いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】姉妹坂

2007-06-22 | 邦画 さ行

【「姉妹坂」大林宣彦 1985】を観ました


おはなし
血のつながらない4人姉妹の家族の絆。次女茜の発病、そして死を描きます。

まず、言い訳を。僕は大林監督の映画が好きです。「彼のオートバイ、彼女の島」などは、一週間の間に4回見に行くというスゴイんだかダメなんだか分からないこともやってますし、ツボにはまると抜け出せないほどの中毒性を持った監督だと尊敬しています。しかし、突っ込みどころが多い監督だということも事実。ということで、今回は遠慮会釈無く「突っ込まさせて」いただきますので、「姉妹坂」が好きな人は読まないでくださいね。

<悲秋の章>
京都の哲学の道の近くに小径という喫茶店兼民芸品屋がありました。そこに住むのは4人姉妹。長女の喜多沢彩(紺野美沙子)は店を営み、次女の茜(浅野温子)はカメラマン。そして三女の杏(沢口靖子)が大学生で、四女の藍(富田靖子)は高校生です。

ある日のこと、大学フェンシング部の桜庭諒(尾美としのり)と柚木冬悟(宮川一朗太)が、同時に沢口靖子にプロポーズしてきました。困惑する沢口靖子をよそに、盛り上がる姉妹たち。

そして迎えた学園祭のダンスパーティ。尾美としのりが沢口靖子をダンスに誘いました。なんかばっちりポーズをキメたりしていて、競技ダンスのようです。そんな二人を熱い視線で見ている宮川一朗太は、許婚の毬子をそっちのけで、次のダンス相手は自分だと立候補。タイミング良く、次はチークダンスだったので、すっかり良いムードです。入学式からキミを見ていた、テニスで汗を流すキミも見ていた、とドン引きするようなことを言って「それが僕のキミへの恋の始まり」と言い放つ宮川一朗太に沢口靖子はポーっとしてしまいました。
そして5秒間の暗闇タイムの間にしっかりチュー。明かりがついてもチューしてます。それを見た尾美としのりは「どうやら俺の負けらしいな」とキザにキメ、宮川の婚約者の毬子は怒りのあまりフルフルと震えているのでした。

「負け」た尾美としのりは後輩たちを引き連れてスナックに飲みに行くことにしました。大学生でスナックというのも渋いですけどね。その上、なぜか仮面をつけたまま店に乗り込んでいます。赤い彗星のシャアでしょうか。スナックでは偶然にも浅野温子がバイト中。「バリバリの女流カメラマンじゃなかったの」と言いつつ、しっかり尾美としのりの恋のターゲットは浅野温子に替わったようです。

さて、休日にみやげ物を売っている沢口靖子と富田靖子。そこに上品な婦人(入江若葉)がやってきました。なぜか沢口靖子に熱い視線を注いでいる入江若葉は、沢口靖子が作ったヘタっぴーな人形だけをごっそりと買っていくのでした。もちろん、この映画では絶対に「期待は裏切られないので」、入江若葉は沢口靖子のアレなわけですけど。

宮川一朗太の家は老舗の扇子屋。そこに沢口靖子がお呼ばれをしました。行ってみると、いきなり茶の湯です。お母さんが「他のお客はんは、どないしはったんどすか」と宮川一朗太に問いかけます。「他には誰も呼ばへんかった」。ジャーン、ジャジャン。いきなり盛り上がるBGM。固まるお母さんのショット。驚愕の表情を浮かべた沢口靖子のドアップ。何が起こったんだ。「毬子さんも呼んだらへんのどすか」と怒るお母さん。宮川一朗太は沢口靖子に「僕が卒業したら結婚して欲しい」と言い出しました。ジャジャーン。またも驚愕の大芝居が展開します。ガラっ。いきなりふすまが開きました。そこには、怒りの形相も凄まじい毬子が。見ている方がついていけないペースで展開する猿芝居に、思わず唖然です。

喫茶店で毬子と沢口靖子が向かい合って座っています。
「冬悟をウチに返して頂戴」と切り口上で言われ、「返すとか返さんとか言われても」と困惑する沢口靖子。「返してくれへんのやったら、ここを切るわ」と毬子は、手首にスプーンを当てました。紅茶がタラリとこぼれます。いや、スプーンじゃ手首は切れないと思うぞ。
(ちなみに、生姜の皮はスプーンでキレイに取れます。それはもうビックリするほど)

「みなしごの施設から拾われてきたような子が由緒ある老舗のお嫁さんになれると思うてんのか」と憎々しげにいう毬子に、沢口靖子はガーンです。なんと喜多沢家の本当の子は長女だけで、あとはみんな孤児だというのです。動揺した沢口靖子は浅野温子を飲み屋に呼び出して、真実を確かめることにしました。飲み屋では怪しいフォークシンガー(早瀬亮)がギターで弾き語りをしています。思いっきり早瀬亮の歌を聴かされただけで、特に進展もないままに終わってしまう飲み屋のシーン。うーん、怪しい。

酔っ払って家に帰った沢口靖子と浅野温子。ただならぬ雰囲気かつ「ポロリとこぼれた戸籍謄本」に紺野美沙子も全てを悟ってしまいました。そう、次女、三女、そして四女は施設にいたのです。しかし、施設が潰れ、あちこちに引き取られていく子供たち。しかし、3人は誰からも引き取られずに残り、当時保母をしていた母(藤田弓子)が見かねて3人を引き取ったのでした。以来、やさしい母と父(佐藤允)に可愛がられ、沢口靖子は自分が孤児だったことを知らずに育ったのでした。
はっ、と驚愕する紺野美沙子。何てことでしょう。階段の上で富田靖子が全てを聞いてしまったいたではありませんか。「うちらみんな親が違うんや。捨てられたんや」と嘆く富田靖子。もう、泥沼です。

入江若葉は、やっぱり沢口靖子の実母でした。今は綾小路家(とほほ)に嫁ぎ、金持ちの入江若葉は沢口靖子を引き取りたいと紺野美沙子に申し出ます。当然、断る紺野美沙子。しかし浅野温子には、また別の考えがあるようです。理由を告げずに沢口靖子を連れ出した浅野温子は、「あんたの本当のお母さんだよ」と入江若葉に対面させました。衝撃の再会です。見つめあう沢口と入江のバストショット。そしてそれぞれのアップ。しかし、おかしいぞ。向かい合っている二人なのに、アップの時に顔が同じ方向を向いています。まあ、どっちから撮ろうと監督の勝手ですが、見ていて違和感を感じます。きっと監督には深い考えがあるんでしょうが、サッパリ分かりません。

さて、ここは緑一色の竹林。キャンバスに向かっている富田靖子は、禍々しい真っ赤な絵を描いています。「うちらの姉妹の体の中には、みんな別々の血が流れてるの」と言うが早いか、キャンバスに飛び散る真っ赤な絵の具。ホラーですか。ヤケになった富田靖子はディスコに行きました。ヤバイ、尋常な目付きではありません。いっちゃってます。愚連隊にヒューヒュー言われつつ、ひたすら踊ります。そのダンスは、まさにマイケルジャクソンのダンスそのまま。さぞかし練習したんだろうと思わせるほど、愚連隊バックダンサーズと息の合ったマイケルダンスを踊り続ける富田靖子でした。それにしても、本当に尋常じゃない目付きだったなあ。

さて、浅野温子が夜のバイトを終えて、スナックから出てくると尾美としのりが待っていました。どうやら連日、待ち伏せしているようです。相手にならずスタスタ歩いていく浅野温子。するとどうでしょう。オープンカーに乗った愚連隊に、富田靖子がからまれているではありませんか。さあ、帰ろうという浅野温子に耳を貸そうとしない富田靖子。かえって浅野温子まで拉致されてしまいそうな雰囲気です。おっ、そこに尾美としのりが飛び込んできました。ドスっ、バコっ、全然合っていない派手な効果音が響きます。よく分からないまま、捨て台詞を残して逃げていく愚連隊たち。富田靖子はキレ気味に、「なんでウチにかまうんや。ウチなんかどうせ、どこの犬の仔か猫の仔か分からへんのに」と浅野温子に食って掛かりました。富田靖子のほっぺたをピシっと叩いた浅野温子は、「犬ころだって3日飼われたら恩を忘れないって言うよ」とナイスリアクション。と、いきなち浅野温子がひっくり返ります。ごふっ。口にあてたハンカチは真っ赤です。この話はどこに向かうんでしょうか。

4人姉妹はそれぞれ、思い悩む日々を送っています。そんなある日、沢口靖子は宮川一朗太とデートをしてみることにしました。「冬悟さん。今夜一晩、冬悟さんの時間をウチにください」と妙に積極的です。そのまま結ばれる二人。しかし、さすがの「脱がし屋」大林監督でも沢口靖子をヌードにはできなかったようです。きっと大林監督は悔しかったでしょうね。

目くるめく一夜を過ごした沢口靖子は「茜ちゃん、ウチなあ東京の綾小路家に行くさかい」と言い出しました。ってことは宮川一朗太とは「思い出作り」ですか、やっぱり。
「小径」にデッカイアメ車が迎えにきました。もちろん白手袋の運転手はかかせません。乗り込む沢口靖子。「行かんといて」と富田靖子が追いかけてきます。窓を開けて手を握り合う二人。しかし「運転手さん、出して」と沢口靖子は言い、アメ車はシズシズと走り出したのです。クルマに引っ張られてひっくり返る富田靖子。去っていくアメ車。どんなシチュエーションなんだか。

シーン変わると新幹線がピューンと走っています。デッキに佇む沢口靖子。ってことは、あのアメ車は綾小路家のクルマでは無かったんですね。つまり、「小径」から京都駅まで沢口靖子を運ぶためにレンタルしたクルマということ。だったらハイヤーでいいじゃないかと思いますが、さすが金持ちの考えることは底が知れません。それはともかく、デッキには沢口靖子以外にもう一人いました。怪しいフォークシンガーの早瀬亮です。そうかあ、飲み屋のシーンは、ここの伏線だったんだ。ポロンポロンとギターを弾きながら歌っていた早瀬亮は、沢口靖子に向かって「どうしたの、泣き虫さん」とニカっと笑いかけます。「悲しいときには歌が一番。悲しいときにはいつでも訪ねておいで」

綾小路家に入った沢口靖子ですが、保母になりたいから探さないでという置手紙を残して、さっさと家出をしました。どこへいくのか沢口靖子。

<殉愛の章>
医者(竹脇無我)と浅野温子が話をしています。どうやら浅野温子は白血病のもよう。病院を出て木の枝を見つめる浅野温子。お約束どおり、そこには葉っぱが一枚だけ残っています。きっと、これが落ちると浅野温子は死ぬんだな。そこに「何見てるの」と尾美としのりが声をかけてきました。「またあんたか」と冷たい浅野温子ですが、いきなり「連れてって」と言います。「どこへ」「海」。はい、怒涛の波が逆巻く日本海にやってまいりました。粉雪まで舞っています。「海の子守唄」とかいう歌を歌いだす浅野温子。「おしえてどうしたらいいの」と尾美としのりにすがりつきました。はい、このままラブシーン。浅野温子の髪が風になびいちゃったりしています。フッとカットが変わると、枯れ木の落ち葉は落ちていたのでした。なんだ、死なないんだ。

さて、沢口靖子ですが、フォークシンガーな早瀬亮の紹介で住むところもアルバイト先も見つけ、自活して学校に通っているそうです。夜のバイト先では、早瀬亮が弾き語りをしている横で、彼を熱い視線で見つめつつウエイトレスをしている毎日。そこに宮川一朗太がやってきました。宮川一朗太にズーム、そしてズーム。「お姉さんが倒れはったんや」ガーン。「白血病らしい」ガガーン。
新幹線がピューンと戻っていきます。家に駆けつけると、浅野温子は入院を嫌って、家にいました。久しぶりの4人の夕食。そこで浅野温子は重大発表があります、と言い出しました。
「わたしのお腹の中に新しい命が芽生えたの」。ビックリする3人。富田靖子が「茜ちゃん、赤ちゃんのお父さんは」と聞いても、浅野温子はヒ・ミ・ツと教えてくれません。じゃあ、私たちと同じ運命の子供を作ってしまうの、と当然な疑問を発する富田靖子に、私たちはそれで不幸せだった、と聞き返す浅野温子。いや、微妙に問題がすり替えられている気がします。

尾美としのりは「キミはいったい何を考えているんだ」と浅野温子を問い詰めますが、すっかり「浸りきっている」浅野温子には馬耳東風。「あなたはあなたの道を歩いてください」とスタスタ去って行ってしまいます。呆然としている尾美としのりのもとに、なんだかラブラブな沢口靖子と宮川一朗太がやってきました。「杏、茜さんのこと頼みます」と言って、うなだれながら去っていく尾美としのり。きっと、幸せそうな二人の傍にいたくなかったんでしょうね。
さてさて、宮川一朗太は建設会社に就職が決まったそうです。そして研修を終え次第、富山のダムに一年間、こもらなければならないのです。帰ってくるまで、荷物を預かっておいて欲しいと頼んだ宮川一朗太は小さなケースを沢口靖子に渡しました。なにこれ。開けてみて。
ケースを開けるとそこには沢口靖子にあてた指輪が。ピカリン。いや、ホントにピカリンっていう効果音が入ってるんですよ、この映画。どうしてくれましょう。

さて、実は浅野温子の主治医の竹脇無我は、かつて紺野美沙子と将来を誓った仲。しかし、両親が交通事故で死に、幼い妹たちを育てなければならない紺野美沙子は泣く泣く竹脇無我と別れたのでした。そんな竹脇無我が「小径」を訪れました。ハッとする紺野美沙子に「コーヒー二つ」と言う竹脇無我。「久しぶりにあなたと飲みたいな」。シミジミとコーヒーを飲む二人。「彩さん、長い間ご苦労様でした。今ならあなたは、もう一度あの頃のように、両手をいっぱいに広げて僕の中に飛び込んできてくれるだろう」と竹脇無我はくささ全開の台詞を恥ずかしそうに言います。「これでうまく言えたんだろうか」。いや、これは台詞じゃなくて、竹脇無我の本音とみました。本気で恥ずかしそうだぞ、竹脇無我。

浅野温子の出産は、問題山積。ヘタをすると母体がもちません。そんな時、母体を救うのか、子供を救うのか。そんな決断を紺野美沙子は尾美としのりに迫りました。「俺は、俺は子供を助けて欲しいです」と答える尾美としのり。紺野美沙子は、心配しないで、生まれた子供はわたしの籍にいれるから、あなたは新しい人生を生きてくださいと尾美としのりに言います。しかし「もう手遅れです。俺と茜さんはれっきとした夫婦なんです」と答える尾美としのり。どうやら富田靖子に頼んで、浅野温子と入籍を済ませたそうなのです。もちろん浅野温子は、それを知らないそうです。これはれっきとした夫婦でなくて、れっきとした犯罪な気もしますが、大林ワールドに世俗の法律なんか無意味ですね。

いよいよ分娩の日。浅野温子はなんだかナチスの拷問でも受けているような絶叫カットで、どうにか男の子を産み落としました。とりあえず、豪雨の中、病院の外で立ち尽くしている尾美としのりに抱きついて喜びを分かち合う富田靖子。なんだか、人間関係が分かんなくなってきましたよ。
ちょうど、そのとき、病院に宮川一朗太から電話が入りました。浅野温子のことそっちのけで、大自然は素晴らしいとかなんとか、自分語りをする宮川一朗太。沢口靖子は思わず「大自然か。ぜんぜんウチのことなんて忘れてる」とつぶやくのでした。そう言う沢口靖子だって、フォークシンガーのことを忘れているのは内緒です。

<惜春の章>
病室で赤ちゃんを抱いている浅野温子。そして、それを写真に撮っている尾美としのり。平和な風景です。「名前、考えてくれた」と聞く浅野温子に、尾美としのりは「一仁」と書かれた紙を見せました。「かずとと読むんだ。どんなに辛く苦しい時でも、人を愛し、愛される人間であって欲しい」。いや、せめて「強、いつも強い子であって欲しい」とか言うなら分かるけど、名前と願いが全然関係ないじゃないですか。

あ、いきなり浅野温子の様態が悪化しました。「聞こえてくる、聞こえてくる」とうわ言を言い出しました。「聞こえてくる、海の音」。「行こう、海へ」と答える尾美としのり。はい、海です。とんでもなくセットっぽいですが、海にやってきました。尾美としのりに寄りかかった浅野温子は「もし神様が、三日でいい、健康な体にしてくださったら」と言い出します。一日目は子供と遊び、二日目は彩姉さんにありがとうって言いたい。そして三日目は「諒(尾美としのり)、あなたと、あなたと、あなたがウンザリするくらい一緒にいたい」ガクっ。死んじゃいました。

そのまま夜まで海を見ている尾美としのり。「どうしなすった」と漁師(宇野重吉)が尋ねてきますが、「この人眠っているんです」と答えるだけの尾美としのり。宇野重吉はなにやら首をふりながら去っていきます。空には、とっても分かりやすい電飾の星がチカチカと瞬き、とってもアホっぽい流れ星がピューっと落ちていきます。尾美としのりは浅野温子の遺体を乗せて、クルマで走り出しました。海岸沿いの道をもうスピードで走っていきます。キーッ、ガチャン。

「茜ちゃんは自分の命を犠牲にして、ウチらに計り知れんほど、尊い、愛の贈り物をしてくれはった」と言って、クルマが転落した断崖絶壁から花束を投げ落とす沢口靖子。
3姉妹は、浅野温子が子供に残していったテープを、赤ちゃんに聞かせ、そして自分たちも聞きながら、浅野温子を偲ぶのでした。
そして時は流れ、染色作家への道を歩き始めた富田靖子。念願の保母になった沢口靖子は、手にはめた指輪をじっと見つめます。そこにやってくるのは尾美としのり。いや、違いました、よく見れば宮川一朗太です。「たった今、山を出たよ」と言う宮川一朗太はすっかり逞しくなっています。きっと仕事じゃなくて修行でもしてたのでしょう。

浅野温子の声が流れます。
「人生はね、坂道。楽して人生の坂は登れない。しっかり大地に足をつけて、一歩一歩登りきり、頂点に立つの」
そして、今、姉妹坂を「父」の手に引かれ登っていく幼児がいます。父は竹脇無我。少し離れたところにいた「母」の紺野美沙子が、ちょっとまぶしそうな目をして、幼児を愛おしげに見つめるのでした。
よく分からないけど、頑張って頂点に立つんだよ。リーチ・ザ・トップだ、幼児。

いやあ、とんでもない映画でした。大映ドラマ(テレビの方ですよ)を上回るような怒涛の展開。そして、何と言ってもスゴイのは、大林監督の場合、(多分)大真面目に映画を撮っていることです。そこにはウケを取ってやろうとか、ボケてみようという下卑た根性は一切ありません。天然に「ヘン」なのが大林監督なのです。えっへん。

それにしても毬子はどうした、入江若葉は沢口靖子を諦めたんだろうか、なによりフォークシンガーはどうなったんだ、などサブキャラをすべて振り捨てて疾走する大林監督の手腕はさすがというか何というか。

ところで、浅野温子のもし健康な日が三日あったら云々は、完全に「愛と死をみつめて」のパクリですね。まあオマージュなのかもしれませんが、それにしても中途半端な使い方は、原作に失礼じゃないの、という気がしないでもありません。
まあ、そんなところを突っ込んでも仕方ないくらい、トンデモない勢いの作品ですが、これをお正月公開してしまった東宝っていうのは、さすが「幻の湖」の会社だけある、ということで。

ただ、しつこいようですが、ブツクサ言いつつ大林監督は、好きな監督です。本当ですよ。





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13 コメント

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ここまで・・・ (夢見興亡)
2007-06-24 17:53:53
突っ込みどころ満載だと、逆に観たくなりますね。 まあ大林監督らしいブレというか…原作モノだからかな? そうそう、お時間あれば拙宅に遊びに来てくださいマシ。 大林鑑賞会でもしましょう。
大林鑑賞会 (いくらおにぎり)
2007-06-25 09:44:09
夢見興亡さん、こんにちは

大林鑑賞会って、何か匂ってきそうですよね。やっぱりハウスで始めて、彼のオートバイ彼女の島あたりでシメなんでしょうか。変な疲れ方をしそうです。

まあ、それはともかく、新築なった豪邸はぜひ一度、拝見させていただきたいなと思っています。
豪邸じゃないですが… (夢見興亡)
2007-06-26 11:36:27
遊びに来てください。 家というよりは単に「自分の部屋」という感じですが。

大林じゃありませんが「狂い咲きサンダーロード」も用意してますんで、いしー先生とお誘いあわせの上是非。
狂い咲きサンダーロード (いくらおにぎり)
2007-06-26 16:02:27
あー、狂い咲きサンダーロードは良いですねえ。
久しぶりに小林稔侍の勇姿が見たいなあ。

じゃあ、粛々と新居荒らしの計画を練らさせていただきますね。
お待ちしています・・・ (夢見興亡)
2007-06-27 22:51:14
クルマでもOKよ。
Unknown (京太郎)
2007-07-11 22:01:09
はじめまして,いくらおにぎりさん.
京太郎と言います.
姉妹坂で検索していたらこのブログに
当たりました.
いくらおにぎりさんが何歳かわかりませんが,
私はこの姉妹坂をリアルタイムで映画館で見た
一人です.
当時私の中では,大林監督が描く少女の
姿は無茶苦茶に少年の理想と等しかったと思います.
今思えば,そんな女の子がいないのはわかりますが
当時は「こんな少女こそがりそうなんだ!」
と,真剣に思っておりました.
姉妹坂は,というより,映画全般のことなんですが,
私が思うのは,原作と映画は違う,ということです.
毬子や入江若葉のその後はどうなったのだろう,
とかは,原作にそれなりに書かれておりますが,
映画ではあくまでも「(数ある中の)ひとつの(大林風)」エピソードに過ぎないとお考えになって
作品を楽しまれるほうが,精神衛生上も
楽かなあと思います.
映画評,今後とも楽しみにしております.
大林映画は好きです (いくらおにぎり)
2007-07-12 10:13:08
京太郎さん、はじめまして

ワタクシは、この映画が封切りされたときは大学2年生かな。なので大林映画のヒロインが理想の少女という気持ちは良く分かりますよ。

>原作と映画は違う
特に大林映画では、それが顕著ですね。宮部みゆきの「理由」は、おそろしく原作に忠実に作っていましたが、これは例外でしょうか。

>精神衛生上も楽
あ、文章がつたなくて誤解をおかけしたかもしれませんが、ぼくはこの映画とても楽しかったですよ。文章では「大林映画の空気感」まで書けないので、ツッコミばかり目立ってしまいましたけど。

それで、恐るおそる書いてみますが、京太郎さんは、このブログを読んで不快になられてしまいましたか?それでしたら、本当にゴメンナサイです。
Unknown (京太郎)
2007-07-22 01:12:08
いくらおにぎりさん,こんばんは.
まずはお返事遅れましてたいへん申し訳ないです.
次にボクのほうこそ誤解をおかけしたかもしれません.
このブログを読んで不快になるなんて全然ないですよ.むしろ,姉妹坂を知っていてくれてありがとうございますと言いたいです.多分ボクの文章が
冷たい感じで書かれているから(=ヘタッピ)なのかなあと反省しきりです.
正直言うと,公開当時(ボクは高校2年生)は,同時公開の”雪の断章”(斉藤由貴主演 魚影の群れの相米監督だったかな?)を目的で映画館へ行ったのですが,断然姉妹坂のほうが印象に残ってしまい20年たった今でも忘れられない映画となってしまいました.今でも1年に1度はビデオ鑑賞しております.

それと,「原作と映画は違う」というのは
実は,原作を知っていて映画を見るとやっぱり
違和感があるのを否めない感じがありますので
映画は映画!と自分に言い聞かせて納得している
というのが本音なんです.ボクがプロデユーサーなら
きっと監督に「原作どおり撮って下さいよ」なんて
言ってしまいそうです・・・.

それにしてもこの40近くなると映画を見るのって体力が必要だと思いませんか? いくらおにぎりさんは本当に映画お好きなんですね.
長文駄文になってすみません.これからもよろしくです.
ハマれる映画があるって (いくらおにぎり)
2007-07-23 10:39:59
京太郎さん、こんにちは

>同時公開の”雪の断章”を目的

ああ、雪の断章が併映だったんですね。ぼくは、「恋する女たち」から斉藤由貴にはまったので、雪の断章を見ていないんですよ(映画館で見て、当時高価だったビデオも買ったりして)。でも相米監督だから、そのうち見たいとは思いつつ20年以上たってしまいました。

>今でも1年に1度はビデオ鑑賞
そうやって、ハマれる映画があるのって幸せですよね。ぼくにとっては大林監督の「彼のオートバイ、彼女の島」が、まさにそれです。ぼくはバイクにも乗るので、余計に愛着深い一本です(もっとも最初は併映の「キャバレー」目当てで映画館に通ったんですけど)

>40近くなると映画を見るのって体力が必要
まあ、映画に限らず「全ての」面で体力不足を痛感します。まあ一番疲れるのはブログを書くことだったりするのですが(笑)

これからもよろしくお願いします。
はじめまして (eb)
2008-05-06 20:35:55
「姉妹坂」の検索で楽しく読ませていただきました。他の映画も少しずつ読みにまた寄せてもらえればと思います。ブログ頑張ってください。

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