いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】怪談番町皿屋敷

2006-09-16 | 邦画 か行

【「怪談番町皿屋敷」河野寿一 1957】を見ました。



おはなし
旗本の青山播磨(東千代之介)は男っぷりも良く、喧嘩上等な男。今日も今日とて、奴どもと喧嘩三昧。しかし、家に帰れば美しい腰元のお菊(美空ひばり)とラブラブなうらやましい境遇。
しかし、喧嘩三昧がたたり、このままではお家取り潰しの危機。それを回避するためには大目付の稲葉帯刀の娘・干鶴との政略結婚しかありません。しかし、引き出物にするはずだった青山家伝来の家宝、高麗の皿をお菊が割ってしまったため……


怪談とは銘打っているものの、別に美空ひばりが「いちまーい、にまーい」と皿を数えるワケでは無く、むしろ岡本綺堂の戯曲「番町皿屋敷」を下敷きにした悲恋物語です。

千代之介は腰元の美空ひばりを愛しています。しかし、一生懸命口説くものの「私は町人の身」と相手にしてもらえません。そんな美空ひばりの態度に、拗ねた千代之介はプイっと横を向いて寝てしまいます。でも、それは狸寝入り。千代之介の頬にホロホロと流れる涙。それを見た美空ひばりはすっかりヒートアップ。「お殿様っ」と千代之介に抱きつくのでした。なんか、立場が逆な気もしますが。

色々あって、千代之介は見合いをせねばならなくなります。仲間の腰元と一緒に、家宝の皿を箱から取り出して並べている美空ひばり。仲間が口を酸っぱくして、気をつけてねと言っているのに、ちょっと上の空。と、そこに、庭を散策する千代之介の見合い相手が。その顔を見た美空ひばりは「わざわざ」畳の部屋から縁側まで皿を持っていき、「思わず」皿を庭の沓脱石に落としてしまいます。ガシャン。ああ、畳だったら割れなかったのに。庭だとしても、土の上だったら割れなかったのに。皿が割れるであろう唯一の場所に落とすだなんて、まるで映画のようです。というかワザとだろ。

そこにやってくる千代之介。思わず刀を抜いてみますが、なあにポーズです。美空ひばりを斬る気なんて微塵も有りません。しかし、そこに再度現われた見合い相手。「大切なお皿を、気の利かぬ小女におまかせなさいましたのは不覚でございます」と余計なことを言います。
そんなことを言われては、美空ひばりのコメカミもピクピクするというものです。今度は意識的に皿を地面に投げ付けて割ってしまいます。とりあえず、哀れなのは千代之介。もうどうしていいか分かりません。バサっと美空ひばりを斬り、美空ひばりは井戸に落ちていきました。

縁談を失敗した千代之介は扶持を失いました。給料ゼロです。でも、屋敷はそのまま、用人もそのまま残っているのが、不思議と言えば不思議ですが、まあとにかく用人が千代之介に聞きます。
「お殿様、井戸をさらいましょうか」そりゃそうですね。美空ひばりが沈んでいる井戸では水も飲めません。でも千代之介は言います。「いかん、それでは菊が遠く離れてしまう」こらっ、甘えん坊さん。

その夜、井戸から忽然と現われる美空ひばり。なんか、強烈な画です。千代之介はとりあえずビビリですから刀を振り回します。そして、抜き身の刀を持ったまま「そちを恋しく思うのみだ」とか言ってます。こらっ、言ってることとやってることが全く違うぞ。

気が弱いくせに、見栄っ張りな千代之介は、町で奴どもと喧嘩になります。啖呵だけは立派なんですが、めっぽう弱い千代之介は、あっというまにボロボロに。ようやくの思いで、家に帰りついた千代之介は、井戸の近くで倒れ伏します。その体から立ち上がる半透明の千代之介。凛々しい若武者ぶりです。そして井戸からは御嬢、美空ひばりがやはり現われます。しっかり抱き合う二人。一方、千代之介(本体)はズルズルと井戸まで這っていき、ドボンと落ちていくのでした。

まあ、悪い映画ではなかったです。悪い映画ではなかったんですけどね。美空ひばりが、美人それも薄幸の美女かというとかなり疑問は残ります。あと、東千代之介も割と覇気の無い感じではあるので、喧嘩上等な青山播磨役というのはどうなんでしょう。
美空ひばりは映画で男装をすることも多かったし、気風のよいイメージもあるので、ここは一番、青山播磨を美空ひばりが、お菊を東千代之介がやったら面白かったのに、と妄想してみたいです。

あ、もちろんエンディングの歌は美空ひばり。けっこう良い歌でした。

 

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