お中元シーズンに起きた日本郵政グループの郵便事業会社(JP日本郵便)が運営する宅配便「ゆうパック」の遅配問題。発生から6日が過ぎ、ようやく混乱は解消に向かい、日本郵便は7日中にも収束するとの見通しを示した。一方、総務省は行政処分を出すかどうかの検討に入った。ただ、監督官庁としてのチェックが緩く、利用者にしわ寄せが来る結果になった。
「国民に多大な迷惑をかけたのは誠に遺憾だ。報告を精査し、今後の対応を決める」
ゆうパックの遅配が続く6日朝、総務省を訪れた日本郵便の鍋倉真一社長に対し、原口一博総務相は遅配の実態や公表が遅れた理由などを7月末までに報告するよう求めた上で、行政処分を検討する姿勢を示した。その後の閣議後会見でも「準備が十分でないからこういうことが起きたんじゃないか」と語り、統合への準備不足が遅配につながったとの見方を示した。
日本郵便はこれまで、約12万通の郵便物を約2カ月間放置していた問題などで、4回の業務改善命令を受けている。総務省は今回も業務改善命令を軸に検討するとみられる。
そうはいっても、総務省が全くの第三者というわけではない。今回の遅配の原因の一つは、お中元で荷物が増える7月にあえて統合に踏み切ったことだが、総務省は2月末、日本郵便が提出した「7月1日統合」との事業計画を認可したからだ。
繁忙期の7月に統合することに問題があることは、総務省も認識していた。それでも最終的にゴーサインを出したのは「(日本郵便側から)夏季繁忙期を念頭に要員の確保や十分な訓練期間の確保に対処するとの説明を受けた」(原口総務相)からだという。
ただ、当事者の説明を聞くばかりで、監督官庁として、利用者側に立って準備状況をすすんでチェックする態勢は整っていない。金融庁が金融機関の統合の準備状況を細かく区切って監視し、不十分と判断すれば統合延期を求めてきたのとは対照的だ。
原口総務相はまた、吸収前のペリカン便の受け皿会社の赤字が7月までで963億円にのぼる見通しだったとして、「経営的な観点から一刻も先送りが許されない状況だった」と釈明した。利用者への影響を心配するよりも、経営状態を優先した面はある。
この日の会見で、原口総務相は、郵政民営化路線を推進した西川善文・日本郵政前社長ら前経営陣を批判。前経営陣が赤字体質のペリカン便とゆうパックの統合を強引に推し進め、それがさまざまな混乱の出発点になった、という点を強調した。
原口総務相は鍋倉社長に対しても「(遅配の)言い訳にはならないが」と断ったうえで、「日通との統合は(自民党の)前政権下で進められた民営化、事業計画もない状態で手続きだけが進んだ当時のガバナンス(企業統治)の脆弱(ぜいじゃく)性を象徴する事案だ。それを引き継いだ経営陣は、大変なご苦労があるかもしれない」と同情の言葉をかけた。だが、民営化をめぐる政治や主張の対立が組織を混乱させ、利用者優先の仕組み作りを不十分にさせた面もある
「国民に多大な迷惑をかけたのは誠に遺憾だ。報告を精査し、今後の対応を決める」
ゆうパックの遅配が続く6日朝、総務省を訪れた日本郵便の鍋倉真一社長に対し、原口一博総務相は遅配の実態や公表が遅れた理由などを7月末までに報告するよう求めた上で、行政処分を検討する姿勢を示した。その後の閣議後会見でも「準備が十分でないからこういうことが起きたんじゃないか」と語り、統合への準備不足が遅配につながったとの見方を示した。
日本郵便はこれまで、約12万通の郵便物を約2カ月間放置していた問題などで、4回の業務改善命令を受けている。総務省は今回も業務改善命令を軸に検討するとみられる。
そうはいっても、総務省が全くの第三者というわけではない。今回の遅配の原因の一つは、お中元で荷物が増える7月にあえて統合に踏み切ったことだが、総務省は2月末、日本郵便が提出した「7月1日統合」との事業計画を認可したからだ。
繁忙期の7月に統合することに問題があることは、総務省も認識していた。それでも最終的にゴーサインを出したのは「(日本郵便側から)夏季繁忙期を念頭に要員の確保や十分な訓練期間の確保に対処するとの説明を受けた」(原口総務相)からだという。
ただ、当事者の説明を聞くばかりで、監督官庁として、利用者側に立って準備状況をすすんでチェックする態勢は整っていない。金融庁が金融機関の統合の準備状況を細かく区切って監視し、不十分と判断すれば統合延期を求めてきたのとは対照的だ。
原口総務相はまた、吸収前のペリカン便の受け皿会社の赤字が7月までで963億円にのぼる見通しだったとして、「経営的な観点から一刻も先送りが許されない状況だった」と釈明した。利用者への影響を心配するよりも、経営状態を優先した面はある。
この日の会見で、原口総務相は、郵政民営化路線を推進した西川善文・日本郵政前社長ら前経営陣を批判。前経営陣が赤字体質のペリカン便とゆうパックの統合を強引に推し進め、それがさまざまな混乱の出発点になった、という点を強調した。
原口総務相は鍋倉社長に対しても「(遅配の)言い訳にはならないが」と断ったうえで、「日通との統合は(自民党の)前政権下で進められた民営化、事業計画もない状態で手続きだけが進んだ当時のガバナンス(企業統治)の脆弱(ぜいじゃく)性を象徴する事案だ。それを引き継いだ経営陣は、大変なご苦労があるかもしれない」と同情の言葉をかけた。だが、民営化をめぐる政治や主張の対立が組織を混乱させ、利用者優先の仕組み作りを不十分にさせた面もある










