ところで、私は、性格が原因かもしれませんが、仕事中は寡黙です。
誰とも話をしません。できません。
ある程度、区切りをつけたところでないと、人と話ができません。
役割柄、質問をされたりします。
それには、応じます。
嫌ではないですが、苦手です。
私の今の職場は、作業工程が”設計”段階であるためか、私と同年か、年上の人が多いです。
そのせいか、職場は、基本的に寡黙です。
若い人もポツポツいたのですが、どんどんやめていきました。
先日、営業をしているものと話をしました。
どうも今の若い子は、しゃべったりしながら和気あいあいとするのがいいと思う傾向にあるらしい。
そのため、寡黙な現場は、たえられないそうな。
なるほど・・・と思った。
前にいた現場では、私より10以上下の部下たちがいました。
和気あいあいとしゃべってましたね。
しかし、ある瞬間、瞬間では集中し、仕事を仕上げていました。
またあるとき、ある青年と話をしました。
私に年が近いのですが、彼は、私と違い、結構、若い子たちに好かれています。
それは、親しみやすく、話しかけやすいからのようです。
で、彼に聞きました。
君はよくしゃべるけど、よく仕事はこなしてるね。
よくそんなことができるね。
イヤミではなく、本当に好奇心でたずねました。
彼の返事は、私にとっては、斬新でした。
「しゃべりながら、今、悩んでいるところとかを整理しているんですよ。
整理ができて、解決しそうなら、相手がどう思おうが、会話はやめます。
解決したら、また、勝手に話題をふって、話しをします。
そのときは、次の壁にぶつかっているときです。」
「へー!」本気で感心しました。
「後、家にかえってテレビみながらも、仕事のことを考えてますね。
整理しているんですよ。」
それは、私にはできません。
私は、仕事をするときには仕事モードに切り替えます。
家に帰ったら、リラックスモードにします。
また、しゃべりながら、整理はできないですね。
他の人は、どうなんでしょう。
単に私が馬鹿で、私の処理能力スペックがシングルタスクしかこなせないだけかもしれませんが。
設計を詳細設計にするチームは、まだ若い20代前半からの人が多いです。
参加したばかりの青年から、設計について質問されました。
懇切丁寧に答えて、なにかわからなかったら、遠慮なく聞いておくれともいいました。
しかし、彼は、机についているときは、モニターを前に頭をかかえ、呪文のように、わからない、わからない・・・とつぶやくばかりでした。
そして、頻繁に席をあけていました。
気がつくと、いなくなっていました。
他に、私の席の近くにいる人が3人、やめていきました。
一人目は、いつも呪いを吐くように「わからない、わからない・・・」と繰り返していました。
二人目は、時々、煙草を吸いながら話しとかしてました。
「伊真田さん、よく客と話をしていますが、それで設計がすすみますか」と聞かれたことがありました。苦笑いで返します。
彼も、最後には自分のチームリーダーに、「わかりません」といって設計を放棄する宣言をしました。
そして、その月に去っていきました。
三人目は、いかにも若い感じの青年でした。
彼も、わからないなりに頑張っていました。
前向きに対処しているように思えましたが、先月の末にやめていきました。
多分、彼らそれぞれにはちゃんとした理由はあると思うのです。
体勢があやふうやだ、ルールがきちんと決まっていない、差し迫った状況である・・・と。
でも、それよりも、もしかすると、現場の雰囲気が悪かったのかなぁと思いました。
寡黙な状況が、彼らには耐えられなかったのかもしれません。
一人目が去った後、奇しくも、私が彼の設計を引き継ぐことになりました。
引き継ぎはしてないんですけどね。
彼の仕様書には、彼の怨念が込められていました。
”誰それの仕様書待ち”、”何々処理・未決定”
特大フォントでコメントがはいっていました。
ふと、ある設計書で、この一文がありました。
”・・・となるようだ。 by ひこにゃん”
思わずふきだす。
「こらこら・・・ごっついニーチャンが、なにをかいてるかね・・・」
私は、ひとりでこもったりするほうが性にあっているので、いいのですが。
それではたえれない人の方がおおいようです。
あなたは、どうですか。
「十人十色(1)」は、
「伊真田孝司の自由研究室」
ブログ「
なんでだろう」に、2008年10月に掲載されました。
「
十人十色(1)」「URL:
http://labo-ss.info/blog/item_366.html」