甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けるといいんですけど……。

写真や昔の切り抜きなどを発掘していきますね。

漁夫晩帰 青木繁

2017年07月23日 22時21分56秒 | わたしの好きな絵!
 6年前、京都の国立近代美術館で青木繁の回顧展を見ました。もちろん、何年ぶりかで「海の幸」を見るためと、初めて「わだつみのいろこのみや」を見るためでした。

 「海の幸」はそれなりに感動して、ああ、何年ぶりかでこの絵の前に立つことができた。何だかうれしいと思ったものでした。あと数十年かしたら、国宝にしなきゃいけないくらいの絵だと思います。それくらい彼のすべてが託されている作品です。

 「わだつみのいろこのみや」は、当時の画壇の評判が悪く、青木繁は絶望したということでした。あまりに完成された、静かな作品で、もっと過激なものが見たくなっていたお客さんにスッと受け入れてもらえなかった作品でした。

 でも、青木さんは、こちらの方面の作品を描き続けていきたかったのだと思います。家の事情でふるさとに帰らされ、それから二度と東京に出ることはなくて、亡くなるまで福岡・佐賀など北九州にいて、適当な絵を描いていた。

 表紙の「漁夫晩帰」も、大きな絵だったと思うんだけど、「何だつまらない。これがあの青木繁の絵なのか」と、さびしい気持ちがしたものでした。

 それは6年前のことでした。

 それで、今朝、NHKの日曜美術館で、青木繁さんの絵が、フランスのパリに出張しているということで、向こうの人たちに衝撃をもって受け入れられている様子を見て、改めてテレビの画面に浮かび上がるその姿を見ると、確かに生き生きとした生命感はなくて、生きていくことの辛さというのか、生きるとは何かを、わりとクールに伝えている作品なのだとびっくりしたんでした。

 もう一度、ここに出ている人たちの顔を改めて見てみたいと思うくらい、何か感じるものがありました。さて、実際に見たら、どう感じるか、それはわからないけど、テレビの画面では、「ああ、このつまらないと思った、お仕着せのテーマも、意外とその時の青木繁がこめられているのかも!」とは思いました。



 遺作の「朝日」は、最晩年の唐津の海だそうで、朝日がのぼってくるわけはないのだけれど、写生じゃなくて、心の風景としての朝日であり、たまたま見ているのは唐津だけど、最晩年の彼には北の方から登ってくる太陽が見えたのだ、と思いました。

 これは、たぶん、実際に見ても、私には感じ取れないと思うけど、とにかく唐津の海を見て描いた朝日だったのかもしれない、と思って見てみたいなあ。

 そんなことを思った朝でした。すっかり忘れていました。

 また、チャンスがあれば、見に行きたいです。近頃美術館にも行ってないですもんね。
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