いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】宇宙快速船

2008-02-23 | 邦画 あ行

【「宇宙快速船」太田浩児 1961】を観ました



おはなし
アイアン・シャープのお兄さんは、海王星人から地球を守るのです。

さほど期待せずに観た映画が、とても面白くて興奮する。そんなことがたまにあります。この映画も、そんな作品でした。

少年宇宙研究会が開かれています。健一くん、辰夫くん、三郎くん、正くん、忠雄くん、それに肇くんの6人がメンバーです。せんせいは立花真一(千葉真一)お兄さん。健一くんのお父さま、谷川はかせのお弟子さんです。なんと、この立花さんは谷川はかせの作ったうちゅう船・ルーニク2号で月をまわってきた、すごい科学者なのです。

健一くんをはじめとするメンバーは立花さんのことが大好き。でも、ちょっと不満もあるのです。「この間、映画館の前で与太者にからまれたら、青くなってすぐ謝っちまっただろ」とか、金づちだとか、どうも立花さんが「弱い」のがイヤみたい。でも、もし立花さんくらい頭が良くて、それで腕っ節もつよい人がいたら、これは最強だね、と話し合うメンバー。もしそんな人がいたら名前を何にしよう、とそうだんするみんな。「隼太郎はどうだい」「もう少し、スマートなのはないかな」「分かった、これでいこう。アイアン・シャープ」

みんなは原っぱに集まり、人工えいせいの観測をすることにしました。すると何と言うことでしょう。人工えいせいが落ちてきましたよ。早速、見に行くみんな。でも、それはついらくした人工えいせいではなくて、謎のロケットだったのです。そしてロケットからは謎のうちゅう人が降りてきました。三角あたまのヘルメットで、耳にあたるぶぶんにはアンテナがあってクルクルまわっています。タイヘンです、「こわいよー」。

そこにヘンなくるまがやってきました。大人のじじょうで言うと、ジープかなにかに張りぼてをゴテゴテつけたような愉快なくるま。でも良い子のみなさんには、見えますよね。とんでもなくカッコイイ宇宙快速船が。

そこからスチャっとおりたサングラスにマントをつけたお兄さんは、「子供たち、早く逃げろ」と言うが早いか、トリャっとうちゅう人をやっつけはじめました。多分、このお兄さんは俳優の千葉真一さんみたいに、体操がとくいなお兄さんなんでしょう。もしかしたら日本体育大学を卒業しているかもしれませんね。ともあれ、両足開脚ジャンプ蹴りとか、スゴイ技をくりだして、あっというまにうちゅう人をやっつけるお兄さん。うちゅう人たちは、お兄さんの強さにまいったのか、ドアをガチャっとあけてうちゅう船の中ににげていきました。お兄さんは、今さらのようにレーザー銃を取り出して、うちゅう船を撃ってみますが、うちゅう船はそのまま飛び立っていったのです。

「わーい、勝った、勝った」とよろこぶみんな。「おじさんってね、ぼくたちが夢にえがいた人にそっくりなんだ」「ねえ、なんていう名前なんです」と口々にお兄さんに聞きます。「ぼくの名前は君たちのほうがよく知っているんじゃないかな。さあ、はなれないとあぶないよ」、そういってお兄さんは、ジープな宇宙快速船で去っていきました。カッコイイなあ。みんなの口からはしぜんに言葉がもれます。「アイアン・シャープだ」。

うちゅう科学研究所では、谷川はかせがむずかしい顔をして立花さんに相談しています。20分ほど前から、謎の電波がでているのです。電波の発信地はでんし頭脳が壊れていて分かりませんが、どうもあやしいです。さらに、その電波のえいきょうでしょうか。町では時計が逆にまわったり、レコードが逆にまわったりと、ふしぎな出来事がつづいたのです。

びっくりした新聞きしゃの人たちは谷川はかせのところに取材にきました。と、そこにみんなも帰ってきて、原っぱでうちゅう船をみたことを報告します。新聞きしゃの人たちは、みんなの言うことを信じてくれませんが、でも本当なんです。きっと、今回の怪現象とうちゅう船の襲来は関係あるにきまっています。

研究所の立花さんや柳田さん(江原真二郎)を中心に、実験がおこなわれます。すると、驚くべきことが分かりました。「やっぱりシグマ電波だ」と言う立花さん。立花さんの推理は、うちゅう人が母星との交信に使ったシグマ電波が、機械にヘンな影響をあたえたというものでした。「先生、すぐにこのことを発表なさらないと」と谷川はかせに相談する立花さん。でも谷川はかせは「いや、それはいかん。我々は科学者だ。予言者ではないんだよ」と言うのです。それに「我々にはエレキバリヤがある」と自信満々な谷川はかせ。なあんだ、エレキバリヤがあるなら安心ですね。ところで、エレキバリヤって何?

みんなの言ったとおり、原っぱからはうちゅう船の破片がみつかりました。谷川さんの見るところ、どうも地球上の金属ではなさそうです。「やっぱりうちゅう人のものなんだね」とうれしそうなみんな。でもその時、ごう音が響き、きのこ雲がモクモクと立ち上がりました。西海村の原子炉が爆発したのです。

政府ではえらい人たちの対策かいぎが開かれました。三宅幕僚長は「これが遂行可能な国は世界にただ一国、人類最初の宇宙船を所有する全体主義国家であるとの疑惑を深めるものであります」と言っています。みなさんには難しい言葉かな。要は「ソ連がやったに決まってるだろ」ということです。その会議に、風邪をひいた谷川はかせの代わりにしゅっせきした立花さんは、うちゅう人のせいかも知れません、と言ってみますが、みんなは怒って立花さんをバカにするのです。

そしてアメリカでも原子炉が大爆発を起しました。もう、こうなると「ソ連だ、ソ連だ」の大合唱。アメリカが非難の声明を出せば、ソ連が強い調子で否定の声明を出し返すという、だい3じ世界大戦直前なふんいきになってしまったのです。「うちゅう人の作戦だぜ、きっと」と言う子供たちの方がはるかにお利口さんです。

そんな中、立花さんは、残された金属を分析して、ロギウムとパニウムの合金だということを発見しました。これは海王星でしか取れない金属なのです。よし、と会議にしゅっせきした谷川はかせは、この事件はうちゅう人の仕業だと発表しました。えらい人たちは拍手をして、谷川はかせの意見に賛成します。同じことを立花さんが言ったときにはバカにされたのに、えらい谷川はかせが言うと拍手するなんてヘンですね。でもみなさん、大人の世界は、これがげんじつです。ヒラのやった仕事を上司がじぶんの手柄にするものなのです。悲しいけどこれが現実なのよね、とスレッガー中尉も言っていますし。(分からないひとは、ガンダムを見てね。もちろんファーストですよ)

谷川はかせは、さらにエレキバリヤの発表をしました。ドーム状に広がるエレキバリヤは、どんな攻撃でも跳ね返すことができる「かもしれない」すぐれもの。有効範囲を広くすれば、地球だってすっぽり覆えます。その代わり弱くなりますけど。もちろん範囲を小さくすれば、その防御力はマックスに。要は、研究所にある発電所の電力によって左右されるみたいです。でもえらい人たちは大喜び。きっと、自分のいるところはバリヤの範囲におさまることを疑っていないんでしょうね。

案の定というか、海王星人のうちゅう船が攻めてきました。しかしエレキバリヤは頑張って、攻撃に耐えています。それどころか、バリヤに接触した敵うちゅう船は、グラグラ、ビリビリ大騒ぎ。海王星人たちは慌てて、逃げていきました。ばんざーい。しかし谷川はかせは、この事態にも楽観せず。必ず再攻撃がある。そして、それはこの研究所を狙うにちがいない、と断言するのです。

健一くんを初めとしたみんなは、谷川はかせの作ったハンデーレーダーで遊んでいます(ハンディではありません、念のため)。すると、反応がありましたよ。研究所にある発電所に、どうみても怪しい物体が置いてあります。なんだろうと覗き込むみんな。あ、スイッチがあります。ポチっ。「すぐ立花さんの所に持っていこう」とみんなは言います。なんか、スイッチをいれたせいで、ピコピコいってますが、それは無視する方向で。

立花さんは、その電波を記録し、周波数を変調させてテープに録音して、ついでにそれを逆回転させてみました。すると、どうでしょう。声が聞こえてきたではありませんか。それは海王星人からのメッセージでした。なかなか礼儀正しい海王星人は、エレキバリヤの効果を認め、「しかし、海王星の偉大な科学は決してみなさんに敗れたのではありません」と言います。おお、男と男、ライバル同士の熱い交流ですね。「まもなくみなさんの地球は海王星人のものになるのです」で終わるメッセージ。これは、今後の展開に目が離せません。

「うちゅう人が狙うとすれば発電所だ」と子供たちは駆け出しました。でも、大丈夫。発電所は自衛隊員のみなさんがバッチリ警備していますから。おや、待ってくださいよ。自衛隊員の中に、白いメークで、黒い口紅を塗った怪しい一団がいます。あ、子供たちのハンデーレーダーがピピピと反応しました。もしかして……。子供たちは怪しい自衛隊員に襲われます。危うし、子供たち。と、そこにアイアン・シャープのお兄さんが駆けつけました。うちゅう人たちをやっつけていきます。やった、さすがアイアン・シャープ。どっかーん。発電所が爆発しました。だめじゃん、アイアン・シャープ。

発電所が壊れたせいでしょうか。異常気象がおそってきました。夏なのに気温がグングン下がり、0度Cまで下がってしまいましたよ。どうしましょう。しかし、また気温がグングン上がり始めました。こんなこともあろうかと、よびの発電所が用意してあったのです。防衛長官は国民に発表します。海王星人のせいで、気温は下がったけど、もう大丈夫。ふたたびエレキバリヤが稼働しました。でもね、エレキバリヤの中にうちゅう船が閉じ込められたから気をつけてね。

大慌てで疎開を始める国民。町はパニックです。そして、バリヤの中に閉じ込められたうちゅう船は、続々と小型円盤を発進させ始めたのです。円盤の攻撃でコンビナートが紅蓮の炎を吹き上げます。できたばかりの東京タワーが倒壊します。「もうダメだ」と悲しい子供たち。でも、その顔がパッと明るくなりました。「アイアン・シャープだっ」。

アイアン・シャープの宇宙快速船が飛び回ります。激しい戦いを繰り広げつつ、一機、また一機と火を吹いて墜ちていく円盤。うちゅう船の内部では海王星人たちが(多分)動揺しまくっています。そして、さらにたくさんの円盤を放出したのです。国会議事堂を破壊し、研究所に向かってくる円盤の大軍。もちろん宇宙快速船も激しいドッグファイトで円盤を墜としていきますが、なにしろ数が多すぎます。とうとう円盤の一機が、研究所に自爆体当たり攻撃をしかけ研究所は吹き飛んでしまいました。なんてことでしょう。しかし、その直後、さいごの一機が宇宙快速船に撃墜され、海王星人はガッデムのポーズです。ちなみに、この映画のうちゅう人は、電波のメッセージを除いて、いっさい無言。その分、こんな仕草がぎゃくに記憶に残ります。

「立花くんはどうしたんだ。さっきから見えないが」と心配する谷川博士。そう、実はこんなこともあろうかと、研究所の機能は地下奥深くに移転してあったのです。そこに、立花お兄さんがやってきました。研究所の人たちは知りませんけど、みなさんはお分かりですね。円盤を撃墜しおわったので帰ってきたんです。

研究所の地下には、たくさんの数のミサイルがすえつけられています。マイナスアルファ電子を放出するこのミサイルは、対海王星人決戦兵器なのです。帰ってきた立花お兄さんがテキパキ準備をしたおかげで、いままさに発射準備がととのいました。「大丈夫です。発射OKです」と言って、親指を立てるサムアップポーズをキメる立花お兄さん。テン、ナイン、エイト。カウントダウンとともに、ミサイルが一斉に発射されました。この飽和攻撃(ほうわこうげき)には、敵もたまりません。うちゅう船は大爆発して平和が戻ったのです。

外に出ると、研究所はあとかたもなく壊され、焼け野原。でも、いいのです。地球は守られたのですから。子供たちが歌を歌い、立花お兄さんと肩を組みながらたのしそうに歩いていくのでした。おしまい。


さて、この映画の見所はズバリ特撮。矢島信男の特撮ですが、これがハンパでなくスゴイのです。円盤の攻撃で壊されていく町のなんとリアルなこと。にげまどう人間の真上で、攻撃をうけて崩壊していくビルディングの怖さ。鉄骨のキシむ音まで聞こえそうな東京タワーの崩壊シーン。爆撃をうけて大爆発する国会議事堂のスペクタクル。もちろん白黒映画だという点が有利に働いているにしろ、この特撮はハンパじゃありません。特撮と言えば円谷を擁する東宝でキマリみたいなイメージもありますが、円谷特撮に比べても遜色ありません。

それと宇宙快速船と敵円盤の戦闘シーン。これも出色の出来でした。前の文にドッグファイトと書きましたが、まさに3次元を機動する2機の戦いが完全に表現されているのには驚きです。実に自然に動き、背後を取り合うように機動するさまは素晴らしいの一言です。

千葉ちゃんは、まだデビュー直後なので、初々しい感じ。とは言え、アクションシーンの体のキレはハンパじゃありません。さすが千葉ちゃん。そして、アイアン・シャープの造形もなかなかツボをついたカッコイイもの。ごくごくシンプルにサングラスでキメているだけですが、これがまた無類のカッコよさです。梅宮辰夫の遊星王子が、どちらかというとナゴミ系だったのに対し、こちらは切れ味スルドイ、シャープ系とでも言えばいいのでしょうか。

ともあれ、この映画、ゼッタイにオススメの映画です。










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2 コメント

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見たい…☆ (箱 ミネコ)
2008-08-22 21:05:04
過去エントリーをじわじわ読み進めております。

こんな特撮映画があったとは知りませんでした!
見たい~
何処で見られるんでしょうか?
レンタルしてるのかしら?
しかし結構豪華キャストなのに、あまり知られていないのは何故?(私が知らないだけかも)
誰かが封印した?なんちゃって。

あ、ちなみに私の兄も映画監督なので、
今度良かったら見てみて下さい
いくらおにぎりさんがどう評価するのか知りたい(笑)
兄です。

宮崎淳(スカした映像作家(爆))
カンヌ映画祭若い視点賞受賞。

ちなみに父はNHKシルクロードカメラマン。

宮崎泰明(職人、実直なカメラマン)

お暇な時にでもよろしくです~
てづくりのえんばん (いくらおにぎり)
2008-08-23 00:45:28
宇宙快速船は、堂々レンタル中……とは思えないですね。
ぼくは東映チャンネルで観ましたけど。

AmazonでDVDを売ってるみたいですが、買ってまで観るべきかどうかは、うーん、ミネコさん次第でしょうか。まあ、印税がガッポガッポ入ったら、ダース単位で買うというのもオシャレかも。

お兄さまのサイトを見てみましたが、思いっきりゲイジュツ映画じゃありませんか。ぼくに評価はムリです(笑)
でも、「A LITTLE PLANET ~小さな惑星~」というのは、どことなく「宇宙快速船」とか「遊星王子」のテイストが漂っていると思いました。東急ハンズ製の円盤というのが渋すぎです。

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