いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】女番長 野良猫ロック

2007-08-01 | 邦画 あ行

【「女番長 野良猫ロック」長谷部安春 1970】を観ました



おはなし
新宿で対立する二つのスケバングループ。しかし、その一つには右翼結社をバックにした勝也率いる黒シャツ隊が肩入れしています。そして、もう一方には、流れ者のアコが味方をして……

この次の作品からは、梶芽衣子と藤竜也が主人公格で活躍するのですが、この映画の主演はあくまで和田アキ子。なので、なんとなく敬遠して見てなかったのですが、これが見てみると面白い。いや、御見それしました。

信号待ちをしているバイクに乗っているのは流れ者のアコ(和田アキ子)。ドスン、アコのバイクに後ろからぶつかってくるバギーがいます。アコが振り向くと、バギーを中心にバイク軍団がズラっ。バギーの男・勝也(藤竜也・兄貴)と、そろいの黒シャツでキメた隊員たちは、ニヤニヤと笑っています。そう、あきらかにアコを挑発しているのです。

「降りろよ」というアコに、大笑いをする兄貴と黒シャツ隊。兄貴は黙って手をサッとあげると、それを合図にバイク軍団が整然と去っていくのでした。

「土曜日 午後」
スタンドで給油中のアコのバイクに飛び乗ってきた女がいました。「急いでるんだ、西口まで乗せてって。恩に着るよ」と勝手なことを言う、この女の名前はメイ(梶芽衣子)。スケバングループのリーダーです。工事現場まで送ってもらったメイは、さっそく敵グループのリーダーとタイマン勝負を始めました。そして、そのまま乱闘に。
しかし、そこにやってきたのが兄貴と黒シャツ隊。そう、敵グループのリーダーは兄貴の女だったのです。一気に形勢逆転、メイのグループはピンチになりました。そのありさまを見守っていたのがアコ。早速、バイクにまたがり、敵をけちらしつつメイたちを救い出したのです。

とりあえずアジト代わりの店に逃げたメイのグループ。ヘルメットを取ったアコを見て花子(十勝花子)は「あービックリした。あんた女だったの」と問題発言をぶちかましていますが、よく和田アキ子相手に、そんな口を叩けるものだと。他のメンバーはナンバー2格のユリ子(范文雀)、マスコットのマリ(久万里由香)、その他大勢といった感じです。ちなみに久万里由香は真理アンヌの妹さんで、インド人と日本人のハーフな美人さんです。

さて、メイには道男(和田浩治)という恋人がいます。これがとんでもないことを考えている様子。親友のボクサー・ケリーに八百長試合をやらせて、それを手土産に青年右翼組織「青勇会」に入れてもらおうというのです。メイは心配して止めますが、道男は「ケリーには悪いけどよ、俺はもうイヤになっちまったんだよ。こんなところでグダグダしてんのは。クスリ飲んで、踊って、女とイチャついて、ただそれだけじゃねえか。そうだろメイ」と聞く耳を持たないのです。
ここのシーンはなかなかおしゃれ。2分割された画面には和田浩治のロングショットと、梶芽衣子のアップ。そして梶芽衣子のロングショットと和田浩治のアップというように切り替わります。うーんカッコいい。

「青勇会」では支部長の権藤(中丸忠雄)が演説をしています。武士道は死ぬことと見つけたりとか何とか、まあありふれた内容ですが、熱心に聴いている会員たち。なんだか三島由紀夫の「盾の会」を想起させますけど、それもそのはず。三島由紀夫が自決するのが、この映画の半年後くらいですから、映画製作時には「盾の会」が色んな意味で話題になっていたんじゃないでしょうか。

ともあれ、青勇会は道男を使って八百長試合で儲けようと企んだり、兄貴と黒シャツ隊を傘下に収め、町を牛耳っている悪い組織だそうです。

「土曜日 夜」
ボクシングの試合が始まりました。親友の道男に八百長を頼まれたケリーは腑抜けた試合を続けています。しかし、リングサイドに腰を据えたアコの「恥知らず、恥知らず、恥知らず」という言葉で、いきなり奮起。試合に勝ってしまったのです。あ、ちなみに「恥知らず」部分はエコーですから。

とりあえず、大損をしてしまった青勇会は、道男を呼び出しリンチです。しかし、そこに乗り込んできたメイやアコのおかげで道男は脱出に成功しました。でも逃げるときに道男が青勇会幹部・花田の目をぶっ潰したので、青勇会や黒シャツ隊はメンツにかけても、道男を探し出そうと躍起です。

町は完全に封鎖されてしまいました。このまま、グループで行動していれば必ず見つかってしまいます。そのため、少数精鋭というのか、メイと道男。それにアコとマリの4人で隠れ家に逃げることになったのです。

無事、隠れ家についた4人。しかし食料を調達に行ったマリが青勇会につかまってしまいました。素っ裸にされ、締め上げられるマリ。いったいどうなってしまうのでしょう。

「日曜日 朝」
町をヨロヨロ歩いているマリ。それをケリーが見つけ「道男とメイはどこにいるんだ」と聞きますが、マリはただ泣くばかり。どうやら口を割ってしまったようです。一方、バギーに乗った兄貴を中心にバイクに乗った黒シャツ隊、それに青勇会の花田が出動しました。目指すはメイと道男が潜む隠れ家です。

隠れ家に殴りこんだ青勇会・花田の手によって道男が撃ち殺され、「ちくしょう、この野郎」と怒りに我を忘れるメイ。しかし、多勢に無勢、アコはメイを乗せてバイクで逃げ出しました。兄貴と黒シャツ隊も追いかけてきますが、アコの超テクで、どんどん脱落。最後はメイを降ろして身軽になったアコのバイクと、兄貴の運転するバギーの一騎打ちです。この一連のシークエンスは、まさにスゴイの一言。この部分を見るだけでも価値があります。ともあれ、激しいチェイスの結果、兄貴のバギーは大破し、アコとメイは無事脱出できたのです。

ここは、アジト代わりのお店。「いくら拷問にあったからって、仲間売るなんてサイテーだよ」とユリ子がマリをひっぱたいています。マリはただ泣くばかり。そこに、アコとメイがひょっこり帰ってきました。喜びに沸くメンバー。しかしその時、店は花田率いる青勇会のメンバーによって既に封鎖されていたのです。

奴らの狙いはこの私だ、と店をひそかに脱出するアコ、メイそしてユリ子。もちろん、ただ逃げるだけではなく逆襲をするつもりです。

結局、青勇会のメンバーを動員して店を封鎖したものの、肝心のアコやメイを逃がしてしまった花田は、青勇会支部長の権藤に叱責されています。休養しろと言われつつ、実質的には追放されたも同然の状態に。それを見ていた兄貴は「こいつはいいや」と大笑い。お前が俺を切り捨てたのと同じように、お前も切り捨てられたんだ、と神経逆なでするような言い方です。プチっ。キレた花田は兄貴を撃ち殺しました。

そこに乗り込んできたメイとアコ。メイは「アコ、その男をやれるのは私だけさ。どいて」と花田をナイフでブッスリ。しかし、瀕死の花田も最後の力で銃の引き金を引き、轟音と共に、後ろにぶっ飛んでいくメイだったのです。

「月曜日 朝」
明け方の新宿の街。「どうしても行くの」と問うマリに「うん」と答えるアコ。「どこへ行くの」「さあ」「どこから来たの」「ヘンっ」
「じゃあ、さよなら」と言って、アコのバイクは走り去っていくのでした。

まず、この映画の見所として挙げられるのが音楽シーン。ホリプロ製作の映画らしく(配給が日活)、モップスの鈴木ヒロミツが歌い、まだアンドレ・カンドレと名乗っていた時代の井上陽水が歌ったりと、今となってはなかなか貴重な映像かもしれません。でも、それよりスゴイのが和田アキ子の唄。ソウルフルでパンチの効いた歌声は、とても二十歳になったばかりとは思えません。

そして、それより見所なのは、バイクとバギーのチェイスシーン。地下鉄入口を駆け降り、地下街を走り、またまた階段を登って地上へ。よく撮影したなあと感心します。それに、これはさすがにバイクだけでしたが、横断歩道橋まで走ってしまうのにはビックリでした。ちなみにアコ(もちろん吹き替え)の乗るバイクはCB750K。ぼくも、このバイクに乗っていましたが、ハッキリ言って、重いわ、フレームが弱いわ、ブレーキが効かないわで、とてもスタントに使えそうなバイクではありません。そんなCB750Kで、ここまでやれるんだ、と素直に感心してしまいました。もっともFフェンダーを外したり、色々いじってありそうでしたが。











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4 コメント

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和田アキ子の使い方 (シャケ)
2007-08-02 11:26:07
♪どうにもならない女とーどうにもならない男のー
映画ですよね。オープニングテーマでもってかれますね。アクションと漂う閉塞感がいいですね。

和田アキ子にはこんな使い方があるのかと感心した記憶があります。こういう映画を見ちゃうと、この頃の映画はなかなかやめられないですよね。長谷部安春もうまいし。
ただバイクのシーンはちょっとこれみよがしでしたけど(笑)スタントマンが苦労した分、どかーんと見せとけってことなんでしょうね。
バイクは (いくらおにぎり)
2007-08-02 16:11:34
シャケ師匠、こんにちは

>スタントマンが苦労した分、どかーんと

これは考え方として、実に正しいような。でも、新宿の地下街や横断歩道橋をバイクが走るだなんて、よく撮影できましたよね。これって、ちゃんと許可取れたんでしょうか。それともゲリラ?

いずれにしろ、あの重たいバイクを振り回すスタントマンの方は、冗談抜きで尊敬です。
あの頃は(ハッ)、 (シャケ)
2007-08-04 10:25:28
>新宿の地下街や横断歩道橋をバイクが走るだなんて、よく撮影できましたよね。これって、ちゃんと許可取れたんでしょうか。

許可を取っていたかは微妙なとこですが、許可は取れたと思います。この頃までは信じられないほど撮影に関しては許可がおりたはずです(街中で馬を走らせることもできた)。
ですが、80年代にになると、それまでむちゃくちゃやってたツケがまわってきたのか、都内で日本映画だと許可はまずおりなくなったらしいです。
むちゃくちゃといっても撮影内容もありますが、ゴミを捨てないなどのマナーがひどかったとのこと。

でも、香港映画にはかないません。
『男たちの挽歌2』では借りていた家を許可なく燃やしてしまったそうです(笑)しかもその後なんの保証もなし。黒澤なんてあまいあまい。
馬がOKなら (いくらおにぎり)
2007-08-04 18:32:57
馬っていうのは、「君よ憤怒~」ですか。まあ、あれが許可されるなら、たいがいのことは許可されるでしょうね。

しかし、「借りた」ものを燃やして「保証しない」っていうのは、どういうことなんだ。さすが香港。

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