかけます。「なあに」「今日はもうやめといたら」「大丈夫よ、ママ」。「愛、愛」。ガウンにパイプをくわえたイカニモなお父さんの呼びかけに、「ねえ、パパ。行ってもいいでしょ」とおねだりする愛。「気を付けるんだぞ」「はーい」。愛は斜面を滑り出しました。ぴゅー。

ぐんぐん上がるスピード。あちこちに飛び出した木を避けようにも、数が多すぎます。「助けて~」。と、そこに弾丸のように飛び出してくる少年。どさっ。まさに木に激突する寸前の愛を、少年は間一髪、身を挺して助けたのでした。

泣いている愛の姿。と、「泣くな。泣くな、バカっ」と少年が声をかけましたよ。白黒の画面に、額にはそこだけ、真っ赤な血が。微妙にビニールテープみたいな質感がなんとも。「お前、別荘の子だな。金持ちの子だから助けたなんて思ったらブッ飛ばすぞ。やい、そう思ってるか」「思わなーい」。それより、ボタボタ血が出てるけど、大丈夫ですか。「早く行け。早く行けってば」という少年の声に、こちらを振り返り振り返り、去っていく愛。少年は、愛の落とした赤い手袋を握りしめ、それを見送るのです。っていうか、早く病院に行け。

バシュッ。森の中でアーチェリーをしている10人ほどの女子高生たち。えーと、ここはシャーウッドの森でしょうか。いいえ蓼科です。そんな中、的のど真ん中を射抜いている美少女?がいますよ。「さすが、早乙女さん。何をやっても運動神経抜群ね」と言われるやいなや、「まぐれ、まぐれ」と言いつつ、さらにど真ん中に命中させる。そんな大人げないロビンフッド少女の名前は早乙女愛(早乙女愛)です。あ、役名を芸名にしたので、名前が一緒なんですからね。

さて、その夜、キャンプファイヤーを囲む女子高生たち。「えーみなさん。このロマンチックな夜を記念いたしまして、お互いの初恋の思い出を語ってもらうことにします」。そう当然、始まるのは恋の話ですね。うぞーむぞーの恋バナも終わり、早乙女愛にお鉢がまわってきましたよ。「さ、イヤとは言わせないわよ」「初恋、そう言えるかどうか分からないけど、場所はそう、この蓼科高原だったわ」。いや、イヤどころか話す気まんまんの愛。「そう。彼はね、私にとっては白馬の騎士なの。白馬の騎士」。ぽわわーん。あの少年が、白いポニーにまたがり、白い鎧を着て、走ってきます。もちろん、額からは血だらだら。さらに白馬の騎士が通ったあとは、白い粉の跡が残っているというオマケつき。「その後、その彼とは?」と聞かれ、首をぷるぷる振る愛。「父が別荘を手放して、新しいのを軽井沢に建てたもんだから」。そこはかとなく、ムカっとするのは自分が小物だからでしょうか。ともあれ、愛は現場を訪ねてみたものの、少年が住んでいたと思しき場所も火事で跡形も無くなっており、少年の手がかりは皆無だそうですよ。

翌朝、森を縦貫する林道の、それもど真ん中でラジオ体操をしている早乙女愛とゆかいな仲間たち。と、そこにお約束な不良バイク軍団がやってきました。げへへ。女の子たちを追い回すバイク野郎。「きゃあ、離してぇ」。おっと、今度は草を口にくわえた青年と、お仲間の学ラン軍団が乱入してきましたよ。「粋がるんじゃねえよ、ひよっこのクセに」「なにい」。ボカスカ。ボカスカ。バイク軍団と学ラン軍団が戦っている隙に、愛を残し、ゆかいな仲間たちは逃げていっちゃいました。それもすごいイキオイで。

さて、草をくわえた青年はバイク軍団に蹴りを入れつつ、さりげなく額にかかった前髪をあげてみたりしてますよ。そして、そこには三日月形の傷が。それを見たバイクリーダーは驚愕して、叫びます。「フーテンタイガーかっ!」。フーテンタイガーは答えます。「この三日月傷はな、伊達じゃねえんだ」。「くっ、これで勘弁してくれ」とお金を置いて逃げていくバイク軍団。はい、ここで背景が白バックになり、くるりと振り向くフーテンタイガーの姿をしつこくリピート。くるり。くるり。くるり。やっぱり髪をなびかせ振り向く早乙女愛のリピート。ふぁさっ。ふぁさっ。ふぁさっ。ニカっと笑うフーテンタイガーの顔に、あの少年(血まみれビニールテープ付)がオーバーラップしました。ああ、これはあの時の白馬の騎士だわ。ぱっと顔を輝かせた早乙女愛ですが、白馬の騎士は意外なことを言うのです。

「あんたがたからもいただこうか。痴漢よけの用心棒代をな」。んまっ。早乙女愛は答えます。「お金はあげられません」。「なにっ!」「お金を少しばかりあげても、いいえ、例え大金をあげることができても、それで済むことではないわ」。そう言いつつ、自分の額をピッと指し示す愛。「私のココへ傷をつけてください。あなたと同じ傷を」。「なんだと」「それでオアイコになるわ」。と、そこにゆかいな仲間たちが警官を連れて戻ってきましたよ。「サツだあ」。蜘蛛の子を散らすように逃げていく学ラン軍団。もちろんフーテンタイガーな白馬の騎士も逃げようとしますが、早乙女愛の足元タックルで逃げられやしません。おい、こら、離せって。「フーテンタイガー。今度こそ少年刑務所にブチ込んでやるぞ」。ガチャリとフーテンタイガーに手錠をはめ連行していくお巡りさん。あとには唖然としている愛が残るのみです。

さっそくお父様(鈴木瑞穂)に頼み込む愛。お父様はエライ人らしく、代議士に手を回し、フーテンタイガーの少年刑務所送りをやめさせてくれました。「お父様、もうひとつ、お願いがあるんです」。

「えー、今度、転校してきた太賀誠くんです」。はい、お父様の力で、あの青年、太賀誠(西城秀樹)は早乙女愛の通う「名門」青葉台高校に転校してきたのでした。ちなみに学費、家賃、食費は支給するけど、あとは自分でアルバイトでもしろという条件。ま、それはともあれ、帽子をかぶり、ポケットから手を出さない誠に、先生はお怒りモード。「とにかくポケットの手を出すっ」。わかったよ、おりゃああ。イキオイ良く出した手が先生の顔にクリーンヒット。うっ、バタっ。口から血がたらー。はい、先生は救急車で運ばれちゃいました。

さて、太賀誠にできた子分というかパシリによると、この青葉台高校はラグビー部とボクシング部が勢力を持っているそうです。ラグビー部キャプテンは城山郷介(高岡健二)。ボクシング部のキャプテンは火野将平(織田あきら)といい、青葉台高校の両横綱だそうです。「どっちも怖い人ですから、オタクみたいな人は近づかない方がいいんじゃないすかね」「おもしれえ。覚えておこうか」。

ぽこん。ぽこん。一方、のん気にテニスをやっている愛。もちろんスローでスコート近辺を撮るのはお約束ということで。はい、テニスを終えた愛が水を飲んでいると、そこにメガネ君がやってきましたよ。「早乙女くんっ」「どうしたの。そんな怖い顔して」。メガネ君は黙ったまま手紙を渡し、去っていきます。「岩清水くーん、ちょっと待ってよお」。

さて、圧倒的な運動能力を見せつけ、ラグビー部とボクシング部にいい顔をみせる太賀誠。どうやら、その真意は両部、そして両キャプテンの対立を煽って「青葉台という名門高校を俺のカラーに塗り替えてみせるぜ」だそうですよ。そんな誠を愛は難詰します。
「卑劣よ、あなたのやり方。ラグビー部にもボクシング部にも入る気もないのに、ただ二人のキャプテンの勢力を利用しようと思って、両方にエサをちらつかせてるだけじゃない」

「分かっちゃいねえ」と言い返す誠。はい、ここで自分語りを始めちゃいました。それによると、愛を助けた時の傷がもとで、誠は破傷風になり、半年間も寝込んだそうです。そして、その医療費がかさみ、一家は土地を売るはめに。そして母は家出、父も蒸発。誠も小学2年生を二回やるはめになりイジメられたんだとか。

「知らなかった。知らなかったのよ」ガックリとくずおれる愛。スタスタと去っていった誠の代わりにさきほどラブレターを渡して逃亡した岩清水クン(仲雅美)がやってきました。「早乙女くんっ」「大丈夫、大丈夫よ」「君たちのヒミツは守る。断じて誰にも言わないっ」「ありがと」。えーと、単なるストーカーってことでOK?

家に帰って岩清水クンからもらったラブレターを読み返してみる愛。そこにはこんなことが書いてありました。

君のことばかり/考えていた挙句/このことだけ君に伝えて/おく決心をしました。/お互い/まだ高校生で/恋だの愛だのという/感情には/慎重でなければならぬと/よく判っています。/だから一つだけ/僕の心からなる誓いだ/け伝えておきます。/
早乙女愛よ
岩清水弘は
君のためなら死ねる!

ちなみに部屋でラブレターを愛が読んでいる、その外では、傘をさした岩清水クンが立ち尽くし「早乙女くん。僕は君のためなら死ねるっ」とか言っているし。やっぱストーカーだ。

さて、岩清水クンのラブレターを読んでヒートアップしたのか、愛はすっくと立ち上がって言いだします。
「わたしは、早乙女愛は、太賀誠のために死ねるだろうか。いいえ、その前にわたしは彼を愛しているのだろうか。愛している。少なくともあの日の血にまみれた彼を愛している。永遠に変わらず。そして、あの彼のためなら、あの時の太賀誠のためなら、わたしは死ねる。たとえ今の彼がどうあろうと」。愛の脳裏に白いポニーにまたがった白馬の騎士がぽわわんと浮かびます。おら興奮してきたぞ。「あの時の太賀誠は今の彼のどこかに住んでいる。どんなに苦しい、厳しい愛であり、償いであろうとも、あの永遠の白馬の騎士のために、潔く死ねるわたしでなければ」。完全に自分に酔ってます。

さて、城山、火野、両キャプテンに呼び出されちゃう誠。「君はラグビー部、ボクシング部を両てんびんにかけているが、いつまで我々を焦らせば気が済むんだ」。と、そこに、よく分かんないけど「誠さんやめてっ」と愛も飛び込んできましたよ。ちょうどいいや。とりあえず、愛のせいにしちゃえ。いわく、早乙女家からの援助額が少ないから部活やってる余裕がないんですよ。ええ、それというのも、愛は俺を独占しておきたいんですね、これが。

「どういう意味だ」と聞く火野に誠は答えます。「惚れてるからさ、俺に」。愛を含め、周りの人間全員が口ぽかーん。「早乙女くん、ウソだろ」と城山。「否定してくれ、早乙女くん」と火野。そして愛と言えば。……、……。引っ張るだけ引っ張って、ひと言。「否定しません」。ががーん。よく分かりませんが、なぜか学校中が動揺してるみたいです。

下宿で♪白鳥(しらとり)は かなしからずやぁ~♪とか歌っている誠。外は夕暮れに変わったりして。ついでに愛からもらった時計をじっと見たりして。さらに幼い愛の持っていた赤い手袋も見ちゃったりして。えーと、多分、西城秀樹の見せ場なんだろうな。よく分からないけど。

ということで、愛はお父さんに援助金の増額を頼んでみますが、「そんな我儘は聞けん!」と日本刀を丸いのでポムポムしつつ一蹴されちゃいました。しかたありません。町に出た愛は、さっそくこんな看板を発見。「女店員募集!時間給三百円 バイトも可 純喫茶 窓」。さっそくバイトを申込み、信じられないことに、前金までもらっちゃいました。普通もらえませんよ、感謝しなくちゃ。

早速もらったお金を誠に渡す愛。「多くはないけど、お金が入ってます」。ひと言余計です。ふん、と軽くお金を受け取った誠ですが、去っていく愛を下宿の窓からじっと見つめたりして。ついでに手袋握りしめたりして。さらに、手袋の匂いを嗅いじゃったりして。お巡りさーん、ヘンタイがここにいまーす。

さて、学園の明星、清純天使とも謳われていた愛が、誠に惚れてます宣言をしたことで、早乙女愛ブランドの価値は急降下。愛が登校すると、教室の黒板に「誠/愛」な相合傘とか書かれちゃったりして。と、そこに登校してきた岩清水クンは、黙々といたずら書きを消し、「みんな。下劣な真似はやめたまえ」とか言ってますよ。おお、こいつ、実は男らしいヤツでは。ついでに、ちょっと話があると、愛をプールに連れて行く岩清水クン。「はっきり言わせてもらう。僕は君に失望した」。そういうと、岩清水クンは、愛からもらったお金で余裕ができた誠が、余った時間で、子分を増やし、そんな誠の引き起こす暴力革命がすぐそこに来ている、と重々しく断言するのです。ほほう、で、なぜ愛が誠にお金を渡したことを知っているんですか。お巡りさーん、ストーカーがここにいまーす。

黒雄高校とかいうところとボクシングの試合が行われ、ボクシングの助っ人な誠は、かなーり卑怯な手を使って辛勝しました。当然、運動部派は、それを苦々しく思っています。そのうえ、学園の明星で清純天使な愛がそんな誠に貢ぐために喫茶店でアルバイトをしていることを、城山、火野、両キャプテンがたまたま知ることになり、怒りはさらに増すばかり。くそーっ、いつかシメてやる。

一方、強いものになびくのは世の習い。誠の下には子分グループらしきものができてきましたよ。ほら、そんな彼らが隊列を組んで歩いています。♪タイガーグループ、万々歳♪。歌までうたってます。っていうか、かなり頭が悪そうだな。

そんな対立状況の中、キャプテンその2な火野が誠に決闘状を持ってきました。
「決闘状/時 今夜十時/場所 和泉多摩大橋下空地/右承知の上、違約なき事/太賀誠殿/火野将平/城山郷介」。「ハッハッハ。決闘状とはやけに古臭いもの、持ってきやがったな」と笑い飛ばす誠ですが、愛が誠のためにアルバイトをしていることを城山に聞いて愕然としています。「なんだとっ」。

リーン、リーン。愛に電話をする誠。「誠さん?」「俺のためにサ店でバイトしてたんだって。その心意気には泣かされたぜ」。「ど、どうしてそれを」と動揺する愛に、誠は続けます。「まあ心配すんなってことよ。誰にも喋りゃしないからよ。火野の野郎が決闘状なんてものを持ってきやがって、そん時、あんたのことをブツブツ喋ってやがったのよ」。えーと、つまり決闘するんだボク、ってことを言いたいんですね。「決闘状!」と驚いてくれた愛に誠は言います。「ああ、あんたを守るために俺を制裁するんだそうだ。これから巌流島ならぬ多摩川まで、ちょっくら行ってくらぁ。そうそう、俺が死んだら骨でも拾ってくれよな。わはは」。ああ痛い。誠のかまって君ぶりが痛すぎます。

かまって君な誠との電話を終えた愛は、岩清水クンのところに直行。「お願い、どうしたらいいか教えて。もう、あたしの力ではどうにもならないの」。愛も随分かまってちゃんですね。そんな愛に岩清水クンは男らしく答えます。「うれしいよ。本当によく来てくれた。僕は君のためならいつでも死ねる」。いや、ソレ聞いてないから。

さて、ボクシング部員、ラグビー部員たちがワンサカいる河川敷で決闘が始まります。まずはボクシング部の火野との対戦。両者、ファイティングポーズを取り、ファイト!と、そこに「待ってぇー」と愛、そして岩清水クンが走ってきました。岩清水クンは言います。「火野さん、城山さん、早乙女愛を本当に守ろうと思うんだったら、もう一度、考え直してくれませんか。ここでみんなが血を流し合って、一番傷つくのは彼女なんですよ」。さすが秀才。その発言には聞くべきものが、って、その隙に誠が火野を不意打ち。いきなりボコってます。このやろう。火野も伊達にボクシング部のキャプテンじゃありません。怒涛の反撃で誠を圧倒していきます。と、いきなり誠が両手を高く顔の前にかかげました。そうまでして顔を殴られたくないんでしょうが、かえってボディはがら空き。「頭隠して尻隠さずか。それでガードしてるつもりかよ」。火野のスーパーマグナムウルトラなパンチが誠の腹に突き刺さりました。苦悶する誠、あれ?いや、のたうちまわっているのは火野です。「ははは、ざまみろ」。学ランを持ち上げる誠。おお、なんてことでしょう。腹に生け花で使う剣山が仕込んであるじゃありませんか。こんなものを殴ったら、確かに拳は穴だらけ。笑いながら剣山を外す誠。と、そこには立派な腹毛が。いや西城秀樹だし、これこそ本家ギャランドゥ。

ビシッ。ビシッ。ベルトを鞭に火野をボコっている誠。なぜか手をこまねいてる城山キャプテンに代わり、岩清水クンが、立ちはだかりましたよ。「今度は僕が相手だ」。「気でも違ったのか」とあきれ顔な誠に岩清水クンは雄々しく宣言します。「決闘とは真に勇気のある人間が生きるか死ぬか、生死の二文字を賭けて争う戦いなんだ。下劣な暴力による喧嘩はまったく違うっ!」。そう言い終わると、「どなたかナイフを持ってませんか」とまわりの運動部員に声をかける岩清水クン。そう、岩清水クンの決闘とはナイフを使った、こんな恐ろしいものだったのです。

まず離れた場所に切っ先を上にナイフを刺します。そして、二人並んで、そこまで後ろ向きでゆっくり歩きます。適当なところでエイヤと後ろ向きに倒れると。もし、そこにナイフがあったら、はい、串刺しですね。ルールは三つ。ナイフより遠い方が負け。ナイフを通り過ぎても負け。後ろを向いたらもちろん負け。岩清水クンの胆力に、誠の闘争心も燃え上がりました。よーし、やったろうじゃないか。よーいスタート。並んでバックしていく二人。一歩。そして一歩。また一歩。もひとつ一歩。と、二人の間を駆け抜け、「やめてぇーーっ」と叫びながらナイフにトライを決める愛。と、同時にうりゃっと後ろ向きに倒れる二人。えーと、順番が逆ならカッコいいんだけどな。安全になってから倒れられても。しかし、城山キャプテンの「勝負なし。完全な引き分けだ」の言葉に、誠も岩清水クンもなんだか清々しい顔ですよ。先に起き上がった誠が岩清水クンに手を貸したりして。よく分かんないけど、これって大団円。と、そこに「隊長、助けにきやしたぜ」と空気を読まないタイガーグループが遅ればせながら到着です。それ、攻撃だあ。石を投げ始めるタイガーグループ。「こら、余計なコトすんな」と誠が言っても、時すでに遅しです。体制を立て直した運動部員グループも投石を開始し、攻撃を受けるのは真ん中に取り残された誠、愛、そして岩清水クンというありさまに。

ゴツッ。イヤな音と共に頭に石をくらった岩清水クンが卒倒。「岩清水クンっ!」と駆け寄ろうとした愛もオデコに被弾。「あ、あああーー」。「あいーーっ」と駆け寄った誠に愛は言います。「誠さん。これであなたと同じ傷が、あたしにも」。「ダメだ。傷なんか、誰がつけさせるもんか」と誠は言いますが、愛はそのまま失神しちゃいました。う、う、うわーん。誠は絶叫します。「あんたのキレイな顔に傷なんか付けさせるもんか。俺のこの傷を見て、あんたが一生苦しみぬくためにも傷なんかつけさせるもんか。俺の復讐の相手がいなくなっちゃうじゃないかよぉおおお」。ここは、西城秀樹の「あの」シャウト声を心の中で再生してくださいね。

「総攻撃だ。かかれぇ」。タイガーグループ、運動部グループ、ついでに誠は大乱戦。当たるを幸い、あちこちで殴り合い、蹴り合い、いつしか立っているものもいなくなりました。そして、やがて朝日が昇ります。ムクっ。目覚めた誠は、愛をお姫様だっこして、どこかに歩いて行くのでした。



すっげえダメな終わり方です。最後は投石合戦かよ、みたいな。まあ武田家の投石部隊とかは有名だし、戦いのセオリーとしては「アリ」かもしれませんが、画的には「ナシ」の方向ですよね。そもそも、この映画が戦国時代の合戦モノというわけでもないし。

ま、それはともあれ、原作の最初だけを映画化してるので、ガム子とか高原由紀、座王権太みたいなメンツは出てきません(「続 愛と誠」で出てきます)。それだけに、どうしても岩清水クンの「君のためなら死ねる」にウエイトをかけざるを得ないのが辛いところ。もちろん、そのフレーズが出ると「待ってました!」と盛り上がるんですけど、それを多用されてもなあ、と思ったりもします。早乙女愛(役者)は、かなり棒読み演技ですが、早乙女愛(登場人物)の存在感そのものがヘンなので、あまり目立たないというか、ラッキーだったねというか。

え、西城秀樹ですか。ああ、ギャランドゥも見られたし、こんなものかと。

 

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