いくらおにぎりブログ

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【映画】女必殺拳

2007-06-12 | 邦画 あ行

【「女必殺拳」山口和彦 1974】を観ました



おはなし
日本で行方不明になった麻薬Gメンの兄を探すため、香港からやってきた李紅竜。彼女は、少林寺拳法の達人・響征一の協力も得て、麻薬組織に潜入するのですが……

「激突!殺人拳」での美貌と格闘技のキレが評価されたのか、わずか半年で、自らの主演シリーズを持つことになった志穂美悦子は、やっぱりスゴイですね。

舞台は香港。香港警察のお偉いさんから、兄の万青(宮内洋)が日本で行方不明になったことを李紅竜(志穂美悦子)は聞かされました。麻薬Gメンの兄は、セントラル貿易に潜入捜査中、行方を絶ったのです。ついては香港人と日本人のハーフでもある紅竜に、再度潜入してくれと頼むお偉いさんです。もちろん、ここで断ると話は終わってしまうので、快諾する紅竜。どうやら、日本の組織にはすでに女麻薬Gメンのファンシンが潜入しているので、そのサポートが受けられるようです。

そして、横浜。叔父の李玉堂や、イトコたちとの再会を楽しむ暇も惜しんで、紅竜はファンシンとの接触を図ります。しかし、そこに襲い掛かるセントラル貿易の悪者たち。紅竜の奮戦も空しく、ファンシンはさらわれそうになります。と、そこにいきなり現われた少林寺拳法の達人が、悪者をバタバタと倒しファンシンの乗せられた車を乗り逃げしてしまったではありませんか。とりあえず紅竜は唖然です。

一方、ファンシンに逃げられたセントラル貿易の社長・角崎重臣(天津敏)は激怒です。「ファンを奪った謎の男は、藤田の指示で動いているのかもしれんぞ」と、犬走(石橋雅史)を首領にいただく、ブラック虚無僧軍団を呼び出しました。犬走の虚無僧軍団は、少林寺拳法の重鎮、藤田とは不倶戴天の間柄なのです。

さて、ここは、その藤田(内田朝雄)が率いる少林寺東京道院。そこに紅竜がやってきました。それというのも兄の万青が、藤田の高弟だったのです。万青の失踪の事情を語る紅竜に「すると万青君失踪の影には巨大な麻薬組織が動いているというのだな」と協力を約束する藤田。ついでに「日本にも君のように拳法に取り付かれている娘がいる。早川絵美、あの子じゃ」と女拳士を紹介してくれるのでした。しかし、絵美と組み手をしている相手を見て、紅竜はビックリ。なんと、ファンシンを連れ去った男ではありませんか。男の名は響征一(千葉真一)。元大学空手部主将にして、元カーレーサー、元大使館ボディガードの私立探偵という、何が何だか分からない経歴の持ち主です。「あのファンシンはどこに」と尋ねる紅竜に「例の女性は安全な場所に隠しましたよ」と爽やかに答える千葉ちゃん。ファンシンは、千葉ちゃんの彼女がやっている湖城しのぶバレエ教室に匿われているそうです。

早速、駆けつけた紅竜にファンシンは、敵が角崎であること、兄は角崎に捕まり屋敷内の洞窟に監禁されていることなどを教えてくれて、ついでに「これが万青の形見よ」とネックレスをくれるのでした。でも、捕まってるだけなのに形見とは縁起の悪い。
しかし、敵もさるもの。ファンシンの居場所をどう嗅ぎつけたものか、「蒼心流 スピンゲル」などを刺客に送り込んできました。ちなみに、流派と名前は、おどろおどろしいギザ文字で、どどーんと映し出されます。けっこう、カッコいいけど、同時にかなりバカっぽいです。

ついでに乱入してくるブラック虚無僧軍団。「待ちなさい」と迎え撃つのはバレエの先生、湖城しのぶです。もちろん「琉球湖城流空手 湖城しのぶ」というギザ文字のテロップはかかせません。紅竜と湖城しのぶの奮戦で敵は退却していきました。しかし、その時、窓の外から飛んできた吹き矢でファンシンは殺されてしまったのです。ちなみに殺したのは「高砂流吹矢 鉄頭僧」。裸の上半身に白黒のマントをなびかせ、顔の書かれたデッカイ盾を持っているという、とんでもない造形です。こんなカッコじゃ目立ってしょうがないだろ、と思わないでもありません。

さて、ここは角崎の豪邸。50メートルはありそうなバカでっかいプールがあります。そして、プールサイドには、葉巻をくゆらせる角崎の姿が。バックにはクラシック音楽が流れ、なんとも優雅な雰囲気です。とはいえ、同じプールサイドには、バーベルを持ち上げているデブとか、ブロックを叩き割っているヤツ。さらに「沖縄古武道二丁鎌 上江州鉄心」がわら人形の首をブッタ斬り、「中国古武道トンファ 礼一」が型を見せ、えらくゴッツイ金髪女の「南半球空手チャンピオン エバパリッシュ」が筋肉をムキムキさせるなど大騒ぎ。ついでに「タイ式キックボクシング アマゾネス7」の皆さんが、クネクネしたりしていて、どこが優雅なんだ、と突っ込みどころ満載です。

そこに、犬走率いるブラック虚無僧軍団がやってきました。ファンシンは殺したものの、紅竜をしとめそこなったことに、角崎はちょっとオカンムリです。思わず犬走を飼い犬呼ばわりする角崎。あ、犬走がキレました。いきなり角崎を蹴り飛ばしています。いきなり仲間割れして戦い始める二人。しかし犬走は「おそれいった。まだ昔の腕はなまっちゃいませんね」と一歩引き下がりました。これは大事ですね。とりあえず感情的になってしまったとしても、相手を褒めることで、上司やスポンサーのご機嫌を取っておく。この引きどころを間違えると、えらくメンドくさいことになりますもんね。ぼくも、気をつけようと思います。
とりあえず角崎は、鉄の爪を見せつつ「はっはっは。南米ではこの手で、牛を50頭は殺した俺だぜ。犬走、お前のことは俺にまかせろ」と上機嫌な様子。やっぱりオダテは大切です。

上機嫌な角崎は、テレビをパチンとつけます。そこには監視カメラの映像が。「俺の実験モルモットだ。色々な覚せい剤を注射している」という言葉とともに映し出されるのは、すっかり廃人と化した紅竜の兄、万青です。いちおう生きていたんですね。さらに、スイッチをパチンと押すと、今度は屋敷の外周の映像に。タイミングよく、忍び込もうとしている紅竜が映っています。
早速、迎撃に向かった犬走。なぜか、犬走と紅竜が戦うのは断崖絶壁です。屋敷にいたんじゃないのか、と言ってはいけません。お約束ですから。
ちなみに犬走こと石橋雅史は「激突!殺人拳」では志堅原役で志穂美悦子の兄を演じていました。それにリアル8段だったりもしますから、志穂美悦子が勝てる相手ではありません。つり橋の上に追い詰められた紅竜は、うわーっ、と海に落ちて行ってしまうのでした。落ちていく紅竜は、なんかものすごく人形っぽいですけどね。

さて、早川絵美(芸名も役名も早川絵美)は、セントラル貿易の倉庫に忍び込みました。そこでカツラを大量に発見します。そう、角崎はカツラに覚せい剤をしみこませて、日本に運び込んでいたのです。ビンゴ!しかし、そこに襲ってくる角崎の部下たち。さすがの絵美も多勢に無勢、ピンチです。その時、ロープにぶら下がった紅竜が、ターザンのようにやってきたではありませんか。良かった、生きていたんだね紅竜。(当たり前)

「何?紅竜が生きていた。本当か、林」と腹心の部下・林の報告を聞き返す角崎。犬走は「そんなはずはない」と愕然としています。でも、切り替えの早い犬走ですから「社長。紅竜のバックには少林寺の藤田が控えていることは明白だ。これを機に、両者ともども叩き潰して将来への禍根を断つ」と、何となく自分の失態を、もっと大きな問題にすり替えてしまいます。これは、サラリーマンとしても覚えておきたいところですよ。

早速、ブラック虚無僧軍団を引き連れて少林寺東京道院に乗り込む犬走。絵美と紅竜を渡せと凄みまくります。当然、藤田は顔が怖いものの、拳法なんてできる訳もありません。だって内田朝雄ですから。とりあえずにらみ合いが続きます。そこに「待てーっ。その勝負、俺が引き受けた」と響こと千葉ちゃんが飛び込んできました。犬走こと石橋雅史とは「激突!殺人拳」からの因縁の相手。息詰まる攻防が続きます。もう、この段階で志穂美悦子が主演だとは、誰も思ってませんね。少なくとも千葉ちゃんは「俺が主役だっ!」と思っているのに間違いないです。
しかし、勝負は付きました。千葉ちゃんが石橋雅史の腕をボッキリとたたき折ったのです。ついでにブラック虚無僧軍団もあっさりやっつけた千葉ちゃんは、「犬走。帰ったらスポンサーに伝えとけ。東京道院はいつでも受けて立つとな」と大見得を切るのです。横にいる藤田こと内田朝雄の立場はどこにあるんでしょう。

さて、紅竜の叔父さん李玉堂が、角崎に捕まっています。紅竜を呼び出せと脅されているのです。「紅竜はわしの肉親じゃ」と気丈にも断る李玉堂。しかし、そこに現われたのが、囚われの一人娘麗子でした。「ふっふっふ、ビッグショーを見せてやる」とうそぶく角崎。娘は乱暴されそうです。「パパ、助けてーっ」。結局「紅竜には俺が連絡を取る」と叔父さんは屈服してしまったのです。しかし、「ビッグショー」って。「ふたりのビッグショー」かよ、歌を歌うのかよと。

晴海の工場跡地に呼び出された紅竜。「はっはっは、紅竜、うまくワナにかかったな」と「中国古武道トンファ 礼一」が襲ってきました。しかし雑魚なので紅竜に一蹴されます。さらに、ヌンチャク野郎も登場。シュッシュッとヌンチャクをまわしています、負けじとヌンチャクをまわす紅竜。でも、昔から思うんですが、ヌンチャク使いって、ヌンチャクを「より早く」まわすことだけに集中してますよね。なんか目的と手段を履き違えているというか。

一方、叔父さんと娘は命からがら自分の経営する中華料理屋に戻ってきました。しかし、角崎が約束を守る男のはずもなく、叔父さんは「高砂流吹矢 鉄頭僧」の吹き矢にやられてしまいます。さらに店にいた叔父さんの息子と絵美に「タイ式キックボクシング アマゾネス7」の皆さんまでもが襲い掛かってきたではありませんか。ちなみにアマゾネス7の皆さんは、一様に白いヘンなマスクをかぶっています。もう、服装もヘンなのに、マスクまでヘンですから、ヘンの2乗な感じです。そこに飛び込んできたのが紅竜。さっきまで晴海にいたのに神出鬼没な娘さんです。あっさりアマゾネス7をやっつけた紅竜に、瀕死の叔父さんは「俺は俺は角崎の組織の一員だ」と衝撃の告白。「兄さんはドコ?」「角崎の屋敷の地下牢だ」ガクッ。

角崎は屋敷で「女ドラゴンをぶち殺すヤツはまだ現われんか」と側近の林に当り散らしています。いや、「南半球空手チャンピオン エバパリッシュ」とかが生き残っているだろ、と思わないでもありませんが、もしかしたら白人女性さんは、プールサイドの出演だけの契約だったのかもしれませんね。
しかし、そこに現われたのが赤沢という牧師クズレの男。武器はボウガンのようです。なんで、牧師のカッコしてるのかはさっぱり分かりませんが、まあいいでしょう。

とりあえず、紅竜が屋敷に乗り込んできました。見る見るうちに雑魚の皆さんは倒され、いよいよ兄の万青との涙の対面がかないます。「紅竜、俺の体は麻薬でボロボロなんだ」と苦しげに話す万青こと宮内洋。ブスっ。ボウガンの矢が万青に突き刺さります。赤沢の仕業です。怒りに燃える紅竜のキックがうなりました。赤沢の手からボウガンが吹き飛ばされます。慌てずナイフを取り出して構える赤沢。どうやらナイフの使い手でもあるようです。しかし、落ちてるボウガンを拾って無造作に撃つ紅竜。あっさり赤沢は死にました。こんなシーン、レイダースでもありましたね。どこの国でも考えることは一緒なようです。

しかし「兄さん」と駆け寄ろうとした紅竜は、落とし穴に。気づくと宙ぶらりんで、角崎たちの前にぶら下がっています。邪悪な笑みを浮かべる角崎。紅竜は、ムチでしばかれまくります。ピシーッ、ピシッ。さらに紅竜を吊り下げているロープに火が放たれました。切れたら最後、針の山にまっ逆さまです。大ピンチ。しかし、ロープが焼き切れた瞬間、紅竜は物理法則を無視した不思議なジャンプで、ピンチを脱出したのです。角崎の腹心、林の投げナイフが襲ってきます。いったい何本持っているんだ、というくらい景気良くナイフを投げまくる林。しかし、紅竜の鍛え上げられた力は、林の首を捻じ曲げてしまったのです。首が一回転してしまった林。というか、正確には洋服を後ろ前に着てみただけの林は、ヨロヨロバッタリと倒れて死ぬのでした。

「ええい、やらんか」と雑魚の皆さんを動員する角崎。しかし「待てぃ」と千葉ちゃんが飛び込んできました。あと絵美や湖城しのぶも加勢に回ります。このシーンは楽しいです。敵味方入り乱れての乱戦ですが、人数が多い分、楽しさも倍増です。

「紅竜、ここは俺にまかせて先に行け」と宿敵犬走との戦いに熱中する千葉ちゃん。単に自分が戦いたいだけだと思います。隠し通路を逃げ出す角崎。追う紅竜。屋敷を出るとそこは海岸。そしてお得意の断崖絶壁です。「紅竜、一人と一人だな」と上半身裸になった角崎が言います。しかし、意外と弱い感じ。あっという間に鼻血出しているんですが。鼻血な角崎は、最後の勝負と、大ジャンプです。紅竜も負けじとジャンプ。ものすごくヘボい特撮で、空中でのドツキ合いが描かれます。落下した角崎は、鉄の爪をあやまって自分の腹に刺してしまいました。カメラに血しぶきを飛ばしつつ絶命する角崎。そこに千葉ちゃんが兄の形見のペンダントを「紅竜、落ちてたよ。大切なものなんだろ」と渡してくれました。ペンダントを手に、真っ赤に燃える夕日を見つめる紅竜。目には涙が光ります。

とりあえず、内田朝雄や天津敏など、キチンと芝居のできる人が出演しているので、安心して観ることができます。なにしろ千葉ちゃんの殺人拳シリーズは、武道家だけど芝居、何ソレ?みたいな人が大挙出演ですからね。それに比べると、グッと芝居が締まって見えます。まあ東映ですけど。

志穂美悦子は、問答無用の初々しさ、それに美しさです。もちろん初主演作ということで、硬さはありますが、そこは師匠の千葉ちゃんが「やりすぎるくらい」フォローしているので、問題は無さそうです。まあ、終わってみれば、天津敏の怪演と千葉ちゃんの勇姿ばかりが脳裏に焼きついてしまっているのは否定できませんけど、それもまたよし、ということで。









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