いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】男たちの大和/YAMATO

2006-09-30 | 邦画 あ行

【「男たちの大和/YAMATO」佐藤純彌 2005】を観ました。



おはなし
2005年4月、鹿児島県の漁港に、戦艦大和が沈没した地点まで船を出して欲しいと言う女性が現われます。それに答えて案内を買ってでた神尾は、その女性が大和で世話になった内田二兵曹の娘だと知り、60年前の出来事を物語り始めます。


まず、観た感想は、良くできた映画だと思いました。同じ第二次大戦を舞台にした映画の「ローレライ」と比べると月とスッポン。特に右にも左にも傾かず、男たちがいかに、死を決意し、何を守ろうとして死んで行ったのかを淡々と描いたのは評価に値すると思います。また、CGに頼らず、極力実物大のセットを組んだことにより、戦闘シーンの迫力も満点でした。

とはいえ、気になる点も多々あるので、そちらを書いて見たいと思います。

まず、鈴木京香と仲代達矢が演ずる現代パートですが、ちょっと長すぎたように思います。尺に限りがある以上、現代部分を削ってでも、戦時中の男たちの心の動きを追うのに、時間を回したほうが良かったんではないでしょうか。もちろん、この導入部と結末部があることによって、「右傾」しているという批判をかわせたり、制作費が少しでも安くなるというメリットもあるのかもしれませんが、せっかく多額の制作費をかけて作った映画ですから水増ししては、もったいないというものです。

お話は、現代パート、レイテ沖海戦(捷一号作戦)、沖縄特攻(菊水作戦)、現代パートに分かれますが、このうちのレイテ沖海戦について、僚艦武蔵の沈没を描かなかったのが不思議でなりません。もちろん、大規模な特撮シーンを入れてしまうと、後の大和沈没シーンが霞むとは思いますが、遠景ショットで武蔵が沈むシーンを入れても良かったのではないでしょうか。大和と武蔵は同型艦。世界で最大最強と思っていた大和型戦艦も沈むのだ、という事実が「大和の男たち」に及ぼす影響なども描写すれば、もっとストーリーが深くなったと思うのですが。

大和が主砲で三式弾を撃つシーンがあります。三式弾は巨大な散弾で、その巨大な撒布界で敵機の撃墜を期待したものです。劇中では、機銃座に人が配置されたまま主砲を発射していましたが、実際には主砲発射の際はブザーが鳴って、人員および機銃の照準は艦内に退避していたそうです。そうでないと、照準器は壊れ、人は内臓が破裂する恐れがあったとか。
ともあれ、大和の命と言えば、その巨大な46センチ砲ですから、発射シーンがある以上、主砲塔内部の描写も欲しかったところです。これなら、室内セットで済みますから、さほどお金もかからずに実現できたのではないでしょうか。

大迫力の戦闘シーンですが、セットや演出の都合なのか、機銃座ばかり映っています。なんか観ているうちに大和対アメリカ軍飛行部隊というより、25ミリ3連装機関銃対12.7ミリ機載機銃みたいに思えてきます。これでは、まるで大和が雷撃機や急降下爆撃機ではなく、戦闘機の機銃で沈められたみたいで悲しいです。

他にも、艦橋勤務中に兵が士官に世間話をしたりなど、おかしいところもありますけど、なにより言いたいのが、中村獅童に惚れている芸者役の寺島しのぶについてです。メーキャップさんは、何をしていたんでしょう。ちょっと顔が怖すぎます。角度によっては、厚塗りのオカマさんかと思いました。別に被災した役とかではないのだから、ちゃんとキレイにメイクしてあげればいいのに。
もちろん演出上の要請がある場合は別ですけど、メイクアップすべきところでメイクダウンしてはいけません。

俳優さんたちは良かったです。特別年少兵役の俳優さんたちも頑張っていたし、中村獅童も反町隆史も素晴らしかった。あと、有賀艦長役の奥田瑛二は、ホントに上手く齢を取ったものです。見直しました。(とは言え、実際の有賀艦長ははげ頭で、水虫のため草履履き。あんなにダンディではなかったようですが)
それと、忘れてはならないのが鈴木京香。歳を取れば取るほどキレイになっていくのは、やはり内面からにじみ出る何かがあるんでしょうね。

いずれにしろ、右にも左にも、そしてエンターテインメント派にも、目配りをした結果、少し中途半端にはなってしまいましたが、面白い映画でした。



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3 コメント

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すばらしい (シャケ)
2007-04-10 08:21:14
(まともな規模の戦争邦画が皆無な中)本気で作ってる感じがします。「うまい」感じは一切ないですが、こういう映画が増えていけば、よりよいものが生まれていくんじゃないでしょうか。いくらおにぎりさんが言うように、「よくできた映画」という感じですね。
特に戦闘シーンは凄かった。その直前のシーンで兵士がおにぎりを食べていたので、おにぎりを僕も(買ってきて)食べたのですが、次のシーンが凄くて食べるの止めました。

寺島しのぶは気になりませんでしたが、奥田瑛二が艦長なのはちょっとやるせなかったです。奥田瑛二が出てくると、ちょっと安い感じになりませんか?妙な生活感というか。あとは俳優は皆よかった。反町と獅童は軍人だとハマりますね。
あらら、意外です (いくらおにぎり)
2007-04-10 23:08:26
シャケさんが、この映画を気に入るとは意外でした。
吉田喜重と大和は両立しないみたいな、勝手な偏見が。

奥田瑛二はダメでしたか?昔は気弱でエロいインテリみたいなイメージがあったのに、随分と海軍士官らしくなったじゃないか、と感心したんですが。キャスティングについては反町は良かったけど、中村獅童は軍人は軍人でも、ちょっと「陸軍」が入っているような気がして、どうなんだろ、と思ったのですけど。
男たちの大和 (みーん)
2008-08-31 01:32:00
確かにしのぶさんが違和感あって、びっくらこきました。違和感といえば、お汁粉食べるシーンで昔の人なら、必ず一番は仏壇に備えてから、出すだろうが、とイラッときました。奥田さんは俄然軽くなります。内面の深さが感じられない。ふりだけの感じ。獅童さまや反町さまは大変良かったです。
あと映画のスローモーションが苦手です。
無法松の一生の最後のように、膨大な内容を早く見せる方が、その中で感じとっていく在り方の方が私は好みます。最近の映画はスローモーションが多く、気持ち悪くなります。自分でスローモーションにして観るのは大賛成だけど、スローモーションはおかしいです。っと、いいたい。(いつか、誰かに言いいたかったっす)

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