甘い生活 since2013

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写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

コンビニ人間 村田沙耶香 2017

2017年03月11日 08時21分03秒 | 本と文学と人と
 人に勧められて、村田沙耶香著「コンビニ人間」を読んでいます。もうあと少しというところまで来ました。本当なら、昨夜読み切るところだったんだけど、23時を過ぎると、急速に眠くなってきて、そのまま寝てしまいました。だから、もうあと少し先があります。

 でも、少し書いておこうと思ったので、途中だけど書いておきますね。どんな結末が待っているのやら……。

 コンビニは、たくさんの音がする場所だという書き出しがあります。いろんな音がして、それが仕事を進めていく上で、いつもの手順・リズムとして聞いて、主人公はコツコツ仕事を始めていくようでした。

 若い作家さんかなと思っていたら、1979年生まれで、40手前のアラフォー女子の方です。ニュースでチラッと見ただけで、コンビニで働いたこともある、それなりに体験・経験も積んできた人なのだ、くらいの知識しかありませんでした。

 でも、読んでいると、なかなか人を見る目がおもしろいなと思うし、人に対する接し方がこういう人がいたのかもしれないなと思ったんでした。

 主人公が小学校の頃、男の子同士がケンカをしていた。やめさせようと女の子たちが騒いでいる。そこで主人公は、スコップか何かで男の子をひとり黙らせて、ついでに次の男の子も黙らせようとしたところで先生に止められてしまう。スコップで人をなぐることはどうなることなのか、というのが抜け落ちている。そうなんですね。人が痛い思いをするより、目的を達成した方がいいという、ものすごく現代的な人々の感覚なのかなと感心したくらいです。

 まわりの人たちは、彼女がそんな暴力というか、ムチャクチャなことをしたというので驚くけれど、彼女としては、みんなが困っている男の子たちのケンカを止めるには、このミッションをクリアする最善の方法は、ひとりずつ黙らせるしかない。そのための手っ取り早い方法として凶器でぶんなぐった。それがどれほど恐ろしいかよりも、黙らせることに重きを置いた行動だった。

 こういう若い人というか、大人でもそうだけど、今の世の中は、1つのことを実現するための手段を選ばない世の中なのだと思われます。ものすごく今風の対応なのです。

 主人公は、いつくかの問題を抱えながら(本人としては、みんなの願いを叶えてあげようと努力した結果なのに、それがすべて裏目に出て、問題となる)、できれば人と関わらず、問題を起こさないようにと育っていくのでした。

 大学にも進んだけれど、そこで新たな展望が見えるわけではなく、なるべく人と関わらないということを大事に年数が経過した。ところが、ある時、近所かどこかでコンビニが開店しそうで、そこのオープニングスタッフ募集という広告を見て、大学生バイトとしてコンビニ業界に入る。

 社員ではないので、使い捨てのバイトなのだけれど、ここで「店員」となることによって、客との対応や、店の他のスタッフにまぎれることによって、社会に参加している意義を感じることができた。そしてそのまま18年が経過して、今では週五日昼勤務のバイトとしてやっている。

 バイト以外では、特別な仕事や趣味、プライベートな楽しみがあるわけではなく、淡々と毎日を過ごしている。日々の生活に不安はなく、生活らしきものは何もなく、コンビニの売れ残りや売れない商品を買ってきて、それらで生活を成り立たせている。



 こういう生活もありなのかなと、私は思いました。私だって、誰だって、好きなことをしたり、趣味があったり、仕事があるようにみえるけれど、それらだって単調な日々の繰り返しで、とくにドラマチックな要素があるわけではない。そして、私たちの日々は、常に周囲の人との関わりにおいて成り立っている。

 そこに、新入りがやってきます。新入りなのに若くはなく、30半ば、仕事はさぼりがちで、店のルールに文句ばかり言う。あろうことか、レジのひまなときにはスマホをいじり、気になる女の人の電話番号をメモしたり、とんでもないヤツがやってくる。

 とっちめられた男は、「婚活のためにバイトをすることにした。いい女を見つけて、ヒモになるのだ。だから、目をつけた女の電話番号をメモした。ストーカーまがいのことだって、女をつかまえるためには必要なことだ」とふんぞりかえるので、すぐにクビになってしまう。

 てっきりとんでもないヤツの例として出てきたのかとみていたら、この最低の男、このまま行くと警察に捕まるのかもしれない、住む家もないようだ、だったら、とりあえず自分の家に置いてやろうと考える。まるで捨て猫を保護する感覚で男を自分のアパートに連れてきます。

 男は、最初っから、主人公なんて女として見ていないので、生活に困っているので、捨て猫のように連れてこられ、されるがままに居候している。もちろん性的な関係はなく、男は捨て猫・野良猫のように自分のペースで、主人公の部屋で生きている。文句は言うが、自分からは何もせず、ただ混乱だけをもたらしている。



 主人公が少しでも早く、社会との接点を見つけて、何か今を突き破ることをしてくれないか、と読んでる私などは思ってますから、不安でたまらない。さあ、この奇妙な同居生活はどうなるの?

 と、思ったら、眠くなりました。ああ、残念。

 おもしろい文章がいくつかあったので、今度はそれらを抜き出して、メモしておこうと思います。おもしろさを伝え切れていないですね。

 今の若い人たちの内面が、わかるような気がして読んでましたが、自分にも思い当たるところがあって、だれもが何かに仮託しながら、それらしい人生を送っていて、コンビニ人間も、実は私たちと同じ人間なんだと思い至る、そんな感じですか。違うかな。


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1 コメント

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コンビニ人間 (k-24)
2017-03-11 20:36:11
こんばんは☆
私も、今日から、
コンビニ人間を読み始めました。
美容室で待ち時間の暇つぶしになるかな
そんなことを思って、持って行きまた。

読み始めると、本の世界にどっぷりと、
つかるような感覚、
主人公の純粋なこころに
感動したり、納得したり。
とにかく、おもしろくて、
これから、また、読みたいと思います。

同じ本を読んでいらっしゃって、
うれしくて、コメントさせていただきました^^

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