いくらおにぎりブログ

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【映画】宇宙大怪獣ギララ

2008-06-23 | 邦画 あ行
【「宇宙大怪獣ギララ」二本松嘉瑞 1967】を観ました


おはなし
宇宙から、謎の物体を地球に持ち帰ったところ、そこから怪獣がでてきて大騒ぎ。

松竹が作った唯一の怪獣映画だそうです。唯一ということは、後が続かなかったということで、そこから考えても「推して知るべし」といったところでしょうか。でも、個人的にはグッドポイントがあったので、満足です。

富士山をバックにした松竹映画のロゴが出たあと、「ギララのロック」と共にオープニングタイトルが始まります。この「ギララのロック」がとてもいい感じ。歌っているのがボニージャックスだし、ぜんぜんロックじゃないんですが、派手ではありませんがいい曲なので、おだやかーな気持ちになります。怪獣映画だと言うことを忘れそうです。さすが松竹ですね。

ヘリが飛んできました。もちろんバックは雄大に広がる富士山。今、ここFAFCの宇宙基地に、バーマン博士が濃縮原子燃料を運んできたのです。この濃縮原子燃料は、これから火星探検ロケットに積み込まれる予定です。

日本が誇る、アストロボート「AABガンマ」号に乗り込むのは、4人の精鋭メンバー。おや、FAFC技官(穂積隆信)のブリーフィングが始まるようですよ。ちょっと耳をすませてみましょう。
まずは、船長のキャプテン佐野(和崎俊哉)への注意。どうも、今まで送った火星ロケットは全て、UFOにやられているそうで、「細心の注意力と判断力で行動されたい」「了解」だそうです。ふむふむ。
次は、紅一点のリーザ(ペギー・ニール)への注意です。「あなたの任務は、宇宙生物科学者として、未確認物質の採取をすることにありますが、採取に当たっては、必ずキャプテン佐野の許可を得ること」「はい」。
そしてお医者さんの塩田博士。「博士は毎日、搭乗員の血液反応データを送る」「はい」。
最後は、いかにもお調子者の宮本通信員(柳沢真一)です。「定時交信はカプセル離脱後、2分以内にコールサイン発信のこと」。

おや、そうこうするうちに、バーマン博士の持ってきた濃縮原子燃料が、無事、AABガンマ号に組み込まれたようです。所長(岡田英次)の訓示をもらって、早速出発です。どどーん。

大気圏離脱ロケットから分離したAABガンマ号は順調に飛行。しかし、そこに磁気嵐が発生しました。「放射能が上がってきてます」とリーザの緊張した声。「AABガンマ応答願います。AAB……」ザザザ。うわっ、通信まで途絶えました。さらに、
「あれ、何かしら」とリーザ。「UFO。未確認飛行物体」と冷静なキャプテン佐野。「ははっ。まるで半熟の卵焼きみたいだ」と緊張感のない宮本通信員。「……」、塩田博士は宇宙酔いでグッタリしてます。頼むから吐かないでね。

卵焼きというよりは、膨れすぎたパンケーキみたいなUFOが迫ってきます。「よーし加速する」とキャプテン佐野は決断しました。リーザが塩田博士を手当てしましょう、と言っていますが、とりあえず無視、無視。今は乗り物酔いよりも、暴走UFOから逃げるのが先決です。

塩田博士の体調を考えて、月ステーションに緊急着陸したAABガンマ号。塩田博士は、やっぱり宇宙酔いだったみたいで、いきなり元気です。それにしても、火星に行こうっていう人が、月まで持たないっていうのは考えものですよ。駅までのバス停3つ分でも、オエってきちゃう人が、東京から京都まで観光バスで旅行するようなもんですから。無理です。というかムチャ。

ちなみに、この月ステーションはとてもいいところ。なんといっても、スタッフの道子(原田糸子)さんが、キレイなのがグッドポイントです。そのうえ、キチンとした食事を楽しめるし、愉快な音楽と共に、月面をピョンピョン飛び跳ねて遊ぶこともできます。さらには、男子限定ですが、檜のお風呂まである豪華っぷり。ちなみに、女子のリーザと道子さんは、シャワー浴びつつ、楽しくおしゃべり。うーん、サービス、サービス。さらにカクテルドレスに着替えた女子たちのキレイなこと。どうやら月ステーションは、研究施設というより、高級リゾートみたいです。

「私はイヤだ」。宇宙酔いの塩田博士に代わり、AABガンマ号への乗組みを命じられたドクター・スタインのお言葉です。なんで火星になんか行かなくちゃいけないんだよ。早く、地球に帰って、おいしいものが食べたいよ。そんな、モチベーションが低下しまくっているDr.スタインを乗せて、AABガンマ号は出発しました。どどーん。

相変わらず食事にブツブツと文句をつけているDr.スタインに、キャプテン佐野から「黙って!」と叱責が飛びました。キンキン。キンキン。「何か聞こえないか」「隕石だ。隕石があたる音だ」。ぷしゅー。AABガンマ号には穴が開き、空気が漏れています。タイヘンだあ。

連絡を絶ったAABガンマ号を心配している所長とバーマン博士。「何かあったに違いない」「何もなければいいが」。心配してくれるのは、とってもうれしいけれど、もっと具体的なことをしてくれると、もっとうれしいな。

「よーし、修理は終わった」とキャプテン佐野。あっ、直ったみたいです。良かったねえ。ところが、そこにUFOが襲ってきましたよ。卵焼きUFOに力を吸い取られていくAABガンマ号。アンパンマンの顔に水をかけたときみたいですね。しかし、ここには新しい顔を焼いてくれるジャムおじさんはいないので、自力で何とかするしかありません。よしっ。キャプテン佐野は決断しました。エンジンを切りましょう。「佐野、なぜエンジンを止めるんだ」と騒いでいるDr.スタインに「ムダだ」と説明するキャプテン佐野。あのUFOはAABガンマ号のパワーを吸い取っている。だから、ムダにエネルギーを使ってしまうより、ここはエンジンを切って、チャンスを待つんだ。プッチーン。うわっ、Dr.スタインがキレました。「俺は月に帰るんだぁ」。まったく、うるさいなあ。これなら、青い顔でグッタリしている塩田博士の方が、百倍マシですよ。

「何かあったに違いありません。救援ロケットを出してください。私が行きます」。隊長(浜田寅彦)に直訴している道子さん。しかし……、と煮え切らない隊長に「これ以上、犠牲を出すことは許されません」と、キッパリ言っています。カワイイ上に、この男前な性格。うーん、道子さん最高です。

一方、AABガンマ号では、リーザが不思議なモノを発見しました。「佐野、ちょっと来て。あれなにかしら」。えーと、AABガンマ号の後ろに、亀の甲羅状のモノがへばりついています。そして、表面には細かい突起が生えていて、チカチカ光っていますよ。よし、調べましょう。宇宙遊泳をして、その光る突起を採取する二人。さっそく、FAFC基地にいる所長に報告です。「発光体は真空容器に密封し、保存のこと」「了解」。

ぴゅーん。道子さんの乗る救援ロケットがやってきました。予備の原子燃料を受け取り、AABガンマ号のエンジンは再始動。これで地球に帰れますね。

ということで、ここはバーマン博士のおうち。帰ってくる過程とかを「一切」すっ飛ばして、いきなり「お帰りなさい」ホームパーティの真っ最中です。AABガンマ号の乗組員はもちろん、道子さんもいるようですね。と、そこに電話が入りました。なんと、基地の研究室に置いてあった発光体が消えたというのです。

あわてて駆けつけるみなさん。確かに、真空容器が壊れ、抜け殻だけを残して、発光体がなくなっているではありませんか。床には穴が開き、あやしい足跡も残されています。いったい、何が起こったんでしょう。「まるで、ニワトリの足跡みたいだ」「あの発光体の中に、宇宙生物が潜んでいたのかもしれない」「そうだと仮定して、いったいどこに行った」。

ずごごご。どっかーん。火山が噴火して、そこから怪獣が出てきました。ぐもーっ。ぐもーっ。なんだかラドンとガッパのパチモンみたいな、怪獣です。ぐもーっ。

早速、FAFCの研究所で、怪獣の足跡を調べてみると、大きさこそ天と地ほど違うものの、発光体の抜け殻の横にあった、ニワトリな足跡とまったく一緒じゃありませんか。へぇ、そうなんだ。

「現在、怪獣は猛威を振るって、東京方面に向かっております」というアナウンサーの絶叫。自衛隊は戦車を繰り出しますが、怪獣の口から出た火炎弾に全滅です。飛行機のミサイル攻撃もダメ。ナイキミサイルもダメ。さらにメーサー戦車(のパチモン)もダメ。得意技の飛行機体当たりもダメ。ダメ尽くしに、手の打ちようがありません。

懸命に抜け殻を分析するリーザ。この分析に成功すればギララ(と命名されました)のヒミツが分かるかもしれません。しかし、宇宙怪獣のヒミツなので、真空中でないと、どうもうまく分析できないそうです。「リーザ、月に行きたまえ」と所長の命令も出たことですし、さっそく出発しましょう。どどーん。

所長が重々しく言います。「リーザ。ギララニュウムの実験効果はどうか」。「まずギララニュウムの完全な真空合成に成功しました。月面の鉱石に、相当量のギララニュウムが含まれていることも分かりました」「そのギララニュウムの特性は?」。「熱エネルギーを初めとして、宇宙放射能を完全に反射する性質を持った物質です」。それならば、ギララニュウムを量産して、ギララにぶっ掛ければ、ギララを抑えることができるかもしれない。よーし、早速、量産しましょう。

あっさり、量産に成功。ギララニュウムはAABガンマ号に積まれて、一路地球に。と、思ったらAABガンマ号のエンジンから力が抜けて、立ち往生してしまいましたよ。どうしたんでしょう。「佐野、分かった。原因はこれだわ」と、ギララニュウムの入ったケースに、ガイガーカウンターを当てるリーザ。もう、バリバリ反応していますよ。ここから発散されている放射能が、AABガンマ号の力がぬけちゃう原因のようです。うーん、うーん。放射能を防ぐには。うーん。そうだ。AABガンマ号の原子炉室に、ギララニュウムを入れればいいのです。そうすれば、放射能の漏洩は押さえられるはず。

とりあえず、ギララニュウムの放射能で、みなさん被曝してないのかとか、原子炉室を開けたりして、さらに被曝しないのか、という疑問が残ります。でも、それよりなにより、ギララニュウムの放射能で、AABガンマ号の原子力エネルギーがパワーダウンしたなら、直接原子炉室にギララニュウムをぶち込んだら、エンジン壊れませんか。ああ、壊れないですか。それなら、いいです。

快調に関東地方を破壊しつくしたギララは東北方面の原子力発電所を襲いました。どうやら、原子力をエネルギー源にしているギララは、原子力発電所のパワーを得て、まさに無敵状態に。真っ赤に燃えた球体になって、空を飛び始めましたよ。ずごーっ。そのイキオイでダムを破壊するギララ。でも、水に入ったので、真っ赤に燃えた球体から、またラドンとガッパのパチモンに戻ったようです。良かった、良かった。って、良くありません。さらなるエネルギーを求めて、研究所に移動し始めるギララ。このままでは、AABガンマ号が戻ってきても、着陸する場所がないじゃありませんか。

「また、来やがった」。ギララニュウムを隔離して動き出したAABガンマ号ですが、タチの悪いUFOに追跡されています。懸命の操縦で、どうにかUFOを振り切り、ギララの目前で、強硬着陸を成功させたAABガンマ号。早速、ヘリコプターでギララニュウムを自衛隊に送り出すのでした。良かった、良かった。あとは自衛隊にお任せですね。

って、ノンビリばかりもしていられません。目の前にギララが来ているのです。研究所の濃縮原子燃料が食べられてしまったら、ギララがまた、真っ赤に燃える火の玉野郎になってしまうじゃありませんか。ジープに濃縮原子燃料を積み込み、ジープで逃げ出すキャプテン佐野と宮本通信員。早く、自衛隊来てぇ。

キーン。ギララニュウムを積み込み、F104Jの大群が基地を飛び立っていきます。中には、ギララに叩き落とされる不幸な飛行機もありますが、次々と投下されるギララニュウムに、ギララもタジタジです。ぶくぶく。ぶくぶく。白いアブクに包まれていくギララ。「小さくなっていくわ」と道子さんも大喜びです。

元の発光体に戻ったギララをコンテナ(って、ただのランプにしか見えない)に収納します。「ギララは地球上では破壊できません」というリーザのアドバイスにしたがって、こんなものは捨ててしまいましょう。「もとの場所へ戻すか」と重々しい声の所長ですが、そもそも拾わなければ良かったんですけどね。ゴーサイン出したのは、この所長だし、減俸3ヶ月くらいの処分は必要だと思います。いったい、日本人が何百万人死んだことやら。

ごごごごご。ロケットは無窮の宇宙空間に飛んでいきました。それを見送りつつ、物思いに耽っているリーザ。バーマン博士が、そっと近づいてきて言います。「リーザ。佐野に伝えたかい。君の本当の気持ちを。愛には勇気が必要なんだよ」。「ええ、そうね。それをギララが教えてくれました」。「えっ」と驚くバーマン博士。もちろん、ぼくもビックリ。「そう、私には分かりました。佐野さんには、心から愛している人がいるんです」。「リーザ」とドサクサに紛れて、バーマン博士はリーザの肩を抱くのでした。

やはり、ロケットの飛び去った空を眺めているキャプテン佐野と道子さん。道子さんはキャプテン佐野を見て言います。「佐野さん。えへっ。何でもない」。
エンディングテーマが流れます。「月と星のバラード」です。♪月と星のかなたぁ~♪ 歌うのは、松竹の誇る歌姫、倍賞千恵子。とほほ。


特撮はちょっとマズイ感じ。全体的には、取り立てて悪いとも思いませんが、飛行機の操演なんかがヘッポコです。それと、何が悪いって、ギララが暴れるところです。なんていうか、スケール感がないんですよね。それなりのセットを組んでいるのに、安い雰囲気が漂ってきます。でも、本当にささいな所なんですけどね。もうちょっとで、いい感じになりそうなのに、あと一歩のツメが足りません。

俳優陣は、男子がちょっと地味。キャプテン佐野の和崎俊哉さんは、時代劇に出ていた方のようですが、とりあえず特撮ヒーローに求められる派手さが皆無です。じみーに、演技をされています。宮本通信員の柳沢真一さんは、軽妙洒脱さが空回りして、軽薄逸脱なだけ。岡田英次は、なんか重々しい顔をしているだけで、演技をしていないような。

それに比べて、女子はいいですよ。ペギー・ニールさんは、正統派の金髪美人で、日本人男子の心の奥にひそむ琴線を刺激しまくります。もう、アレですからね。金髪の白人女性っていうだけで「合格」みたいな。ちなみに、この映画の前にはこんなのにも出ていましたね。
そして、道子さんを演じた原田糸子さん。この方がとてもキュートでキュートで。なんていうか、通り過ぎるとレモンの香りがしそう、とでも言えばいいんでしょうか(ちょっと、書いてて恥ずかしい)。ちなみに、この方は西野バレエ団の出身で、由美かおるや奈美悦子と一緒に、レ・ガールズというユニットで活躍されていたみたいです。
ともあれ、この映画は、ショッカーに改造される前の藤岡弘がチョイ役で出ているとか、人によってチェックポイントは色々あるかと思いますが、ぼくにとっては「原田糸子」さんを発見できたのが、最大の収穫でした。

ちなみに、UFOの秘密はいっさい明かされずじまい。まあ、いいけど。







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6 コメント

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おっ珍しい… (夢見興亡)
2008-06-24 00:14:56
特撮ですね。 リメイク版(?)が公開間近で楽しみです。 特撮はまぁご愛嬌でw ギララが吐く火球は地味だけどスキです。 これはリメイク版でも再現されるそうです、無論CGですけど。 あとはおっしゃるとおり「ギララのロック」はナイスです。 アストロボートが何度も宇宙を行ったり来たりして、人類の段取りの悪さが強調されてるのもオカシイですよね。 まあ牧歌的な怪獣映画でありますねー。
おひさ (いくらおにぎり)
2008-06-24 15:00:01
夢見興亡さん、おひさしぶり。ミクシィの日記は拝見してますが、常連さんばかりで、コメントできません。なにしろ人見知りの恥ずかしがりなんで。

段取りの悪さ。うーん、確かに言われてみれば、そうですよねえ。もう少し、効率的にゆかんものかと、思います。でも、そんな感想を持つのは、きっと夢見興亡さんが、段取り命の仕事をしているからと見ました。グータラ事務員の僕には、気づかない発想です。
初めまして (ヒロシ)
2008-06-25 17:16:20
パレンバンの記事を追っていてたどりつきました。

ギララは子供のころに弟といっしょに見に行きました。

連れて行ってくれた女性は、後で分かったことですが父の愛人でした。
映画の後はゲームセンターに連れて行ってもらい、プラモデル(レインボー戦隊のペガサス号)も買ってもらいました。

僕たちは大喜びでしたが、後で母に叱られました。

後にその女性は父とトラブルがあって分かれましたが、僕はいまでも懐かしいです。

映画ギララ、ユーチューブで探したけれど変なのしかありませんでした。
こんにちは (いくらおにぎり)
2008-06-26 11:54:12
ヒロシさま、はじめまして。こんにちは。

パレンバン経由で、月行きですか。なんだか、長大な移動距離ですね。

それにしても、連れて行ってくれたかたが、愛人さんって。。。なんか、映画よりドラマチックすぎです。
反映してくれ (電)
2010-02-20 12:26:19
こんにちは。はじめまして。
ギララって蛙のような怪獣ですね。鳴き声も顔も色も。
しかしラドンとガッパのパチモンとは・・・ひどいよお・・・。
それにしても日本怪獣ってみんな「〇〇ラ」ですよね。ゴジラもガメラもこのギララも。
Re:反映してくれ (いくらおにぎり)
2010-02-21 15:11:14
電さん、はじめまして。

やはり、ガッパよりギララの方が格上ですかね。リメイクもされてましたもんね。音楽的にはガッパの方が好きなんですけど。

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