いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】愛情物語

2010-05-27 | 邦画 あ行

【「愛情物語」角川春樹 1984】を観ました



おはなし
みんな、わたしをオトナシイ女の子だと思ってるでしょうけど、ダンスをさせたらスゴイんだから。by知世

原田知世の主演第二作かつ、角川春樹の監督第二作です。「時をかける少女の知世ちゃんが好きだ」程度のライトなファン(自分のこと)だと、あまりな展開に、ちょっとついていけない部分が。

赤いトウシューズのアップ。そして、ミュージカルが始まります。外人ダンサーに混じって、ヒロイン(村田香織)が踊りまくるミュージカルの名前はカーテンコール。なんていうか、あまりに微妙なデキに涙が出てきそうです。そうですねえ。しいて言えば、マイケルのPVとフラッシュダンスを足して、5で割ったくらい? しかし、そんなきらびやかな(トホホな)舞台を熱視線で観ていた仲道美帆(原田知世)は決心するのです。あたしも、あの舞台で踊るわ。

ということで、早速、オーデション情報をメモメモする美帆に、一緒に観ていたお母さん(倍賞美津子)が聞きます。「バレエどうすんの」「やめる」「せっかく今まで」「いいの。クラシックはおしまい」。

ところで、美帆は捨て子だそうですよ。ある日、赤いトゥーシューズと一緒に捨ててあった美帆をお母さんが拾い、大事に育ててきたみたいです。そして、なぜか美帆の誕生日にかならず届けられるお花。美帆は、その送り主を「あしながおじさん」と呼んで、もしかしたら本当のお父さんかも? と夢見ちゃっているのです。そして、今日、美帆の16歳の誕生日にも、やはりあしながおじさんからお花が届きました。そのお花を見て、美帆の小さな胸はズキンとうずきます。バレエをやめてしまって、あしながおじさんが「怒らないかなあ」。えーと、気を使うなら、今までバレエを習わせてくれたお母さんの方に使えよと思わないでもありません。

ということで(何が?)、どこかで、いきなり踊りだす美帆。もうフラッシュダンスばりの激しいダンスをバリバリ始めちゃいましたよ。画面分割を使ったりして、ノリノリのダンスシーンが3分間ほど続きます。もっとも、観ているコッチはぜんぜん、乗れないんですけど。と、いきなりダンスをやめて、自転車をこぎだす美帆。線路だってバリバリ走りますよ(よい子はまねしないように)。キキーッ。自転車を放り出すように家に駆け込んだ美帆は、慌てて赤いトウシューズを取り出しました。うんしょ、うんしょ。「履けた。とうとう履けた。あしながおじさんに会いにいけるんだわ」。何がなにやら、さっぱり。

帰ってきたお母さんに、美帆は息せき切って報告します。「履けたのよ。お母さん。ピッタリになったの。約束したわよね。このシューズが、あたしが捨てられた時に一緒に入ってたこのシューズが履けるようになったら、あしながおじさんを、お父さんかもしれない人を探しに行ってもいいって」。困惑するお母さん。「だけどねえ。世の中には知らなくても、ううん、知らないほうがいいこともあんのよ」「でもでも、ずっと小さいころからの約束だったわよね」。

お花屋さんをだまして、お花の贈り主を探り出す美帆。送り主は金沢の篠崎拓次という人らしいですよ。さらに、送り元のお花屋さんは長崎だそうです。ふむふむ。じゃあ、とりあえず金沢へゴーだわ。もっとも、「カーテンコール」のオーディションも受けたいから、時間は一週間くらいしかないけれど。ぬっ。黙って両手を差し出して、お母さんからお金をもらう美帆。なんていうか、基本的生活習慣ができてないような。

ここは、九谷焼を作っている窯元。職人の篠崎拓次(渡瀬恒彦)は、ろくろの上で回っていた粘土をぐしゃりと潰して言います。「この土じゃダメだ」。相方の職人(ジョニー大倉)に、文句を言いまくる拓次。「手触りっていうか、肌触りっていうか、違うんだよな」。えーと、土がダメなら仕方ないですよね。まあ、職人として、その言い草はないだろ、とか思わないでもありませんが。と、そこに「あのう。ごめんください」と美帆がやってきました。拓次に向かって、「あたし美帆です。仲道美帆です」と言い出す美帆。しかし、美帆なんて名前に覚えのない拓次はキョトンとしています。「じゃ、赤いトウシューズ。赤いトウシューズなら分かりますよね」「赤いトウシューズ?」「待っててください。すぐ持ってきますから」。ズドド。外に放り出してあったカバンを取りにいく美帆。しかし、ぎゃああ。なんとカバンの中があらされ、お金が抜き取られてましたよ。ほとんど30秒くらいの早業。なんていうか、金沢ってデンジャラスシティですか。

ともあれ、そんな美帆に死んだ妹の面影を見た拓次は、かわいそうに思って、お金を貸してあげることに。「これ貸してあげるから。返すのいつでもいいから。これで東京に帰んなさい」。でも、美帆はひとあじ違う女の子です。「どうもありがとうございます。でも、お返しするのちょっと遅くなってもいいですか。長崎に行ってみたいんです。お誕生日のお花。長崎のお花屋さんから手配されてきたんです、だから、長崎に行けば、きっと」。すばらしい。旅先で借りたお金で長崎旅行。ヘンな行動力ありすぎです。

ま、それはともあれ、自分探しというか、土探しのために、四国の砥部を皮切りに九州の伊万里に向かうことにした拓次。しかし、そこに美帆が勝手にくっ付いてきちゃいましたよ。「伊万里って、長崎の近くなんでしょ。一緒に連れて行ってください。ご迷惑はおかけしませんから」。いや、だからすでに迷惑をかけてるじゃん。ま、そんな常識を軽々と捨て去った美帆は、「チョト待ッテクダサイ、アイアイアイ」とかいうヘンな音楽をBGMに、電車のデッキでバリバリ踊り始めちゃうのです。ホント、ちょっと待て。ちょっと落ち着け。

さすがに、拓次も、美帆の不思議少女っぷりがヤバイと思ったんでしょう。途中で美帆を撒くことに。さささっ。しかし、拓次が翌日、フェリーで四国に渡ると、うわっ。桟橋で美帆が、まるで捨てられた子犬のような雰囲気で待ってましたよ。「6時半のに乗ったの」「うるうる(涙目で)」「ずっと、ここにいたの。一人で」「……こくっ」「バカだなあ」。思わず、肩を抱いて連れて行く拓次。でも、ちょっと待ってください。一歩間違えると、変態おじさん扱いになっちゃいますから、気をつけて。

砥部の窯元を巡った二人は、いよいよ九州に渡ることに。しかし、寝ている拓次の目を盗んで美帆は、船倉に向かいましたよ。美帆が階段を下りると、階段がピカピカ光ったりしつつ、レッツ・ミュージカルタイム。今度はアメリカの田舎が舞台でしょうか。どことなくジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンが出た「グリース」っぽい感じです。

ぴゅー。上甲板で風に吹かれている美帆。そこに拓次がやってきました。「寒くないのか」「ううん、熱いくらい」。まあ、確かにあれだけ狂ったように踊りまくればねえ。「ちゃんと汗拭かないと、風邪ひいちゃうぞ」「大丈夫っ。大丈夫よ」。と、思ったら、いきなり風邪でダウンしてしまった美帆。「ごめんなさい。お仕事の邪魔しちゃって」。ずっきゅーん。知世ちゃんに「ごめんなさい」をされて、怒るわけありません。

カコーン、カコーン。採石場でハンマーを振るっている拓次。なんか、製作が東映だし、どうみても悪人の一個分隊くらいが、ゲヘヘと登場しそうな場所です。しかし、これはアイドル映画なので、出てきたのは、狂ったように踊りまくる知世ちゃん。……。あ、踊り終わったみたいです。そのまま、なんとなくじゃれ合う二人。なんていうか、イチャつくなよな、って思う今日この頃。

さらに、ピックアップトラックの荷台でリンゴを分け合って食べたり、つり橋の上から渓流を眺めたりする二人。ちなみにBGMは、♪When a man loves a woman♪、そう、「男が女を愛する時」だったりします。ごくり。ええと、まさか原田知世と渡瀬恒彦がくっ付くという禁断の展開なんでしょうか。

いえいえ、そうはなりません。というか、それじゃ犯罪ですもんね。その代わりに、紳士的な拓次は、伊万里行きを後回しにして、美帆を長崎に連れてきてあげたのです。しかし、肝心のお花屋さんに行くと、店主のタコ社長(太宰久雄)が衝撃の証言をしました。なんと、匿名の人物に花を贈るように頼まれたものの、送り主の名前がないのも何なので、本に載っていた拓次の住所氏名を適当に使ってしまったというのです。なんじゃソレ。「そんなことでひとの名前、勝手に使ったんですか」とあきれ果てる拓次ですが、まあ、拓次があしながおじさんという疑惑は、これで無くなりましたね。もっとも、それじゃ単に、16歳少女をあちこち連れまわす中年男といえなくもないんですが。

さて、ハートブレイクな美帆がトボトボと歩いていると、視界の端に何か気になるものが。こ、これは。なんと、近所の写真館のショーケースに飾られているのは、自分の小さな頃の写真じゃありませんか。キレイな女性(加賀まり子)と一緒に写っているのは、間違いなく3歳のころの自分です。「どうした」「あたし、あたしだわ」。早速、写真館に入り、店主にアレコレ聞いてみる美帆。すると、一緒に写っている女性は、近所の大きなお屋敷に住む大森様だそうですよ。そうなれば、善は急げ。レッツゴー。

どどーん。巨大な洋館がそびえています。いかにもホラーな感じです。「入ってみよう」。拓次がそう言うと、美帆は「ちょ、ちょっと待って。あたしひとりで行かせて」と言い出しました。「いや、だけど」「お願い。ひとりで会ってみたいの。あたしのあしながおじさんに。お父さんかもしれない人に」。なんていうか、ここに至って、拓次はお留守番ですか。むごいよなあ。

ともあれ、ホラーな女中に案内された美帆が、ソファーにちんまり座り、テーブルに赤いトウシューズを出して待っていると、うわっ出た。西洋人形のような服(それもピンク)を着たヘンな女の人(加賀まり子)が、「あたしのよ」と美帆のトウシューズを持っていっちゃいましたよ。「うふふ、きゃはは」。笑い声からして、イッテますね。唖然としていた美帆ですが、とりあえず、そのヘンなおばさんを追うことに。すると、アンティークな西洋人形やらオルゴールが充満した部屋で、ヘンなおばさんが、白鳥の湖のオデットのカッコをして、赤いトウシューズを履いてる真っ最中じゃないですか。げげっ。ビビっている美帆ですが、その細い肩に、いきなり手が。ひぃーーっ。それは、この屋敷の主人、大森泰三(室田日出男)でした。「なんのようですか」「あの、あたし、仲道美帆です」「それで」「美帆です。仲道美帆です」。どうも、美帆は自分の名前を言えば、全て解決!と思ってるみたいですね。ま、それはともあれ、写真館に飾ってあった写真をネタに追求すると、泰三はようやく真実を語りだしました。「妻は美帆ちゃんを貰ったころから、気がおかしくなってきたんだ」「貰ったって、何のこと」「美帆ちゃんは二度貰われたんだよ。一度目は私たちに、しかし……」。つまり、本当の両親は交通事故死。そして、加賀まり子の気が狂ったので、親友の倍賞美津子が引き取ったんだそうです。「分かりました。お花、今までありがとうございました。さようなら」。さささっ。まあ、なんてドライな子なのかしら。

待ちぼうけの拓次に抱きついて、ひとしきり泣いた美帆は、お家に帰ることに。なにしろ、オーディションが待ってますからね。野望に向かって、踊りまくらなくては。さあ、レッツダンス。

ということで、外人ばっかりのオーディション。というか、いちおう、ここはアメリカという設定なのかな。そこに拓次がやってきましたよ。「来てくれたの」と顔を輝かせる美帆に、拓次は言います。「うん。ひとり?」「ううん、母と一緒よ」。恥ずかしそうに挨拶をする拓次とお母さんはほっといて、さあ、オーディション開始よっ!

バリバリ踊る美帆。どうみても戦闘力の高そうな外人たちを蹴散らし、次のステップへ。そうして、ついにはオーディションに通ってしまいました。「お母さん、やったわよっ!」。しかし、お母さんは待っている間に、拓次とラブラブになって、二人で仲良く去っていってしまうのでした。はあ?

オープニングで展開されたブロードウェイ(多分)ミュージカル「カーテンコール」の幕が開きました。しかし舞台の中央で踊っているのは美帆。「フラッシュダンス」のジェニファー・ビールスだって。はん、あたいのダンスの方が上だよ。マイケル? ダレだよ、それ。そんなイキオイで踊りまくっている美帆は、万雷の拍手に包まれるのです。


あ痛っ。痛たたっ。なんていうか、知世ちゃんの熱狂的なファン以外には、痛すぎる作品でした。まあ、知世ちゃんのダンスがうまいのは認めますけど、それも日本の、そしてアイドルにしては、という条件つき。この映画の前年に公開された「フラッシュダンス」のジェニファー・ビールスを観てしまったあとで、これはないよなあ。ちなみに、僕は「フラッシュダンス」を公開時に観て感激。さっそくサントラを買い込んだ覚えがありますが、この映画については、当時、その存在すら知りませんでしたからね。

監督としての角川春樹は、実はかなり好きです。でも、これはちょっと。どちらかというと、「REX 恐竜物語」みたいに、ヤラカシタ系の作品じゃないでしょうか。まあ、仮に倍賞美津子が主演で踊りまくったりしたら、とてつもなく評価できたんですけどね。もしくは、倍賞美津子と加賀まり子の役が入れ替わっていて、倍賞美津子がエプロンドレスを着たり、バレリーナのカッコをするのも可。というか、そんな映画だったら、ちょっと悶え死にます。







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2 コメント

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おひさしぶりです。 (ねぎろん)
2010-05-28 20:07:43
ナンなんだあ、このお話は???
春樹×知世の「愛情物語」ってこんなトンデモ映画だったのか・・・。観なくてヨカッタ!
それにしてもこんなヘタレ映画の筋書きを一気に読ませてくれたいくおにさんの筆力には脱帽です。
これからもぶっ飛び映画を面白おかしく紹介してくださいな。
Re:おひさしぶりです。 (いくらおにぎり)
2010-05-29 23:32:12
ねぎろんさん、こんにちは。
8ヶ月ぶり……ですかね。お待ちしておりましたよ。

まあ、トンデモ映画に当たってしまうと、せっかく楽しみにしてたのに時間を返せっ、と怒りに燃えてしまうこともありますよね。そんな時は、トンデモ部分を反芻してみると、別の意味で楽しい思いができるかもしれません。というか、そうでもしないとヤルセナイです。

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