気ままに戯言 ・・・

日々の出来事であったり、見聞きしたものへの感想であったり、時には不動産の知識や裏話であったり、気ままに書き綴ります。

大きいことはいいことか?

2017年02月16日 | 業界裏話
 同業者のお仲間さんとお酒を共にする機会があると、ここのところあまり聞きたくもない話がチラホラ出ます。「〇〇〇〇がヤバそうだってヨ!」「〇〇〇〇は事務所建物、売りに出したみたいヨ!」・・・昨年には好意にしていた友人の会社が倒産してしまいましたので、立て続けにそういう話を聞くと、どうしても気持ちが暗くなります。こうしたお酒の席で聞く話、実際にはまだ現実となっていないのでしょうが、人の噂は次から次へと早いスピードで駆け回り、当の本人すら知らぬ処で、既に会社は潰されているが如くです。私自身がまったく知らない、面識のないお相手ならともかく、一度でもお会いしていたり取引を行わせて頂いた会社の話であれば、本当に落ち込みます・・・。

 やはり、手広く事業を行っている会社の方がそういう話、多いですね。土地を買って分譲を行う、或は買った土地に建売住宅を建てて販売する・・・当然にその資金は銀行から借入を起こし、大きな額の返済が伴う訳ですから一種の冒険です(現金をしこたま持っている人なら問題ナシ! )。その上に、何人もの従業員を抱えておれば待った無しに給料が出てゆく訳で、販売物件が長期間塩漬けとなれば当然に苦しむことになるでしょう。会社を大きくするということは経営者にとって夢でもあろうし、人の雇用は社会的貢献をすることでもありますから立派なことなのですが、万一、倒産の憂き目に遭えば経営者はもとより、従業員も路頭に迷わせ、特に不動産・建築という業種にあっては顧客にも大きな迷惑を被らせることになりかねません。

 私も会社創業時にはよく先輩業者さんから「何で社員を雇って拡大しない?」「何で買い取りをやって自社物件を販売しない?」と言われたものですが、私は自分自身の力量が分かっているつもりです。自分で言うのも何ですが、どちらかと言えばエンジニアタイプなのかな? 携わる仕事には執着し入れ込みますが、人を使う技量となるとまた別です。住宅ローンくらいは別として、借入れなど起こせば心配で心配で夜も眠れなくなりますし・・・なんせ小心者なので 。会社勤めの頃は管理職が長かったですが、その小心者が禍して、あ~でもないこ~でもないとピーチクパーチク小言ばかり言い、決して部下に好かれる上司とは言えなかった、と顧みています・・・だからダメなのです・・・上にも文句ばかり言いますし

 ですから、独立後の今のスタンスは誰が何と言おうと正解だったと思っています。ウチは決して潰れたりはしません。借金もないし従業員もいない。ちょっと仕事が低調であってもお茶漬けすすりながら持ち堪えれば良いのだし・・・精神的に楽です。今、いつも心掛けているのは出来るだけ長く営業し、取引して下さったお客様に決して迷惑などお掛けしないこと。売買に伴って何かあればいつでも相談に乗れ、また協力もさせて頂ける存在として営業し続けることを大事としています。会社というのは得てして大きくすればするほど、顧客への利益提供という点から目が遠のいてゆくのではないのかな? 綺麗なキャッチフレーズやポリシーをいくら掲げても、会社の利益を優先しなければ存続すら危ぶまれるのですから・・・。


4 コメント

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賛成いたします。 (飯田)
2017-02-19 09:31:33
「顧客開拓のためのセミナー」「事業拡大のハウツウ」など、その手の講習は世にあふれておりますが、事業拡大ばかりが能ではないのでは?・と感じております。「現状維持して堅実に経営するためのセミナー」など企画しても、セミナー運営側は儲からない。だからその方向のセミナーが少ないわけで、個人事業主の理想のあり方が、事業拡大にのみ存するかと言えば大いに疑問であります。
ですよね・・・! (landsearch)
2017-02-19 14:22:06
飯田さん、こんにちわ!

そうですよね! 記述したように、「会社を大きくするということは経営者にとって夢でもあろうし、人の雇用は社会的貢献をすることでもありますから立派なこと!」なのですが、倒れてしまっては元も子もありません。かえって大勢の方に迷惑を掛けてしまいますし・・・。

業種にもよりますが、身の丈に合った在り方というのは大事ですし、逆に言えばそれこそ勇気も必要だと思っています。確かに「現状維持して堅実に経営するためのセミナー」というのがあったら、参加者は淋しい限りかもしれませんね。セミナーというのはテーマによって人の気持ちを煽り、その気にさせてナンボ、という側面もありますから、その手のセミナーに私はあまり興味を持てません。
セミナー企画側は (飯田)
2017-02-19 18:02:31
セミナー企画側は当然にそれ自身が営利企業なので、「事業拡大の秘訣!」と銘打って、自社の関連事業者を紹介したり、顧客管理ソフトを売りつけたり、経営指南と称してコンサルタント契約を持ちかけたり、いろいろセールスをかけてくるのですよね。一時期勢いが良くてもゴールに到達できないのでは意味がありません。無事これ名馬。低成長&人口減少時代の日本では、事業規模拡大などのリスクはなかなか取れません。上杉鷹山の伝記を読み返し、いぶし銀の経営を目指したいです。
お早うございます! (landsearch)
2017-02-20 09:13:31
飯田さんも事業を営んでいらっしゃるのですかね?

上杉鷹山・・・私も傾倒している一人です。「為せば成る・・・」大好きな言葉ですが、この時代、何でも為せば成るが通用する時代ではなくなっている面があるかもしれません。為すべきか、為さぬべきか? 熟慮して判断しないと恐さがあるでしょう。

私のところにも毎日毎日、セミナーへの参加募集広告がFAXで送られてきて辟易していますが、悩み迷う人の中には容易とそれにすがる人がおられるのでしょうね。ま、これはそれぞれの人の価値観ですので、単純に批判すべきことではないですけどね。

何れにしても難しい時代です。既存の知識や経験があまり役に立たぬ時代。そこを乗り越えるには今迄にない新しい発想を開拓するか、或はコツコツと信頼を勝ち得、地味に努力してゆくしかないのでしょう。

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