いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】復活の日

2010-11-19 | 邦画 は行
【「復活の日」深作欣二 1980】を観ました



おはなし
悪魔のようなウィルスが席捲し、世界は死にました。

角川映画ひとつの頂点と言っても、差し支えのない作品です。ちなみにもうひとつの頂点は、「REX 恐竜物語」ということで。もちろん異論は認めます。

「1983年12月」。潜望鏡が映りました。どうやら潜水艦がいるみたいですね。あ、字幕によると「英国原子力潜水艦 ネレイド号」が「日本・東京湾」に来たみたいです。ところで、この映画すごく字幕が多いです。それを親切と取るか、うるさいなあと取るかは微妙なところですが。ともあれ、ネレイド号は東京湾で空気を採取。なにやら分析を始めましたよ。あわせて無人観測ヘリが発進して、東京の様子をビデオ中継してきます。「ヨシズミは」とマクラウド艦長に呼ばれ、地震学者の吉住(草刈正雄)もやってきました。

ぶーん。無人観測ヘリは東京上空を飛びます。特に代わり映えのしない東京の風景。いや、待ってください。それにしては、どこにも動きがありません。そして良く見れば、停まった車には白骨死体が座っていて、建物の周りも骸骨でいっぱいです。と、草刈正雄の脳裏に女性の声がフラッシュバックしましたよ。「子供ができたの」。女(多岐川裕美)がアップになって言います。「子供ができたの。でもあなたには関係のないことね」。

「1982年の秋 人類は死滅した 南極大陸に863人の人間を残して― 一体なぜこんなことに―?」。ということで、タイトルロールと共に、静々と南極に帰ってくるネレイド号の姿が映ります。

「1982年2月」。ここは東ドイツ・ライプチヒにある秘密研究所のゲート。いましも、クラウゼ教授が検問所を通過しようとしていますよ。コーヒーの魔法瓶をチェックする兵士にぶつくさ文句を言うクラウゼ教授ですが、えてして、こういう魔法瓶に何か隠していたりするんですよね。案の定、検問を通過し、人里離れた一軒家にやってきたクラウゼ教授は待ち構えていたスパイたちに魔法瓶を渡しました。そして、二重底の中から出てきたのは厳重に冷凍された一本の試験管です。「ライゼナウ博士に手渡す。チューリッヒの研究所で」とスパイたちに命令するクラウゼ教授。なんと、中身はMM−88といってアメリカが開発したウィルス兵器だそうですよ。それも、おそろしい毒性の。と、そこに警備兵の一団が襲ってきました。「全員逮捕する」と言いつつサブマシンガンを乱射しています。うわあ。ハチの巣になるクラウゼ教授ですが、さすがスパイたちは身が軽いらしく、ウィルスを持ってスタコラと逃亡に成功したようです。そのまま飛行機でアルプス越えをはかる、実はアメリカのスパイたち。しかし、しょせんスパイなので、飛行機の操縦はうまくなかったみたいです。あれえーー。折からの悪天候に、そのまま山中に墜落。ウィルスの入った試験管は山中にぶちまけられてしまうのでした。

「1982年3月」。アメリカ軍のランキン大佐が、メリーランド大学の細菌研究所にやってきました。どうやら研究員のマイヤー博士に会いに来たようです。早速、「あれを取り戻してくれましたか」と息せき切って尋ねるマイヤー博士に、ランキン大佐は、部下のスパイを送ったけど奪還に失敗したことを伝え、逆に言います。「一刻も早く、ワクチンが必要だ」。それを聞いて、真っ青になるマイヤー博士。「あの細菌を抑えるのは不可能です!」。えーと細菌じゃなくてウィルスですけどね。それにしてもワクチンなしのウィルス兵器とか、何考えて作ったんだか。ともあれ、良心の呵責からか、防衛監視委員会のバークレー上院議員に全てを告白しようとしたマイヤー博士は、そのままランキン大佐によって精神病院にぶち込まれてしまいましたとさ。

「1982年4月」。ソ連のカザフ共和国。パカラっパカラっ。牧童の少年が大人たちを案内していますよ。「こっちだよー(多分)」。なるほど、馬が向かう先に何かあるようです。「ほら、羊が死んでるよお(多分)」。ロシア語は分かりませんけど、確かに羊さんたちがバタバタと死んでいます。一方、その頃イタリアのミラノでは「イタリアかぜ」が大発生。赤ちゃんを抱っこしたお母さんたちが病院に詰めかけ、パニック状態です。そしてイタリアかぜは、そのまま拡散し、世界中に蔓延していくのです。もちろん、このイタリアかぜの正体がMM−88ウィルスなのは言うまでもありません。

「1982年5月」。南極の昭和基地に無電が入りました。無線係の辰野(渡瀬恒彦)が受話器を取ると、どうやらお隣さんのオーストラリア基地がウィルス情報を教えてくれるみたいです。ふむふむ。ええーっ。なんとウガンダのお医者さん情報によると、中部アフリカは全滅。それも人間だけではなく、象さんを始めとする動物も死滅したそうです。あわてて、受話器を奪い取り細かい話を聞くドクターの山内博士(千葉真一)でした。それにしても、この南極基地は凄いです。そもそも隊長の中西が夏(八)木勲だし、他にも草刈正雄だの永島敏行だのギラギラ系のひとばっかり。これだけで、ひと合戦できそうなイキオイです。

さて、遠く離れた日本。ここ昭和医科大学病院は、まさに戦場です。急患が列をなし、先生や看護婦さんも疲労困憊。と、看護婦さんのひとりが、おえっぷと口を押さえながらトイレにダッシュしています。おや、よく見ると、吉住こと草刈正雄の妄想に出てきた女の人じゃないですか。そう、彼女は則子(多岐川裕美)といって、看護婦さんだったんですね。そして、おえっぷしているのはもちろん、草刈正雄の子供を妊娠しているから。おえー。多岐川裕美がえずいていると、そこに「則子さんじゃない?」と声がかかりました。「好子さん」と驚く多岐川裕美に、男の子を連れた好子(丘みつ子)は言います。「どうしたの。真っ青よ」。いや、正確に言うと、眼の下のクマも巨大だし、真っ黒です。んあーーっ。バタリ。変な絶叫をあげて、そのまま多岐川裕美は倒れこみました。「則子さんっ。のりこさーん」。

多岐川裕美が目覚めると、横には心配そうに見ている丘みつ子が。「……!」。多岐川裕美は気づきました。ああ、流産したんだわ。ちなみに、この丘みつ子の方は、無線係・渡瀬恒彦の奥さんだったりするみたいです。

どどーんとホワイトハウスの大統領執務室が映りました。リチャードソン大統領(グレン・フォード)やら、ライバルのバークレイ上院議員(ロバート・ボーン)がテレビを観ています。そこに映るのはイギリス、スペイン、フランス、西ドイツそれに日本などの暴動の風景。イタリアかぜは、ここまで世界の治安を悪化させているようです。もちろんアメリカとて例外ではなく、ワシントンには大規模デモが頻発し、早いとこワクチンを量産しないとタイヘンなことになりそうです。「ワクチンはいつ量産できる」と部下に聞いてみる大統領。しかし、なんてことでしょう。よくよく聞いてみると、ワクチンと称して政府高官や軍人たちに配っているのは、単にインフルエンザ用のワクチンを混ぜ合わせた気休めだそうですよ。というか、そもそも今回のイタリアかぜ、その原因ウィルスの特定すらできてないのが現状だとか。ががーん。大統領がショックを受けていると、そこに統合参謀本部議長(ヘンリー・シルバ)がやってきました。いかにもファナティックな軍人タイプのようです。彼は言います。「単なる疫病ではなく、細菌兵器かもしれません」。そして大統領に”お願い”をするのです。ぜひARSのスイッチを入れてくださいと。ちなみに、このARS(全自動報復装置)というのはソ連の核攻撃を察知すると、自動で報復ミサイルを発射する装置だそうですよ。

「1982年8月」。昭和基地の怒れる無線係・渡瀬恒彦は、ひたすら日本を呼び出し続けています。しかし応答はまったくなし。すでに日本との交信がとだえて20日経つそうです。と、ザザー。やったあ。反応があったと興奮する渡瀬恒彦ですが、それは日本からではなく、ニューメキシコ州の少年トビー君からの通信だったみたいです。スイッチの切り替え方法を知らず、一方的に話し続けるトビー君。えーとお父さんが死んじゃったの。ぼくも寂しいよお。お父さんのピストルがここにあるの。これで自分の頭を撃っちゃうぞ。ガーン。どさっ。ただでさえ、日本に残した家族が心配でしかたない渡瀬恒彦は、こんなものを聞かされて、ほとんど放心状態。うがあああ。ほら暴れだしちゃいました。

ゴミだらけで、荒れ果てた感じの大統領執務室。そこの主である大統領は「何かなさねばならぬ」と統合参謀本部議長らを相手にグチっています。と、そこに政敵でもあり親友でもあるバークレイ上院議員がやってきましたよ。そして統合参謀本部議長を睨んで言います。「フェニックス作戦というのは何だね。将軍」。ギクっとする将軍に、上院議員は調査結果を暴露します。そう、今回のイタリアかぜがアメリカの開発したウィルス兵器MM−88であることを。「上院議員、あなたの中傷は我慢できぬ。根拠があるなら伺いたい」と将軍は逆ギレしていますが、精神病院に入れられていたマイヤー博士が証人として呼ばれてしまっては、トボけることもできませんね。もっとも、大統領はこの事実に激怒しつつも、とりあえず世界には秘密にしておくことに。まあ、いまさら発表もできません。ましてワクチンもないのに。

「1982年9月」。リーン、リーン。昭和医科大学病院の電話が鳴りました。しかし、倒れこんでいる医師、看護婦たちはピクリともしません。どうやら全滅…おや待ってください。ノロノロと動き出す看護婦さんがいますよ。多岐川裕美です。眼の下真っ黒メイクの多岐川裕美が生きていたみたいです。鳴りやんでしまった電話をじっと見た多岐川裕美は、そのままヨロヨロと病院の外にでました。人はおろか動くものとてない死の町。そんな中、どこに行こうと言うのでしょう。はい、それはお友達の丘みつ子のところ。でも、どうでしょう。丘みつ子は生きていますかねえ。って、もちろん死んでましたよ。しかし、なんと丘みつ子と、南極基地のイカれた無線係・渡瀬恒彦の一人息子が生き残っていたみたいです。「アキラちゃん、あんた生きてたの」と言う多岐川裕美。それは生きていたことを喜ぶというより、むしろ憐れんでいるようです。アキラちゃん、お父さんのところ行きたい?。まあ、そりゃ、そんなこと聞かれれば、うんと答えるのが当たり前。よーし、お姉ちゃんが連れて行ってあげるわ。ズバババ。いきなり東京湾をモーターボートで疾走している多岐川裕美とアキラくん。ああ、まあ確かに東京湾を出て南に向かえば、南極には近づきますけどね。「これ飲んでごらん」「なあに」「これ飲むと寒くなくなるの」。そう言いつつ、多岐川裕美はアキラちゃんと一緒にクスリをぐいっと飲みました。「アキラちゃん、パパを呼んでごらん」「ぱぱー」「もう一度。もっと大きく」「ぱぱーーっ」「もう一度」「ぱぱあーーーっ。ぱぱあーー」。

ハッ! 無線機の前に座っていた渡瀬恒彦は、アキラくんの声を聞いたような気がしました。尋常じゃない目つきで、そのまま家族の写真をひっつかんで昭和基地の外に飛び出していく渡瀬恒彦。ルームメイトの草刈正雄たちは後を追いますが、折悪しく外はブリザードで探しようもありません。そのまま渡瀬恒彦は消えてしまいました。映画でもその後は描かれないので、どうなったかはサッパリですが、せめてあの世で家族と一緒になれるといいですね。

さて、気を取り直して、再び大統領執務室。もはやスタッフすら死滅したらしく、散らかり放題の部屋で、ズタボロの大統領とライバルで親友の上院議員がゲホゲホしながら思い出ばなし中です。と、上院議員が言いました。「雪が降るといい。時間を稼げる」。そう、すでに死んでしまったもののマイヤー博士が言っていたそうですよ。「ウィルスは低温では毒性を失うと、博士が言った」。ピカリン。この時、大統領はヒラメキました。そうだ、南極だ。南極にパーマー基地があるじゃないか。早速、受話器を取って「パーマー基地につなげ」と命令する大統領。ワクワク。待っている間にお友達の上院議員が死にましたが、気にしない、気にしない。おっと、ようやく無電がつながったみたいです。早速、パーマー基地の隊長、コンウェイ提督(ジョージ・ケネディ)に命令して、世界各国の南極基地にも回線をつながせましょう。ワクワク。よーし訓示だ、訓示。「諸君はその聖域を離れず、外部から来る人間を入らせてはならぬ。戻って来てはならぬ」。よし、今オレいいこと言ったよな。満足している大統領ですが、うっ、心臓が苦しい。むぎぎ。と、そこに顔も見たくない統合参謀本部議長がやってきました。さらに大統領のオレ様が苦しんでいるのに"ARSを作動させていいですか…と言うかさせろ"とかゴネてますよ。「将軍、君は愚か者だ」と言った瞬間、大統領に心臓発作が。むぐぐ、うーむ。死んでしまった大統領に敬礼をした統合参謀本部議長は、そのままホワイトハウス地下のひみつ基地に行き、ARSのスイッチをポンするのです。わはは。わははは。ついでに高笑いまでしたりして。

「1982年11月」。パーマー基地のコンウェイ提督の呼びかけに応じ、南極会議が開催されることになりました。もちろん、日本の昭和基地からも隊長の夏木勲、そして草刈正雄が参加することに。ぶろろろろ。雪上車で道を急ぐ二人ですが、運の悪いことに雪上車がスタックしてしまったようです。仕方ないな、ノルウェイ基地で雪上車を借りよう。こんにちわあ。誰かいませんか。こんにち、わああっ!なんとノルウェイ隊の皆さんは無残に殺されてるんですけど。いったい、何が起こったんでしょう。どうにか生き残っていた女性隊員のマリト(オリビア・ハッセー)によると、無線係が狂って自殺したのをキッカケに、みんなが狂って殺し合いを始めたとか。なんていうか、渡瀬恒彦といい無線係は気が狂いやすいんですかね。ま、それはともあれ、オリビア・ハッセーは妊娠中。仕方ないので、夏木勲だけ会議に出かけ、草刈正雄は出産のお手伝いをすることになったみたいです。

さて南極会議が開かれました。とは言え、ポーランド代表とソ連代表がいがみ合ったり、血の熱いチリ代表とアルゼンチン代表が殴り合いのケンカをしたりと、前途多難な幕開けです。そしてさらに重大な問題は、南極にいるのが男性855人、女性8人というバランスの悪さ。こっち方面でも暴行事件が起きたり、あれやこれやタイヘンみたいです。

さて、そんなある日、潜水艦からの救難信号が飛び込んできました。ソ連のT232号が上陸させろと言うのです。話を聞けば、ウィルスに感染してバタバタと乗組員が倒れている状態だとか。世界でただひとつ残った人類の希望、南極。惨いようですが、ここを汚染させるわけにはいきません。ということで、コンウェイ提督は上陸を断りますが、ソ連潜水艦は「我々は上陸します」と強気ですよ。確かに南極には武力がありませんから、ソ連潜水艦が上陸を強行したら止めようがありません。どーしよう。

「いけない」。そこに声が割り込んできました。だ、だれだっ!とキョロキョロするソ連潜水艦の中のひと。いや、これは無線だから。潜水艦の中でキョロキョロしてどうするんだ。ま、それはともあれ相手は「英国原子力潜水艦ネレイド号、マクラウド艦長」と名乗ってますよ。よし、英国潜水艦を探せ。ソ連潜水艦の中のひとは懸命にクルクル潜望鏡を回して、敵の姿を探し求めます。でもね、潜水艦ってのは潜るのが商売ですからね。潜水艦相手に潜望鏡やレーダーは役に立たない……「発見しました。方位180」。うわっ、いたよ。さすが英国紳士の乗る潜水艦。潜るなんて卑怯なマネはしないみたいですね。よーし「潜航。全速潜航」と命令するソ連潜水艦の中のひとですが、一足早くネレイド号の対潜ミサイルがチュドーン。はいソ連潜水艦は撃沈されました。「諸君の基地はこれで安全です。提督、お別れを」と、コンウェイ提督に別れを告げるマクラウド艦長(チャック・コナーズ)。しかし、コンウェイ提督は逆に質問します。「病菌に感染した者がいますか」。「いません」と答えるマクラウド艦長。ちょっと期待にワクワクした表情ですよ。「上陸しますか」「許されるなら」。英国紳士なので冷静なふうを装っていますが、内心はひゃっほうですね。

「そして一年後 − MM−88菌は依然として地球を占領し、人々を氷の大陸に閉じ込めていた」。だそうです、はい。

とはいえ、映画の冒頭に東京湾で採取したウィルスをもとにラツール博士がワクチンの研究をしていたり、8人の女性はそれぞれ子供を作ったりと、まあ寒いながらも楽しい我が家状態の南極のみなさん。しかし、そんな「安定状態」を脅かす事態が起こったのです。それは地震学者の草刈正雄の書いたメモが発端でした。草刈正雄の研究によると、近いうちにワシントン辺りに大地震が起こるそうです。そして、その地震の衝撃はまさに、核爆発なみ。するとどうなるか。そう、イカれた統合参謀本部議長がスイッチポンしたARSが作動し、自動的にソ連に報復ミサイルが降り注ぐことになるのです。そうすれば、ソ連にある同様のシステムが、やっぱり自動的に報復の核ミサイルをズバズバ発射することに。しかし、ここで重要な問題は、ソ連の核ミサイルの標的に、ここ南極パーマー基地が入っていることです。せっかくパーマー基地に集まって、細々と暮らしている人類の生き残り。それが全滅しちゃうじゃありませんか。

よし、これを防がなくては。ということで、都合よく南極にいた国防省情報局の参謀、カーター少佐(ボー・スベンソン)と、ついでになぜか草刈正雄がワシントンのホワイトハウスに潜入して、スイッチを切ってくることに。さらにタイミング良く、ラツール博士が作ったワクチンの試作品もできたし、これを打っておけば(多分)死ななくてすみそうな予感です。もちろん念のために、子供たちと女性は砕氷船でパーマー基地から避難しておきます。こうしておけば、万が一の時でも人類の最後の種子は残りますからね。

しゅっぱーつ。二人はネレイド号に乗って一路ワシントンに。ポトマック川からはゴムボートに乗って進撃だ。どりゃあー。ぐらぐら。ぐらぐら。まずい、予想より早く本格的な地震がやってきそうです。急がなくてはいけません。ホワイトハウスに潜入した二人は、プラスチック爆弾でドアを爆破しながら、ひみつ基地に急ぎます。よし、爆弾セット。隠れろ。ドカーン。よし、爆弾セット。隠れ…うわっコケた。ドカーン。大変です。カーター少佐、無念の重傷。草刈正雄はカーター少佐に聞きます。「何かできることが?カーター少佐」。「行け」。ま、そりゃそうだ。よっしゃ行くぜ、行くぜ。イカレた統合参謀本部議長の白骨を乗り越え、ARSのスイッチに手を伸ばす草刈正雄。しかし、その瞬間、巨大な直下型地震の衝撃が。ぐらぐらぐら。そしてブーブーブー。うわっ、装置が作動しちゃったよ。装置の横にある15インチくらいのブラウン管モニターには次々と発射されていく核ミサイルが映っています。

ヨロヨロと瀕死のカーター少佐のところに戻った草刈正雄は言います。「遅かった。少佐、遅かった」。それに、かすかに頷き、虫の息のカーター少佐は聞きます。「ヨシズミ、どういうんだ、ライフイズワンダフル。日本語で」。「人生はいいものだ」。「ジンセイ、ワ、イイ…」ガクリ。ホワイトハウスでひとりぼっちというとんだ目にあった草刈正雄ですが、報告の義務だけは果たさないといけません。「潜水艦ネレイド、こちらヨシズミ」「こちらネレイド」「手遅れでした。すぐ退避してください、パーマー基地に警告を」。あ、そうだ、思い出した。「無駄かもしれませんが、船のラツール博士にワクチンが効いたようですと伝えておいて下さい」。以上、交信オワリ。

ソ連に着弾した核ミサイルは、報復の核ミサイルを呼び、ワシントン記念塔が吹き飛んでいきます。世界各地にひろがるキノコ雲。もちろんパーマー基地も核に焼かれました。

「世界は二度死んだ/そして/数年の歳月が流れた」

広大な北米大陸をよろめき歩いている男がいます。あれはもしや。そうです、草刈正雄です。まさに野を超え谷越え、ひたすらに歩いていく草刈正雄。徐々にホームレス化を進行させつつ、目指すは南。どこまでも南。さいわい、北米から南米はそのまま陸続きで歩いていけますからね。てくてく、てくてく。途中、神と対話したりしつつ、どこまでも歩いていく草刈正雄です。

一方、こちらはアルゼンチン突端のとある集落。砕氷船で避難した人類最後の生き残りたちが定住した村のようです。しかし、おかしいですね。みんなダルそうな感じでやる気ゼロっぽいですよ。「まもなく冬がやってくる。食糧が心細い。北に向かうべきだ」とラツール博士が声をかけても、「どうでもいいわ」と動こうとすらしません。やはり4年におよぶ希望の持てない生活が、みんなの心を蝕んでしまったようです。そんな様子を辛そうにみていたオリビア・ハッセーは、ひとり小屋をでました。海辺に行き、暖房のための木切れを拾うオリビア・ハッセー。ん? おや? 何か向こうからやってきます。ホームレスでしょうか。いえ、違う。あれは、あれは……「ヨシズミ。ヨシズーミ。ヨシズーミ」叫びながら駆けよっていくオリビア・ハッセー。草刈正雄もヨロヨロと走りだします。それを聞いたラツール博士も「奇跡だ。奇跡が起こった」と走りだしました。ついでにみなさんもウワーっと走りだします。もう、みんなで走っちゃえ。

オリビア・ハッセーと抱き合った草刈正雄は言います。「ライフイズワンダフル。ライフイズワンダフル」。感動的なテーマ曲が盛り上がり、たくさんのペンギンさんたちがワシワシしたり、キレイな南極の風景が映ったりするのです。おしまい。


最初に言っておきますと、この映画好きです。今から考えるとかなりバカっぽいところも目立ちますが、公開当時は感動しながら観たものです。ま、どこらへんに感動したかは覚えてないんですけど。

それはともあれ、この映画、テーマが壮大だし、これだけのスケールの映画を日本人が作ったというのは褒めていいんじゃないかと。当然CGなんかありゃしないので、実際に南極でフィルムを回し、本物の潜水艦を借りてくる。俳優だって、ナポレオン・ソロなロバート・ボーンをはじめ、ジョージ・ケネディやグレン・フォードなどメジャーどころをそろえてます。ジャパン・アズ・ナンバーワンが書かれたのは、この前年の1979年ですが、なんていうか、この頃の日本のイケイケな雰囲気も伝わってくるようです。もちろん、金を使えば、そして色んな意味でハデにやりさえすれば傑作ができるワケではありません。その点で、この映画も「二流のハリウッド映画」と言えないこともないでしょう。だけど、ちょっと待ってください。今までの日本の映画でホワイトハウスの地下にひみつ基地を作っちゃった映画があるでしょうか。その気概を考えると、トホホと苦笑しつつも、この映画を観る価値はあるというものです。



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