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【映画】汚れた肉体聖女

2006-12-16 | 邦画 か行

【「汚れた肉体聖女」土居通芳 1958】を観ました。



おはなし
兄の友人にレイプされた平恵利(高倉みゆき)は、望まぬ妊娠をしてしまいました。両親に中絶をさせられた恵利は、そのまま全寮制の紅百合学院に入れられてしまいます。三年後、最上級生になった恵利は新入生の神山アンナ(大空真弓)と同室になりました。また学校では、学生委員として、柏木(魚住純子)と次年度のローマ留学を張り合うことになります。しかし、恵利は積極的なアンナに惹かれてただならぬ関係に。
そして、それを目撃された柏木に脅され、もみ合ううちに柏木は死んでしまいます。さらに、恵利に欲望を抱く曽根にまでなじられた恵利は、曽根までもあやまって殺してしまうのでした。絶望した恵利は……


ハッキリ言って、かなりキワモノ映画です。なにしろ当時のキャッチコピーが「燃える肉体!禁男の園に身悶える女の欲望!」ですから。修道院でも舞台に一本撮ってみるか、という安易な企画会議が目に見えるようです。
もちろん、時代が時代ですから、おっぱいなどは一切出てきません。そのため、イヤラシイ映画があまり好きではない(というか見ていて恥ずかしい)ぼくにも安心の映画でした。

平恵利は汚れの無いお嬢さん。お兄様のお友達の津山さんとお買い物に出たところ、地元の不良たちに絡まれます。びっくりした恵利ですが、たまたま警官が通りがかったので、事なきを得ました。でも、木の根元にあられもない姿で倒れこんでいる恵利を見る津山さんの表情がいつもと違う。ハイ、欲情しちゃったようです。

シーンが変わるとお父さんが激怒しています。
「恵利。明日、長崎の病院に行きなさい」
どうやら恵利は妊娠してしまったようです。恵利は子供を堕ろしたくないようですが、無理やりに堕胎手術をされてしまいました。恵利は、ひと目でいいから津山と会って話をしたいのですが、駅で父とシスターにつかまり、山奥の学校に拉致されてしまうのでした。

三年後― 紅百合学院

今年も、また新入生が入学してきました。恵利は学生委員として、新入生を指導する立場です。しかし、同室になった神山ヤスコはとても奔放な女の子。恵利もたじたじです。でも、よく話を聞くと、紀州の出身のヤスコは、お母様がお父様を殺して自殺してしまった暗い過去を持っていて、ちょっと可哀想。「ヤスコでなくアンナと呼んで」というアンナの願いについうん、と頷いてしまう恵利でした。「優しいのね、お姉さま大好き」

学院のみなさんは、恒例の農作業に出かけました。思わず、ラテン語で賛美歌を歌い始めるアンナ。恵利は、ちょっと困って注意をしますが、無邪気なアンナはへっちゃらです。
農作業の帰り道、男の子たちのラグビーボールが彼女たちに飛び込んできました。男の子たちは「ボール取ってよー」と叫びますが、貞淑な神の子羊である恵利たちに、そんなことはできません。でも、アンナは平気な顔でボールを取って、男の子たちに投げ返しました。
学院に帰り、アンナを叱る恵利。
「さあ、あなたの手と体にしみついた汚れを洗い流しなさい」と言ってシャワー室に連れて行きます。「さあ、制服をお脱ぎなさい」と言った恵利ですが、アンナの無防備な姿にちょっと動揺してしまいました。

ダンスパーティが始まりました。踊ったことのない恵利ですが、アンナにリードされて夢見心地。「お姉さまの楽しそうな姿、初めて見たわ」と言われて、満更でもありません。アンナに「プールで泳ぎましょうよ」と誘われ、いつもだったら断わるのに、OKしてしまったのは、お月様のせい?
夜のプールで泳ぐ二人。ロマンチックです。思わず「二人だけだといいわね」と口走ってしまう恵利。もうアンナの虜です。その夜、部屋に戻った二人。「寂しいわ、一緒に寝かせて」と言うアンナを断わりきれない恵利。二人はキスをして、そして……

その日以来、二人のイチャイチャはエスカレートするばかり。さすがに見かねた学院長に恵利は呼び出されます。「来年の留学は、最初からあなたを推薦するつもりでした」
それをドアの陰で聞いていた柏木は、「ガーン」です。ライバルの恵利さんが、ローマに行くなんて、許せない。柏木は、子分の曽根を使って、恵利たちの周囲をかぎまわります。

ある日、湖畔に行った恵利とアンナ。アンナは恵利の水着を着てはしゃいでいます。愛しいアンナを見ているうちに、気持ちが高ぶってくる恵利。二人は熱いキスを交わします。
と、そこに木の陰から柏木が現われました。「あっ」と驚く恵利。見られてしまって、動揺しまくりの恵利に柏木は言います。このことをバラされたくなかったら、アンナと曽根の部屋割りを交換しなさい、と。さすがに現場を押さえられてしまった恵利は頷くしかありませんでした。

すっかり授業に身が入らなくなった恵利は、とうとう我慢できなくなり、アンナに「夜、会いましょう」というメモを渡します。直接言えばいいのにね。待ちに待った夜が来て、アンナとしっかり抱き合う恵利。そこに、嫉妬の形相もモノ凄い柏木がやってきました。はっ、と気づいてしまう恵利。「今ごろ分かっても遅いわ、アンナは私のものよ」と柏木はうそぶきます。あらあら。思わず、もみ合いになる3人。そして、階段から落ちて柏木は死んでしまったのです。罪の意識におののく恵利に、アンナは言います。
「死んでるわ、階段から落ちたことにすれば誰にも分からない」

その後、柏木のスパイ・曽根が恵利を好きだったとか、それが原因でまたも3人でもみ合いになり、曽根が学院の庭にある「底なし沼」に転落して死んだりとか色々ありまして、恵利は学院を逃亡します。

と、そこに現われたのがアンナの兄。アンナの兄は「怖がることはありませんよ。ぼくも犯罪者です」と言って、恵利を家に連れて行きます。そして、恵利をレイプしたうえで、札束を残し自殺してしまいました。もう、話の展開が速すぎて、何がなんだか分かりません。

死の前にアンナの兄が残した言葉。
「アンナは自分だけでなく、あなたも焼き尽くそうとした」
「アンナは全てを滅ぼす女です」
というのが、若干気になりますが、とりあえず現金も手に入れたことだし、恵利はアンナと逃亡生活を送るべく、学院にアンナを迎えに行きます。

しかし、アンナはすっかり変わっていました。もう虫けらでも見るような目付きで恵利のことを見ています。一緒に逃げようと誘っても、
「曽根さんを殺したのは、お姉さま」と、取り付くシマもありません。
やがて、学院のみんなが恵利がいることに気づき、二人のいる鐘楼に集まってきます。もう、万事休す、です。
「アンナ、一緒に死んでちょうだい」と哀願する恵利。
「イヤだわ、死ぬなら一人で死んでちょうだい」というアンナともみ合いになります。また、もみ合いかよ、と思わないでもありませんね。そして、二人は予想通り、鐘楼から下に落ちて死んでしまうのでした。


なんか、凄い展開の映画でした。ダークに始まり、「コバルト文庫」か「マリアさまがみてる」のような甘い世界に変わり、その後はまたダーク路線まっしぐらです。まあ、新東宝らしいと言えば、それまでなんですが。
主演の高倉みゆきは、絶対に未成年には見えません。っていうか、全身からフェロモンが立ち昇っている修道女って、どうなんでしょうか。とはいえ、意外とお芝居も健闘していましたけどね。それにしたって、やっぱり向き不向きがあるのでは。
大空真弓は、かなり良かったと思います。小悪魔な感じが良く出ていましたし、「お姉さま」を連発するところは、萌えポイントが高いです。それに、さすが東京音大の声楽科主出身だけあり、劇中で歌うラテン語の賛美歌は本格的。その瞬間だけ、新東宝の映画じゃなくて、高尚な雰囲気が漂いました。

ともあれ、当時は限界ギリギリだったのかも知れませんけど、今となっては牧歌的とすら言えるくらいの、この映画。
ただ、タイトルだけは今でもインパクト充分過ぎです。っていうか、そもそも肉体聖女って日本語になってないですよね。
あと、女の子っぽい書き方をしてみましたが、我ながら「バカ」だなあ、と思わないでもありません。


(お姉さま)


(アンナ)




(嘘はいかんよ、嘘は)

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