いくらおにぎりブログ

邦画中心の映画感想ブログです。ネタバレがありますのでお気をつけ下さい。

【映画】Returner リターナー

2007-10-20 | 邦画 や~わ行

【「Returner リターナー」山崎貴 2002】を観ました



おはなし
異星人に絶滅寸前まで追い込まれた2084年の未来から、ミリという少女が2002年の日本にやってきました。最初の異星人を倒して未来を変えるためです。リターナーミヤモトの協力を得たミリは果たして目的を達成できるのでしょうか……

「ALWAYS 三丁目の夕日」で、全国を爽やかな感動に叩き込み、「デジタル山田洋次」の座を狙っている(かもしれない)山崎監督の作品です。

まず舞台は未来から。
「ここはもう持たないと伝えてくれ」と伝令を頼まれた少女(鈴木杏)。しかし、敵の攻撃は激しく、基地内部は阿鼻叫喚。未来を変えてくれとリーダーに頼まれた少女は、光に包まれた薄切り土管みたいなものに、ぴょーんと飛び込むのでした。

さあ、ここからはデジャヴのオンパレードですよ。細かい話はすっとばして、なるたけ簡単にいきますね。

金城武が演じるのは、リターナーと呼ばれる職業の男・ミヤモト。いまいち、どんな仕事かは不明ですが、ブラックマネーを強奪して、依頼者に返す仕事らしいです。もっとも「返す」というからには、依頼者も悪なんでしょうが、そこらへんは意識的に触れられていないような。ともあれ、今日もマトリックスばりのカンフーもどきアクションで、悪をけっちょんけっちょんにやっつけていたんですが、中ボスの顔をみてビックリ。中ボスの岸谷五朗は、金城武がまだ幼いときに、親友をさらって、内臓を売り飛ばした悪のチャイニーズマフィアだったのですから。

ぶっ殺したると怒りに震える金城武ですが、そこにとんだ邪魔が入りました。まるでターミネーターみたいに、空中がバチバチっと放電したかと思うと、鈴木杏が降ってきたのです。おかげで、岸谷五朗には逃げられガックリな金城武ですが、しかたなく鈴木杏をつれて情報屋のもとに帰るのでした。ちなみに情報屋を演ずるのが樹木希林。いや、いかにもすぎて、困っちゃいます。

なんとなく金城武を部屋にいついた鈴木杏は「あたし、ミリ。重大な任務があるんだ。協力してくれ」と金城武に頼みます。もっとも金城武の首に爆弾を付けてるので、純粋な意味での「お願い」じゃないと思いますが。

仕方なく、樹木希林のところで車と武器を調達して、鈴木杏に付き合ってイブスキ山に向かう金城武。しかし、イブスキ山周辺は、自衛隊がガッチリと固め、入れる様子もありません。

とにかく何を追っているか知らせろ、という金城武。そんなことも知らなかったなんてウッカリさんですね。「宇宙生物だよ。さっきの場所に墜落を装って、最初の一匹が来た。わたしはそいつを殺すためにこの時代に来た。未来から」と答える鈴木杏。ポンワワワーンと回想シーンに。

2084年。チベット高原では人類最後の生き残りが、ダグラーと呼ばれる宇宙生物と戦っています。しかし、敵はハリアー戦闘機にそっくりな擬態宇宙船を投入したり、高性能バリアを駆使したりして、はっきり言って戦闘力は人類の数段上。なんで80年かかっても人類を滅亡させられないんだよ、というくらい高度な科学力を持っているようです。

しかし、人類にだって希望はあるのです。それは戦略時間兵器を使うこと。まあ、ブッチャケのところタイムマシンですね。基地内に潜入した敵に、志願者たちがバタバタとやられ、最後の最後。間一髪でタイムマシンに飛び込むことができたのは、鈴木杏だったのです。ということで、回想終わり。

「私は、その未来に起こる戦争を先手を打って止めにきた」という鈴木杏。「最初の一匹を殺したら、もしかしたら戦争は止められるかもしれない」

もしかして、っていうのが頼りなくて素敵です。ターミネーター2だと、サイバーダインシステム社の開発者を殺すという、明確かつ効果的な方法を狙いますが、この場合「最初の一匹」だけ倒して意味があるのか、まったく分かりません。

ま、それはともかく、疑っている金城武をソニックムーバー(という名前の加速装置)で信用させた、というか黙らせた鈴木杏ですが、とりあえずダグラはどこにいるのやら。

はい、ダグラは国立宇宙開発研究所第二研究所にいました。宇宙船と共に捕獲されているようです。そこにやってきたのは岸谷五朗。岸谷五朗の属するチャイニーズマフィアは、ありとあらゆるところに協力者を持っているので、スゴイものが見つかったとの連絡を受けて、早速見物に来たのです。

岸谷五朗が、つかまっている宇宙人をグリグリいじってみると、宇宙船もグリグリ動きます。その上、いきなりドッカーンと発砲したではありませんか。壁を突きぬけ、車を吹き飛ばし、遠く離れた山のてっぺんが吹っ飛んでしまうほどの威力です。

樹木希林から話を聞いた鈴木杏は、研究所にダグラがいることを確信しました。早速、金城武と二人で研究所に潜入。さすがに、金城武も宇宙船を見たら全てを信じたようです。ところが宇宙人を見て「こいつじゃない」と言い出す鈴木杏。確かに、宇宙人はどうみても「E.T.」。とりあえず「いーてぃー」って言いながら指を合わせたくなっちゃいそうで、悪い奴には見えません。

そこに乗り込んできたのは岸谷五朗。傭兵を連れて、宇宙人と宇宙船を奪いに来たのです。怒りの表情で銃を突きつけあう金城武と岸谷五朗。しかし、ここでは岸谷五朗の方が上手だったようで、二人はスタコラ逃げ出し、岸谷五朗は研究所を爆破して、宇宙人と宇宙船をかっさらっていったのです。

またも樹木希林の活躍で、岸谷五朗たちが海上油田に潜伏していることを知った二人。しかし、敵もさるもの、二人の居場所を突き止め襲ってきたのです。とりあえずバイクで逃げる二人。追う悪者。金城武は、追いかけてくる敵に、バイクでスピンターンをかまし、銃を構え。って、これは丸々、ミッションインポッシブル2ですね。もっともトムさまの乗っていたのは、トライアンフのスピードトリプル。金城武が乗っているのはヤマハのXJRですから、とりあえず金城武を「勝ち」にしておきます。いや、個人的にXJRが好きなだけなんですけどね。

まあ、そんなこんなで油田に潜入した二人と、岸谷五朗部隊の戦いが、マトリックスな感じで進行。しかし時間がありません。いーてぃーは死んじゃいそうだし、理由はさっぱり分かりませんが夜明けまでにいーてぃをイブスキ山に連れて行かないとタイヘンなことになっちゃうんですから。

「ダメだ、この子死んじゃう」と、弱音を吐く鈴木杏。知らない間に「この子」に昇格したのも外見がいーてぃだからでしょうね。「まだ間に合う」「俺がついてる」と励ます金城武。さすが頼もしいです。

案の定、金城武は岸谷五朗に勝ちました。さすがリターナー。もっとも、加速装置の助けを借り、爆発は宇宙船に飛び乗ってやり過ごし、その上、宇宙人のバリアの力も借りてますけど。なんか、素の状態では岸谷五朗の方が、パワー百倍なんじゃないでしょうか。

ぬーっ。油田の下からJALのジャンボジェットが浮き上がってきましたよ。ガシャン、ガシャン。見る見るうちに変形していきます。これは擬態宇宙船ではありませんか。この点だけは、パクリと言わせない。洋画トランスフォーマーがパクリじゃあ、と国粋主義者の方が喜びそうです。まあ、確かにジャパンオリジナルではあるけど……

宇宙船のキャノピーが開くと、ボバ・フェットみたいな宇宙人が出てきました。こ、こいつらこそ悪名高いダグラ。と、思ったら、バイザー部分がパカっと開き、出てきましたよ。いーてぃーが。実は、取っ捕まっていたいーてぃーは、迷子になったゲート・ダグラで、それを助けようと仲間が必死だったのです。

よく分かんないですけど、迷子いーてぃーを確保したダグラたちは、満足したようです。マザーシップは、空間をねじ曲げワームホールみたいなものを作り、どこか宇宙の彼方に跳んでいってしまいました。おお、このワームホールこそゲートで、それを作れるのが迷子のゲートダグラだけだったんでしょうか。いや、まったくの想像ですけど。

「終ったね」「そうだな」「これで戦争起きないよね」「そうだな」

とりあえず、メデタシメデタシみたいです。鈴木杏の体がみるみるうちに透き通っていきます。未来がいい方向に改変されたので、この時間軸から消えていくのです。どうして、そういう理屈が成り立つのかは、さっぱり見当がつきませんけど。

樹木希林の店に戻った金城武は、銃を返しリターナーを辞めることにしました。「もうちょっとマシな未来を探してみる」とか言っていますが、金城武を狙っている人間も多いので、うまく引退できるかどうか。降りしきる雨の中、表に出た金城武は、渋くタバコなんかくわえて「ちゃんと帰れたかな」とつぶやきます。そこに、イカレタ男が一人走ってきましたよ。バンっ。発砲しました。倒れる金城武。くずおれた体に、いつまでも雨が降り続けます。しかし……。まあ、時間旅行モノですから、ここからはもうひと展開ありますが、それは観てのお楽しみということで。

まじめに時間旅行モノとして考えちゃうと、穴がありまくりの映画です。そもそも多元宇宙論に基づいているのかどうかも分からないし、タイムパラドックスをどう考えているのか。それはともあれ、特撮に関してはかなり力が入っていました。「全ての芸術は模倣である」という観点に立てば、「パクリ」も「オマージュ」とか「リスペクト」に言い変えることもできそうですし。ただ、実際問題として、中国のキティちゃんを見ているような、脱力感を感じちゃうのも事実です。でも、それでも、そうは言いつつも、アメリカから完全に遅れてしまったCG技術に追いつけという気概は感じるので、個人的には認めてあげたいと思います。ただ、いつまでも「追いつけ」じゃしょうがないので、追いつけ「追い越せ」が大事ですよね。

岸谷五朗の演技は、さすがリアルツッパリだっただけあって迫力満点。この手の役は、やり過ぎるくらいやった方が小気味よいので、とても満足です。鈴木杏の演技も、さすがに安定度満点。子役から芝居をしているので、そつなく演じていたように思います。

それで金城武ですね、問題は。金城武の場合、演技派と言うイメージはゼロですし、台詞回しについてもかなり危うい部分がありまくりです。でも、観てみた感じは、「いいじゃん」です。周りに芝居ができる人を置いておけば、主人公はヘタでも構わないんです。それよりなにより雰囲気があるかどうか、これがいちばん大事。それに、この映画はキアヌ・リーブスやトム・クルーズの向こうを張らなきゃいけないんですから、並大抵のルックスではバカみたいに見えますが、金城武なら充分対抗できますしね。

ともあれ、色んなマイナス要素を差し引いても、観終ってみれば、これでいいんじゃないかなと思えました。ただ一つだけ、樹木希林の乗っている車がシトロンの2CVっていうのは、ベタすぎて恥ずかしいです。普通にアルトとかに乗っている方がオシャレでは。







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4 コメント

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山崎監督→続・三丁目の夕日→ビジネス特急”こだま”→Kawasaki (タラン)
2007-10-21 19:36:38
いくらおにぎりさん、こんばんは。

何とも、長いタイトルですみません(笑)。
あ、あと「リターナー」も、山崎家督以外は関係ないのでこりもごめんなさい(^^;)
それから、マニアックな話題が炸裂しますので、こりもご容赦くだされたし(^^;;;)

さて、山崎監督の”ALWAYS 続・三丁目の夕日”ですが、予告編を見ると、何やらビジネス特急”こだま”が重要な舞台になりそうな気配。
JNRのマークを颯爽と輝かせたボンネット型特急のこだま型こと151系(デビュー当時は20系)は、やはりカッコいいですなあ。
で、今日、三丁目の夕日特集が組まれた「ビックコミックオリジナル」を買ってみると、お、Kawasakiが宣伝しているぅ。もちろん、川崎重工(川崎車両)が製造した151系の写真がばーんと出ています。

川崎重工は、気動車の生産こそ少ないのが玉に傷ですが、他にも新幹線0系や103系通勤電車など数多くの名車を製造している、鉄道車両の名門です。
となると、テツの乗るバイクは、必然的にKawasakiになるよねえ(笑)。
というようなことをBALIUSでのツーリングの後に考えた今日一日。
気動車は空気を噴射して動く(のかも) (いくらおにぎり)
2007-10-22 17:00:08
ううっ、タランさん、何言ってるんだか全然分かんないよ。気動車って何さ。さすが、鉄ちゃんのうえに、高校の旅行委員(笑)。

まあそれはともかく、カワサキファンなのは良く分かりました。また今度、ツーリングしましょうね。エストレヤも絶好調なので、今度はバリバリ走りますよー。

ところで、TDMの後継にZRXを考えていたんですけど、モーターショーに出るホンダのCB1100Fを見て、気持ちがグラグラしています。ほ、欲しい。
翻訳するとね (タラン)
2007-10-22 20:18:52
いくらおにぎりさん、こんばんは。

あは。マニアックに過ぎましてすみません(^^;;)
”気動車は空気を噴射して動く”
いや、最高です(笑)
うーん、普通の人はこう思うのだろうなあと納得。
で、翻訳するとね、ディーゼルカーなんです♪
すんません、ディーゼルフェチなもので。あは。

ところで、CB1100Fは空冷インライン4ですよね。
こりは、シビレル要素大です。
スタイルも、懐かしさを感じつつも、リアのフェンダーあたりが新鮮ですねえ。
CB1100Rは、レプリカにツインショックというのがちょっとお間抜けな感じがしますが、Fはいいなあ。
出ますように (いくらおにぎり)
2007-10-23 09:42:44
電車の世界は良く分かりませんねえ。ディーゼルのことでしたか。確かにタランさんはディーゼルフェチだった(笑)

Fカッコいいですよね。この時期に空冷の新エンジンを設計するという心意気も素晴らしいし。知り合いのバイク屋さんによると、モーターショーの評判しだいで、お蔵入りもあり得る、とのことなので、ドキドキですよ。出るといいなあ。

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